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トスアップとは?BtoBで成果を出す仕組みの設計と部門連携の全手順

トスアップとは?BtoBで成果を出す仕組みの設計と部門連携の全手順

「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために

施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。 こうした課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。 Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。

目次

「マーケティングから引き渡したリードを、営業が十分に活用してくれない」という課題を抱えているBtoB企業は少なくありません。

原因の一つとして挙げられるのが、トスアップの基準や方法が担当者ごとの判断に委ねられていることです。

例えば、「問い合わせがあったから営業へ渡す」「資料請求があったから優先度が高いと判断する」といった運用では、営業側が求める情報とのズレが生じやすくなります。その結果、せっかく獲得したリードが十分に活用されないケースもあります。

そもそもトスアップとは、案件や見込み客に関する情報を、次の担当者がスムーズにアプローチできる状態で引き継ぐことを指します。

語源はバレーボールの「トス」です。セッターがアタッカーに打ちやすいボールを上げることで得点につながるように、ビジネスにおけるトスアップも、次の担当者が成果を出しやすい形で情報を渡すことが重要になります。

BtoBマーケティングにおいては、マーケティング部門やインサイドセールス、コールセンターなどが、一定の条件を満たした見込み客を選別し、商談を担当するフィールドセールスへ引き継ぐプロセス全体を指します。

つまり、トスアップの本質は単なる「情報共有」ではありません。
購買意欲や商談化の可能性が高い見込み客を見極め、営業が適切なタイミングでアプローチできる状態に整えて渡すことにあります。

本記事では、トスアップの基本的な考え方から、MQL(Marketing Qualified Lead)の基準設計、営業部門とのSLA(サービスレベル合意)の設定、MA(マーケティングオートメーション)を活用した効率化まで、トスアップを仕組みとして機能させるための具体的な方法を解説します。

トスアップとは?1分でわかる定義と営業プロセスにおける位置づけ

トスアップとは、見込み客や案件に関する情報を、次の担当者が適切なアプローチを行える状態に整えて引き継ぐことです。

BtoBマーケティングでは、マーケティング部門やインサイドセールスが獲得・育成したリードを、フィールドセールスへ渡す場面で使われます。

ただし、トスアップは単にリード情報を共有するだけの作業ではありません。
顧客の課題や検討状況、興味を持っている情報などを整理し、営業が商談化につなげやすい状態にすることが重要です。

トスアップの定義を正しく理解することで、「どの部門間で情報連携が不足しているのか」「どの工程を改善すべきなのか」が明確になります。

ティーアップとの違い

トスアップと似た言葉として「ティーアップ」があります。

ティーアップは、ゴルフでボールをティーペグに乗せて打ちやすい位置に置く動作が語源です。ビジネスでは、相手が話しやすい状況を作ることや、相手を引き立てて本題に入りやすくするコミュニケーション手法として使われます。

例えば、商談の冒頭で顧客の取り組みや実績を評価したり、担当者の役割や専門性を尊重したりすることで、その後の会話を進めやすくする行為がティーアップにあたります。

一方、トスアップは「情報や案件を次の担当者へ引き渡す仕組み」を指します。
つまり、トスアップは営業プロセス上の連携、ティーアップは対話を円滑にするコミュニケーション技術であり、目的や使われる場面が異なります。

項目トスアップティーアップ
語源バレーボールゴルフ
対象部門間の引き継ぎプロセス顧客や相手とのコミュニケーション
目的確度の高いリードを適切な担当者へ引き渡す相手が話しやすい状況を作り、会話を進めやすくする
主な場面

マーケティング・インサイドセールス・コールセンターからフィールドセールスへの連携

商談・初回接点・ナーチャリングでの対話

なぜトスアップの仕組み化が求められるのか

トスアップの仕組みが整っていない企業では、せっかく獲得したリードが十分に活用されず、商談機会を逃してしまうケースがあります。

大きな理由は、どのリードを営業へ渡すべきかという判断基準が担当者ごとに異なり、営業が受け取るリードの質にばらつきが生じるためです。

例えば、「問い合わせがあった」「資料をダウンロードした」といった行動だけを基準に営業へ渡してしまうと、まだ情報収集段階の見込み客まで含まれてしまいます。一方で、本来すぐにアプローチすべき見込み客を見逃す可能性もあります。

その結果、営業は対応すべきリードの優先順位を判断するところから始めなければならず、本来注力すべき商談活動に時間を使えなくなります。

営業プロセスの分業化が進む背景

近年、BtoB企業では営業活動の分業化が進んでいます。

以前は、1人の営業担当者がターゲット選定、アプローチ、関係構築、商談、クロージングまで一貫して担当するケースが一般的でした。

しかし現在では、営業活動を効率化し、それぞれの専門性を高めるために、プロセスごとに役割を分担する企業が増えています。

代表的な体制が以下のような分業モデルです。

  • マーケティング(Marketing):リード獲得や認知形成、見込み顧客の育成を担当
  • インサイドセールス(IS):見込み顧客へのアプローチや検討度合いの確認を担当
  • フィールドセールス(FS):商談や提案、契約獲得を担当

このような体制では、各部門がスムーズに連携できる仕組みが欠かせません。特に、マーケティングやインサイドセールスからフィールドセールスへ渡すトスアップの精度が、営業成果に大きく影響します。

