ナレッジ 2025.10.11 最終更新 2026.10.03

リードスコアリングとは?MAでの設計6ステップと営業連携の進め方

この記事を書いた人 武田 大 株式会社Sells up 代表取締役

リードスコアリングとは、見込み客の属性スコアと行動スコアを数値化し、営業がどのリードから確認するかの優先度を判断する仕組みです。MA(マーケティングオートメーション)を導入した企業がスコアを設計しても、営業に使われないまま点数だけが積み上がっていく状態は珍しくありません。

本記事では、BtoBマーケティングを100社以上支援してきたSells upが、評価軸の設計からMAでのモデル構築6ステップ、MQL・SQLの判定基準、営業に見せる項目、精度の見直し方、スコアリングを急がなくてよい場合までを解説します。

スコアリングとは?リード管理プロセスにおける位置づけ

リードスコアリングとは、見込み客の属性と行動を点数化し、営業が確認する順番を決める仕組みです。営業がすべてのリードへ均等に対応するのではなく、点数の高いリードから接触することで、限られた営業の時間を商談につながりやすい相手に振り向けます。

ポイントは次の3つです。

1つ目は、属性スコアと行動スコアという2つの評価軸で測ることです。

2つ目は、MQL・SQLという段階の判定にスコアの閾値を用いることです。

3つ目は、営業への引き渡しのルール(SLA)とセットで運用することです。

スコアリングは、マーケティング部門が獲得したリードのうち、どれを営業へ渡すかを数値で共通化する役割を担います。数値の基準がなければ、部門ごとに有望度の見方がずれ、引き渡しがうまく機能しません。具体的には、資料ダウンロードや料金ページの閲覧といった行動に点数を割り当て、一定の閾値を超えたリードを営業が優先して確認する対象として扱います。

リード管理の中でスコアリングを使う段階

スコアリングは、リード獲得の後、営業への引き渡し(MQL・SQL判定)の手前で使います。獲得した多数のリードを育成しながら継続的に採点し、営業が確認すべきタイミングを見つけるのがスコアリングの役割です。MQLの詳しい判定基準はMQLの判定基準で解説しています。

スコアが閾値を超えたあと、どの情報を添えて営業へ引き継ぐかはトスアップの基準と手順で整理しています。

スコアリングが解決する課題とメリット

スコアリングが解決する課題とは、営業の時間の分散と、マーケティングと営業の間で評価基準がずれていることです。スコアリングモデルを整えると、どのリードから確認するかを数値で判断できるようになります。

得られるメリットは次の2つです。

1つ目は、営業の時間の配分を見直せることです。商談につながりやすい条件を満たしたリードから接触できます。

2つ目は、マーケティングと営業の連携が進めやすくなることです。営業が優先して確認するリードの条件を数値で共有できるため、引き渡しの判断がそろいます。

スコアは部門間の共通言語として機能します。弊社にご相談いただく企業では、営業が「マーケティング部門から渡されるリードは質が低い」と感じ、マーケティング部門は「営業がリードを追わない」と感じる、という認識のずれがよく見られます。具体的には、属性スコア20点以上かつ行動スコア40点以上をMQLとする、といった数値基準を両部門で合意すると、このずれを解消しやすくなります。

スコアリングだけでは営業の行動は変わらない

スコアリングを入れただけでは営業の行動は変わりません。変わるのは、スコアの意味を営業と合意し、スコアに応じた対応ルール(SLA)を決めたときです。点数を出すこと自体が目的ではなく、点数を営業の行動に接続する設計が必要です。営業がスコアを使わない理由と対処はスコアリングが営業に使われない理由で掘り下げています。

スコアリングの評価軸:属性スコアと行動スコア

スコアリングの評価軸とは、見込み客を測る2つのものさし、つまり属性スコアと行動スコアです。この2軸を分けて評価することが、スコアリングモデルを機能させる前提になります。

属性スコアとは、企業の業種・規模・役職・部署など、自社のターゲット像とどれだけ一致するかを測る点数です。行動スコアとは、Webサイトの訪問回数、資料ダウンロード、ウェビナー参加、メールの開封・クリックなど、自社の情報にどれだけ接しているかを測る点数です。

