MAツール成功事例7選|80社支援のSells upが課題別に分析
同じ成果を、自社でも再現できるか確認したい方へ
Sells upはBtoBマーケティング支援に特化し、これまで80社以上の支援実績を持ちます。 広告費10万円で月100件のリード創出、MA活用で問い合わせ10倍など、事例で紹介した成果は実際に支援した企業で起きたことです。 自社の課題に当てはめて何ができるかを、まずはお気軽にご相談ください。
MAツールを導入しても思うような成果が出ない企業は少なくありません。しかし、その原因はツールそのものではなく、導入前の設計にあるケースがほとんどです。
Sells upはこれまで80社以上のBtoBマーケティングを支援し、HubSpot・Account Engagement・Marketoの導入から活用まで数多く携わってきました。戦略設計をはじめ、ツール実装、運用改善、効果測定までを一貫して支援しています。
数多くのプロジェクトを通じて見えてきたのは、成果を左右するのはツールの違いではないということです。KPIをどう設計するか、スコアリングをどう組み立てるか、営業とマーケティングがどう連携するか。この3つが、導入後の成果を大きく左右します。
この記事では、BtoB企業がMAを活用して成果につなげた7つの事例を課題別に紹介します。
成功企業に共通する考え方を整理するとともに、ROIの考え方やスコアリング設計、ツール選定のポイント、導入前に確認しておきたいチェック項目まで、実務にそのまま活かせる内容をまとめました。
Sells up支援事例:MAで成果を出した実績
他社の事例を紹介する前に、Sells upが実際に支援した事例を紹介します。80社を超えるBtoBマーケティング支援の中から、施策と成果のつながりが分かりやすい事例を取り上げました。
支援事例1:MAを活用できる体制を整え、問い合わせ数が約10倍に増加|株式会社SmartHR
| 業種 | HRテック・BtoBアプリストア |
| 課題 | Account Engagementは導入済みだったものの、運用できる担当者がおらず、初期設定も十分ではありませんでした。配信メールも1〜2パターンに限られ、継続的な活用には至っていない状態 |
| 施策 | アプリごとの市場調査を実施し、メールコンテンツを20〜30パターンまで拡充。フォームやサンクスメールの整備に加え、Engagement Studioによるシナリオ設計、Web行動ログを取得する仕組みの構築まで一貫して支援 |
| 成果 | 支援開始から約1年で、問い合わせ数が約10倍に増加 |
成果につながった要因は、Account Engagementの設定そのものではありません。ユーザーごとに適切な情報を届けられるよう、訴求内容とシナリオを設計し直したことが大きな転機になりました。
MAは設定するだけでは成果につながりません。誰に、どのタイミングで、何を届けるのか。その設計が伴って初めて、自動化が成果に結び付きます。
Account Engagementの活用設計についてはAccount Engagementのメール配信設計ガイド、スコアリングカテゴリの設計方法も参照してください。

支援事例2:KPI設計からMA導入までを一貫して支援し、5年間の非連続成長を実現|株式会社CLUE
| 業種 | ドローンSaaS(建設業界向け) |
| 課題 | マーケティング専任者がおらず、何から着手すべきか分からない状態 |
| 施策 | KPI設計を起点に、広告運用やLP改善、セミナー施策の見直しを実施。あわせてAccount EngagementとSalesforceの導入・初期設定を行い、オウンドメディアの記事企画まで一貫して支援 |
| 成果 | 複数チャネルから継続的にリードを獲得できる体制を構築し、5年間にわたる非連続な成長を実現 |
成果につながった要因の一つが、マーケティングと営業で同じ情報を見ながらリードを管理できる体制を整えたことです。Account EngagementとSalesforceを連携し、資料請求やセミナー参加、Webサイトの閲覧履歴などを営業がそのまま確認できるようにしたことで、見込み顧客の状況に合わせたアプローチがしやすくなりました。
さらに、営業活動を通じて得られた反応や商談内容をマーケティング施策へ継続的に反映し、LPやメールの改善を繰り返す運用体制を構築。施策を実施して終わりではなく、成果を見ながら改善を積み重ねる仕組みが、継続的な成長を支えました。
SFAとMAのデータ連携についてはSalesforceとAccount Engagementのリードスコアリング設計も参照してください。

BtoBマーケティングオートメーション(MA)成功事例7選|課題別に見る成功のポイント
MA(マーケティングオートメーション)は、見込み顧客の獲得から育成、営業への引き渡しまでを効率化するための仕組みです。