BtoBの営業プロセス全体を把握したい方は、マーケティング8ステップ全体像も参考にしてください。

仕組みのないトスアップが引き起こす3つの機会損失

トスアップの基準や運用ルールが整っていない場合、主に以下のような問題が発生します。

① 質の低いリードが営業へ流入する

「名刺交換をした」「資料をダウンロードした」といった一つの行動だけを基準にトスアップすると、購買意欲が十分に高まっていないリードまで営業へ渡ることになります。

その結果、フィールドセールスは優先度の低いリード対応に時間を取られ、本来アプローチすべき確度の高い見込み客への対応が遅れる可能性があります。

② ホットリードへの対応が遅れる

購買意欲が高まった見込み客は、適切なタイミングでアプローチできるかどうかが重要です。

しかし、情報共有の遅れや担当者ごとの判断によって対応が遅れると、その間に競合サービスを検討され、商談機会を失うことがあります。

「担当者が不在だった」「営業への連携に時間がかかった」といった小さな遅れが、成約機会に影響するケースも少なくありません。

③ マーケティングやISへのフィードバックが蓄積されない

トスアップ後に、「どのようなリードが商談化したのか」「どの条件を満たしたリードの成約率が高かったのか」といった情報が戻らなければ、トスアップ基準は改善できません。

営業へ渡した後の結果が見えない状態では、マーケティングやインサイドセールスは施策の評価や改善を行うことが難しくなります。

トスアップを「属人的な判断」から「仕組み」に変える意義

トスアップの仕組み化とは、担当者の経験や感覚に頼るのではなく、誰が判断しても一定の基準でリードを引き継げる状態を作ることです。

具体的には、以下のような仕組みを整備します。

  • MQL基準の明確化:どの状態のリードを営業へ渡すのかを定義する
  • スコアリングの活用:行動や属性情報をもとに優先度を判断する
  • SLAの設定:マーケティング・IS・FS間で役割や対応ルールを合意する
  • MAによる自動連携:条件を満たしたリードを適切なタイミングで通知する

トスアップを仕組み化することで、営業は「渡されたリードをどう判断するか」ではなく、「どのように商談化するか」に集中できます。

また、マーケティング側も営業成果につながるリードの条件を把握しやすくなり、施策改善につなげられます。

トスアップは単なる部門間の情報共有ではなく、マーケティング活動の成果を営業成果へつなげるための重要なプロセスです。

部門別トスアップの役割と引き継ぎに必要な情報

トスアップは、単にリード情報を次の担当者へ渡す作業ではありません。
部門ごとに果たすべき役割があり、それぞれの工程で蓄積した情報を適切に引き継ぐことで、営業活動の精度を高められます。

共通して重要なのは、どれだけ多くの情報を渡すかではなく、営業が次のアクションを判断できる質の高い情報を渡せるかという点です。

マーケティング部門からフィールドセールスへのトスアップ

マーケティング部門の役割は、多くのリードの中から、購買意欲が高まりつつある見込み顧客を見極め、フィールドセールス(FS)が商談に集中できる状態で引き渡すことです。

マーケティングからのトスアップでよく起こる問題は、マーケティング側が想定しているターゲットと、営業側が実際に対応する顧客像にズレが生じるケースです。

例えば、マーケティングが「コスト削減に課題を持つ中堅製造業」を想定してリードを獲得していても、FSが「業務効率化を目的とした大手SaaS企業」を想定して提案準備をしていれば、商談時の会話がかみ合わなくなる可能性があります。

そのため、マーケティングからFSへ引き継ぐ際には、リードの獲得背景や関心内容を正確に共有することが重要です。

主に必要となる情報は以下のとおりです。

  • 流入経路(どの施策・チャネルから獲得したリードか)
  • 関心を示したコンテンツや反応したポイント
  • スコアリング結果と、その判定理由
  • 企業属性(業種・企業規模・部署・役職など)
  • 競合サービスの検討状況や予算確認の有無

なぜインサイドセールスからのトスアップが商談化率に影響するのか

インサイドセールス(IS)からのトスアップが重要視される理由は、ISが見込み顧客との直接的なコミュニケーションを通じて、検討度合いや課題感を把握できる役割だからです。

ISは電話やオンラインでの接点を重ねながら、顧客の課題を確認し、必要な情報を提供しながら関係性を構築します。

その過程で得られる、

  • 顧客がどの課題に強く反応したか
  • 導入にあたって何を懸念しているか
  • いつ頃までに検討したいのか

といった情報は、FSが初回商談から具体的な提案につなげるうえで重要な材料になります。

ISからFSへ引き継ぐ際には、以下の情報を整理して共有します。

  • これまでの接触履歴(接触回数・会話内容)
  • 顧客が関心を示したポイントや懸念事項
  • 検討時期や導入予定のタイムライン
  • 決裁者・関係者の構成
  • 競合サービスの検討状況