2つの軸が示す意味は異なります。属性は「そもそも自社の顧客になりうるか」を、行動は「いま自社の情報にどれだけ接しているか」を表します。具体的には、属性は高いが行動が少ないリードは中長期の育成対象、行動は活発だが属性が合わないリードは受注につながりにくい相手、と切り分けられます。両方が高いリードは営業が優先して確認する対象になりますが、行動が多いことだけで検討が進んでいると断定はできません。

配点は自社の受注データから決めるのが原則ですが、最初の設計の目安として配点例を紹介します。以下の点数は一例であり、一般的な基準ではありません。実際には受注したリードの傾向に合わせて調整します。

スコア種別 評価項目 配点の目安
属性スコア 役職が決裁者・部長クラス 10〜15点
業種・事業内容がターゲットに合致 10点前後
従業員規模がターゲット帯に合致 5点前後
行動スコア 料金・価格ページの閲覧 10〜15点
資料・ホワイトペーパーのダウンロード 10点前後
ウェビナー・セミナーへの参加 10〜20点
メールの開封・クリック 1〜5点

属性は自社の顧客像との適合度、行動は受注に近い動きほど高く配点するのが基本です。料金ページの閲覧や資料ダウンロードのように受注に近い行動には厚く配り、開封のように弱いシグナルは低く抑えます。点数の大きさそのものより、項目間の相対的な重みづけのほうが結果を左右します。

属性と行動の重みは受注データで決める

どちらを重くするかは、自社の受注データで決めます。過去に受注したリードが「どんな属性で、どんな行動をとっていたか」を振り返り、受注と関係の強い要素を厚く配点します。属性ごとに顧客を分ける考え方はBtoBの顧客ランク分けも参考になります。

MAでのスコアリングモデル設計6ステップ

スコアリングモデルの設計とは、評価項目と配点、閾値、対応ルールを順に決めていく作業です。ここでは6つのステップに分けて紹介します。最初から複雑にせず、シンプルな配点で始めて運用しながら精度を上げる進め方が、MAを導入したばかりの企業でも実行しやすい方法です。

Step.1:ターゲット(ICP)を定義する
理想的な顧客像を業種・規模・役職で言語化します。

Step.2:受注したリードの共通点を洗い出す
過去に受注したリードの属性と行動履歴を分析し、受注と関係の強い要素を特定します。

Step.3:評価項目と配点を決める
属性スコアと行動スコアそれぞれに項目を割り当て、受注との関係が強い行動に高い点を配ります。

Step.4:マイナス点を設定する
配信停止や採用ページの閲覧など、購買の検討とは別の目的が考えられる行動にはマイナス点を割り当てます。

Step.5:スコアの閾値を決める
MQL・SQLの判定ラインを数値で定め、営業とSLAとして合意します。

Step.6:運用しながら見直す
営業からのフィードバック(スコアが高かったが商談にならなかった等)をもとに配点を調整します。

スコアリングルールが決められないときの最小構成

ルールが決められないときは、受注データが足りないか、ターゲットの定義があいまいなことが原因です。まずは「料金ページを3回閲覧」「資料ダウンロード」など受注に近い行動を数点だけ加点する最小構成から始めます。完璧な配点を最初に作ろうとせず、動かしながら直す進め方のほうが失敗を避けられます。

MQL・SQLの判定基準とスコア閾値の決め方

MQL(Marketing Qualified Lead)とは、属性や行動などの条件をもとに、マーケティング部門が優先的にフォローする対象として判定したリードです。SQL(Sales Qualified Lead)とは、そのうち営業部門が商談として進める対象と認めたリードです。スコアの閾値は、このMQL・SQLの判定ラインとして機能します。

MQLと判定したあと、どのタイミングでどんな情報を添えて営業へ引き継ぐかというプロセスは、営業への引き継ぎプロセスの設計で詳しく解説しています。

閾値は「両部門の合意」として決めることが重要です。マーケティング部門が一方的に閾値を決めても、営業が納得しなければリードは追われません。弊社の支援では、MQLを属性スコア20点以上かつ行動スコア40点以上、SQLをデモ・相談申込、またはスコア70点以上かつ直近7日以内にBOFU(比較・検討の終盤)系の行動あり、という二重条件で設計することがあります。これはSells upの支援で使用している設計例であり、一般的な基準ではありません。