メール配信だけでなく、Webサイトでの行動履歴や資料請求などの情報をもとに顧客の興味・関心を把握し、最適なタイミングで適切なアプローチを行えるようになります。
ただし、MAを導入しただけで成果が出るわけではありません。
実際には、KPIの設計やスコアリングの基準、営業との連携方法まで含めて設計されている企業ほど、成果につながりやすい傾向があります。
ここからは、BtoB企業がMAを活用して成果を上げた7つの事例を紹介します。それぞれの企業がどのような課題を抱え、何を見直したことで成果につながったのか。その共通点にも注目しながら解説します。
主要成功事例サマリー
| 課題分類 | 業界 | 企業名 | 主な成果 | 成功のポイント |
|---|---|---|---|---|
| 営業効率化 | 電機メーカー | NEC | メールクリック率7倍 | 営業フィードバックを基にしたスコアリング基準の継続的な見直し体制 |
| リソース不足解消 | システム開発 | 株式会社アイアットOEC | 商談数8倍(2名体制) | 定型フォロー業務からのスモールスタート |
| リソース不足解消 | ITコンサル | アーティサン株式会社 | 受注率9%→30% | MA導入を機に営業フロー全体を可視化・見直し |
| 新規リード獲得 | 製造業 | 株式会社関東製作所 | 年間問い合わせ3.5倍 | Webサイト訪問者を逃さない動線設計 |
| 営業手法最適化 | 建設サービス | TAKAYAMA | 新入社員が入社3ヶ月で受注 | MAデータ+インサイドセールスで営業プロセスを標準化 |
| 営業手法最適化 | 広告事業 | 表示灯株式会社 | 契約数前年比1120% | マーケ・IS・FSの共通KPI共有体制の構築 |
課題1:営業プロセスの属人化・非効率を解消した事例
事例1:NEC(電機メーカー)|スコアリング精度向上でメールクリック率が7倍に
| 課題 | 保有する多くのリードに対して一律でメール配信を行っていたため、顧客ごとの関心や検討状況に合わせた情報提供が難しく、メールの開封率・クリック率が低下傾向にあった |
| 施策 | 顧客の属性(業種・役職)や行動履歴(製品ページの閲覧、ホワイトペーパーのダウンロードなど)をもとにリードを分類。関心度や検討状況に合わせたコンテンツを配信するセグメント配信を実施 |
| 成果 | メールのクリック率は従来と比較して約7倍に向上。さらに、関心度の高いリードを把握できるようになり、営業活動につなげやすい環境を整備 |
| 成功要因 | 営業部門から商談化・受注につながったリードの情報を収集し、その結果をもとにスコアリング基準を継続的に見直す運用体制を構築。マーケティング施策と営業活動の連携を強化 |
NECでは、すべての見込み顧客に同じメールを配信する運用から、顧客の属性や行動履歴をもとに配信対象を絞り込む運用へ切り替えました。
導入後も営業部門からのフィードバックをもとにスコアリングの基準を継続的に見直したことで、メールのクリック率(CTR)は導入前と比べて約7倍に向上しています。
この事例から分かるのは、スコアリングは一度設定して終わりではないということです。営業現場の反応や受注結果を踏まえて調整を重ねることで、精度は少しずつ高まっていきます。
実際にSells upへご相談いただく企業でも、「資料請求は10点」「料金ページの閲覧は5点」といった経験則だけでスコアを設定しているケースが少なくありません。しかし、その配点が本当に受注につながる行動を反映しているとは限りません。
そこで私たちは、SFA・CRMに蓄積された受注データとMAの行動履歴を組み合わせ、受注した顧客に共通する行動パターンを分析したうえでスコアリングを設計しています。例えば、「特定の業界の担当者が導入事例を閲覧した後にウェビナーへ参加した場合は受注率が高い」といった傾向が確認できれば、その結果をスコアへ反映します。
こうしたデータに基づく見直しを繰り返すことで、営業が優先的に対応すべきリードをより正確に抽出できるようになります。NECの事例は、その考え方が成果につながることを示す好例といえるでしょう。
統計的なスコアリング設計について詳しく知りたい方は、スコアリングを「感覚」から「データ」に変える:統計的スコアリング設計の考え方をご覧ください。スコアリングの基本から知りたい場合は、リードスコアリングとは?BtoB担当者が最初に理解すべき仕組み・設計・営業連携の全体像も参考になります。
参照:Oracle Marketing Cloud導入事例:日本電気株式会社様
課題2:リソース不足を自動化で乗り越えた事例
事例2:株式会社アイアットOEC(システム開発)|担当者2名体制で商談数を8倍に増加