ISの役割とナーチャリング手法の詳細は、ISによるナーチャリング実践で解説しています。

コールセンターからフィールドセールスへのトスアップ

コールセンターからのトスアップで注意すべき点は、「会話が成立したこと」と「購買意欲が高いこと」は同じではないということです。

問い合わせ対応や架電によって接点を持てても、すぐに営業提案へ進む段階とは限りません。

FSへのトスアップを判断する際は、以下のような購買意欲のサインを確認することが重要です。

  • 料金や契約条件について具体的な質問があった
  • 詳細資料や見積もりを求められた
  • 導入時期やスケジュールについて確認があった

これらのシグナルが確認できない場合は、MAやISによる継続的なナーチャリングを行い、検討度合いを高める方が適切なケースもあります。

また、コールセンターからFSへ担当者を変更する場合は、顧客への説明も欠かせません。

「詳しい担当者から改めてご案内します」と事前に伝えておくことで、顧客は次の連絡を自然に受け入れやすくなります。説明がないまま担当者だけが変わると、顧客に不信感を与える可能性があります。

各部門共通で必ず引き継ぐべき5つの情報項目

トスアップの精度を高めるには、部門ごとの情報だけでなく、共通して管理すべき項目を決めておくことが重要です。

最低限、以下の5項目は引き継げる状態にしておきましょう。

1. 企業属性と担当者情報

  • 業種
  • 企業規模
  • 所属部署
  • 役職
  • 決裁権の有無

営業が提案内容やアプローチ方法を判断するための基本情報です。

2. 接触履歴と反応内容

  • いつ接触したか
  • どの施策経由だったか
  • どの情報に反応したか

顧客との会話をスムーズにつなげるために必要な情報です。

3. 課題・ニーズの概要

顧客自身が話した課題や、ヒアリングによって確認できたニーズを共有します。

単なる属性情報ではなく、「なぜ検討しているのか」を理解できる情報が重要です。

4. トスアップ判定の根拠

  • スコアリングの点数
  • 特定ページの閲覧
  • 問い合わせ内容
  • 資料請求などの行動履歴

なぜ営業へ渡したのかが分かることで、営業側も優先度を判断しやすくなります。

5. 次のアクション

  • すぐに商談設定すべきか
  • 追加情報を提供すべきか
  • 継続的なナーチャリングが必要か

FSが次に取るべき行動まで共有することで、引き継ぎ後の対応スピードを高められます。

トスアップのタイミングを決める「MQL基準」の設計

トスアップの精度を高めるには、「いつ営業へ渡すべきか」という判断基準を明確にする必要があります。そのために活用されるのが、MQL(Marketing Qualified Lead)基準の設計です。

MQL基準とは、マーケティングやインサイドセールスが「営業へ引き渡すべき見込み顧客」を判断するためのルールです。

この基準を明確にせず、担当者の経験や感覚だけでトスアップを行うと、「なぜこのリードを渡したのか」「なぜこのリードは渡されなかったのか」が分からなくなり、営業との認識差が生まれます。

MQL基準を言語化し、スコアリングや行動トリガーによって判断を客観化することで、安定したトスアップが可能になります。

MQLとSQLとは?トスアップ基準を言語化する

MQL(Marketing Qualified Lead)とは、マーケティング活動を通じて一定の条件を満たし、営業アプローチの対象となった見込み顧客を指します。一方、SQL(Sales Qualified Lead)とは、営業がヒアリングを行ったうえで、商談化の可能性が高いと判断した見込み顧客です。

両者の違いは、「誰が判断するか」と「判断する基準」にあります。

項目MQLSQL
判断する部門マーケティング・インサイドセールスフィールドセールス
判断基準営業アプローチを開始すべき状態か商談を進める価値がある状態か
目的適切なタイミングで営業へ引き渡す商談化・受注につなげる

つまり、トスアップとは、マーケティングやインサイドセールスがMQLと判断したリードを、フィールドセールスへ引き継ぐプロセスと整理できます。

ただし、MQLの定義は企業によって異なります。自社の商品特性や営業体制に合わせて、「どの状態なら営業が対応すべきか」を決めることが重要です。

MQLとSQLの定義設計と連携方法の詳細は、MQL/SQL連携の設計全体像で解説しています。

スコアリングでトスアップのタイミングを客観化する

MQL基準を運用する際によく活用されるのが、リードスコアリングです。スコアリングとは、見込み顧客の属性情報や行動履歴に点数を付け、購買意欲や優先度を数値化する仕組みです。

例えば、「大企業の決裁権を持つ担当者が、料金ページを閲覧した」というリードと、「個人が資料を1回ダウンロードした」というリードでは、営業が対応すべき優先度は異なります。

この違いを判断できるようにするのがスコアリングの役割です。一般的には、以下の2つの観点を組み合わせて設計します。

属性スコア

自社のターゲット像にどれだけ近いかを評価します。

  • 業種
  • 企業規模
  • 部署
  • 役職
  • 所在地

行動スコア

どれだけ購買に近い行動を取っているかを評価します。

  • サービス資料のダウンロード
  • 料金ページの閲覧
  • 導入事例の確認
  • ウェビナー参加
  • メールクリック

属性スコアと行動スコアを合算し、一定以上の条件を満たした時点でMQLとしてトスアップする、という設計が基本です。

スコアリングルールの具体的な設計手順は、スコアリングルール設計の全手順を参照してください。

行動トリガーと属性スコアを組み合わせた判定基準の例

実際の運用では、単純に合計点だけで判断するのではなく、特定の行動をトリガーにして即時対応するルールを設定することも重要です。

例えば、以下のような基準です。

属性スコアの例

属性条件スコア
業種ターゲット業種に合致+20点
企業規模従業員数100名以上+15点
役職部長・本部長以上+20点
所在地主要商圏内+10点

行動スコアの例

行動スコア
価格ページの閲覧+30点
事例資料のダウンロード+25点
ウェビナーへの参加+20点
メールのクリック+10点
サービス詳細ページの閲覧+15点

例えば、「属性スコアと行動スコアの合計が80点以上になったらMQL」といった基準を、マーケティング・IS・FSの3部門で合意します。

さらに、以下のような例外ルールを設定すると、検討度の高いリードへの対応遅れを防げます。

  • 料金ページを閲覧した場合は、点数に関係なくISへ通知する
  • デモ申込みがあった場合は、即日FSへ連携する
  • 特定企業からの問い合わせは優先対応する