この閾値に到達する流れを計算例で紹介します。決裁者クラス(属性12点)で業種も合致(属性10点)している見込み客は、属性スコアが合計22点となり、属性の下限20点を満たします。さらに料金ページを閲覧(行動15点)し、資料をダウンロード(行動12点)、ウェビナーに参加(行動15点)すると、行動スコアは合計42点となり、行動の下限40点を上回ります。属性22点かつ行動42点で、この見込み客はMQLの二重条件を満たしたと判定されます。行動が活発でも属性が20点に届かないリードや、属性は合っていても行動が40点に満たないリードは、営業へは渡しません。

単一のスコア合計だけで判定すると、「属性は合わないのに行動だけで高得点」のようなリードが混ざります。属性と行動の両方に下限を設ける二重条件にすると、営業へ渡すリードの条件がそろいます。MQLからSQLへの移行では、インサイドセールスが電話やメールで予算や導入時期を聞き取ります。聞く順番はBANT条件と聞き取りの順番で整理しています。

MQLにするスコアは自社の受注データから決める

一律の正解点はありません。自社で受注したリードが到達していたスコア帯を基準に設定します。運用を始める段階では、営業が対応しきれるリード数と、マーケティング部門が供給できるリード数のバランスが取れる点に置き、商談化率を見ながら調整します。

営業が今すぐ連絡すべきリードの扱いはホットリードの定義と営業連携で解説しています。

営業に見せるスコアと項目の決め方

営業に見せる項目とは、スコアの点数だけでなく、その点数になった理由を営業が判断できる情報です。点数だけを渡すと、営業は「なぜこのリードを優先するのか」がわからず、結局すべてのリードを同じように扱います。

営業に見せる項目は、次の4つに絞ると使われやすくなります。

1つ目は、MQLに到達した日と、到達のきっかけになった行動です。

2つ目は、直近に閲覧したページや資料の名称です。料金ページ、導入事例、比較資料のように、何に関心があるかを推測する手がかりになります。

3つ目は、属性の要点です。業種、従業員規模、役職、部署のように、営業が最初の会話を組み立てるのに使う情報です。

4つ目は、過去の接点です。参加したウェビナー、問い合わせ履歴、過去の商談や失注の記録を並べます。

反対に、行動ごとの細かい配点や累積スコアの推移を毎回見せる必要はありません。営業が見るのは「誰に、何をきっかけに、何の話から連絡するか」です。閲覧したページは関心の手がかりにはなりますが、それだけで購買意欲が高いと断定せず、最初の連絡で状況を聞き取る前提で渡します。

営業に見せる画面を一つにまとめる

項目がMAとSFAに分かれていると、営業は確認をやめてしまいます。MAのスコアと閲覧履歴をSFAのリード画面に連携し、営業が普段使う画面で見られる状態にすることが大切です。Salesforceでの項目設計はSalesforceのリードスコアリング設定で紹介しています。

スコア減衰と鮮度:古いスコアの扱い方

スコア減衰とは、時間の経過や無活動に応じてスコアを下げ、行動の鮮度を反映させる仕組みです。半年前に資料をダウンロードしたリードと、昨日ダウンロードしたリードを同じ点数のまま扱うと、優先度の判断を誤ります。

ポイントは、上昇は緩やかに、下降は厳しく設計することです。1つの行動で1段階だけ上げ、一定期間の無活動で段階を戻します。弊社の支援では、14日間の無活動でステージを最初の段階へ戻す設計を用いることがあります。期間は商材の検討期間によって変わるため、自社の受注までの日数を見て調整します。

いまの状況を反映しないスコアは、営業が古い情報をもとに動く原因になります。具体的には、直近7日以内の質の高い行動を優先連絡の条件に組み込み、鮮度の高いリードから営業が確認する設計にします。

減衰はリードを外すのではなく優先度を下げる

減衰はリードを削除するものではなく、優先度を下げるだけです。再び行動が起きればスコアは戻ります。むしろ減衰を入れないと、古いリードが上位に残り続け、いま動いているリードが埋もれるという取りこぼしが起きます。

MAツール別のスコアリング機能|HubSpot・Account Engagement・SATORI

MAツールのスコアリング機能とは、属性・行動の採点を自動化する仕組みで、ツールごとに考え方が異なります。ここでは代表的な3ツールの違いを整理します。各ツールの設定手順は個別記事で詳しく解説しています。