| 課題 | マーケティング担当者とインサイドセールス担当者の2名体制で複数商材の拡販を進めていましたが、リードへのフォローが十分に行き届かず、アプローチのタイミングを逃してしまうケースが発生 |
| 施策 | 無料トライアル利用者へのフォロー業務を自動化するため、ステップメールを導入。商材ごとにシンプルなシナリオを設計し、顧客の検討状況に合わせた情報提供を継続的に行える仕組みを構築 |
| 成果 | MAを活用した継続的なフォローにより、商談数は従来の8倍に増加 |
| 成功要因 | 担当者の工数負担が大きかった定型的なフォロー業務から自動化を開始。業務効率化によって生まれた時間を、コンテンツ企画や施策改善のためのデータ分析に活用できる体制を整えた |
株式会社アイアットOECでは、マーケティング担当とインサイドセールス担当の2名体制で、複数商材のマーケティング施策を運用していました。しかし、商材ごとにメールを出し分けるための手作業が増え、フォロー業務の負荷が大きな課題となっていました。
そこで、無料トライアルを起点としたステップメールを自動化し、顧客の検討状況に応じて必要な情報を届ける運用へ移行しました。メールテンプレートやシナリオを整理したことで運用負荷が大幅に軽減され、マーケティング・営業・インサイドセールスの体制を変えることなく、商談数は従来の約8倍に増加しています。
この事例から分かるのは、MAの価値は単にメール配信を自動化することではないという点です。定型業務にかかる時間を減らし、その分をコンテンツ制作や施策の改善に充てられる環境をつくることで、限られた人数でも成果を伸ばせるようになります。
Sells upへご相談いただく企業でも、「シナリオを増やしたいが運用が複雑になりそう」「人手が足りず施策を増やせない」といったご相談をいただくことが少なくありません。そのような場合は、最初から複雑なシナリオを作るのではなく、負荷の大きい業務から順番に自動化し、運用しながら改善していくことをおすすめしています。
アイアットOECの事例は、自動化によって担当者の時間を生み出し、その時間を新たな施策へ投資することが、継続的な成果につながることを示した事例といえるでしょう。
事例3:アーティサン株式会社(ITコンサル)|業務プロセス見直しと自動化で受注率9%から30%へ
| 課題 | 問い合わせ後のフォローが担当者ごとの対応になっており、対応漏れやフォローの遅れが発生。結果として、受注率9%から伸び悩んでいた |
| 施策 | MA導入を機に、問い合わせ獲得から商談化までのプロセスを可視化・見直し。シナリオメールによるフォローの自動化や、顧客の属性・関心に応じた情報提供の仕組みを構築 |
| 成果 | 問い合わせ数が2倍に増加し、受注率は9%から30%へ向上 |
| 成功要因 | MAを単なるツール導入ではなく、属人的だった営業プロセスを標準化する機会と捉え、問い合わせ対応から商談化までの流れを再設計 |
アーティサン株式会社では、問い合わせ後のフォローが担当者ごとの対応になっており、対応漏れやフォローの遅れが発生していました。そこで、MA導入をきっかけに問い合わせから商談化までのプロセスを見直し、シナリオメールによるフォローの自動化や、顧客の関心に応じた情報提供の仕組みを構築。その結果、問い合わせ数は2倍に増加し、受注率も9%から30%へ向上しました。
この事例から分かるのは、MA導入の成果はツールの機能だけで決まるものではないということです。既存の営業プロセスを可視化し、どのタイミングでどのような情報を届けるべきかを整理することで、属人的だった対応を仕組み化し、継続的な成果につなげることができます。
Sells upへご相談いただく企業でも、MA導入そのものではなく、導入後に成果を生み出すための業務設計や運用体制づくりに課題を抱えているケースは少なくありません。
参照:問い合わせ数が2倍、受注率も9%から30%に大幅アップ!|アーティサン株式会社様(BowNow)
課題3:新規リード獲得をWeb起点で加速させた事例
事例4:株式会社関東製作所(製造業)|Webサイトの動線改善で年間問い合わせ数が3.5倍に
| 課題 | Webサイトへのアクセスは増えていたものの、問い合わせにつながる導線が十分に整備されておらず、新規顧客の獲得に課題を抱えていた |
| 施策 | MAツールを活用してWebサイト訪問者の行動履歴を可視化。閲覧したコンテンツに合わせてポップアップを表示し、関連する記事や問い合わせにつながるコンテンツへ誘導する導線を設計 |
| 成果 | 年間の新規問い合わせ件数が約100件から350件超へ増加 |
| 成功要因 | カスタマージャーニーマップをもとに、ユーザーの関心度に合わせた情報提供やサイト内回遊の仕組みを構築 |
