リード管理とは、見込み顧客に関する情報を一元管理し、状況に応じたアプローチにつなげるための仕組みです。
「施策を動かしているのに商談が増えない」「獲得したリードが、その後どのようにフォローされているのか分からない」
BtoBマーケティングでは、このような課題が生じることがあります。
本記事では、リード管理の基本的な考え方から、マーケティングと営業の連携、リード情報の管理方法、MQL・SQLの設計、スコアリング、ツール活用まで、BtoBでリード管理を構築・運用するための考え方を順に解説します。
リード管理とは何か
リード管理とは、見込み顧客に関する情報を整理し、現在の状況や過去の接点を把握しながら、次のアプローチにつなげるための仕組みです。
単に企業名や担当者名を一覧で管理することではありません。
BtoBでは、マーケティングで獲得したリードを継続的にフォローし、必要に応じて営業やインサイドセールスへ共有し、その後の商談結果まで確認できる状態をつくることが重要です。
リード管理では、主に次の3点を整理します。
1つ目は、見込み顧客の情報や現在の状態を把握できるようにすることです。
2つ目は、その状態に応じて、次にどのようなアプローチを行うのかを決めることです。
3つ目は、マーケティングと営業が共通の基準でリードを扱えるようにすることです。
リード管理は、見込み顧客の獲得・育成・営業への引き継ぎまでを考えるデマンドジェネレーションの中でも、リード情報とその後の対応を管理する役割を担います。
デマンドジェネレーション全体については、デマンドジェネレーションの全体像で詳しく解説しています。
リードとは何か|BtoBでは個人だけでなく企業や購買グループも見る
リード(Lead)とは、自社の商品・サービスの顧客になる可能性がある見込み顧客を指します。
たとえば、
- 展示会で名刺交換した担当者
- Webサイトから資料をダウンロードした人
- ウェビナーへ申し込んだ人
- 問い合わせをした企業の担当者
などがリードとして管理されます。
BtoBで注意したいのは、担当者一人だけを見ていても、実際の購買状況を十分に把握できない場合があることです。
BtoBの購買では、実際に利用する担当者だけでなく、
- 上長
- 部門責任者
- 情報システム部門
- 購買部門
- 経営層
など、複数の関係者が検討や意思決定に関わることがあります。
そのため、担当者個人の行動だけでなく、
- どの企業に所属しているのか
- 同じ企業のほかの担当者と接点があるか
- どの部門が検討に関わっているか
- 企業全体としてどのような商談状況にあるか
といった情報もあわせて確認します。
つまりBtoBのリード管理では、個人のリード情報と、企業・購買グループの情報を関連付けて見ることが重要です。
リードの種類|MQL・SQL・SGLの違い
リード管理では、リードの状態や獲得元を区別するために、MQL・SQLなどの用語が使われることがあります。
ただし、これらの定義は企業によって異なるため、用語そのものよりも「自社ではどの状態を指すのか」を明確にすることが重要です。
代表的なものは次の通りです。
- MQL(Marketing Qualified Lead):属性や行動などをもとに、マーケティング部門が優先的なフォロー対象として判定したリード
- SQL(Sales Qualified Lead):営業部門が確認し、具体的な営業対応や商談化を進める対象として判断したリード
- SGL(Sales Generated Lead):営業活動を起点として獲得されたリード
たとえばMQLでは、業種や企業規模といった属性に加えて、資料ダウンロードやウェビナー参加、問い合わせなどを判断材料にする場合があります。
ただし、資料をダウンロードしただけでMQLになるとは限りませんし、すべての企業でMQLからSQLという順番を採用する必要もありません。
自社の営業プロセスや組織体制に合わせて定義します。
SGLは、SiriusDecisionsが過去に提示していたDemand Waterfallで使われていた区分の一つです。マーケティング起点のMGL、テレプロスペクティング起点のTGL、営業起点のSGLというように、需要の発生元を分けて管理する考え方がありました。
なお、現在のForresterでは、個人単位のリードだけではなく、複数の購買関係者からなるBuying GroupやDemand Unitを中心に管理する考え方へ発展しています。
実務上は、こうしたフレームワークをそのまま導入することより、マーケティングと営業でMQL・SQLなどの定義を共有し、どの状態になったら誰が対応するのかを決めておくことが重要です。
MQLとSQLの違いや、営業への引き継ぎルールについては、MQLとSQLの定義とSLA設計で詳しく解説しています。
リード管理とCRM・SFA・MAツールの違い
リード管理と、CRM・SFA・MAは同じものではありません。
リード管理は、見込み顧客の情報や状態をどのように管理し、次のアクションにつなげるかという考え方・運用プロセスです。
一方、
- CRM:顧客・見込み顧客との関係や情報を管理する
- SFA:営業活動や商談の進捗を管理する
- MA:メール配信やリスト管理、行動データの取得などマーケティング活動を支援・自動化する
といったツールは、その運用を支えるために利用します。
そのため、CRMやMAを導入しただけで、自動的にリード管理が整うわけではありません。
ツールを活用する前に、
- どの情報を管理するのか
- リードをどのような状態に分類するのか
- どのタイミングで誰が対応するのか
- マーケティングと営業でどのように情報を共有するのか
