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顧客関係構築の実践ガイド|BtoBで成果を出す仕組みの設計とMA・CRM活用の全手順

「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために

施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。 こうした課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。 Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。

目次

「顧客との関係がどうも浅い」
「担当者が変わるたびに関係がリセットされる」

BtoBマーケティングに携わる多くの方から、こうした声を聞きます。

顧客関係構築がうまくいかない原因は、個人の努力や心がけの問題ではありません。組織として機能する仕組みが存在しないことに原因があります。

本記事では、BtoBにおける顧客関係構築を「仕組み」として設計・運用するための全手順を解説します。

顧客関係構築とは何か、なぜBtoBで重要なのか

顧客関係構築とは「顧客の課題とニーズを継続的に把握し、適切なタイミングで価値を届ける仕組みを組織として設計・運用すること」です。個人の営業スキルや人間関係ではなく、プロセスと体制として機能させる設計が本質です。

BtoBで顧客関係構築が重要な理由は、大きく以下の3点にまとめられます。

  1. 購買サイクルが長く、関係性の積み上げが受注率に直結する
  2. 複数の意思決定者が関与するため、広く信頼を構築する必要がある
  3. 購買後の継続利用・拡大がLTV(顧客生涯価値)を決定する

顧客関係構築は、リード獲得から受注後の継続支援まで、マーケティングプロセスの全体像のあらゆるフェーズに影響します。

BtoBとBtoCの顧客関係構築の本質的な違い

BtoBとBtoCでは、顧客関係構築の構造が根本的に異なります。

BtoCでは、意思決定者は基本的に1人または少数であり、購買期間も短く、感情的・衝動的な判断が入る余地があります。

これに対してBtoBでは、担当者・マネージャー・経営層の複数名が検討に関与し、稟議を経て意思決定される場合がほとんどです。

検討期間は数週間から数年に及ぶこともあり、購買後も継続利用・更新・拡大契約という長期的な関係が続きます。

この構造の違いから、BtoBの顧客関係構築には「複数の関与者に対して、フェーズに応じた情報と信頼を積み重ねる設計」が不可欠です。1回の接触で関係が成立することはなく、継続的な接点設計こそが競合との差別化要因になります。

顧客関係構築が直接影響する3つのビジネス指標

顧客関係の強度は、以下の3つの指標に直接影響します。

①LTV(顧客生涯価値):関係が深い顧客ほど継続率が高く、アップセル・クロスセルにもつながります。LTV(ライフタイムバリュー)とは、1顧客から生涯にわたって得られる収益の総額のことです。

LTV向上の施策と設計については、別記事で詳しく解説しています。

②解約率(チャーンレート):顧客との関係が浅いまま放置した企業ほど、解約率が高い傾向があります。解約のほとんどは、「使いこなせていない」「期待値とのギャップが埋まらなかった」という関係設計の失敗に起因します。

③受注率:顧客が自社への信頼を積み上げているほど、競合比較でも優位に立てます。特にBtoBでは、ナーチャリング(見込み顧客育成)期間中の関係の質が、最終的な受注率を大きく左右します。

顧客関係構築を阻む3つの組織的な課題

多くのBtoB企業で顧客関係構築が機能しない理由は、「個人の努力不足」ではなく「組織の設計問題」にあります。

顧客関係構築がうまくいかない原因は、次の3つに集約されます。

  1. 顧客データが部門間で分断されている
  2. 顧客理解がペルソナ設計で止まっている
  3. フォローが担当者の裁量に委ねられている

顧客データが部門間で分断されている

マーケティング・営業・カスタマーサクセス(CS)の各部門が、それぞれ異なるツールで異なる指標を管理している企業は少なくありません。マーケは問い合わせ数を追い、営業は商談数と受注額を追い、CSは継続率を追う。この状態では、1人の顧客に対して「いつ・何に興味を持ち・どんな課題を抱えているか」という全体像を誰も把握できません。

顧客の状況を誰も把握できていないまま接点を持つことは、顧客にとって「また最初から説明しなければならない」「自分のことをわかってもらえていない」という体験につながります。これが関係の浅さを生む要因です。

この課題の解決には、CRM(顧客関係管理システム)・SFA(営業支援システム)・MAの役割分担と連携設計が必要です。詳しくはBtoBの顧客管理とCRM設計をご参照ください。