株式会社関東製作所では、Webサイトへの訪問数は増えていたものの、問い合わせにつながる導線が十分に整備されていないことが課題でした。そこで、MAツールを活用してサイト訪問者の行動履歴を可視化し、閲覧しているコンテンツに応じたポップアップ表示や関連情報への誘導を実施しました。
その結果、ユーザーの関心度に合わせて適切な情報を届けられるようになり、年間の新規問い合わせ件数は約100件から350件超へ増加しました。
この事例から分かるのは、Webサイトは単に情報を掲載するだけではなく、訪問者の検討状況に合わせて次の行動を促す設計が重要だということです。アクセス解析や行動データをもとに改善を重ねることで、問い合わせにつながる可能性を高めることができます。
Sells upへご相談いただく企業でも、サイトへのアクセスはあるものの「問い合わせにつながらない」「訪問者がどの情報に関心を持っているのか分からない」といった課題を抱えているケースがあります。
事例5:Sells up支援事例:Web起点のリード獲得で月100件超を実現|日本テレビアート様
| 課題 | 新規事業の立ち上げに伴い、新たな顧客接点の創出と販路拡大が必要だった。一方で、営業・マーケティングの専門部署やノウハウがなく、どのように見込み顧客を獲得すべきか手探りの状態 |
| 施策 | サービス内容の整理・言語化から着手し、Meta広告によるリード獲得、LPやサービス資料の制作、コンテンツマーケティングを推進。さらにHubSpotを導入し、獲得したリードの管理やメールマーケティングを行える体制を構築 |
| 成果 | 広告予算月10万円程度で、多い月には100件以上のリード獲得を実現。新規顧客との接点創出と販路拡大につながり、Web・動画・LP・ロゴなどのデザイン制作案件の受注にも発展 |
| 成功要因 | 施策の実行だけでなく、新規サービスの整理やマーケティング・インサイドセールス体制の構築まで一貫して取り組み、社内にマーケティングノウハウを蓄積できる仕組みを整えた |
日本テレビアート様は、テレビ業界の変化を受けて2020年に新規事業立ち上げのためのビジネスプロデュース室を設立しました。社員の8割以上がデザイナーで、営業・マーケティングのノウハウがゼロの状態からのスタートでした。営業代行を試みたものの、自社のケイパビリティ(無形商材のデザイン)をパートナーに理解してもらえず、商談化が進まなかったという経緯があります。
フェーズ1(約10ヶ月)でサービス内容の言語化から着手し、フェーズ2以降でMeta広告によるリード獲得を開始しました。同時並行でサービス資料・LP作成・コーポレートサイト改修・コンテンツマーケティングを推進し、スプレッドシートからHubSpotへ移行してリード情報の集約・ステータス管理・メールマーケティングを実現しています。毎月の広告予算は10万円程度に抑えながら、初年度から多い月で100件以上のリードを毎月獲得しました。

課題4:営業手法を最適化した事例(インサイドセールスとの連携)
事例6:TAKAYAMA(建設サービス)|インサイドセールス+MAで新入社員が入社3ヶ月で受注
| 課題 | 休眠顧客や見込み顧客へのアプローチが十分にできておらず、営業活動の最適化・効率化が課題となっていた。また、以前利用していたMAツールは操作性やコスト面に課題があり、社内での活用が進みにくい状況 |
| 施策 | MA導入と同時にインサイドセールス部門を新設。メールマガジンで情報発信を行い、クリックなどの反応があった見込み顧客に対してインサイドセールスが架電する体制を構築。行動履歴をもとに顧客の関心度を把握したうえでアプローチを実施 |
| 成果 | MA運用開始から3ヶ月で、新入社員が獲得した商談から140万円の受注を実現。マーケティング・インサイドセールス・営業の3部門が連携して売上を創出する体制を構築 |
| 成功要因 | MAによって見込み顧客の行動履歴を可視化し、興味関心に応じたアプローチを可能にしたことで、経験の浅いメンバーでも効率的に営業活動を進められる仕組みを整備 |
TAKAYAMAでは、休眠顧客や見込み顧客へのアプローチが十分に行えておらず、営業活動の効率化が課題となっていました。そこで、MA導入と同時にインサイドセールス部門を新設し、メールマガジンへの反応をもとに優先度の高い見込み顧客へアプローチする体制を構築しました。
導入後は、見込み顧客の行動履歴を確認したうえで架電できるようになり、顧客の関心に合わせた提案が可能に。その結果、運用開始から3ヶ月で新入社員が140万円の受注獲得に貢献しています。
この事例から分かるのは、MAは単なるメール配信ツールではなく、営業活動を効率化し、組織全体で成果を生み出す仕組みづくりに活用できるということです。見込み顧客の情報を可視化し、マーケティング・インサイドセールス・営業が連携することで、経験や属人的なスキルに依存しない営業プロセスを構築できます。