といった運用を整理しておく必要があります。
そのうえで、CRM・SFA・MAを使って情報管理や通知、メール配信などを効率化する、という順番で考えると運用へつなげやすくなります。
BtoBでリード管理が難しい理由
BtoBのリード管理が難しい背景には、主に3つの特徴があります。
1つ目は、購買に複数の関係者が関わることです。
2つ目は、検討期間が長く、その間に見込み顧客の状況や関心が変化することです。
3つ目は、マーケティングと営業で「どの状態のリードを優先するか」の認識がずれやすいことです。
意思決定に複数の関係者が関わる
BtoBでは、担当者一人だけで購買を決めるとは限りません。
Gartnerが2025年に公表した調査では、BtoBの購買グループは5〜16名に及ぶとされています。また、Forresterの2026年調査では、典型的な購買意思決定に社内13名の関係者が関与すると報告されています。
関係者には、たとえば次のような人が含まれます。
- 実際に商品・サービスを利用する担当者
- 部門責任者
- 情報システム部門
- 購買部門
- 経営層
それぞれの立場によって、確認したい情報も異なります。
実際に利用する担当者であれば使いやすさや業務負荷、情報システム部門であればセキュリティやシステム連携、経営層であれば費用対効果を重視する場合があります。
そのため、BtoBのリード管理では、担当者個人の行動だけではなく、同じ企業の中で誰が検討に関わっているのか、企業全体としてどのような状況にあるのかを見ることが重要です。
検討期間が長く、その途中で状況が変わる
BtoBでは、商材や契約金額によって、最初の接点から商談・受注までに一定の期間がかかることがあります。
その間に、
- 社内で予算が確保される
- 担当者が情報収集を再開する
- 検討の優先順位が下がる
- 担当者や意思決定者が変わる
- 一度見送った案件が再び動き始める
といった変化が起こります。
そのため、最初に接点を持った時点の情報だけでリードの状態を判断し続けるのではなく、その後の行動や商談状況も確認できるようにしておく必要があります。
Sells upが支援した株式会社CLUE様では、3日連続でサービスページを訪問したユーザーを検知し、インサイドセールスへ自動で連携する仕組みを構築しました。
Webサイトへの訪問だけで購買意欲や受注確度を判断できるわけではありませんが、過去に獲得したリードの中で再び関心が高まっている可能性を捉え、フォローのきっかけにすることはできます。

マーケティングと営業でリードの判断基準がずれやすい
もう一つの難しさが、マーケティングと営業でリードを見る基準が異なりやすいことです。
たとえば、マーケティングでは「ウェビナーに参加した」「サービス資料をダウンロードした」といった行動を、営業へ共有する判断材料にすることがあります。
一方、営業では、
- 自社のターゲット企業に該当しているか
- 具体的な課題があるか
- 導入時期が見えているか
- 商談として対応できる状態か
といった情報を重視する場合があります。
そのため、マーケティングでは優先度が高いと判断したリードでも、営業から見ると「まだアプローチする段階ではない」と判断されることがあります。
こうしたずれを減らすには、どのような状態になったら誰がフォローするのかを、マーケティングと営業であらかじめ整理しておくことが重要です。
ツールでリード情報を共有できるようにするだけではなく、判断基準や対応方法まで共通化することが、BtoBのリード管理では求められます。
リード管理の3つのプロセス
リード管理では、主に「獲得」「育成」「絞り込み」の3つのプロセスを扱います。
一般的には、
リードジェネレーション(獲得)→リードナーチャリング(育成)→リードクオリフィケーション(絞り込み)
という流れで整理すると分かりやすくなります。
ただし、すべてのリードが必ずこの順番を通るわけではありません。問い合わせの内容によっては獲得直後に営業へ共有する場合もありますし、一度営業が対応したリードを再びナーチャリングへ戻すこともあります。
重要なのは、3つを独立した施策として考えるのではなく、リードの状態に応じて次の対応へつなげられるように管理することです。
各プロセスの違いや連携については、リードジェネレーションとナーチャリングの違いで詳しく解説しています。
リードジェネレーション(獲得)
リードジェネレーションとは、自社の商品・サービスの対象になりうる企業や担当者と接点をつくり、見込み顧客として情報を取得する活動です。
代表的な手法には、
- SEO・コンテンツマーケティング
- Web広告
- ウェビナー
- ホワイトペーパー
- 展示会
- セミナー
- テレアポ
- メールによるアプローチ
などがあります。
手法は、見込み顧客自身の情報収集をきっかけに接点をつくる方法と、自社から対象企業へ働きかける方法に分けて考えることができます。
たとえば、SEO記事やホワイトペーパー、ウェビナーなどは、見込み顧客が情報を探している段階で接点をつくる施策です。一方、テレアポや個別メールなどは、自社から対象企業へ直接アプローチします。
リード管理の観点で重要なのは、単純に獲得件数だけを増やすことではありません。
たとえば、
- どの企業・担当者から獲得したのか
- どの施策をきっかけに接点を持ったのか
- どのようなテーマに関心を示したのか
- その後どのようなフォローを行うのか
まで管理できる状態にしておくことが重要です。
獲得件数が多くても、自社の対象企業と大きく異なっていたり、その後の対応方法が決まっていなかったりすれば、商談にはつながりにくくなります。
