BtoCマーケの“コピー&ペースト”から脱却。戦略設計と広告・LP・MAなどの全方位施策で得た成果とは

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累計の受講者10万人を突破した・IT研修サービス「TechAcademy(テックアカデミー)IT研修」や企業・法人向けシステム開発・保守運用サービスを提供する株式会社ブリューアス。
同社ではBtoB事業に注力する一環として、チームを立ち上げてBtoBマーケティングに取り組んでいたものの、社内に経験者が不在だったことから全体戦略の立案や施策の実行に課題を抱えていました。そこで弊社との取組みでは、マーケティング戦略の立案から広告運用やMAツールの運用などの施策の実行まで、幅広く支援させていただきました。
今回は法人事業部でビジネスマーケティングに取り組む藤田 大輝さまとともに、これまでの取り組みと得られた成果を振り返りました。
個人向けだけでなく、企業・法人向けの研修サービスを展開する「TechAcademy」
武田:マーケティング支援をさせていただきました、企業・法人向けIT・プログラミング研修「TechAcademy IT研修」についてお聞かせください。
藤田:プログラミングや生成AI、Webデザイン、マネジメントなど50コース以上のカリキュラムを通じ、企業・法人が求める即戦力を輩出するためのオンラインIT研修サービスです。新人エンジニアの育成だけでなく、生成AI領域への関心の高まりから幅広い職種の方にも受講いただいていることが特徴で、2025年4月で提供実績が累計1,000社を超えました。
武田:もともとプログラミングスクール「TechAcademy」という個人向けサービスを提供されている関係から、BtoCマーケティングをメインに取り組まれてきたと思います。どのようなきっかけからBtoBマーケティングにも力を入れることになったのでしょうか?
藤田:2022年4月頃からBtoBマーケティングにも注力し始め、法人のお客様にご好評いただいていた「新人エンジニア研修」の拡大を図ろうとしていました。当時、法人のお客様へTechAcademyを提案していた営業職だったこともあり、サービスやお客様の課題感を一番理解していた自負があったので、自ら立候補する形でBtoBマーケティングの担当者になりました。
競合ひしめくレッドオーシャン化したIT研修市場において独自のボジションを確立し、社内のBtoC事業に引けを取らない規模までBtoB事業を成長させていくことが、経営層から与えられたBtoBマーケティングのミッションです。
株式会社ブリューアス 藤田さま
BtoCマーケティングのコピー&ペーストから始まったBtoBマーケティングが抱えていた課題
武田:ノウハウが社内にない状態からの「BtoBマーケティングの立ち上げ」はとても大変だったと思います。藤田さんが法人事業部へ異動される以前のBtoBマーケティングについてお聞かせください。
藤田:個人向けサービスで使われている表現やマーケティング施策を、そのまま企業・法人向けサービスに転用するという、いわば“コピー&ペースト”的なアプローチのBtoBマーケティングでした。
専任の担当者はおらず、企業・法人向けのウェビナー施策以外は、ほぼ個人向けサービスの延長線上で施策が展開されていたのです。これは広告運用においても同様で、個人向けサービスで打ち出している訴求に少し手を加える程度でした。当然ながら個人向けサービスと企業・法人向けサービスではターゲット層がまったく異なってきますし、コミュニケーションの手法も伝えるべきメッセージも異なります。
武田:ほぼ同じサービスであったとしても、BtoCとBtoBでは購買プロセスは大きく変わってきます。たとえば組織としての合意形成が必要な分、BtoBの方が意思決定の期間が長くなりますし、CPAもBtoBの方が高額です。また、BtoCではサービスの利用者と意思決定者はほぼ同じですが、人事の研修担当者がサービスを導入して若手のエンジニアが受講するといったケースのように、BtoBの場合は利用者と意思決定者が異なることが多いです。
藤田さんが専任でBtoBマーケティングに取り組まれるようになってから、どのような課題を感じていましたか?
藤田:最も大きな課題は、BtoBマーケティングに知見や実績を持つメンバーがいないことです。専任者として私がBtoBマーケティングにリソースを割けるようになっても、手探り状態のままでは非効率的です。BtoBマーケティング全体の青写真を描くことができ、広告運用といった施策単位の専門知識を持つパートナーが必要不可欠だと感じていました。
Sells up 武田
中長期の目線、戦略ドリブン、建設的なフォードバックを評価し、パートナーを選定
武田:BtoBマーケティングのパートナーを選定される上で、どのような要素を重視していましたか?