Sells upへご相談いただく企業でも、リード情報を十分に活用できていない、営業担当者ごとに対応方法が異なるといった課題から、MAを活用した営業体制の整備に取り組むケースが増えています。
参照:MA導入後3ヶ月で新入社員が140万円の受注を獲得!|TAKAYAMA様(BowNow)
事例7:表示灯株式会社(広告事業)|全社的な営業プロセス最適化で契約数前年比1120%
| 課題 | 対面営業を中心とした営業活動を行っていたものの、短時間の商談では追加提案が難しく、営業効率の向上が課題となっていた。また、インサイドセールスの立ち上げに必要な知識やノウハウも不足 |
| 施策 | MAツール「BowNow」の導入と同時にインサイドセールス部門を新設。メール配信による見込み顧客の育成、行動履歴をもとにしたアプローチ、架電結果の共有などを通じて、マーケティング・インサイドセールス・営業部門が連携する体制を構築 |
| 成果 | 拡販対象商材の契約件数が前年比1120%を達成。インサイドセールスによるアポイント獲得数も増加し、ホットリード数は目標の900件を上回る約3,000件まで拡大 |
| 成功要因 | インサイドセールスの立ち上げにあわせて、KPI設計やロープレ、教育カリキュラム、社内評価制度などの仕組みを整備。部門間でリード情報や成果を共有し、継続的に改善できる体制を構築 |
表示灯株式会社では、対面営業を中心とした従来の営業スタイルから、マーケティング・インサイドセールス・営業が連携する体制へ移行しました。MAツールを活用して見込み顧客の行動を把握し、関心度の高まったタイミングでインサイドセールスがアプローチすることで、営業活動の効率化を実現しています。
さらに、インサイドセールス部門の立ち上げと同時に、KPI設計や教育カリキュラム、ロープレなどの仕組みを整備。属人的な営業活動ではなく、データをもとに継続的に改善できる営業プロセスへ転換した結果、対象商材の契約件数は前年比1120%を達成しました。
この事例から分かるのは、MA導入の成果はツールそのものではなく、マーケティング・営業組織全体で活用できる仕組みを整えることで生まれるということです。リード獲得から商談化、受注までの流れを可視化し、各部門が連携することで、営業活動の再現性は高められます。
Sells upへご相談いただく企業でも、営業担当者の経験や勘に依存したアプローチから、データを活用した営業プロセスへの転換を目的に、MAやインサイドセールスの導入をご検討されるケースが増えています。
参照:営業方法を変えただけで契約数が前年比1120%に!|表示灯株式会社様(BowNow)
成功事例から導き出す、BtoB MA導入・運用「成功の3原則」
7つの企業事例と、Sells upが支援した2つの事例を横断して分析すると、MA導入後に成果を上げている企業には共通する3つのポイントがあります。
それは、導入前に目的と指標を明確にすること、顧客に合わせたコミュニケーション設計を行うこと、そして運用しながら改善を続けることです。
MAは導入するだけで成果が生まれるツールではありません。自社の営業プロセスや事業目標に合わせて活用方法を設計し、継続的に改善することで、初めて営業成果につながる仕組みになります。
原則1:事業目標から逆算した目的設定とKPI設計
MA導入で成果を上げている企業に共通しているのは、「MAを活用して何を実現するのか」が明確になっている点です。
単に「メール配信を自動化したい」「リードを管理したい」といったツール起点の目的ではなく、売上目標や営業課題から逆算して、MAで解決すべき課題を定義しています。
目的が曖昧なままMAを導入すると、多機能なツールを十分に活用できず、結果として「高機能なメール配信ツール」としてしか使われないケースもあります。
重要なのは、事業目標(KGI)を達成するために、どの指標(KPI)を改善すべきかを明確にすることです。KGIとKPIの設計方法についてはマーケティングオートメーションのKPI設計も参照してください。
代表的なKPI設計の例として、以下が挙げられます。
商談化率の向上を目的とする場合
- KGI:受注額・受注件数
- KPI:MQL創出数、MQLからの商談化率、商談化までの期間
リード数を増やすだけではなく、「どれだけ商談につながったか」を追うことで、マーケティング施策の成果を正しく評価できます。
休眠リードの掘り起こしを目的とする場合
- KGI:休眠リードからの受注額
- KPI:休眠リードのアクティブ化率、再商談化数
過去に獲得したリードへ適切な情報提供を行い、再び検討タイミングを迎えた顧客を営業へ引き渡す仕組みを構築します。
営業生産性の向上を目的とする場合
- KGI:営業担当者一人あたりの売上高
- KPI:ホットリードへのアプローチ率、リードフォローにかかる工数削減時間