顧客理解がペルソナ設計で止まっている

多くの企業では、マーケティング施策の起点として「ペルソナ」を設計します。これ自体は有効な手法ですが、ペルソナが一度作ったら更新されない「静的な存在」になっていることが問題です。

実際の顧客は、検討初期・評価段階・導入後と、フェーズによってニーズが変化します。「半年前に資料をダウンロードした顧客」と「昨週デモを申し込んだ顧客」を同じペルソナとして扱っていては、適切な接点設計はできません。行動データ・フィードバック・購買履歴にもとづく動的な顧客理解が、現代のBtoBマーケティングには不可欠です。

フォローが担当者の裁量に委ねられている

「あの顧客のフォローはAさんが担当しているから大丈夫」という属人的な管理は、担当者の異動・退職・繁忙状況によってフォローのタイミングと品質が大きくばらつくリスクを抱えています。

フォローの内容・タイミング・頻度を担当者の判断に委ねることは、組織として顧客関係を設計しているとは言えません。必要なのは、誰が担当しても同じ品質で接点を持てるシナリオ設計と標準化です。MA(マーケティングオートメーション)を活用したコミュニケーション自動化が、この課題の直接的な解決策になります。

BtoBで成果を出す顧客関係構築の4つのフェーズ

BtoBの顧客関係構築は①初期接触 ②育成 ③信頼確立 ④継続・拡大の4フェーズで設計するのが効果的です。フェーズごとに目標・施策・指標が異なるため、一括りで「関係を深めよう」という方針では成果につながりません。

フェーズ1:初期接触(最初の30日で信頼の土台をつくる)

初回のコンテンツ接触・資料ダウンロード・フォーム送信を起点として、顧客との関係が始まります。このフェーズで多い失敗は、「最初から売ろうとすること」です。

初期接触直後に営業メールや電話が来ることは、顧客にとって「まだ自分のことを何も知らない相手から売り込まれた」という体験になります。

最初の30日でやるべきことは、

  1. 自己紹介と価値の提供
  2. 顧客の課題理解を深めるコンテンツの提供
  3. 担当者との自然な接点の設計

です。

ウェルカムシナリオ(資料ダウンロード直後から始まる自動メール配信)を設計し、顧客が「この会社は自分のことを理解しようとしている」と感じる接点を積み上げることが、このフェーズの目標です。

フェーズ2:育成(顧客のニーズ変化に合わせた継続的な価値提供)

顧客との接点が始まったあとは、行動データにもとづいてコンテンツを出し分けるナーチャリング(見込み顧客育成)が中心になります。

具体的には、どのページを閲覧したか・どのメールを開封したか・どのコンテンツをダウンロードしたかという行動履歴から、顧客の関心度合いと検討フェーズを推定します。リードナーチャリングの手法については別記事で詳しく解説していますが、ここでは「スコアリングによる温度感の可視化」が特に重要です。

MAのスコアリング(顧客の行動に点数を付けて検討度合いを数値化する機能)を活用すると、「いま最も商談化しやすい顧客」を客観的に特定できます。感覚や経験則ではなく、データにもとづいてアプローチ優先順位を決定できる点が、組織的な顧客関係構築の核心です。

フェーズ3:信頼確立(個別対応と提案の精度を高める)

スコアリングで一定の閾値を超えた顧客は、インサイドセールスへのトスアップ(マーケティングから営業への引き渡し)対象になります。このフェーズでは、蓄積してきた顧客の行動履歴・課題認識・関心領域をもとに、個別対応の精度を高めることが目標です。

顧客は「自分の状況を理解した上で提案されている」と感じるとき、信頼を大きく積み上げます。逆に、ヒアリングが不十分なまま一般的な提案をされると「この会社は自分のことをわかっていない」という印象になります。

また、このフェーズで重要なのが顧客フィードバックの収集です。商談後のアンケート・NPS(顧客推奨度)調査などを通じて得た声を、次の接点設計に反映する循環を作ることが信頼確立の継続につながります。

フェーズ4:継続・拡大(既存顧客をLTV向上の原動力にする)

受注後に顧客関係が途切れる企業は少なくありません。しかし、既存顧客こそが最もLTVを高めやすい対象であり、アップセル・クロスセルのシナリオ設計と解約予兆の早期検知が、このフェーズの重要施策です。

