戦略は立てた。次は実行できる体制があるか、確認しませんか

戦略設計の手順はわかっても、実際に動かすリソースやノウハウが不足しているケースは少なくありません。Sells upはBtoBマーケティングの戦略設計から施策実行まで、80社以上の支援実績があります。現状の課題と何から始めるべきかをご提案します。

目次

BtoBマーケティングの手法とは、企業間取引において見込み顧客を獲得し、育成し、商談・受注・継続へとつなげるための施策・アプローチの総称です。

手法の種類は多岐にわたりますが、「どれが自社に合うか」は目的・フェーズ・リソースによって変わります。

「手法の一覧はわかるけれど、どれを選べばいいかわからない」という状態で施策を手当たり次第に実行し、リソースを消耗している担当者の方は少なくありません。

本記事では、主要な手法をフェーズ別に整理したうえで、状況に合う選び方と優先順位の決め方を、弊社の支援事例を交えながら解説します。

BtoBマーケティングの手法を選ぶ前に確認すべき「3つの軸」

BtoBマーケティングの手法選定とは、「目的・リード数・リソース」の3軸を起点に自社の優先施策を絞り込むプロセスのことです。

要点は

  1. 解決したいフェーズの特定
  2. 現在のリード数の確認
  3. マーケティングリソースの把握

の3点です。なぜなら、この3軸が揃わないまま手法を選ぶと、自社の課題とまったく関係のない施策にリソースを投下する事態になるからです。

施策はすべての企業に等しく有効ではなく、自社の状況によって向き・不向きがあります。まず3軸を整理してから手法の一覧に進むことが、遠回りのようで最も早い方法です。

軸①:どのフェーズの課題を解決したいのか

BtoBマーケティングの施策は、「リード獲得」「リード育成」「商談化」「顧客維持」の4つのフェーズに対応しています。自社が今どのフェーズで詰まっているかを明確にすることが、手法選定の出発点です。

具体的には、「そもそもリードが少ない」ならリード獲得施策を優先し、「リードはあるが商談化しない」なら育成・商談化施策から着手する、という判断になります。

多くの企業では、リードが不足しているにもかかわらずナーチャリングのツールを入れてしまうケースや、逆にリードは豊富なのに広告費を増やし続けるケースが見られます。フェーズのずれた投資は成果につながりません。

各フェーズがどのようにつながっているかは、BtoBマーケティングの全体プロセスで詳しく解説しています。

軸②:現在どれだけのリードがいるか

リード数は、施策選択の制約条件として機能します。保有リードが100件未満の場合、MA(マーケティングオートメーション)を導入してもシナリオを回せるだけのデータがなく、効果を発揮できません。

弊社では、リードが1,000件を超えた段階からMAの本格活用を推奨しています。
なぜなら、MAのスコアリングやステップメールは母数があってはじめて機能する仕組みだからです。

リードが少ない段階では、まず獲得施策(SEO・広告・ウェビナー)でリストを積み上げることに集中するのが正しい順序です。

軸③:マーケ専任担当者の有無とリソース量

マーケティング専任担当者がいない、または1名体制の企業では、複数の手法を同時に動かすことは現実的ではありません。

1〜2施策に絞り込んで深く実行するほうが成果につながります。

具体的には、専任1名であれば「SEO+ホワイトペーパー」または「広告+LP改善」のように、オンライン上で完結する2施策の組み合わせから始めることが実務的な選択肢です。

リソースが限られている状況では、手法の「数」よりも「深さ」が成果を左右します。
弊社の支援事例でも、施策を絞って一つひとつを精度高く実行した企業が、多くの施策を浅く試した企業より早く成果を出しています。

リード獲得(リードジェネレーション)の主要手法一覧

リード獲得の手法とは、自社のサービスや製品に関心を持つ見込み顧客の情報を新規に取得するための施策のことです。

要点は

  1. オンライン施策とオフライン施策の組み合わせ
  2. 自社のターゲット属性に合うチャネルの選択
  3. まずCVR改善を先行させること

の3点です。

なぜなら、チャネルを増やす前にCVR(コンバージョンレート)が低い状態では、集客コストがそのまま無駄になるからです。

リード獲得から育成・商談化までの流れを俯瞰したい方は、デマンドジェネレーションの全体像もあわせてご確認ください。

オンライン施策5選とそれぞれの向き・不向き

BtoBマーケティングのオンライン施策は、大きく「SEO対策」「ホワイトペーパー」「Web広告」「ウェビナー」「オウンドメディア」の5つに分類できます。それぞれの特性と向き・不向きを以下の表で整理します。