展示会で獲得した名刺の管理については、展示会リードの扱い方で詳しく解説しています。
リードナーチャリング(育成)
リードナーチャリングとは、獲得した見込み顧客との接点を継続し、関心や検討状況に応じて情報を提供する活動です。
BtoBでは、リードを獲得した時点ですぐに商談へ進むとは限りません。
たとえば、
- まだ情報収集を始めたばかり
- 課題はあるが予算化されていない
- 他社サービスも含めて比較している
- 一度検討したものの優先順位が下がっている
といった状態があります。
こうしたリードに対して、すぐに営業アプローチを繰り返すのではなく、状況に応じた情報を届けながら関係を継続していくのがナーチャリングです。
代表的な手法には、
- メールマガジン
- ステップメール
- ウェビナー
- 導入事例やホワイトペーパーの案内
- インサイドセールスによるフォロー
などがあります。
重要なのは、単に定期的に情報を送ることではありません。
たとえば、課題を調べ始めたばかりのリードには基礎的な情報を、具体的な比較を進めているリードには導入事例やサービス情報を届けるなど、相手の状況に応じて内容を変えることが考えられます。
ただし、サイト閲覧や資料ダウンロードといった行動だけで、相手の検討状況を正確に判断できるわけではありません。行動履歴に加えて、企業属性や過去の商談状況、アンケート、営業からの情報なども確認しながら判断します。
インサイドセールスがフォローを担う場合の設計についてはインサイドセールスとの連携設計、KPIについてはインサイドセールスのKPI設計で解説しています。
ナーチャリングの具体的な進め方については、リードナーチャリングの具体的な手法もあわせてご覧ください。
リードクオリフィケーション(絞り込み)
リードクオリフィケーションとは、保有している見込み顧客の中から、営業やインサイドセールスが優先して確認する対象を見極めるプロセスです。
判断には、たとえば次のような情報を使います。
- 業種・企業規模
- 部署・役職
- 問い合わせ内容
- 資料ダウンロード
- ウェビナー参加
- Webサイト上の行動
- 過去の商談履歴
代表的な方法の一つがスコアリングです。
スコアリングとは、企業属性や担当者属性、行動などに点数を設定し、複数の情報からリードの優先順位を判断する方法です。
ただし、スコアが高いことと、購買意欲や受注確度が高いことは同じではありません。
たとえば、Webサイトを何度も閲覧している担当者でも、単なる情報収集や競合調査の場合があります。反対に、行動履歴は少なくても、具体的な課題を持って問い合わせをしている企業もあります。
そのため、スコアリングは営業へ共有する対象を判断する材料の一つとして利用します。
また、すべての企業でスコアリングが必要なわけではありません。
「対象業種に該当し、問い合わせがあった」「特定のサービス資料を取得し、企業規模も条件を満たしている」といった明確なルールで優先順位を判断する方法もあります。
Sells upでは、支援先のデータ量や営業プロセスに応じて、属性と行動を分けて評価するスコアリングモデルを設計することもあります。
重要なのは、共通の配点をそのまま当てはめることではなく、自社の商談・受注データや営業からのフィードバックを確認しながら、判断基準を調整することです。
リードクオリフィケーションの具体的な方法については、リードクオリフィケーションの考え方で詳しく解説しています。
リード管理が機能しない企業に共通する3つの問題
リード管理がうまく機能しない場合、個別施策よりも運用ルールに課題があることがあります。
特に確認したいのは、次の3点です。
1つ目は、営業とマーケティングでリードの判断基準がそろっていないことです。
2つ目は、リード情報が複数の場所に分かれ、担当者ごとの管理になっていることです。
3つ目は、ツールの導入自体が目的になっていることです。
たとえば、次のような状態が続いている場合は、リード管理の仕組みを見直す余地があります。
- マーケティングから共有したリードを営業が十分にフォローできていない
- 担当者が変わると、それまでのやりとりを確認できない
- MAツールを導入したものの、活用する機能や運用方法が定まっていない
- リード数は増えているが、商談につながっているか把握できていない
問題① 営業とマーケティングでリードの判断基準がそろっていない
マーケティングから共有したリードを営業がフォローしない場合、まず確認したいのが、どの状態になったら営業が対応するのかという基準が共有されているかです。
たとえば、マーケティングでは「ウェビナーに参加した」「サービス資料をダウンロードした」といった行動をもとに、優先度が高いリードと判断することがあります。
一方、営業では、
- 自社の対象企業に該当しているか
- 具体的な課題があるか
- 導入時期が見えているか
- 担当者が購買にどのように関わっているか
といった情報を重視する場合があります。
この基準が共有されていないと、マーケティングでは「営業へ渡すべきリード」と判断していても、営業側では「まだ対応する段階ではない」と判断することがあります。
BtoB企業の担当者480名を対象に弊社が実施したMA活用実態調査でも、同じ傾向が見られました。営業への通知やトスアップの運用があると回答した割合は、MAが商談・売上に貢献できている企業とできていない企業で大きな差がなく、いずれも6割前後です。一方で、営業との連携がスムーズに取れていると回答した割合は、貢献できている企業でおよそ8割、できていない企業では1割に届きません。引き渡しの仕組みがあるかどうかより、基準と対応が共有されているかどうかで差がついています。なお、この結果は相関を示すものであり、因果関係を示すものではありません。調査の詳細はBtoB企業のMA活用実態調査(第0回)で公開しています。