藤田:複数のコンサルタントの方と面談を重ねていく中で当時重視していたのが、単発的な施策提案ではなく、長期的な視点によるマーケティング戦略の設計までご相談できることでした。施策一つひとつに集中して頑張っても、ふとマーケティング全体を俯瞰してみるとそれぞれの施策がつながっていなかったり、ひとつの指標は成果がでていても結局は売上に貢献していなかったりといった状況は望ましくありません。
もうひとつ重視していたのがスピード感です。会社からは今後の企業・法人向けサービスの成長が期待されており、他社サービスとの差別化や売上規模の拡大に少しでも早く取り組む必要がありました。
武田:私からのご提案に対して、どのような点を評価いただいたのでしょうか?
藤田:多くのパートナー候補からのご提案がSEOや広告運用といった個別施策に焦点を当てていた中で、武田さんから提示された成長戦略は、1年、3年、5年という中長期スパンで事業が成長していくために必要な施策や各フェーズで想定される課題と対策が網羅されたものでした。ちょうど次年度のマーケティング計画に悩んでいた時期ということもあり、ご提案の段階からとても参考になりました。
また、武田さんのアプローチで印象に残っているのが、施策ドリブンではなく戦略ドリブンであることです。特定のマーケティング手法に依存するのではなく、複数のチャネルに網を張り、効果測定を通じて投資配分を最適化していく考え方で、当時まだ明確なマーケティング戦略を描けていなかった私たちにとって最適でした。この考え方によるマーケティング戦略は、年度ごとの目標変更や事業環境の変化に対して柔軟に対応できる点もポイントです。
さらに武田さんの率直なフィードバック姿勢も高評価でした。パートナー側からはなかなか言いにくいことでも遠慮なく指摘し、社内では気付けなかった改善点を明確に示していただけることは、社外パートナーとお付き合いする大きなメリットです。
中長期のロードマップ、戦略ドリブンな考え方、そして建設的なフィードバック姿勢が社内でも評価され、正式に武田さんとの取り組みをスタートさせていくことになりました。
広告運用の媒体戦略とLP再設計。BtoBマーケティングにおける戦略と施策の改革
藤田:取り組みではまず、個人向けサービスのマーケティングを「コピー&ペースト」したアプローチから脱却し、企業・法人に向けたBtoBマーケティングに切り替えていきました。広告運用では検索ボリュームに依存しない媒体を選定、配信することになり、以前から取り組んでいたGoogleの検索型広告に加えて、Meta広告や、Microsoft広告への配信を実施しています。
武田:BtoBマーケティングにおける検索型広告の場合、対策すべき顕在キーワードの数はそんなに多くありません。つまり、1媒体でどんなに予算をかけても、獲得できるコンバージョン数に限界があるのです。そのため今回のご提案では、Meta広告のようなターゲティング型の媒体を活用することでリーチ拡大を狙いました。
藤田:この多媒体戦略によって、これまでは接触できなかった潜在お客様層へのアプローチが可能になっています。たとえばMicrosoft広告の場合、法人向けPCの規定ブラウザをそのまま使用しているビジネスパーソンへ訴求することができています。その他にも、今後は名刺管理アプリ内に広告を掲載できる「Eight広告」などにもチャレンジする想定で、これはBtoCマーケティングの発想からは出てこなかった施策です。
また、広告運用と並行してLP構成も根本的に見直しました。これまでのLPはコンテンツの構成・順番の根拠が不明確で、論理的ではありませんでした。そこで武田さんからアドバイスをいただき、お客様とのコミュニケーション視点で設計し直し、より効果的な情報伝達を実現できる構成のLPに作り変えています。
MAツールの移行による危機を脱し、単なる作業からコミュニケーション設計に活用できた
藤田:中長期的なマーケティング戦略を支える重要な施策として、MAツールの運用が挙げられます。これまで企業・法人向けサービスでは、Marketing Cloud Account Engagement(旧 Pardot)を導入/運用していたのですが、グループ全体でMAツールの運用方法を見直すことになった影響でマスターデータやリード情報の項目などの基本設定をリセットしなければならない事態になりました。
私自身、MAツールを運用するのは現在の業務が初めてのことですし、MAツールの仕組みと運用方法を理解できたばかりのタイミングだったので、武田さんのサポートがなければMAツールの運用見直しを無事には乗り越えられなかったと思います。
武田:Marketing Cloud Account Engagementのアカウントを移行する場合、「アクティビティ」のデータは引き継ぐことができず、旧アカウントと一緒に消去されてしまいます。この「アクティビティ」のデータは、リードのメールアドレスに紐づいているクッキー情報も含まれており、MAツール運用の「コア」ともいえる大事なものです。このデータが消去されてしまうのは大きな痛手ですが、移行後も問題なくステップメールが配信できるように最低限のラインを死守するような設定をお手伝いさせていただきました。
藤田:武田さんのアドバイスを受け、リードをナーチャリングしていく重要性と、適切なコミュニケーション設計の価値を理解することができ、現在では「いかに質の高いリードを商談へトスアップできるか」という考えを持ちながらMAツール運用に取り組めています。
CPAを1/3に下げ、リード数も増加。マーケ初心者が戦略と施策のバランスを意識できるようになるまで
武田:これまでの取り組み全体を振り返ると、中長期のマーケティング戦略の立案から始まり、広告運用やLPの改善(LPO)、コンテンツマーケティングの立て直し、ホワイトペーパー施策、MAツールの運用支援など、幅広くお取り組みさせていただきました。定量的にはどのような成果が得られていますか?