手法主な目的向いている企業コスト感即効性
SEO対策中長期のリード獲得検索需要があるBtoB商材
ホワイトペーパー情報収集層のリード獲得検討期間が長い商材低〜中
Web広告即時のリード獲得今すぐ母数を増やしたい
ウェビナーリード獲得と信頼構築専門性を示したい低〜中
オウンドメディア資産型リード獲得継続的にコンテンツを作れる体制がある

Web広告については、リスティング広告(検索連動型)・ディスプレイ広告・SNS広告(Meta広告・LinkedIn広告等)と種類が多く、BtoBの場合はターゲット職種・業種を絞り込めるMeta広告やMicrosoft広告が特に有効なケースがあります。

なぜなら、BtoB購買担当者が業務時間中にビジネス用PCを使って情報収集する行動パターンと、Microsoft広告の配信面が一致するからです。

オフライン施策とそれぞれの向き・不向き

BtoBマーケティングのオフライン施策は「展示会出展」「セミナー開催」「テレアポ」「郵送DM」「紹介営業」が代表的です。

展示会は短期間で大量のリードを獲得できる反面、出展費用が高額になりやすく、商談化率は低い傾向があります。

具体的には、展示会で名刺を数百枚取得しても、MAツールやインサイドセールスとの連携がなければ大半がそのまま休眠リードになります。

紹介営業は商談化率・受注率がもっとも高い手法の一つですが、意図的に量を増やすことが難しいという制約があります。

テレアポは潜在層へのリーチが主な用途であり、担当者一人が1日にかけられるコール数に上限があるため、スケールしにくい点は留意が必要です。

オンライン・オフラインを含む主要施策を網羅的に把握したい方は、施策33選の詳細一覧も参照ください。

なぜCVR改善を先行させるべきなのか

リード獲得施策を選ぶ際に多くの企業が陥る落とし穴は、「CVRが低いままの状態で認知拡大・集客施策を先行させること」です。

弊社が推奨するのは、まずWebサイトやLPのCVRが2%未満の場合はLP改善から着手することです。

なぜなら、CVRが低い状態で広告費を積んでも、バケツの穴から水が漏れるように獲得コストが無駄になるからです。

具体的には、フォームの項目数削減・ファーストビューのコピー見直し・CVポイントの追加(資料請求・ホワイトペーパーDL・ウェビナー申込など複数のCVポイント設置)をLP改善の優先アクションとして実施します。

CVR改善を先行させてからリード獲得施策に投資する順序が、費用対効果の観点から正しい進め方です。

リード育成(リードナーチャリング)の主要手法一覧

リード育成(リードナーチャリング)とは、獲得済みの見込み顧客に対して継続的に情報を届け、購買意欲と信頼を高めながら商談タイミングに引き上げる一連の施策のことです。

要点は

  1. メールマーケティングによる定期接触
  2. フェーズに合ったコンテンツ配信
  3. MA(マーケティングオートメーション)との連動による自動化

の3点です。なぜなら、BtoBの検討期間は平均で数週間から数ヶ月に及ぶため、継続的な接触がなければ競合他社に想起を取られるからです。

ナーチャリングの概念・設計手順を体系的に理解したい方は、リードナーチャリングの基本設計をご参照ください。

メールマーケティング(メルマガ・ステップメール)の設計ポイント

メールマーケティングは、ナーチャリングの中心的な手法です。大きく「メルマガ(定期配信)」と「ステップメール(シナリオ配信)」の2種類があります。メルマガはリスト全体に定期的に有益なコンテンツを届ける目的で使い、週1〜2回の配信頻度が適切です。