スコアリングは、リードを機械的に分類するためのものではありません。
営業が優先すべき顧客へ適切なタイミングで対応できるよう、部門間の判断基準をそろえるための仕組みです。

リードスコアリングの仕組みと設計の全体像は、リードスコアリングの基本設計で詳しく解説しています。

トスアップを仕組み化するSLAの設計

トスアップを安定して機能させるには、リードの判定基準だけでなく、引き渡した後の対応ルールまで明確にすることが重要です。その役割を担うのがSLA(Service Level Agreement)です。

SLAとは、マーケティング・インサイドセールスとフィールドセールスの間で、「どのようなリードを、どのタイミングで、どの方法で引き渡し、その後どのように対応するか」を事前に合意する取り決めを指します。

SLAを設定することで、トスアップが単なる情報共有ではなく、営業成果につながるプロセスとして機能するようになります。

SLAとは?マーケと営業が合意すべきトスアップのルール

SLAは「Service Level Agreement」の略で、日本語では「サービス品質保証契約」と訳されます。もともとはITサービスなどで、提供するサービス内容や品質基準を明確にするために使われてきた考え方です。

BtoBマーケティングでは、主にマーケティング・インサイドセールスと営業部門の間で、リード引き継ぎに関するルールを定めるために活用されています。

SLAがない場合、以下のような認識のズレが起こりやすくなります。

  • マーケティング:「営業に渡せるリードを提供している」
  • FS:「まだ商談につながる状態ではないリードが多い」
  • IS:「どのタイミングで営業へ渡すべきか判断できない」