そのため、
- どのような状態をMQLとするのか
- どの状態になったら営業やインサイドセールスが対応するのか
- 誰が対応するのか
- どの程度の期間で確認するのか
- 対象外だった場合にどのように戻すのか
といったルールを、マーケティングと営業で整理しておくことが重要です。
なお、MQLやSQLを必ずスコアの閾値だけで定義する必要はありません。企業属性や問い合わせ内容、営業から得た情報などを組み合わせて判断する方法もあります。
問題② リード情報が担当者やツールごとに分散している
リード情報が、
「名刺は担当者が個別に保管している」
「メールのやりとりは担当者の受信箱にしか残っていない」
「商談内容がSFAに入力されていない」
といった状態では、組織として見込み顧客の状況を把握しにくくなります。
担当者が変わったときに、それまでの接点や商談内容を確認できなければ、同じ質問を繰り返したり、過去の経緯を踏まえないアプローチをしたりする可能性があります。
そのため重要なのは、どの情報を、誰が、いつ、どこへ記録するのかを決めておくことです。
たとえば、
- 企業名・担当者情報はCRMへ登録する
- 商談内容はSFAへ記録する
- メール配信やWeb上の行動はMAで管理する
- 営業対応の結果は一定の項目でCRM・SFAへ戻す
といった役割分担を整理します。
すべての情報を一つのツールだけで管理する必要はありません。重要なのは、必要な情報を担当者が確認でき、次の対応に使える状態になっていることです。
データ項目の設計と顧客情報全体の管理については、BtoBの顧客管理の仕組みで詳しく解説しています。
問題③ ツールの導入自体が目的になっている
MAやCRM、SFAは、リード管理を効率化するための手段です。
しかし、ツールを導入しても、
- 誰を管理対象とするのか
- どのようにリードを分類するのか
- どの条件で次の対応へ進めるのか
- 誰がツールを更新するのか
- どの数値を確認するのか
が決まっていなければ、機能を十分に活用できません。
Sells upへのご相談でも、「MAを導入したものの、メール配信以外の機能をどのように使えばよいか分からない」といったケースがあります。
こうした場合は、ツールの機能を増やす前に、まず現在のリード管理の流れを整理します。
たとえば、
リード獲得 → フォロー → 優先順位の判断 → 営業への共有 → 営業結果の記録
という流れの中で、どこをツールで管理・自動化するのかを決めます。
MAツールの機能が高度であっても、そのすべてを利用する必要はありません。自社の運用に必要な機能を選び、リード管理のルールに沿って活用することが重要です。
BtoBでリード管理を機能させるための実践ステップ
BtoBのリード管理を整えるときは、いきなりツールの設定から始めるのではなく、まず「誰を、どの状態で、誰がフォローするのか」を整理することが重要です。
基本的には、次のような順番で進めると設計しやすくなります。
- リードの定義と管理するステータスを決める
- マーケティングと営業で引き継ぎルールをそろえる
- リード情報の管理ルールを整える
- 必要に応じて優先順位づけの方法を設計する
- CRM・SFA・MAで運用を効率化する
すべての企業が同じ順番・同じ方法を採用する必要はありません。重要なのは、ツールの設定より先に、運用の考え方を整理しておくことです。
Step.1:リードの定義と管理するステータスを決める
最初に整理したいのは、自社ではどのような見込み顧客を管理対象とし、その状態をどのように区別するのかです。
たとえば、次のような項目を決めます。
- どの時点からリードとして管理するのか
- どのような状態をMQLとするのか
- どの状態になったら営業やインサイドセールスが対応するのか
- 商談化したリードをどのように管理するのか
- 失注・保留になったリードをどのように戻すのか
「リード=名刺交換したすべての人」とする企業もあれば、フォーム送信や問い合わせなど一定の接点が発生した人だけを管理対象とする企業もあります。
MQLやSQLについても、すべての企業で同じ定義を使う必要はありません。
自社の営業プロセスや過去の商談・受注状況を確認しながら、それぞれのステータスが何を意味するのかを社内で説明できる状態にすることが重要です。
また、BtoBでは個人単位だけでなく、同じ企業の複数担当者や商談状況を関連付けて管理することも意識します。
Step.2:マーケティングと営業で引き継ぎルールを決める
次に、マーケティングから営業へリードを共有する際のルールを整理します。
たとえば、
- どの条件を満たしたら営業へ共有するのか
- 誰へ通知するのか
- 営業はどの程度の期間で確認するのか
- 対応結果をどこへ記録するのか
- 対象外だった場合はどのように戻すのか
- マーケティングへどのようにフィードバックするのか
といった内容です。
こうした部門間の役割や対応方法を、SLA(Service Level Agreement)として整理する場合があります。
SLAという名前の正式な文書を必ず作る必要はありません。重要なのは、マーケティングと営業で「誰が、いつ、何をするのか」を共通認識にしておくことです。
リードの引き継ぎ条件が明確になれば、マーケティング側は「どのリードを営業へ共有すべきか」を判断しやすくなり、営業側も「どのリードを優先して確認すべきか」が分かりやすくなります。