ステップメールは、特定のアクション(資料DL・ウェビナー参加等)を起点にシナリオ化されたメールを段階的に配信し、商談へ引き上げることを目的とします。

多くの企業が陥る失敗は、メルマガをセミナー告知や新機能のお知らせだけに使い、受信者にとっての価値が薄くなることです。

業界の課題解決に直結するノウハウ記事・事例・チェックリストなどを配信することで、開封率とクリック率を維持することが重要です。

コンテンツ配信(ホワイトペーパー・ウェビナー・動画)の活用法

コンテンツ配信は、検討フェーズに応じたコンテンツを届けることでリードの温度感を高める手法です。具体的には、認知・情報収集フェーズには「業界課題の解説資料」、比較・検討フェーズには「導入事例集」「競合比較資料」、意思決定フェーズには「デモ動画」「ROI試算シート」を提供するという設計が基本です。

弊社の支援事例では、株式会社CLUEにおいて、セミナー後のアンケートからお客さまごとの関心トピックを分析し、最適なフォローアップメールを配信する仕組みを構築しました。この取り組みにより、セミナー後の商談転換率が改善し、オウンドメディアとメルマガを連携した記事企画で安定したCV獲得を実現しています。

MAとナーチャリングを連動させる考え方

MA(マーケティングオートメーション)とは、リードの行動履歴をもとにスコアリング・セグメント配信・シナリオ自動化を実行するツールのことです。ナーチャリングをMAと連動させると、「どのリードがいま検討フェーズにあるか」をデータとして把握しながら適切なコンテンツを自動配信できます。

弊社ではAccount Engagement(旧Pardot)を中心に80社以上のMA導入・活用支援を行っています。MAのポテンシャルを引き出すには、シナリオ設計・スコアリングルール・SLA(マーケと営業の引き継ぎルール)の3つを設計段階で整備することが前提条件です。ツールを入れるだけでシナリオ設計がなければ、活用できないログが溜まるだけです。

MAを活用したナーチャリングの具体的な設定手順は、MAツールとナーチャリングの連動設計で詳しく解説しています。

商談化(リードクオリフィケーション)の主要手法一覧

商談化(リードクオリフィケーション)とは、育成中のリードの中から「いま営業がアプローチすべきリード」を選別し、確実に商談につなげる一連の仕組みのことです。要点は①スコアリングによる優先順位付け、②インサイドセールスとの連携、③SLA(マーケと営業の引き継ぎルール)の整備、の3点です。なぜなら、スコアリングとSLAがなければ、マーケが渡したリードを営業が適切にフォローしない「連携断絶」が発生するからです。

スコアリングによる優先順位付けの基本設計

リードスコアリングとは、リードの属性情報(企業規模・役職・業種)と行動情報(ページ閲覧・メール開封・資料DL等)に点数を付与し、商談化の優先度を数値化する仕組みのことです。スコアが一定の閾値を超えたリードを「ホットリード」として営業にパスする設計が基本です。

具体的には、「サービス紹介ページを3日連続で閲覧したリード」を高スコアとして自動検知し、インサイドセールスにアラート通知を送る設計が実務では多く使われます。弊社がCLUE様を支援した際にも、3日連続でサービスページに訪問しているユーザーを検知し、インサイドセールスに自動連携される仕組みを構築しました。この仕組みにより、タイムリーなアプローチが可能になりました。

スコアリングの設計手順を体系的に学びたい方は、リードスコアリングの仕組みと設計手順をご参照ください。

インサイドセールスとの連携で商談化率を高める仕組み

インサイドセールスとは、電話・メール・オンライン会議を通じてリードの課題ヒアリングとアポイント獲得を担う内勤型の営業機能のことです。マーケティングが獲得・育成したリードをインサイドセールスが受け取り、フィールドセールスへパスするという分業モデルが、BtoBマーケティングでは標準的な設計です。

インサイドセールスが機能するためには、①マーケから渡されるリードの質の基準(どのスコアのリードを渡すか)、②渡されたリードへのフォロー期限と方法、③フォロー結果のフィードバック体制、の3点が必要です。この設計がないと、マーケと営業の間で「リードの質が悪い」「フォローが遅い」という摩擦が生じます。