カスタマーサクセス(CS)チームとの連携体制を設計し、「導入後の顧客がどの状態にあるか」を常に把握できる仕組みを整えることが求められます。

継続・拡大フェーズの具体的な施策については、BtoBカスタマーサクセスの実践に詳しくまとめています。

顧客関係構築を仕組み化するための4つの実践施策

フェーズの設計ができたら、次は「何を・どうやるか」という実装レベルの施策に落とします。

顧客関係構築を仕組み化するための施策は

  1. 顧客セグメンテーションの設計
  2. コミュニケーションシナリオの設計
  3. フィードバックループの構築
  4. 部門間SLAの設計

の4つです。

これらを組み合わせることで、属人化を排除した再現性のある関係構築が実現します。

施策1:顧客セグメンテーションの設計(誰に何を届けるかを定義する)

すべての顧客に同じメッセージを届けることは、誰にも刺さらない接点設計につながります。顧客を適切なグループに分け、グループごとに最適な接点を設計することが、セグメンテーション(顧客分類)の目的です。

BtoBで有効なセグメンテーションの軸は、主に4つあります。

  • 業種軸:製造業・IT・サービス業など、業界ごとの課題と言語が異なります
  • 規模軸:従業員数・売上規模によって意思決定プロセスと予算感が異なります
  • 購買フェーズ軸:認知段階・比較検討段階・意思決定段階で必要な情報が異なります
  • 行動スコア軸:MAのスコアリング結果にもとづき、温度感によって接触頻度と内容を変えます

既存顧客のセグメンテーションには、RFM分析(最終購買日・購買頻度・購買金額の3軸で顧客をランク分けする手法)との組み合わせも有効です。RFM分析によるBtoB顧客ランク設計の具体的な手順は別記事でまとめています。

施策2:コミュニケーションシナリオの設計(フェーズごとの接点を自動化する)

MAを活用したシナリオ設計により、顧客の行動に応じて適切なタイミングでメールやコンテンツを自動配信できます。よく設計されるシナリオパターンは以下の3種類です。

展示会・ウェビナー後シナリオ:参加直後のサンクスメールから始まり、課題関連コンテンツを数週間かけて段階的に提供します。参加者の反応(開封・クリック)に応じてシナリオを分岐させることで、温度感の高い顧客をすばやく特定できます。

資料ダウンロード後シナリオ:資料をダウンロードした顧客は、課題意識が顕在化しています。ダウンロードした資料の内容に関連する補足情報・事例・比較コンテンツを順次提供し、検討を深めてもらう設計です。

休眠顧客掘り起こしシナリオ:一定期間接触がなかった顧客に対して、近況確認や新情報提供を目的としたメールを配信します。休眠顧客の中には、「タイミングが合わなかっただけで課題はある」という顧客が含まれており、適切なアプローチで商談が再開するケースがあります。

2026年現在、多くのBtoB企業がMAシナリオの自動化を進めていますが、「シナリオを作ったまま放置している」という状態が最も多く見られます。シナリオは四半期ごとに開封率・クリック率・商談化率を確認し、継続的に改善することが前提です。

MAとCRMを連携させたシナリオの全体設計については、CRM起点のナーチャリング実践で詳しく解説しています。

施策3:フィードバックループの構築(顧客の声を施策改善に還元する)

顧客の声を収集する仕組みは多くの企業で整っていますが、収集したデータを次の施策に反映するプロセスが設計されていないことが課題です。

フィードバックの収集手段は以下のとおりです。

  • NPSアンケート:NPS(ネット・プロモーター・スコア)は「この製品・サービスを他者に推奨したいか」を0〜10点で問う指標です。定期的に計測することで顧客満足の推移を把握できます
  • 商談後ヒアリング:受注・失注問わず、商談後に「検討の経緯」「競合との比較軸」「決め手・懸念点」を聞き取ります
  • 定期レビューミーティング:既存顧客との定期面談で、利用状況・課題変化・今後の計画を確認します
  • レビュー・口コミ収集:外部レビューサイトや顧客紹介プログラムを通じた定性フィードバックも重要な情報源です