こうした認識の違いが積み重なると、部門間の連携がうまく機能しなくなります。

SLAの目的は、単にルールを決めることではありません。
各部門が同じ基準でリードを判断し、成果につながる連携体制を作ることにあります。

SLAに盛り込むべき6つの必須項目

SLAを設計する際は、以下の項目を明確にしておくことが重要です。

① MQLの定義

どの条件を満たしたリードを営業へ引き渡すのかを明確にします。例えば、

  • スコア合計が80点以上
  • 料金ページを閲覧している
  • ISによるヒアリングで導入検討の意向が確認できている

など、判断基準を具体化します。

「良さそうなリード」「温度感が高そうなリード」といった感覚的な基準では、担当者によって判断が変わってしまいます。

② トスアップ後の対応タイムライン

MQL判定後、誰がいつまでに対応するかを決めます。

例えば、

  • 営業時間内に発生したMQL:2時間以内に初回接触
  • 営業時間外に発生したMQL:翌営業日の午前中までに対応

といった形です。

特に問い合わせや資料請求直後など、検討意欲が高いタイミングでは、初回対応までの時間が商談化率に影響します。

③ 引き継ぎ情報のフォーマット

営業へ渡す情報項目と記録方法を統一します。

例えばCRMやSFA上で、以下の項目を必須入力にするなどです。

  • 流入経路
  • 顧客の課題
  • 関心を持ったサービス
  • 過去の接触履歴
  • 次回アクション

記録ルールが決まっていない場合、担当者によって情報量や品質に差が生じます。

④ フィードバックのルールと頻度

営業へ渡したリードが、その後どうなったのかを共有する仕組みを決めます。

確認すべき内容は以下のような項目です。

  • 商談化したか
  • 失注理由は何か
  • 追加ナーチャリングが必要か
  • どの属性・行動のリードが成果につながったか

このフィードバックがあることで、MQL基準やマーケティング施策を継続的に改善できます。

⑤ ホットリードの定義

MQLの中でも、特に優先対応すべきリードの条件を決めます。例えば、

  • デモ申し込み
  • 料金ページ閲覧後の問い合わせ
  • 導入時期について具体的な質問があった

などです。

すべてのMQLを同じ優先度で扱うのではなく、緊急度に応じた対応ルールを設けることで、商談機会の取りこぼしを防げます。

ホットリードの定義設計については、ホットリードの定義と設計も参照してください。

⑥ SLAの見直し頻度

SLAは一度作成したら終わりではありません。商材、市場環境、営業体制が変化すると、適切なMQL基準や対応ルールも変わります。そのため、

  • 四半期ごとにレビューする
  • 商談化率や受注率を確認して基準を調整する

といった改善サイクルを設定しておくことが重要です。

SLA締結を円滑に進める社内調整の進め方

SLA設計で難しいのは、項目を決めることではなく、マーケティング・IS・FSの3部門が納得できる基準を作ることです。

特に議論になりやすいのは、以下の2点です。

  • どの状態をMQLと定義するか
  • 営業はどれくらいのスピードで対応するか

これらを感覚や部門ごとの意見だけで決めると、運用開始後に不満が出やすくなります。

効果的なのは、過去の営業データをもとに議論することです。

例えば、直近3〜6カ月のリードについて、

  • どのリードが商談化したか
  • どのリードが受注につながったか
  • どの条件のリードは成果につながりにくかったか

を確認したうえで、MQL基準や対応ルールを設計します。

重要なのは、部門間の意見ではなく、データを共通言語として合意形成を進めることです。

SLAはマーケティングと営業を縛るルールではなく、両部門が同じ方向を向いて成果を出すための共通基盤です。

トスアップの失敗パターンと対処法

トスアップの失敗には必ず「構造的な原因」があります。その原因を特定しなければ、個人の努力で改善しようとしても再発します。

失敗パターン①:MQL基準が曖昧で、低品質リードが営業へ流入する

「なんとなく検討度が高そう」といった担当者の感覚に頼ってトスアップを行っているケースです。明確な基準がない場合、担当者によって判断が変わります。

ある担当者は「資料請求があれば営業へ渡す」と判断し、別の担当者は「問い合わせがなければ渡さない」と判断する、といったばらつきが発生します。

その結果、営業には購買意欲が十分に高まっていないリードが多く渡り、本来注力すべき商談への対応時間が圧迫されます。

対処法

MQL基準をスコアリングなどで数値化し、誰が判断しても同じ基準でトスアップできる状態を作ります。

具体的には、以下のようなデータをもとに基準を設計します。

  • 過去に成約した顧客の属性
  • 商談化率が高かった行動パターン
  • 受注につながりやすい流入経路

過去データから成果につながる条件を分析し、その結果をMQL基準へ反映することが重要です。

失敗パターン②:引き継ぎ情報が不足し、営業が初回接点から関係構築をやり直す

引き継ぎ項目や入力ルールが決まっておらず、最低限の情報だけが渡されているケースです。例えば、会社名や担当者名だけを共有された場合、FSは以下のような情報を把握できません。

  • なぜ問い合わせをしたのか
  • どの課題に関心を持っているのか
  • どの情報に反応したのか
  • どのタイミングで検討しているのか

その結果、営業は顧客に同じ質問を繰り返すことになり、顧客側にも「また最初から説明しなければならない」という負担が生じます。

対処法

SLAで引き継ぎ情報の項目を定義し、CRMやSFAへの必須入力項目として管理します。

最低限、以下のような情報を共有できる状態にしておくことが重要です。

  • 接点となった施策
  • 顧客の課題や関心事項
  • 過去の会話履歴
  • 検討時期
  • 次回アクション

失敗パターン③:フィードバックループがなく、トスアップ基準が改善されない

営業へ渡したリードが、その後どうなったのかをマーケティングやISが把握できていないケースです。例えば、

  • 商談化したリードの特徴
  • 失注した理由
  • 営業が評価したリードの条件

といった情報が戻らなければ、MQL基準を改善することはできません。

結果として、成果につながりにくいリードを同じ基準で渡し続ける状態になります。

対処法

SLAの中にフィードバックルールを設定し、定期的にレビューする場を設けます。例えば、

  • 月次でMQLの商談化率を確認する
  • 受注・失注リードの傾向を分析する
  • スコアリング基準を見直す

といった改善サイクルを回します。

失敗パターン④:訴求内容が部門ごとに異なり、顧客に違和感を与える

マーケティングと営業で、顧客への伝え方が統一されていないケースです。例えば、マーケティングが「コスト削減」を訴求して獲得したリードに対して、FSが「業務効率化」だけを中心に提案すると、顧客は期待していた内容との違いを感じる可能性があります。

このような認識のズレは、商談初期での信頼低下につながります。

対処法

ペルソナやカスタマージャーニーをマーケティング・IS・FSで共有し、顧客の検討段階ごとのメッセージを統一します。

特に以下を合わせておくことが重要です。

  • どの課題を起点に接点を作るか
  • 顧客が期待している価値は何か
  • 商談時に深掘りすべきポイントは何か

失敗パターン⑤:ホットリードへの対応が遅れ、商談機会を逃す

MQLやホットリードが発生したことを、担当者がすぐに把握できない状態です。例えば、

  • MAからの通知設定がない
  • SFAとの連携ができていない
  • 担当者が定期確認しないと気づけない

といった状況では、問い合わせ直後の重要なタイミングを逃してしまいます。

特に、複数社を比較検討している段階の顧客では、初回対応の速さが商談化率に影響することがあります。

対処法

MAとSFAを連携し、条件を満たしたリードが発生した際に自動通知される仕組みを構築します。例えば、

  • 特定スコア到達時に担当者へ通知する
  • 問い合わせ発生時に即時タスクを作成する
  • 高確度リードは優先キューへ振り分ける

といった運用です。

トスアップ改善のポイントは「個人」ではなく「仕組み」を変えること

トスアップの問題は、「営業がもっと対応すべき」「マーケティングがもっと良いリードを渡すべき」といった部門間の責任論だけでは解決できません。

重要なのは、

  • どのリードを渡すのか
  • 何を共有するのか
  • 渡した後にどう改善するのか

を仕組みとして決めることです。

MQL基準、SLA、MA・SFA連携を整備することで、トスアップは担当者の経験に依存した運用から、継続的に改善できる営業プロセスへ変えることができます。

MAとSFAを活用したトスアップの自動化

トスアップを安定して運用するには、判断や連携の一部を自動化することも有効です。MA(マーケティングオートメーション)とSFA(営業支援システム)を連携することで、以下のような流れを仕組み化できます。