SLAの設計がなぜ商談化率に直結するのか

SLA(マーケと営業の引き継ぎルール)とは、マーケティングが営業にリードをパスする条件・タイミング・フォロー期限を明文化した合意事項のことです。SLAがない組織では、マーケが渡したリードに対して営業がいつアプローチするかが属人的になり、商談化率を計測・改善することもできません。

Salesforce認定Marketing Cloud Account Engagement Specialist資格を保有する弊社の担当者が支援してきた経験から言えるのは、「SLAを整備しただけで商談化率が改善するケースが非常に多い」ということです。具体的には、「スコア80点以上のリードは24時間以内にインサイドセールスが架電する」というルールを設けることで、リードの鮮度が高いタイミングでのアプローチが実現します。

顧客維持・拡大(リテンション・アップセル)の主要手法一覧

顧客維持・拡大の手法とは、既存顧客の継続利用を促しながらアップセル・クロスセルによってLTV(Life Time Value、顧客生涯価値)を最大化する施策のことです。要点は①カスタマーサクセスとマーケティングの連携、②既存顧客向けのスコアリングと情報配信、③アップセルにつながるコンテンツ設計、の3点です。なぜなら、新規顧客獲得コストは既存顧客維持コストの5倍以上かかるとも言われており、リテンション施策の費用対効果は新規獲得施策を上回るケースが多いからです。

カスタマーサクセスとマーケティングの連携設計

カスタマーサクセスとは、顧客が製品・サービスを通じて期待する成果を実現できるよう能動的に支援する機能のことです。マーケティングとカスタマーサクセスを連携させることで、既存顧客の活用状況データをコンテンツ企画に反映したり、解約リスクの高い顧客に対してマーケ施策でフォローを入れたりすることが可能になります。

具体的には、「製品の主要機能を一定期間使っていない顧客」をMAでセグメントし、活用支援コンテンツのメールを自動配信するという設計が実務では有効です。解約の多くは「使いこなせない」という理由であるため、活用支援のコンテンツを届けることが解約率改善に直結します。

既存顧客向けスコアリングとアップセル設計

既存顧客向けのスコアリングとは、価格プランのアップグレードや追加機能の検討状況をリードスコアリングと同様の仕組みで可視化する設計のことです。具体的には、料金ページや上位プランの紹介ページへのアクセス頻度が上昇しているアカウントをスコアリングで検知し、カスタマーサクセス担当者にアラートを送る仕組みが有効です。

アップセルにつながるコンテンツとしては、「同規模・同業種の導入事例集」「ROI改善の試算シート」「上位機能の活用ノウハウ動画」が代表的です。これらを既存顧客の検討タイミングに合わせて届けることで、商談機会を増やすことができます。

フェーズ・状況別「手法の選び方」実践ガイド

BtoBマーケティングの手法選定において、自社の状況を3つのケースに分類し、それぞれの優先施策を整理します。要点は①立ち上げ期は獲得施策に集中する、②商談化率が低い場合はスコアリングとSLAを先行する、③テレアポ・展示会依存からの脱却にはMA連動が不可欠である、の3点です。なぜなら、ケースによって「いま投資すべき施策」がまったく異なるからです。

Case A:マーケ担当者がゼロから立ち上げる場合

マーケティング担当者が不在または新設の場合、最初の6ヶ月で取り組むべき施策は「LP改善」「ホワイトペーパー1本の制作と公開」「Google広告またはMeta広告の1チャネル運用」の3つに絞ることが実務上の推奨です。理由は、複数施策を同時に立ち上げると品質が分散し、どの施策が効いているか判断できなくなるからです。

弊社が支援した株式会社ブリューアス(TechAcademy IT研修のBtoB事業)では、BtoBマーケティング経験者が社内に不在の状態でゼロから立ち上げを行いました。Google広告のみだった運用にMeta広告・Microsoft広告を順次追加し、多媒体戦略でリーチを拡大した結果、取り組み前と比べてCPAを約3分の1に削減することに成功しています。ゼロからの立ち上げ期でも、施策の選定と優先順位の設計が成果を大きく左右します。