引き継ぎの設計については営業への引き渡しの設計、その後の関係づくりについては顧客関係構築の進め方で解説しています。
MQLの判定基準については、営業が納得するMQL判定基準で詳しく解説しています。
Step.3:リード情報の管理ルールと入力基準を整える
定義と引き継ぎルールが決まったら、次はリード情報をどのように管理するのかを整理します。
主に決めるのは次の4点です。
- どの情報を管理するか:企業名、部署・役職、獲得経路、問い合わせ内容、行動履歴、商談内容、フォロー結果など
- 誰が入力するか:マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスなど
- いつ入力するか:リード獲得時、フォロー後、商談後、失注時など
- どこに入力するか:CRM、SFA、MAなど、情報ごとの管理先
ここで注意したいのは、管理項目を増やしすぎないことです。
項目数が多くなるほど、入力する側の負担も増えます。その結果、入力漏れや更新されない項目が増えてしまえば、データを活用しにくくなります。
まずは、
- 企業・担当者を特定するための情報
- 現在の状態を判断するための情報
- 次のアクションを決めるための情報
など、実際の運用に必要な項目から始め、必要に応じて追加していく方法が現実的です。
蓄積したデータの分析と活用の方法については、顧客データ分析の手法で解説しています。
Step.4:必要に応じてリードの優先順位づけを設計する
リード数が増えてくると、すべてのリードへ同じように対応することが難しくなります。
そこで、営業やインサイドセールスがどのリードから確認するのか、優先順位を決める方法を設計します。
代表的な手法の一つがスコアリングです。
スコアリングでは、
- 業種
- 企業規模
- 部署・役職
- 問い合わせ内容
- 資料ダウンロード
- ウェビナー参加
- Webサイト上の行動
などを判断材料として利用します。
ただし、スコアリングはリード管理に必須ではありません。
たとえば、
「対象業種に該当していて、問い合わせがあった場合は営業へ共有する」
「一定規模以上の企業でサービス資料を取得した場合はインサイドセールスが確認する」
といったルールベースの運用でも、十分に優先順位を付けられる場合があります。
スコアリングを使う場合も、最初から細かな配点を作る必要はありません。
重要なのは、スコアそのものではなく、営業が確認すべき対象を判断しやすくすることです。
また、Webサイトの閲覧やメール開封が多いからといって、購買意欲や受注確度が高いとは限りません。行動データだけで判断せず、企業属性や問い合わせ内容、営業から得られた情報などと組み合わせて確認します。
スコアリングの具体的な設計については、スコアリングモデルの設計方法で詳しく解説しています。
Step.5:CRM・SFA・MAを使って運用を効率化する
管理する情報や運用ルールが整理できたら、必要に応じてCRM・SFA・MAを活用します。
すでにツールを導入している場合は、新しく入れ直す必要はありません。現在利用しているツールで、設計した運用をどこまで実現できるかを確認します。
ツールを選ぶ際は、主に次の2点を確認します。
ポイント① 自社の運用を実装できるか
自社で決めたリードのステータスや引き継ぎルール、メール配信、通知などを実現できるかを確認します。
機能数の多さだけで判断するのではなく、自社が実際に使う機能がそろっているかを見ることが重要です。
ポイント② CRM・SFA・MA間で必要な情報を連携できるか
BtoBでは、マーケティングで取得した情報を営業へ共有し、その後の商談結果をマーケティングでも確認できる状態をつくることが重要です。
たとえば、
MAでリードを獲得・フォロー → CRM・SFAへ共有 → 営業が対応 → 結果をCRM・SFAへ記録 → マーケティングが結果を確認
といった流れです。
代表的なMAには、Salesforceと組み合わせて利用されるAccount Engagement、CRM・マーケティング・営業機能を持つHubSpot、国内企業向けのSATORIなどがあります。
ただし、どのツールが適しているかは、企業規模だけでなく、既存システムや運用体制、必要な機能によって変わります。
MAツールを使ってリード管理を仕組み化し、成果につなげた企業の事例は、MAツール成功事例7選で詳しく解説しています。
SLAやスコアリングを最初から導入しなくてもよい場合
ここまで5つのステップで説明しましたが、すべてを最初から実施する必要はありません。
特に、次のような状況では、SLAを細かく文書化したり、スコアリングモデルを作ったりする前に、基本的な情報管理を整える方がよい場合があります。
- リード件数がまだ少ない:担当者が個別に確認できる件数であれば、複雑なスコアリングを作る必要性は高くありません
- 営業組織が小さい:マーケティングと営業が日常的に直接相談できる場合は、細かな対応期限やルールを設定しなくても運用できることがあります
- 受注・失注データが十分に蓄積されていない:スコアリングの判断材料となる実績が少ないため、まず商談結果や失注理由を記録することを優先します
この段階では、
- リードの定義をそろえる
- 商談結果を記録する
- 失注理由を残す
- 営業からマーケティングへフィードバックする
といった基本的な運用から始めます。
データやリード件数が蓄積してきた段階で、必要に応じてSLAやスコアリングを追加していけば問題ありません。
また、近年は個人単位のMQLだけでなく、同じ企業の複数の購買関係者をまとめて把握する考え方も広がっています。