すべてのリードへ同じように対応するのではなく、購買意欲が高まった顧客へ営業リソースを集中させることで、営業活動の効率化につながります。
MA導入を成功させるためには、まず「ツールで何をするか」ではなく、「事業成果を出すために何を改善する必要があるか」から考えることが重要です。
原則2:マーケティングと営業の連携体制の構築
MA導入の成果を最大化するには、マーケティング部門だけで完結するのではなく、営業部門と連携してリードを商談・受注につなげる仕組みを構築することが重要です。
そのためには、まずどのような状態のリードを営業へ引き渡すのか(MQLの定義)を明確にする必要があります。
例えば、資料ダウンロードや問い合わせといった顧客のアクションだけで判断するのではなく、Webサイトの閲覧履歴やメールへの反応、過去の接点などをもとに、営業がアプローチすべきタイミングを定義します。
また、MAとSFA・CRMを連携し、マーケティングと営業の間で顧客情報を共有できる環境を整えることも重要です。
MAで取得したWeb閲覧履歴やメール反応などの行動データを営業側へ共有することで、営業担当者は顧客の関心領域を把握したうえでアプローチできます。一方で、営業活動で得られた商談状況や受注・失注理由をMA側へ戻すことで、スコアリングやシナリオ設計の改善につなげられます。
このように、マーケティングから営業への一方向の引き渡しではなく、顧客データを起点に両部門が改善を繰り返す循環型の仕組みを作ることが重要です。
さらに、MA・SFA・CRMを連携する際には、リード情報の重複を防ぐ名寄せルールや、入力項目・ステータス定義の統一など、データ管理のルール設計も欠かせません。
どれだけ多くのデータを蓄積しても、管理基準が統一されていなければ、正確な分析や効果的な営業連携は実現できません。
例えば、TAKAYAMA様の事例では、MA導入と同時にインサイドセールス部門を立ち上げ、マーケティング・インサイドセールス・営業が連携する体制を構築しました。メール配信による見込み顧客の育成と、行動履歴をもとにしたアプローチを組み合わせることで、導入後3ヶ月で新入社員が140万円の受注獲得に貢献しています。
MA導入を成功させるには、ツールの導入だけでなく、「誰が・どの情報をもとに・どのタイミングで顧客へアプローチするのか」という営業プロセス全体の設計が重要です。
SFA連携の設計についてはSalesforceとAccount Engagementのリードスコアリング設計も参照してください。
原則3:顧客理解に基づくシナリオ設計とコンテンツの活用
MA運用で成果を出すには、単にメールを配信するのではなく、顧客の検討状況や関心度に合わせたシナリオ設計が重要です。
多くの企業では「配信するコンテンツが不足している」という課題を抱えています。しかし、成果を上げている企業は、必ずしも新しいコンテンツを大量に作成しているわけではありません。既存の営業資料、導入事例、ウェビナー資料、ブログ記事など、自社が保有するコンテンツ資産を棚卸しし、顧客の検討段階に合わせて活用しています。
例えば、1つのウェビナー資料から、集客用の記事、ダウンロード資料、フォローメール、営業向け資料へ展開することで、少ない制作負荷で継続的な顧客接点を作ることができます。
また、MA導入時には「どのユーザーに、どのタイミングで、どの情報を届けるか」を設計することが重要です。資料ダウンロード後のフォロー、特定ページ閲覧者への追加情報提供、休眠リードへの再アプローチなど、顧客の行動に合わせたコミュニケーションを設計することで、商談化につながる確度を高められます。
一方で、「WebサイトをリニューアルしてMAを導入する」「メール配信数を増やす」といった施策だけでは、十分な成果につながらないケースもあります。重要なのは、既存コンテンツの活用方法を整理し、顧客の検討プロセスに沿ったシナリオを構築することです。
まずは保有しているコンテンツや営業資料を棚卸しし、どの顧客フェーズで活用できるかを整理することが、MA運用を成功させる第一歩になります。
MA導入のROI(投資対効果)の見積もり方
MAツールは導入費用だけでなく、運用体制の構築やコンテンツ制作など継続的な投資が必要になるため、導入前に「どの程度の成果が見込めるのか」を把握することが重要です。
ROI(投資対効果)を算出することで、導入判断の根拠を明確にできるだけでなく、導入後にどの指標を改善すべきかも整理できます。
ROI計算の基本式
ROIは以下の計算式で算出します。
ROI(%)=(MA導入によって得られた利益 − MA導入・運用コスト)÷ MA導入・運用コスト × 100
MA導入による効果は、大きく「売上向上効果」と「コスト削減効果」の2つの観点から見積もります。
売上向上効果の算出
売上向上効果を算出するには、現在の営業・マーケティング活動における主要なKPIを把握し、MA導入後にどの程度改善できるかを予測します。