リードの行動を検知 → スコアを算出 → MQL判定 → 担当者へ通知 → 営業対応

これにより、担当者がリストを確認して手作業で判断する負担を減らし、購買意欲が高まったタイミングで迅速にアプローチできるようになります。

ただし、MAやSFAはトスアップを完全に自動化するためのものではありません。重要なのは、ツールによる自動判定と、人による判断・改善を組み合わせることです。

MA(マーケティングオートメーション)とインサイドセールスの連携フローの詳細は、MAとIS連携の具体策で解説しています。

MAとSFAの連携でトスアップを自動化する仕組み

MAとSFAを活用したトスアップ自動化の基本的な流れは、以下の3ステップです。

Step.1:MAでリードスコアリングを設定する

まず、MA上でリードの評価基準を設定します。

リードの属性情報やWeb上での行動履歴をもとにスコアを付与し、購買意欲を数値化します。

例えば、以下のような行動をスコアとして設定します。

  • サービス詳細ページの閲覧
  • 料金ページの閲覧
  • メールクリック
  • 資料ダウンロード
  • ウェビナー参加
  • 問い合わせフォーム送信

また、企業規模や業種、役職などの属性情報にも点数を設定することで、「自社にとって優先度の高いリードか」を判断できます。

Step.2:基準を満たしたリードをSFAへ自動連携する

MA上で設定したMQL基準を満たしたリードは、自動的にSFAへ登録します。

例えば、

  • 合計スコアが80点以上になった
  • 特定ページを閲覧した
  • 問い合わせフォームから申込みがあった

といった条件です。

SFAへ登録されたタイミングで、担当するISやFSへ通知を送ることで、対応漏れや確認遅れを防げます。

通知方法としては、

  • メール通知
  • Slackなどのチャット通知
  • SFA上のタスク自動作成

などがあります。

Step.3:SFAで対応状況を管理し、MAへフィードバックする

SFAへ登録した後は、営業活動の結果を記録します。例えば、

  • 初回接触済み
  • 商談設定済み
  • 継続フォロー中
  • 失注
  • 受注

といったステータスです。

この結果をMA側へ戻すことで、「どのようなリードが商談化・受注につながったのか」を分析できます。

そのデータをもとに、

  • スコア配点の見直し
  • MQL基準の調整
  • ターゲット条件の変更

を行うことで、トスアップの精度を継続的に高められます。

MAツールで設定すべきトスアップトリガーの例

MAで設定するトスアップ条件は、大きく2種類に分けられます。

① スコア閾値トリガー

一定以上のスコアに到達したタイミングでMQL判定する方法です。例えば、

  • 企業規模:+15点
  • 資料ダウンロード:+20点
  • 料金ページ閲覧:+30点

などの合計が80点以上になった場合に、営業へ通知します。

複数回の行動から徐々に関心度が高まるタイプのリードを見極めるのに適しています。

MAを活用したスコアリング設計の実践テンプレートは、MA失敗事例に学ぶスコアリングで詳しく解説しています。

② 行動トリガー

特定の行動を起点として、スコアに関係なく通知する方法です。例えば、

  • 無料トライアルの申込み
  • デモ依頼
  • 料金ページの閲覧
  • 見積もり依頼

などです。

このような行動は購買意欲が急激に高まっている可能性があるため、スコアの蓄積を待たずに対応した方がよいケースがあります。

実際の運用では、スコア閾値による継続的な評価と、行動トリガーによる即時対応を組み合わせることが一般的です。

自動化後も必要な「人が介在するポイント」

MAとSFAを連携すると、多くの作業を効率化できます。しかし、すべての判断をツールに任せればよいわけではありません。

特に以下の3つは、人による確認や改善が必要です。

① スコアリングのチューニング

MAが算出するスコアは、定期的に見直す必要があります。例えば、

  • 高スコアなのに商談化しない
  • 低スコアでも受注につながっている

といったケースがあれば、スコア設計が実態と合っていない可能性があります。

実際の商談・受注データをもとに、継続的に調整することが重要です。

② 複雑な検討を伴うリードへの個別対応

スコアが高いリードでも、すぐに営業提案へ進められるとは限りません。例えば、

  • 複数部署が関係する
  • 決裁プロセスが長い
  • 導入に大きな業務変更が必要

といったケースでは、ISが事前に詳しく状況を確認した方が商談の成功率を高められる場合があります。

ツールでは判断しづらい背景情報を、人が補完することが重要です。

③ 定期的なフィードバックと改善

MAとSFAを連携しても、それだけでトスアップの精度が向上するわけではありません。

マーケティング・IS・FSが定期的にデータを確認し、

  • どのリードが成果につながったか
  • どの条件を改善すべきか
  • 現場で感じている課題は何か

を議論する場が必要です。

ツールが提供するデータを、人が分析して改善につなげることで、トスアップは継続的に進化します。

トスアップを成功させる組織設計の4ステップ

トスアップを仕組みとして機能させるには、ツール導入やルール作成だけでは十分ではありません。

重要なのは、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスが同じ基準で顧客を理解し、継続的に改善できる体制を作ることです。