収集したフィードバックは、①コンテンツの改善(よくある誤解・未解決の疑問への対処) ②シナリオの改善(どのステップで離脱が多いか) ③製品・サービス改善への連携(CS経由でプロダクトチームへの情報共有)という3つの改善サイクルに接続することで、施策全体の精度が上がります。

施策4:部門間SLAの設計(マーケ・営業・CSの連携ルールを明文化する)

SLA(サービスレベル合意)とは、部門間で「誰が・何を・いつまでに行うか」を明文化した取り決めのことです。BtoBの顧客関係構築で最も見落とされがちな、しかし最も重要な施策の一つです。

SLAが整備されていないと、マーケが育てたリードが営業に渡ったあとに「なぜこのタイミングで渡してくるのか」「このリードはまだ温まっていない」という部門間の摩擦が生まれます。

SLAに盛り込むべき主な内容は以下のとおりです。

  • MQL(マーケティング適格リード)の定義:MQLとはマーケティング部門が「営業に渡す準備ができた」と判断したリードのことです。スコア・属性・行動の条件を明文化します
  • SQL(営業適格リード)の定義:SQLとはMQLを受け取った営業が「商談化できる」と判断したリードのことです
  • トスアップ(引き渡し)の基準とタイミング:どの条件を満たしたらマーケから営業に渡すかを数値で定義します
  • CS引き継ぎ条件:受注後、営業からCSへの情報引き継ぎの内容・タイミング・フォーマットを定義します

MQLとSQLの具体的な定義方法と連携設計については、MQLとSQLの定義とSLA設計で詳しく解説しています。

顧客関係構築のKPIをどう設定するか

顧客関係構築の成果は、KGI(最終目標)から逆算して数値で追うことが重要です。顧客関係構築のKPIは①LTV ②解約率 ③NPSの3指標を起点に、フェーズごとの先行指標に分解して設計します。

LTV・解約率・NPS(3指標の計算方法と目標設定の考え方)

LTV(顧客生涯価値)の計算式

LTV = 平均購買単価 × 購買頻度 × 継続期間

または、SaaSなど月次課金モデルの場合は以下のとおりです。

LTV = ARPU(1顧客の月次平均収益) ÷ チャーンレート(月次解約率)

BtoBのLTV目標は業種・単価によって異なりますが、LTV/CAC(顧客獲得コスト)比率が3以上を目安とする企業が多いです。

解約率(チャーンレート)の計算式

月次チャーンレート = 当月解約数 ÷ 月初の顧客数 × 100(%)

BtoB SaaSの月次チャーンレートの目安は1〜2%程度とされており、これを超えている場合は継続・拡大フェーズの顧客関係設計に改善の余地があります。

NPS(ネット・プロモーター・スコア)の計算式

NPS = 推奨者(9〜10点)の割合(%) − 批判者(0〜6点)の割合(%)

NPSは-100〜+100の範囲で算出されます。BtoBでは+20〜+40が良好水準とされており、定期的な計測と改善が重要です。

フェーズ別に追うべきKPI一覧

フェーズ主なKPI確認内容
フェーズ1:初期接触ウェルカムメール開封率・CTR最初の接点が機能しているか
フェーズ2:育成MQL数・スコア到達率・コンテンツ閲覧数ナーチャリングが機能しているか
フェーズ3:信頼確立商談化率・SQL転換率・提案精度トスアップ後の成果率
フェーズ4:継続・拡大継続率・NPS・アップセル率・LTV既存顧客の関係強化度合い

これらのKPIは、KGI(最終目標)から逆算して設計することが重要です。「売上○○円を達成する」というKGIから「必要な受注数→商談数→MQL数→リード数」とツリー状に分解し、各フェーズで達成すべき数値目標を定義します。

顧客関係構築の仕組み化で成果を出した企業の実例

Sells upが支援した2社の事例から、顧客関係構築の仕組み化がどのような成果をもたらすかを具体的に紹介します。

事例1:ノウハウゼロから月100件リード獲得:日本テレビアート様の場合

株式会社日本テレビアートは、テレビ業界の変化を受けて2020年に新規事業立ち上げのためビジネスプロデュース室を設立しました。しかし、社員の8割以上がデザイナーで、営業・マーケティングのノウハウがゼロの状態からのスタートでした。