HubSpotは、手動のスコアリングをMarketing Hub Professionalで、機械学習による予測リードスコアリングをMarketing Hub Enterpriseで提供しています。HubSpotの定義では、予測スコア(成約の見込み)は今後90日以内に顧客になる確率を表します。生成には成約した顧客と成約しなかった顧客の十分なデータが必要で、データが足りない場合はスコアが作られません。設定はHubSpotのスコアリング設定を参照してください。


Account Engagement(旧Pardot/Salesforce)は、行動を測るスコアと、ターゲットへの適合度をFからA+で測るグレードを分けて評価します。仕組みはAccount Engagementのスコアリングの仕組みで、製品ラインごとに複数のスコアを持たせる方法はスコアリングカテゴリの設計で解説しています。

SalesforceのEinsteinリードスコアリングは、過去に取引先・取引先責任者へ変換されたリードとの共通点から採点します。Salesforceのヘルプでは、直近200日に作成されたリードが1,000件以上あり、そのうち120件以上が変換されていることが自社データでモデルを作る条件とされ、満たさない場合は多数の企業の匿名データを使うグローバルモデルが使われます。設定はSalesforce Einsteinのスコアリングを参照してください。

SATORI(SATORI株式会社)は、実名のリードだけでなく匿名の見込み客の行動もスコアリングできる点に特徴があります。設定方法はSATORIのスコアリングで紹介しています。

予測(AI)スコアリングが向く企業と向かない企業

予測スコアリングは、学習に受注・失注のデータが必要です。受注件数が少ない企業ではモデルが作られないか精度が出ず、ルールベースのスコアリングのほうが判断に使えます。リード数と受注データの蓄積量を見て、ルールベースか予測かを選びます。統計的な手法の選び方は統計的スコアリングの設計と活用で整理しています。

弊社の支援事例で見るスコアリング設計|RFEモデル

スコアリング設計の一次情報とは、実際の運用データから配点を決めた実例です。弊社の支援では、勘に頼らず統計的に重みを算出したRFEスコアリングモデルを用いています。

RFEスコアとは、Recency(直近性)・Frequency(頻度)・Engagement(関与度)の3要素で行動を評価するモデルです。弊社では複数のクライアントの6ヶ月分のデータからロジスティック回帰で重みを算出し、Engagement=0.45/Recency=0.385/Frequency=0.165という値を用いています。段階の閾値はコールドが0.2未満、ニュートラルが0.2〜0.75、ホットが0.75以上で、優先して連絡する条件はRFEスコア0.75以上かつ直近7日以内に質の高い行動があることです。これらはSells upの支援で使用している設計例であり、一般的な基準ではありません。

行動の「量」だけでなく「新しさ」と「深さ」を分けて評価すると、営業が確認する順番を決めやすくなります。ただし、スコアが高いことと購買意欲が高いことは同じではありません。スコアは営業が確認する対象を絞るための材料であり、実際の検討状況は会話で聞き取ります。

ロジスティック回帰で重みを出す具体的な手順はロジスティック回帰によるスコアリングの実装手順で紹介しています。

弊社が支援したSmartHR様では、Account Engagementを用いてユーザーの行動データをもとにしたトリガーメールとフォーム、スコアリングを一気通貫で設計し、マーケティングチーム全体の成果として問い合わせ数が1年間で約10倍に成長しました。またCLUE様では、3日連続でサービスページに訪問しているユーザーを検知してインサイドセールスへ自動連携する仕組みを構築しました。


1年間で約10倍の問い合わせを獲得。メールを1〜2から20〜30パターンへ拡充

Account Engagementの初期設定からメール文面作成まで一貫支援。メールラインナップを20〜30パターンに拡充し、行動データを基にしたトリガーメールと30以上のフォームを展開。

sellsup.co.jp

SmartHRのロゴが光る壁の前で、3人が笑顔で談笑している写真


スタートアップのマーケ立ち上げ。商談・受注を創出するリードが安定獲得できる仕組みを構築

顧客データで目標設定し、運用型広告を媒体選定から刷新。営業インサイトを反映したLP改修とセミナー・オウンドメディア改善により、商談・受注を創出するリードの安定獲得を実現。

sellsup.co.jp

打ち合わせスペースの木製テーブルを挟んで、2人が向かい合って笑顔で話している写真

統計で重みを出すには受注・失注のデータが必要

必要なのは、受注・失注のラベルが付いた行動データです。どのリードが受注し、どのリードが失注したかがわかって初めて、行動と受注の関係を統計的に推定できます。データがそろわない段階では、受注に近い行動へ経験的に加点する簡易な設計から始め、データの蓄積に合わせて統計モデルへ移行します。