一度にすべてを整備しようとすると、部門間の認識合わせや運用設計に時間がかかります。

まずは以下の4ステップで、段階的に仕組み化を進めることが効果的です。

Step.1:全部門でペルソナとカスタマージャーニーを共同設計する

最初に取り組むべきことは、マーケティング・IS・FSの全員が同じ「理想顧客像」を共有することです。部門ごとにターゲットの認識が異なると、その後に設定するMQL基準やSLAも機能しません。

例えば、マーケティングが「資料をダウンロードした中小企業」を有望リードと判断している一方で、FSが「大企業の決裁者との商談」を求めている場合、両者の間にズレが生まれます。まずは、過去の受注データをもとに理想顧客の共通点を整理します。

確認するポイントは以下のような項目です。

  • 受注につながった企業の業種・規模
  • 決裁者や担当者の役職
  • 最初の接点となったチャネル
  • 商談化までの行動履歴
  • 検討開始から契約までの期間

これらのデータをもとにペルソナとカスタマージャーニーを作成し、全部門で共有します。トスアップの精度は、「誰に売るのか」という共通認識から始まります。

Step.2:MQL/SQL基準を言語化し、トスアップのトリガーを設定する

ペルソナが明確になったら、次にMQL・SQLの基準を設計します。ここで多くの企業が悩むのが、「どのスコア設定が正しいのかわからない」という点です。

しかし、最初から完璧な基準を作る必要はありません。まずは過去の受注データを分析し、

  • 受注した顧客はどのような行動を取っていたか
  • どのページ閲覧や資料取得が商談化につながったか
  • どの属性のリードが成果につながりやすいか

を確認します。

その結果をもとに初期のスコアリングルールを設定し、運用後のデータを見ながら改善していく方法が現実的です。

重要なのは、スコアの正確さだけではありません。

マーケティング・IS・FSが「この条件なら営業へ渡す」という共通認識を持てる状態を作ることが目的です。

Step.3:SLAで部門間の合意を文書化する

MQL基準が決まったら、次にSLAを作成します。SLAの目的は、マーケティングと営業の役割分担を明確にし、トスアップ後の対応を安定させることです。最初から詳細なルールを作り込む必要はありません。

まずは以下の3項目を明文化するだけでも、運用の土台になります。

  • MQLの定義
  • トスアップ後の対応期限
  • フィードバック方法と頻度

例えば、

「MQL発生から2時間以内にISが初回接触する」
「商談化・失注理由を月次で共有する」

といった具体的なルールを決めます。

また、SLAは一度作成して終わりではありません。

市場環境や商材、営業体制が変化すると、適切な基準も変わります。四半期ごとなど定期的にレビューし、実際の成果データをもとに改善することが重要です。

Step.4:MAを活用してトスアップを自動化し、PDCAを回す

最後に、MAやSFAを活用してトスアップの一部を自動化します。自動化によって、

  • スコア到達時の通知
  • 営業担当への自動割り当て
  • 対応状況の管理
  • 商談結果のフィードバック

といった一連の流れを効率化できます。

特に、検討意欲が高まったタイミングで即座に対応できることは、商談化率向上につながります。

ただし、自動化は仕組み作りの完成ではありません。重要なのは、以下のような改善サイクルを継続することです。

  1. 月次でMQL数・商談化率・成約率を確認する
  2. どの条件のリードが成果につながったか分析する
  3. スコアリングやSLAの内容を調整する
  4. 改善内容を次月の運用へ反映する

このサイクルを回すことで、トスアップの精度は徐々に高まります。

トスアップ成功の鍵は「部門間で改善できる仕組み」を作ること

トスアップは、単にリードを営業へ渡す作業ではありません。

成果につながる顧客を見極め、適切な情報とともに次の担当者へ引き継ぐ、営業プロセス全体の重要な仕組みです。

成功させるためには、

  • ペルソナと顧客理解を統一する
  • MQL基準を明確にする
  • SLAで役割と対応ルールを決める
  • MA・SFAで運用を効率化する

という4つのステップを順番に整備することが重要です。

トスアップを仕組み化できれば、マーケティングと営業の連携は属人的な調整から、データをもとに改善できる組織的なプロセスへ変わります。

Sells upでは、BtoBマーケティング支援、MA活用支援、インサイドセールスの立ち上げ支援を通じて、企業ごとの営業プロセスや組織フェーズに合わせた仕組みづくりを支援しています。

トスアップは、リード管理やパイプライン設計の一部です。
リード獲得から商談化、案件管理まで一貫した設計を行うことで、より安定した営業成果につなげることができます。

トスアップは、リードの管理・パイプライン全体の設計の一部です。リード管理の全体像と合わせて設計すると、トスアップ後の追客・案件管理まで一貫した仕組みになります。

まとめ

トスアップは、単に「見込み顧客の情報を営業へ渡す作業」ではありません。

適切な顧客を、適切なタイミングで、必要な情報とともに次の担当者へ引き継ぎ、成約につなげるための営業プロセスの仕組みです。

トスアップが機能しない原因の多くは、担当者の努力不足ではなく、判断基準や連携ルールが明確になっていないことにあります。

本記事で解説した、トスアップを仕組み化するための重要なポイントは以下の4つです。

項目内容
MQL基準の言語化「確度が高そう」といった感覚的な判断を、スコアリングや行動条件によって客観化する
SLAの締結部門間でリード定義・対応期限・フィードバック方法を合意し、継続的に運用できるルールを作る
MAとSFAの連携スコア到達や特定行動をトリガーに、自動通知や対応管理を行い、機会損失を防ぐ
月次PDCAの実施商談化率や受注率をもとに、スコアリングやSLAの精度を継続的に改善する