BtoBでは複数人が購買に関わるケースがあるため、MQLを利用する場合も、個人のスコアや行動だけでなく、企業全体や複数の関係者の状況を見ることが重要です。
リード管理で押さえるべき指標(KPI)
リード管理の状況を確認するためには、リード数だけを見るのではなく、獲得から営業への引き継ぎ、その後の商談・受注までを段階ごとに確認することが重要です。
大きくは、次の3つに分けて考えると整理しやすくなります。
- リード獲得段階の指標
- 育成・営業への引き継ぎ段階の指標
- 商談・受注まで含めた全体の指標
重要なのは、特定のKPIだけを追わないことです。
たとえば、獲得リード数が増えていても、その後のMQLや商談につながっていなければ、対象となる企業や獲得チャネルを見直す必要があるかもしれません。
反対に、リード数が少なくても商談・受注につながる割合が高ければ、単純に「獲得数が少ない=悪い」とは判断できません。
リードジェネレーション段階のKPI
リード獲得段階では、主に次のような指標を確認します。
| KPI | 定義 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| 獲得リード数 | 期間内に獲得したリード数 | チャネルごとの増減やターゲットとの適合状況を見る |
| CPL(Cost Per Lead) | リード獲得にかかった費用 ÷ 獲得リード数 | チャネルごとの獲得効率を比較する |
| MQL転換率 | MQL数 ÷ 獲得リード数 | 獲得したリードが自社のフォロー対象につながっているかを見る |
この段階では、獲得リード数とCPLだけで判断しないことが重要です。
たとえば、CPLが低いチャネルでも、その後ほとんどMQLや商談につながっていなければ、結果として効率がよいとは限りません。
そのため、CPL、MQL転換率、その後の商談化率をあわせて確認すると、どのチャネルから獲得したリードがその後の成果につながっているのかを判断しやすくなります。
また、MQL転換率が低いからといって、必ずしも獲得施策に問題があるとは限りません。MQLの定義が厳しすぎる、データが不足して判定できていない、といった可能性もあるため、数値だけで原因を決めつけないことが重要です。
リードナーチャリング・営業への引き継ぎ段階のKPI
育成から営業への引き継ぎでは、主に次の指標を確認します。
| KPI | 定義 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| MQL数 | 期間内にMQLとして判定されたリード数 | 定義した条件に該当するリードがどの程度発生しているか |
| MQL→SQL転換率 | SQL数 ÷ MQL数 | 営業がフォロー対象として受け入れている割合を見る |
| 商談化率 | 商談数 ÷ SQL数 | 営業対応後に商談につながっているかを見る |
| 営業対応率 | 営業が対応したMQL数 ÷ 営業へ共有したMQL数 | 共有したリードが実際にフォローされているかを見る |
| 初回対応までの時間 | MQL共有から初回営業対応までの時間 | 引き継ぎ後の対応速度を確認する |
特にMQL→SQL転換率は、マーケティングから営業への引き継ぎ状況を確認するために有効な指標です。
ただし、この数値だけで「営業とマーケティングの連携が良い・悪い」と判断することはできません。
転換率が低い場合には、
- MQLの条件が営業の対象と合っていない
- 営業へ共有するタイミングが早い
- 必要な企業情報や検討状況が不足している
- 営業側の対応が遅れている
- SQLの定義が厳しい
など、複数の原因が考えられます。
そのため、転換率だけではなく、営業対応率・対応までの時間・対象外と判断した理由などもあわせて確認すると、改善すべきポイントを見つけやすくなります。
また、MQL→SQLなどの転換率は、企業ごとにMQL・SQLの定義が異なるため、他社のベンチマークをそのまま目標値にするのは適切ではありません。
公開されている海外データでも数値にはかなり幅があります。まずは自社の過去実績を基準にし、チャネル別・商材別・対象企業別に推移を確認する方が実務では使いやすくなります。
MAを活用したKPI設計については、MAのKPI設計フレームワークで詳しく解説しています。
リード管理全体では商談・受注まで確認する
リード管理の最終的な評価では、MQLやSQLの件数だけでなく、その後どの程度商談・受注につながったのかまで確認します。
たとえば、
- 商談数
- 商談化率
- 受注数
- 受注率
- リード獲得から商談までの期間
- リード獲得から受注までの期間
- チャネル別の受注金額
などです。
これらを見ることで、「どのチャネルで獲得したリードが実際の売上につながっているのか」「どの段階でリードが止まりやすいのか」を確認できます。
また、投資対効果を確認する場合は、次のような考え方があります。
ROI=(リード管理によって得られた利益 − リード管理への投資額)÷ リード管理への投資額 × 100
投資額には、たとえば次のような費用を含めます。
- MA・CRMなどのツール費用
- 広告費
- コンテンツ制作費
- 担当者の人件費
- 外部支援費用
ただし、BtoBでは一つの施策だけで受注が決まるとは限りません。
SEO記事を読んだ後にウェビナーへ参加し、その後営業と商談するといった複数の接点を経ることもあります。そのため、すべての受注金額を単一の施策だけに帰属させるのではなく、チャネルや接点を横断して確認する必要があります。
最初から厳密なROI算出が難しい場合は、