スコアリングの運用状況と成果の関係|弊社調査

弊社が実施したBtoB企業480名の調査で、MAを導入している企業のうちリードスコアリングを運用していると回答した割合は29.1%でした。MAが商談・売上に貢献できている企業(貢献群・n=42)では40.5%、導入しても十分に活用できていない企業(非貢献群・n=92)では23.9%と、貢献群のほうが高い結果です。

一方で、同じ調査で差がより大きかったのは営業との連携です。マーケティングと営業がスムーズに連携していると回答した割合は、貢献群で78.6%、非貢献群で6.5%でした。スコアリングを運用しているかどうか以上に、スコアを営業の行動につなげる合意があるかどうかで差がついていると読めます。なお、この結果は相関を示すものであり、スコアリングを運用すれば成果が出るという因果関係を示すものではありません。

出典:株式会社Sells up「BtoB企業のMA活用実態調査(第0回)」(調査ツール:Surveroid、2026年9月、n=480)。詳細はBtoB企業のMA活用実態調査(第0回)で公開しています。

営業連携が機能している企業の共通点は営業連携が機能している企業の共通点で整理しています。

スコアリングでよくある失敗と対策

スコアリングの失敗とは、点数は出ているのに営業の成果につながらない状態です。原因はいくつかのパターンに整理できます。

よくある失敗は次の3つです。

1つ目は、購買プロセスとスコアの対応がずれており、スコアが実際の検討状況と合っていないことです。

2つ目は、データの品質が低く、不正確な入力が誤ったスコアを生むことです。

3つ目は、営業とマーケティングの判定基準が合意されておらず、スコアが使われないことです。

スコアリングは「作って終わり」ではなく、継続的な調整を前提とする仕組みです。対策は、最初にシンプルな配点で始めること、営業のフィードバックを毎月配点に反映すること、入力データのルールを整えて品質を保つことです。弊社の支援でも、初期は1〜2項目の加点から始め、運用しながら項目を増やす進め方をとっています。

外部に設計を任せても運用に手が入らなければ機能しない

外部に一度設計してもらっただけで運用に手が入らないと、自社の購買プロセスの変化にスコアが追いつかず、次第に実際の状況とずれます。設計そのものより、運用しながら配点を直し続ける体制があるかどうかで結果が変わります。

スコアリングの精度を上げる見直し方

スコアリングの精度を上げるとは、スコアの高いリードと、実際に商談・受注に進んだリードの重なりを大きくすることです。精度は一度で決まるものではなく、営業の結果を戻して配点を直すことで上がっていきます。

見直しは、次の3点を毎月から四半期ごとに確認すると進めやすくなります。

1つ目は、MQLに到達したリードのうち、商談に進んだ割合です。低い場合は閾値が低すぎるか、受注と関係の薄い行動に点を配りすぎています。

2つ目は、商談・受注に進んだリードがMQL到達前にとっていた行動です。共通する行動があれば、その項目の配点を上げます。

3つ目は、スコアは高いのに商談にならなかったリードの理由です。営業に失注・見送りの理由を選択式で記録してもらうと、配点を下げるべき行動が見えてきます。

「スコアが当てにならない」と感じるときは、多くの場合、営業の結果がスコアの設計に戻っていません。結果を戻す仕組みを先に作り、そのうえで配点を直します。

商談段階のスコアとは分けて管理する

リードスコアは営業へ渡すまでの優先度を測るもので、商談に進んだあとの受注の見込みは別の指標で管理します。商談段階の評価は商談スコアリングの考え方で解説しています。

スコアリングを急がなくてよい場合

スコアリングは、すべての企業に必要なわけではありません。スコアはあくまで「優先して確認したほうがよい可能性がある」ことを示す材料であり、購買意欲そのものではないためです。

次の3つに当てはまる場合は、スコアリングの作り込みを後回しにしてもかまいません。

1つ目は、リード数が営業の対応できる範囲に収まっている場合です。全件に営業が目を通せるなら、点数で順番を決める必要は小さくなります。

2つ目は、受注データがまだ少ない場合です。受注が数件しかない段階では、配点の根拠を作れません。

3つ目は、少数の大口顧客を個社別に狙うABM(アカウントベースドマーケティング)が中心の場合です。全リードを一律に序列化するより、対象企業ごとの関係づくりを優先したほうが合います。