Case B:リードはあるが商談化率が低い場合

リードが一定数(500件以上)あるにもかかわらず商談化率が低い場合、問題の大半はスコアリング設計の不在とSLAの欠如にあります。具体的には、Step.1:現状のリードをスコアリングルールで再分類する、Step.2:営業とMQL(Marketing Qualified Lead、マーケが営業に渡す基準)の定義を合意する、Step.3:SLAを書面で整備し、フォロー期限と架電回数のルールを決める、という順序で進めることが有効です。

この状況で新規リード獲得施策に投資を増やしても、同じ課題(商談化しない)が繰り返されるだけです。まず既存リストを活用した商談化率の改善に集中することが、投資対効果の観点から正しい優先順位です。

Case C:展示会・テレアポ依存から脱却したい場合

展示会やテレアポ依存の状態は、「人手とコストに規模が依存している」という構造的な制約があります。この状態から脱却するには、デジタルチャネルとMAを組み合わせた仕組みへの移行が必要です。ただし、業種・ターゲット属性によってはデジタル施策が機能しにくいケースもあるため、チャネル選定は慎重に行う必要があります。

弊社が支援した株式会社CLUE(ドローンSaaSを提供する建設業界向け企業)は、2019年時点でマーケティング経験者が社内に一人もいない状態でした。支援開始にあたり、KPI設計から着手し「ターゲット属性に合致するリード数」と「商談獲得数」の2指標を設定しました。建設業界は検索行動が活発でないため、Meta広告・ディスプレイ広告などプッシュ型施策の方が獲得効率が高いという知見を実務の中で発見し、チャネル戦略を再設計しています。さらにAccount EngagementとSalesforceの導入・活用支援を並行して進め、5年間の支援で「営業が自分の足で獲得する状態」から「組織的なマーケティング施策でリードを獲得できる状態」への変革を実現しました。

BtoBマーケティング手法の選定でよくある失敗パターンと回避策

BtoBマーケティングの手法選定における失敗パターンとは、施策の実行順序・チャネル選択・戦略設計の3つの観点でよく発生するミスのことです。要点は①CVR改善より先に認知施策を拡大しない、②BtoCの手法をBtoBにそのまま転用しない、③施策を実行しながら戦略の骨格を並行して整備する、の3点です。なぜなら、これら3つの失敗はリソースとコストを消耗しながら成果が出ないという最悪のパターンにつながるからです。

失敗①:CVR改善より先に認知拡大施策に着手してしまう

よくある失敗パターンの一つ目は、WebサイトやLPのCVRが低い状態のまま広告費を増やしてしまうことです。CVRが1%未満のLPに広告を配信しても、クリックのほとんどがコンバージョンにつながらず、広告費が流出するだけです。

回避策は、まずGoogleアナリティクスでLPのCVRを計測し、CVR2%未満の場合はLP改善(ファーストビューのコピー・CVポイントの追加・フォーム項目の削減)を優先することです。CVRが安定してから広告予算を増やすという順序が正しい進め方です。

失敗②:BtoCのマーケ手法をそのままBtoBに転用してしまう

二つ目の失敗は、BtoCで実績のあるマーケ手法をBtoBにそのまま適用してしまうことです。BtoCとBtoBでは購買意思決定のプロセス・関与者・検討期間がまったく異なります。BtoCでCVに直結したキャンペーン手法やSNS訴求が、BtoBでは成果を出せないケースは頻繁に起きます。

弊社が支援した株式会社ブリューアス(TechAcademy IT研修のBtoB事業)では、BtoC(プログラミングスクール)のマーケ手法をそのままBtoBに転用していたことが最大の課題でした。LPの構成をBtoB顧客とのコミュニケーション視点で再設計し、BtoC発想では出てこなかったMicrosoft広告での法人向けPCユーザーへの訴求など新たなチャネルを開拓することで、コンテンツマーケティングの立て直しによる目標リード件数の達成とCPA約3分の1削減を実現しています。

失敗③:施策を実行しながら戦略の骨格を作っていない

三つ目の失敗は、個別施策の実行は進んでいるのに「なぜその施策をやるのか」「どのKPIを改善したいのか」という戦略の骨格がないまま動いてしまうことです。この状態では、施策の効果が出ていても出ていなくても「何が原因か」を特定できず、PDCAが回りません。