獲得リード数 → MQL → SQL → 商談 → 受注
の各段階を追える状態をつくるところから始めても問題ありません。
重要なのは、リード数だけで評価するのではなく、最終的に商談・受注へどうつながったのかまで確認できる状態にすることです。
リード管理に役立つツールの選び方
リード管理に使うツールは、リード数だけでなく、管理したい情報や運用体制、必要な自動化の範囲によって選びます。
小規模な運用であればExcelやGoogleスプレッドシートでも始められます。一方、リードの行動履歴を取得したい、メール配信や営業への通知を自動化したい、マーケティングと営業で同じ顧客情報を確認したいといった要件が増えてくると、MAやCRM・SFAの活用を検討する必要があります。
重要なのは、ツールの種類から選ぶのではなく、現在のリード管理で何を実現したいのかを先に整理することです。
Excel・Googleスプレッドシートで管理する場合
ExcelやGoogleスプレッドシートは、リード管理を小さく始める方法の一つです。
たとえば、
- 企業名
- 担当者名
- 部署・役職
- 獲得経路
- 現在のステータス
- 最終接触日
- 次回の対応予定
といった項目を決めれば、基本的なリード情報を管理できます。
リード数が少なく、担当者も限られている段階であれば、専用ツールを導入せずに運用できる場合もあります。
一方で、運用が広がると次のような課題が出てきます。
- Webサイト上の行動を自動で記録できない
- メール配信やフォローを自動化しにくい
- 担当者が増えると更新ルールをそろえにくい
- 同じ企業の複数担当者や商談を関連付けて管理しにくい
- 営業活動の履歴とマーケティング施策の結果をつなげにくい
なお、Excelやスプレッドシートでも関数や仕組みを組めばスコア計算そのものは可能です。問題は「自動計算できないこと」ではなく、行動データの取得や複数システムとの連携、継続的な更新を手作業で行う負担が大きくなりやすいことです。
専用ツールへ移行するタイミングを「月○件」と固定する必要はありません。
たとえば、
- 複数担当者で同じリードを管理するようになった
- Webサイトやメールの行動履歴を使いたい
- 手動のリスト更新やメール配信に時間がかかっている
- 営業への通知や引き継ぎを自動化したい
といった状況が増えてきたら、MAやCRM・SFAの活用を検討します。
MAツールを活用する場合
MA(マーケティングオートメーション)は、リードの獲得後の管理や情報提供、行動データの取得、リスト作成、営業への通知などを支援するツールです。
代表的なツールには次のようなものがあります。
| ツール | 特徴 | 検討しやすいケース |
|---|---|---|
| Account Engagement | Salesforceとの連携を前提に、スコアリング・グレーディング、メール配信、オートメーションなどを利用できる | Salesforceを中心に営業・マーケティングデータを管理している |
| HubSpot | Smart CRMを中心に、Marketing HubやSales Hubなどを組み合わせてマーケティングから営業まで管理できる | CRMとマーケティング・営業活動を同じ基盤で管理したい |
| SATORI | 実名リードに加えて匿名のWeb訪問者の行動データも取得・活用できる | Webサイト上の匿名ユーザーを含めた行動データをマーケティングに活用したい |
Account Engagementでは、行動をもとにしたスコアリングと、企業・担当者属性との適合度を見るグレーディングなどを利用できます。
HubSpotはSmart CRMを基盤に、Marketing HubやSales Hubなどを提供しており、マーケティング・営業のデータを同じプラットフォームで扱える構成になっています。
SATORIは、既に個人情報を取得している見込み顧客だけでなく、匿名状態のWeb訪問者の行動データを取得・活用できることを特徴としています。
ただし、ツールごとに料金体系や利用できる機能、必要なプランは異なります。
「高機能だから選ぶ」のではなく、
- 現在使っているCRM・SFA
- 管理したいリード情報
- 必要な自動化
- 運用できる担当者数
- 他システムとの連携方法
を確認したうえで選定します。
CRM・SFAと連携してリードから商談まで管理する
リード管理では、マーケティング活動だけでなく、その後の営業対応まで確認できる状態をつくることが重要です。
MAだけでマーケティング活動を管理していても、営業がどのリードへ対応し、商談や受注につながったのかを確認できなければ、施策の評価が難しくなります。
そのため、必要に応じてMAとCRM・SFAを連携します。
たとえば、
MAでリードを獲得・フォロー
↓
一定の条件を満たしたリードをCRM・SFAへ共有
↓
営業担当者が対応
↓
商談結果をCRM・SFAへ記録
↓
マーケティング側でも結果を確認
といった流れです。
ここで重要なのは、必ず「MQLになったら自動連携する」という形にすることではありません。
問い合わせは即時に営業へ通知する、特定の企業だけインサイドセールスが確認する、MQLはリスト化するだけにするといった運用も考えられます。
自社で決めた引き継ぎルールを、ツール上で無理なく実現できることが重要です。
引き継いだ後の商談管理については営業パイプライン管理の設計、Salesforceでの具体的な管理方法についてはSalesforceでのパイプライン管理で解説しています。
「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために
施策を続けているのに商談が増えない、獲得したリードがなかなか商談につながらない。こうした場合は、個々の施策だけではなく、リードの獲得から管理、フォロー、営業への引き継ぎまでの流れを見直す必要があります。Sells upでは、現在のリード管理やマーケティング・営業の運用を確認し、改善の優先順位整理から実際の施策への反映まで支援しています。
相談してみる →まとめ
「マーケティングから共有したリードが営業で十分に活用されない」「ツールを導入したものの、リード管理がうまく回らない」。
こうした場合は、個別施策やツールの機能だけでなく、リードをどのように管理し、誰がどのタイミングで対応するのかという運用全体を見直す必要があります。
本記事で解説した内容を整理すると、BtoBのリード管理では主に次の5点が重要です。
- リードの定義と管理するステータスを決める
MQL・SQLなどを含め、自社ではどの状態を何と呼ぶのかを整理します。 - マーケティングと営業で引き継ぎルールを共有する
どの状態で誰が対応するのか、対応結果をどのように戻すのかを決めます。 - リード情報の管理ルールを整える
誰が、何を、いつ、どこに記録するのかを決め、必要な情報を確認できる状態にします。 - 必要に応じてリードの優先順位づけを行う
スコアリングや条件設定などを使い、営業やインサイドセールスが確認する対象を整理します。 - CRM・SFA・MAを使って運用を効率化する
ツールありきで考えるのではなく、決めた運用を実現するために必要な機能を活用します。
すべての企業が同じ方法でリード管理を行う必要はありません。
リード数や営業体制、商材、現在使っているツールによって、必要な仕組みは変わります。まずは、現在どこでリードが止まっているのか、どの情報が不足しているのか、誰が対応すべきかが曖昧になっていないかを確認することが重要です。
Sells upでは、BtoBマーケティング支援やMA活用支援、インサイドセールスの立ち上げ支援を通じて、80社以上の支援に携わってきました。リード管理の設計からツールへの実装、営業との連携まで、「どこから整えるべきか」という段階からご相談いただけます。
BtoBマーケティング全体の仕組みについては、BtoBマーケティングの全体プロセスでも詳しく解説しています。
よくある質問
営業におけるリード管理とは何ですか?
営業におけるリード管理とは、見込み顧客の情報・行動履歴・商談状況を一元的に把握し、確度の高い見込み顧客を優先的にフォローするための仕組みのことです。具体的には、マーケティング部門から渡されたMQL(マーケティング部門が育成した見込み顧客)に対して何営業日以内にフォローするか、フォロー結果をどう記録・共有するかというルールを整備することが中心になります。リード管理を機能させることで、営業担当者が「今アプローチすべき見込み顧客」を明確に把握でき、限られたリソースを成約可能性の高い顧客に集中させられます。
リードとはどういう意味ですか?
リード(Lead)とは、自社の商品・サービスに関心を持つ可能性がある見込み顧客のことです。まだ購入・契約には至っていないものの、将来的に顧客になる可能性がある層を指します。BtoBマーケティングでは、ウェビナーへの参加・資料のダウンロード・Webサイトへの問い合わせなどのアクションを起こした企業・担当者がリードとして扱われます。英語では「Sales Lead」とも呼ばれ、獲得(Generate)・育成(Nurture)・選別(Qualify)という区分がそのまま日本語のリード獲得・リードナーチャリング・リードクオリフィケーションに対応しています。
SLAでは営業のフォロー期限をどのくらいに設定しますか?
一律の正解はありません。BtoBでは即日から2営業日以内を目安に置く企業が多いものの、営業の人数と1人あたりの担当件数で実行できる範囲は変わります。守れない期限を決めるとSLAそのものが形骸化するため、まず現在のフォロー実績を測り、その中央値より少し短い水準から始めて、レビューのたびに詰めていく進め方が続きます。
スコアリングはいつから始めるべきですか?
受注・失注の実績がある程度たまり、行動データとの差を確認できるようになってからです。件数が少ない段階では閾値が安定せず、営業の実感とずれたリードが渡ることになります。それまでは、属性条件(業種・企業規模・役職)と明確な行動(資料請求・問い合わせ)の組み合わせでリストを作り、スコアを使わずに運用する形でも成り立ちます。
リード件数が少ない段階では何から手をつけますか?
リードの定義をマーケティングと営業でそろえることと、商談の結果と失注理由をCRMに記録することの2つです。この2つがないと、あとからスコアリングやSLAを設計する材料が残りません。ツールの導入や新規の獲得施策より先に着手してください。
リード管理はどのツールで行うのが最適ですか?
リード管理に最適なツールは、自社のリード管理の成熟度と課題によって異なります。導入初期でリード数が少ない場合はExcelやGoogleスプレッドシートでシンプルに始めることができます。リードナーチャリングとスコアリングを自動化したい場合はMAツール(Account Engagement・HubSpot・SATORIなど)の活用が有効です。マーケティングから営業への引き渡しを一気通貫で管理したい場合はSFA・CRMとMAツールを連携させる設計が必要になります。重要なのは、ツールを選ぶ前に「リードの定義」「SLAの締結」「管理ルールの整備」という設計を先に行うことです。設計がないままツールを導入すると、活用されないまま放置されるリスクを高めます。