この段階では、デモ申込や料金ページの閲覧など営業へ知らせる行動だけを決めて通知し、営業が結果を記録する仕組みを先に作ります。スコアに頼らない見極め方はリードクオリフィケーションの4つの方法で紹介しています。

メール配信の反応をスコアに取り込む方法はメールマーケティングのスコアリングで解説しています。

「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために

施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。こうした課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。

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まとめ

リードスコアリングとは、属性スコアと行動スコアで見込み客の優先度を数値化し、営業がどのリードから確認するかを決める仕組みです。2つの評価軸を分け、受注データから配点を逆算することが精度の前提になります。

成果を分けるのは、点数を出すことではなく、点数を営業の行動へ接続する設計です。MQL・SQLの閾値を営業とSLAとして合意し、営業に見せる項目を絞り、スコア減衰で鮮度を保ち、営業の結果を戻して配点を直し続ける体制を整えます。

同時に、スコアは購買意欲そのものではないという限界も押さえておく必要があります。スコアが低くても受注するリードはあり、予測スコアリングは受注データの蓄積が前提です。リード数が少ない段階やABM中心の企業では、スコアリングを急がず、通知と結果の記録から始める選択肢もあります。

よくある質問

リードスコアリングとは何ですか?

リードスコアリングとは、見込み客の属性と行動を点数化し、営業が確認する優先度を判断する仕組みです。属性スコアで自社の顧客像との適合度を、行動スコアで自社の情報への接し方を測り、両方が高いリードから営業が確認します。

MQLとSQLの違いは何ですか?

MQLは属性や行動などの条件をもとにマーケティング部門が優先的にフォローする対象として判定したリード、SQLはそのうち営業部門が商談として進める対象と認めたリードです。MQLからSQLへは、インサイドセールスが予算や導入時期を聞き取って移行させます。

スコアリングは何点からホットリードとすればよいですか?

一律の正解点はなく、自社で受注したリードが到達していたスコア帯を基準に決めます。弊社の支援では、RFEスコア0.75以上かつ直近7日以内に質の高い行動があることを優先連絡の条件にすることがありますが、これは設計例であり一般的な基準ではありません。

予測(AI)スコアリングはどの企業でも使えますか?

使えるとは限りません。HubSpotの予測スコアリングやSalesforceのEinsteinリードスコアリングは、学習に受注・失注のデータが必要です。Einsteinリードスコアリングでは、直近200日に作成されたリード1,000件以上のうち120件以上が変換されていることが、自社データでモデルを作る条件とされています。データが少ない企業では、ルールベースのスコアリングのほうが判断に使えます。

スコアが高いのに受注しないのはなぜですか?

スコアは購買意欲そのものではなく、優先して確認したほうがよい可能性を示す材料だからです。属性は合うが検討段階に至っていない、あるいはデータの入力ずれでスコアが実際の状況と合っていない場合に起こります。インサイドセールスの聞き取りと併用して判断します。

スコアリングを設計したのに営業に使われないときはどうすればよいですか?

スコアの意味と閾値を営業と合意し、スコアに応じた対応ルール(SLA)を決めていないことが主な原因です。判定基準を両部門で合意し、営業に見せる項目を絞り、営業の結果を毎月配点に反映する運用に切り替えると、スコアが共通言語として機能し始めます。

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株式会社Sells up 代表取締役
武田 大
株式会社AOKIにて接客業、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。デジタルマーケティングエージェンシーを経て2023年に株式会社Sells upを設立。戦略設計・KPI設計を起点に、リードジェネレーション、ナーチャリング、MA/SFA活用、営業連携までBtoBマーケティングを一気通貫で支援。KGI逆算のKPI設計やリードスコアリングの統計的設計、営業連携SLAの構築を強みとし、業界・規模を問わず100社以上に提供。Account Engagement SpecialistおよびTableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。
保有資格Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialist/Tableau Desktop Specialist
専門領域BtoBマーケティング/リードジェネレーション/リードナーチャリング/マーケティングオートメーション/HubSpot導入活用支援/Account Engagement導入活用支援/Marketo活用支援/インサイドセールス/統計解析によるスコアリング設計/商談化率向上/マーケティングROI改善