藤田:まず広告運用において、大幅な改善を実現しました。以前はGoogle広告のみの運用でしたが、Meta広告をはじめとした複数媒体での運用を開始と並行してBtoBマーケティングに特化したキャンペーンを設計したことで、お取り組み以前の3分の1程度までCPAを下げることができています。コンテンツマーケティングを立て直したことで増加したリード数も含め、目標のリード件数を達成したことは大きな成果です。
また、MA運用の改善によってステップメールから継続的な受注を獲得するという成果が生まれています。特に印象に残っているのが、一度は失注した休眠お客様に対するメール配信による掘り起こしが成功したことです。適切なタイミングで、適切な内容の掘り起こしメールを配信したことで大型案件を受注することに成功しました。単なる作業としか思えなかったMAツール運用を、戦略的なコミュニケーションツールとして活用できたことに、自分でも驚いています。
武田:藤田さんにとって、現在のお仕事が初めてのBtoBマーケティングの実務でしたよね。取り組み開始から1年が経過しますが、どのような変化を感じていますか?
藤田:右も左も分からない状態から始まり、今ではBtoBマーケティングの全体感を理解し、個別施策と戦略的視点のバランスまで意識できるようになりました。これは武田さんからの日々のアドバイスや厳しいフィードバックを、しっかり自分のモノにできたからだと思います。
法人事業部全体では人員が少しずつ拡充されており、一部の業務は兼任ながらBtoBマーケティングの体制も強化されつつあります。今後は武田さんに共有いただいたノウハウを後任にも引き継いでいき、組織としてBtoBマーケティングに取り組んでいきます。
BtoBマーケティングで事業全体、そして会社の成長に貢献していきたい
武田:貴社では今後、どのように事業を展開していくのでしょうか?
藤田:運営会社の組織体制が変わったことを受け、現在の主力である新卒エンジニア研修と生成AI研修に加えて、受託開発事業のマーケティング強化も今後の重要な課題となります。IT研修もレッドオーシャンな事業領域でしたが、受託開発事業はもっと競合との差別化が難しく、マーケティング戦略も一筋縄ではいきません。
しかし今後、さらに会社を大きく成長させるためには両事業の貢献が必要不可欠ですので、これまでの取り組みで得た知見と経験をフルに活かして取り組んでいきたいと思います。武田さんにも引き続き、中長期的な視点からご支援いただきたいです。
武田:「TechAcademy IT研修」のBtoBマーケティングは、ちょうど山登りの3合目にたどり着いたところだと考えています。今後はさらにユーザー理解の解像度を向上させ、お客様はなぜテックアカデミーを選ぶのか、という根本的な価値を明確にしていきたいですね。
最後にBtoBマーケティングに課題や悩みを抱えている方に向けてメッセージをいただけますでしょうか。
藤田:特に個人の裁量が大きいベンチャー企業の場合、急にBtoBマーケティングをまるっと任され、よく分からないまま業務に取り組むケースは珍しいことではありません。何からやればいいのかと悩みつつも眼前のBtoBマーケティングに取り組む人にとって、全体像を一緒に整理し、着手すべきポイントを共に考えてくれる存在は貴重です。武田さんは全体設計を把握しながらも、同じチームの「先輩」として実務まで伴走してくれるため、もしBtoBマーケティングに悩んでいたら一度相談してみてはいかがでしょうか。
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