確認すべき代表的な指標は以下の通りです。
- リード獲得数
- メール開封率・クリック率
- MQL(マーケティング・クオリファイド・リード)創出数
- 商談化率
- 受注率
- 平均受注単価
例えば、MA導入によってリードへの継続的なアプローチが可能になり、商談化率や受注率が改善すると想定した場合、その増加分から売上向上効果を試算します。
コスト削減効果の算出
MA導入による効果は、売上増加だけではありません。これまで手作業で行っていた業務を自動化することで、マーケティング・営業活動にかかる工数削減も期待できます。
対象となる代表的な業務は以下です。
- メール配信リストの作成
- メール配信作業
- リード情報の整理・更新
- 見込み顧客へのフォロー業務
- 営業担当者による優先順位付け
削減できる時間を人件費換算することで、コスト削減効果として算出できます。
ただし、MA導入のROIは短期間で判断するのではなく、中長期的な視点で評価することが重要です。導入直後はデータ蓄積やシナリオ設計、コンテンツ整備に時間がかかるため、半年〜1年程度の運用期間を想定して改善効果を測定する企業が多くあります。
重要なのは、ツール導入そのものを目的にするのではなく、「どの事業成果を改善するためにMAを活用するのか」を明確にしたうえで、必要なKPIを設定することです。
ROIシミュレーション例
実際にMA導入によるROIを試算する場合、現在の営業・マーケティング指標をもとに、導入後の改善幅を設定します。
ここでは、従業員150名規模の中堅SaaS企業を例に、商談化率の改善による売上向上効果をシミュレーションします。
| 項目 | 数値 |
| 保有リード数 | 10,000件 |
| 商談化率 | 5% |
| 商談数 | 500件 |
| 受注率 | 20% |
| 受注件数 | 100件 |
| 平均受注単価 | 100万円 |
| 年間売上 | 1億円 |
MA導入後(予測)
MAによって、リードの行動履歴をもとにした優先順位付けや、検討状況に応じたナーチャリングを実施。商談化率が5%から8%へ改善すると仮定します。
| 項目 | 数値 |
| 保有リード数 | 10,000件 |
| 商談化率 | 8% |
| 商談数 | 800件 |
| 受注率 | 20% |
| 受注件数 | 160件 |
| 平均受注単価 | 100万円 |
| 年間売上 | 1億6,000万円 |
この場合、年間売上は1億円から1億6,000万円となり、6,000万円の売上増加効果が見込まれます。
MA導入・運用コスト
| 項目 | 年間コスト |
| MAツール利用料 | 400万円 |
| 運用担当者の人件費 | 600万円 |
| 合計 | 1,000万円 |
ROI計算
ROI=(MA導入による利益 − MA導入・運用コスト)÷ MA導入・運用コスト × 100
(6,000万円 − 1,000万円)÷ 1,000万円 × 100
= 500%
このケースでは、MA導入・運用に年間1,000万円を投資することで、6,000万円の売上増加効果が期待でき、ROIは500%となります。
ただし、実際のROI試算では過度に高い改善率を設定するのではなく、自社の現状データや過去の営業実績をもとに現実的な改善幅を設定することが重要です。
また、運用開始後はリード数、商談化率、受注率などの実績値を継続的に計測し、当初の想定との差分を分析しながら、シナリオやコンテンツ、営業連携の方法を改善していくことで、より精度の高い投資対効果の実現につながります。
BtoB向けMAツールの選定と導入プロセス
BtoBマーケティングで活用される主要なMAツールには、それぞれ得意とする領域や適した企業規模・運用体制があります。重要なのは、ツールの機能比較だけで判断するのではなく、自社のマーケティング課題や営業プロセス、将来的な活用方針に合わせて選定することです。
本章では、代表的なMAツールの特徴や選定時のポイント、導入から運用定着までのプロセスを整理します。尚、Sells upでは、HubSpot・Account Engagement・Marketoなど主要MAツールの導入・活用支援実績をもとに、各ツールの特性に応じた戦略設計から運用支援まで一貫してサポートしています。
主要MAツール比較
| ツール名 | 特徴 | 費用感 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| HubSpot Marketing Hub | リード獲得からナーチャリング、効果測定までを一元管理できるオールインワン型MA。無料CRMを基盤として、SFAやカスタマーサクセスツールとの連携もスムーズ | 中〜高 | 中小企業〜大企業。マーケティング・営業・カスタマーサクセスの情報を一元管理したい企業 |