回避策は、施策を始める前に「①ターゲットの定義、②KPIの設定(リード数・商談化率・受注率の3階層)、③各施策のROI試算」の3点をセットで整備することです。戦略の骨格があれば、施策の成否を判断する基準が生まれ、投資の優先順位を常に見直すことができます。

まとめ

  • BtoBマーケティングの手法は、「解決したいフェーズ」「現在のリード数」「マーケリソース」の3軸で絞り込むことが、施策選定の出発点です。
  • リード獲得施策は、CVR改善を先行させてからチャネル投資を拡大する順序が、費用対効果の観点から正しい進め方です。
  • リード育成はメールマーケティングとMAを連動させることで、商談化タイミングを逃さず自動化できる仕組みを構築できます。
  • 商談化率の改善は、スコアリング設計とSLA(マーケと営業の引き継ぎルール)の整備が最初に取り組むべきアクションです。
  • BtoCの手法をBtoBにそのまま転用することは、チャネル・コピー・ターゲティングの設計が根本的に異なるため、成果につながらないことが多いです。

弊社Sells upでは、BtoBマーケティングの戦略設計から施策実行・MA活用支援まで一貫してサポートしています。「何から始めればいいかわからない」「施策をやっているのに商談が増えない」という場合は、まずお気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

BtoBマーケティングの手法とは何ですか?

BtoBマーケティングの手法とは、企業間取引において見込み顧客を獲得・育成・商談化・維持するための施策やアプローチの総称です。SEO・Web広告・ウェビナー・展示会・MAツールなど、オンライン/オフラインを問わず多数の手法があります。

BtoBマーケティングの手法はどれから始めるべきですか?

まずWebサイト・LPのCVRを確認し、2%未満であればLP改善を最初に着手することを推奨します。その後、現在のリード数とリソース量に応じて「リード獲得施策」か「育成施策」かを選択する順序が適切です。

BtoBとBtoCではマーケティング手法に違いがありますか?

大きな違いがあります。BtoBは購買意思決定に複数の関与者が関わり、検討期間が数週間から数ヶ月に及ぶため、継続的な情報提供と信頼構築が中心になります。BtoCで有効なキャンペーン型のアプローチは、BtoBでは機能しないケースが多いです。

MAツールはどのフェーズから導入すべきですか?

保有リードが1,000件を超えた段階からの導入が適切です。それ以前は、MAのシナリオやスコアリングを動かすだけのデータ量が不足しており、費用対効果が低くなります。まずリード獲得施策でリストを積み上げることが先決です。

SLAとは何ですか?なぜBtoBマーケティングに必要なのですか?

SLA(マーケと営業の引き継ぎルール)とは、マーケティングが営業にリードをパスする条件・タイミング・フォロー期限を明文化した合意事項のことです。SLAがないと、マーケが渡したリードへの営業フォローが属人化し、商談化率を計測・改善することができなくなります。

リードスコアリングとはどのように設計するのですか?

リードスコアリングは「属性スコア(企業規模・役職・業種)」と「行動スコア(ページ閲覧・メール開封・資料DL)」を組み合わせて設計します。スコアが一定の閾値を超えたリードをMQLとして営業にパスするルールをSLAと合わせて整備することが基本設計です。

テレアポや展示会依存からデジタルマーケティングへ移行するにはどうすればいいですか?

まずターゲットの検索行動・情報収集パターンを確認し、デジタルチャネルが機能するか検証することが先決です。業種によってはプッシュ型広告(Meta広告・ディスプレイ広告)が適している場合があります。デジタルと既存施策を並行させながら段階的に移行することが現実的な進め方です。

戦略は立てた。次は実行できる体制があるか、確認しませんか

戦略設計の手順はわかっても、実際に動かすリソースやノウハウが不足しているケースは少なくありません。Sells upはBtoBマーケティングの戦略設計から施策実行まで、80社以上の支援実績があります。現状の課題と何から始めるべきかをご提案します。

株式会社Sells up 代表取締役
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。BtoBマーケティング支援会社として、デジタルマーケティング戦略設計・MA/SFA導入・リードジェネレーション・ナーチャリング・営業連携SLA構築を80社以上に提供し、売上成長への貢献実績を持つ。Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement SpecialistおよびTableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。