トスアップを成功させるポイントは、最初から完璧な仕組みを作ることではありません。まずは、

  1. ペルソナと理想顧客像を全部門で共有する
  2. MQL基準を設定する
  3. SLAで役割と対応ルールを明確にする
  4. データをもとに改善を続ける

という流れで、段階的に仕組みを整備することが重要です。

トスアップを仕組み化できれば、マーケティングと営業の連携は、担当者同士の調整に依存した状態から、データをもとに改善できる組織的なプロセスへ変わります。

Sells upでは、BtoBマーケティング支援、MA活用支援、インサイドセールス立ち上げ支援を通じて、リード獲得から商談化までの仕組みづくりを支援しています。トスアップの基準設計や、マーケティングと営業の連携体制に課題を感じている場合は、ぜひご相談ください。

よくある質問

ビジネスにおけるトスアップとは何ですか?

ビジネスにおけるトスアップとは、マーケティング・インサイドセールス・コールセンターなどの部門が、一定の条件を満たした見込み顧客を次の担当部門へ引き継ぐプロセスのことです。

語源はバレーボールで、セッターがアタッカーへボールを上げ、得点につながるプレーを作る動作に由来します。

BtoBマーケティングにおけるトスアップは、単に顧客情報を渡すだけではありません。購買意欲や自社との適合度を確認したうえで、営業がアプローチしやすい状態で引き継ぐことが重要です。

そのため、MQL(マーケティングクオリファイドリード)の基準設定やスコアリングを活用し、担当者の感覚ではなく客観的な基準で判断できる仕組みを整えることが求められます。

ビジネス用語で「トスする」とはどういう意味ですか?

ビジネスにおける「トスする」とは、自分が担当している顧客・案件・情報を、次の担当者や担当部門へ引き継ぐことを意味します。

語源はトスアップと同じく、バレーボールのセッターがアタッカーへボールを渡す動作です。

営業活動では、

  • 「このリードを営業へトスする」
  • 「ISからFSへトスする」

のような表現で使われます。

ただし、ビジネスにおけるトスは、単純に連絡先を共有することではありません。

顧客の課題、接触履歴、関心を持った内容、検討状況などを合わせて引き継ぐことで、次の担当者がスムーズに対応できる状態を作ることが重要です。

コールセンターでのトスアップとはどういうことですか?

コールセンターにおけるトスアップとは、問い合わせ対応やアウトバウンドコールを行う中で、購買意欲が高い見込み顧客を営業部門へ引き継ぐことです。

重要なのは、「会話が成立した」「話を聞いてくれた」という事実だけで、営業へ渡さないことです。

例えば、以下のような購買シグナルが確認できる場合は、トスアップ対象として判断しやすくなります。

  • 料金や契約条件について質問があった
  • 詳細資料や見積もりを希望した
  • 導入時期やスケジュールについて確認があった

一方で、情報収集段階の顧客については、すぐに営業へ渡すのではなく、MAやインサイドセールスによるナーチャリングを継続する方が適切な場合もあります。

また、担当者が変更になる場合は、顧客へ事前に説明することも重要です。突然別の担当者から連絡すると、顧客に不安や負担を与える可能性があります。

トスアップがうまくいかない場合、最初に見直すべきポイントはどこですか?

最初に確認すべきポイントは、MQL基準が明確に定義されているかどうかです。

「なんとなく確度が高そう」という感覚的な判断でトスアップしている場合、担当者によって引き継ぐリードの質にばらつきが生じます。

改善する際は、以下の3点を順番に確認します。

  1. MQL基準が言語化されているか

    業種・企業規模・役職・行動履歴など、営業へ渡す条件が明確になっているか確認します。

  2. 引き継ぎ情報が標準化されているか

    接触履歴、顧客の課題、検討時期などが共有されていない場合、営業は初回接点から関係構築をやり直す必要があります。

  3. フィードバックループが存在するか

    商談化したリードや失注したリードの情報がマーケティングやISへ戻らなければ、トスアップ基準は改善されません。

トスアップは一度設定して終わりではなく、営業成果のデータをもとに継続的に改善することが重要です。

トスアップの言い換えはありますか?

トスアップの近い言い換えとして、以下のような表現があります。

  • 引き継ぎ
  • リードの受け渡し
  • 案件の引き渡し
  • 担当移管
  • 連携

マーケティングや営業の文脈では「リードのトスアップ」「営業への引き渡し」と表現されることが多く、社内コミュニケーションでは「トスする」という形で使われることもあります。

ただし、BtoBマーケティングにおけるトスアップは単なる引き継ぎではなく、成果につながる状態を整えたうえで次の担当者へ渡すプロセスという点が重要です。

「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために

施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。 こうした課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。 Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。

株式会社Sells up 代表取締役
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。BtoBマーケティング支援会社として、デジタルマーケティング戦略設計・MA/SFA導入・リードジェネレーション・ナーチャリング・営業連携SLA構築を80社以上に提供し、売上成長への貢献実績を持つ。Account Engagement SpecialistおよびTableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。