当初は営業代行を試みましたが、無形商材である自社のデザインケイパビリティをパートナーに理解してもらえず、商談化が進みませんでした。

弊社との取り組みでは、まずサービス内容の言語化から着手し、Meta広告(Facebook広告)によるリード獲得を開始。同時並行でLP・コーポレートサイト改修・コンテンツマーケティングを推進しました。

顧客関係構築の観点で特に重要だったのが、スプレッドシートからHubSpotへの移行です。これにより、リード情報の集約・ステータス管理・メールマーケティングを組織として運用できる体制を構築しました。毎月の広告予算を10万円程度に抑えながら、初年度から多い月で100件以上のリードを毎月獲得しています。インサイドセールスチームも新設し、架電が追いつかないほどのリード数を安定して確保。経営層の5年単位の売上目標を達成ペースで進行しています。

この事例から、「仕組みがあれば、ノウハウゼロの状態でも顧客関係構築は機能する」ということがわかります。


新規事業の舞台裏。広告予算10万円で毎月100件のリードを創出し、顧客に“デザインの力”を届けるまで

新規事業立ち上げの一環として立ち上げられた株式会社日本テレビアートのビジネスプロデュース室では、新しいサービスの企画から新規顧客との接点創出と販路の拡大に悩みを抱えていました。こうした課題解決を目的とした弊社との取組みでは、サービス企画から広告の運用、MAの導入まで幅広い支援サービスをご提供させていただきました。

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事例2:休眠顧客の掘り起こしで大型受注:ブリューアス様の場合

株式会社ブリューアスは、BtoCのプログラミングスクール向けマーケティング手法をそのままBtoBに転用していたことが課題でした。

弊社との取り組みでは、Account Engagement(旧Pardot)の乗せ替えがあったものの、ステップメールの継続配信を維持。MA運用の改善によりステップメールから継続的な受注を獲得し、一度失注した休眠顧客への掘り起こしメール配信で大型案件を受注しています。

広告運用の改善によるCPA(顧客獲得単価)の約3分の1削減、コンテンツマーケティングの立て直しによる目標リード件数の達成という成果もあわせて実現しました。

この事例から、「関係が途絶えていた顧客でも、適切なタイミングでの接触が関係を再構築する」ということです。休眠顧客管理もまた、顧客関係構築の仕組みの一部として設計する必要があります。


BtoCマーケの“コピー&ペースト”から脱却。戦略設計と広告・LP・MAなどの全方位施策で得た成果とは

株式会社ブリューアスはBtoB事業に注力する一環として、チームを立ち上げてBtoBマーケティングに取り組んでいたものの、社内に経験者が不在だったことから全体戦略の立案や施策の実行に課題を抱えていました。そこでマーケティング戦略の立案から広告運用やMAツールの運用などの施策の実行まで、幅広い支援サービスをご提供させていただきました。

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顧客関係構築でよくある3つの落とし穴と対処法

施策を実装したあとも成果が出ない企業には、共通する失敗パターンがあります。

顧客関係構築でよくある失敗は

  1. ツール導入で完了と認識してしまう
  2. ペルソナが静的なまま更新されない
  3. フィードバックを収集するだけで活用しない

の3つです。

①ツール導入で完了と認識してしまう

CRMやMAツールを導入したことで「顧客関係構築の仕組みが整った」と認識してしまうことは、実装上の最も多い失敗です。ツールはあくまで「仕組みを動かすための器」であり、シナリオ設計・セグメンテーション・SLA策定という「中身」がなければ、顧客データが蓄積されるだけで関係構築には機能しません。

対処法は、ツール導入と並行して「何を・誰に・いつ・どう届けるか」の設計を先行させることです。戦略なきツール導入が失敗する理由はここにあります。

②ペルソナが静的なまま更新されない

一度作成したペルソナを数年間更新しないまま使い続けている企業は多くあります。市場環境・顧客課題・競合状況は変化するため、ペルソナも定期的な見直しが必要です。

対処法は、四半期ごとにフィードバックデータ・商談後ヒアリング・NPS結果をもとにペルソナを更新するサイクルを設定することです。静的なペルソナから動的な顧客理解へのシフトが、施策精度の向上につながります。

③フィードバックを収集するだけで活用しない

アンケートやNPSを定期的に実施している企業でも、その結果をシナリオ改善・コンテンツ更新・製品改善に反映するプロセスが整っていないケースが多いです。

対処法は、フィードバックの収集・分析・改善実施・効果検証を一つのサイクルとして設計し、担当者と期日を決めて定期的に運用することです。収集するだけで終わるフィードバックは、顧客からの信頼を消費するだけで何も返さない行為に等しくなります。

まとめ:顧客関係構築は「個人の努力」ではなく「組織の設計」で決まる

顧客関係構築の本質は、個人のコミュニケーション力や営業センスではなく、フェーズ設計→施策実装→KPI管理→改善サイクルという組織的な仕組みにあります。

改めて本記事の要点を整理します。

  • Step.1:フェーズを設計する。初期接触・育成・信頼確立・継続・拡大の4フェーズを定義し、各フェーズの目標・施策・指標を明確にします
  • Step.2:施策を実装する。セグメンテーション・シナリオ設計・フィードバックループ・SLAの4施策を仕組みとして整備します
  • Step.3:KPIを管理する。LTV・解約率・NPSを基点に、フェーズ別の先行指標を設定し定期的に追跡します
  • Step.4:改善サイクルを回す。データとフィードバックをもとに、ペルソナ・シナリオ・SLAを継続的に更新します

Sells upでは、こうした顧客関係構築の設計から実装・運用支援まで、BtoBマーケティングの実務を一貫して伴走しています。「何から始めればいいかわからない」「仕組みを作ったが機能していない」という段階からでも、まずはご相談ください。

よくある質問

顧客関係構築とは何ですか?

顧客関係構築とは、顧客の課題とニーズを継続的に把握し、適切なタイミングで価値を届ける仕組みを組織として設計・運用することです。個人の営業スキルや人間関係に頼るのではなく、フェーズ設計・シナリオ・SLA・KPI管理という組織的なプロセスとして機能させることが本質です。BtoBでは購買サイクルが長く複数の意思決定者が関与するため、継続的な接点を組織として設計することが競合優位の源泉になります。

信頼関係構築の5原則は?

BtoBにおける信頼関係構築の5原則は、①一貫性(言ったことを必ず実行する) ②透明性(課題や制約も含めて正直に伝える) ③顧客理解(相手のビジネス課題を深く把握する) ④継続的な価値提供(受注後も定期的に役立つ情報を届ける) ⑤迅速な対応(問い合わせや課題に対してすばやく動く)の5つです。これらを組織として仕組み化するためには、SLAの設計とフィードバックループの構築が不可欠です。

顧客満足の3原則は?

顧客満足を高める3原則は、①期待値管理(導入前に過剰な期待を持たせず、現実的な成果を約束する) ②成果の可視化(利用状況・KPIの改善を定期的にレポートし、価値を実感してもらう) ③先回りの課題解決(顧客が問題を訴える前に、データや行動変化から課題を察知してアプローチする)です。特にBtoBのSaaSや継続契約型サービスでは、この3原則を継続・拡大フェーズのCS設計に組み込むことで解約率の低下とLTV向上につながります。

顧客の6大心理とは?

BtoBの購買に影響する顧客の6大心理は、①損失回避(現状を変えることへの抵抗感) ②社会的証明(他社の導入事例や実績への安心感) ③権威性(専門知識を持つ担当者・企業への信頼) ④希少性(限定的な条件や期間への反応) ⑤一貫性(過去の判断・発言と矛盾したくないという心理) ⑥好意(担当者への個人的な信頼と関係性)の6つです。顧客関係構築においては、これらの心理を踏まえた接点設計とコンテンツ提供が商談化率の向上につながります。

顧客関係構築にCRMは必須ですか?

CRM(顧客関係管理システム)は必須ではありませんが、顧客数が増えるにつれて「なくては成立しない」インフラになります。顧客数が数十社以内のうちはスプレッドシートでも管理できますが、部門をまたいだデータ共有・行動履歴の追跡・自動化連携を実現するためには、CRMの導入が現実的な解決策です。重要なのは「CRMを入れること」ではなく「CRMに何を入れ・誰がどう使うかを設計すること」です。

「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために

施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。 こうした課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。 Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。

株式会社Sells up 代表取締役
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。メールシナリオ設計・スコアリング連動・コンテンツとフェーズの整合を含むナーチャリング運用の一体設計を80社以上に提供し、リードの商談化率向上を実現してきた実績を持つ。Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement SpecialistおよびTableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。