| Account Engagement(旧Pardot) | Salesforceとの連携に強みを持つBtoB向けMA。スコアリングやEngagement Studioによるシナリオ設計など、高度なリード管理が可能 | 高 | Salesforceを導入済みの企業。複雑なマーケティング施策や営業連携を実現したい企業 |
| Adobe Marketo Engage | 高い拡張性と柔軟性を持ち、大規模データや複雑なマーケティングシナリオにも対応可能。グローバル企業での導入実績も豊富 | 高 | 大企業・グローバル企業。高度なカスタマイズや大規模運用が必要な企業 |
| 国産MAツール(SATORI・BowNowなど) | シンプルな操作性と導入しやすさが特徴。比較的低コストでMA運用を開始できる | 低〜中 | まずはMAをスモールスタートしたい中小企業 |
各ツールの詳細な活用方法については以下の記事も参照してください。
- HubSpot導入・活用支援サービス
- Account Engagement導入・活用支援サービス
- Marketo活用支援サービス
- Account EngagementのランディングページとフォームをMA連携で設計する方法
- MAツール活用支援の全体像
ツール選定の5つの観点
MAツールを選定する際は、機能の豊富さだけではなく、自社の運用体制や営業プロセスとの適合性を確認することが重要です。
1. 機能要件
自社が実現したい施策に必要な機能が備わっているかを確認します。
- 高度なスコアリング
- シナリオメール配信
- LP・フォーム作成
- SFA/CRM連携
- レポーティング機能
2. 費用感
初期費用や月額利用料だけではなく、以下も確認します。
- リード数に応じた従量課金の有無
- 利用ユーザー数による追加費用
- 運用担当者の工数
3. 使いやすさ
MAは導入後の継続運用が成果を左右します。
- 担当者が日常的に操作できるか
- 設定変更を自社で行えるか
- デモやトライアルで操作性を確認できるか
4. 連携性
既存システムとのデータ連携可否を確認します。
- SalesforceなどのSFA/CRM
- Webサイト
- 問い合わせ管理システム
- BIツール
5. サポート体制
導入時だけでなく、運用改善まで支援できる体制があるかも重要です。
- 初期設定支援
- シナリオ設計支援
- 活用コンサルティング
- 定期的な改善提案
MA導入の標準プロセスと期間目安
MA導入は、ツールを契約して終わりではありません。目的設定、設計、実装、運用改善までを段階的に進めることで、成果につながる仕組みを構築できます。
| Step | フェーズ | 主な実施内容 | 期間目安 |
| Step.1 | 準備フェーズ | 導入目的・KPI設定、現状課題の整理、運用体制構築、MQL定義の検討 | 1〜2ヶ月 |
| Step.2 | ツール選定・契約 | 機能比較、ベンダー打ち合わせ、契約手続き | 1ヶ月 |
| Step.3 | 設計フェーズ | シナリオ設計、スコアリング設計、コンテンツ準備、データ移行計画 | 1〜2ヶ月 |
| Step.4 | 実装フェーズ | 初期設定、SFA/CRM連携、トラッキングコード設置、データインポート | 1ヶ月 |
| Step.5 | 運用・改善フェーズ | 施策実行、効果測定、改善施策の実施 | 継続 |
導入から運用定着までの期間目安は3〜6ヶ月です。
スコアリングは「ルールベース」から「予測モデル」へ
従来のMA運用では、Webページ閲覧やメール開封、資料ダウンロードなどの行動に点数を設定する「ルールベース」のスコアリングが一般的でした。
一方で近年は、過去の受注・失注データやWeb行動、メール反応、営業活動履歴などを分析し、受注確度を予測する「予測スコアリング」の活用が広がっています。
予測スコアリングでは、個人単位のリード評価だけでなく、企業(アカウント)単位で購買意欲を分析することも可能です。
例えばABM(Account Based Marketing)では、ターゲット企業ごとの関心度や検討状況をもとに優先順位を自動化し、営業アプローチの精度向上につなげられます。
今後は、スコアリングルールを手動で調整する運用から、データをもとにモデルが継続的に精度を高める運用へ移行していくことが予想されます。
BtoB MA導入で起こりやすい失敗事例と解決策
MA(マーケティングオートメーション)は、見込み顧客の育成や営業活動の効率化に有効なツールです。一方で、「導入したものの十分に活用できない」「期待した成果につながらない」といったケースも少なくありません。
その多くは、ツールの機能不足ではなく、運用体制や活用方法に原因があります。ここでは、BtoB企業で起こりやすい代表的な失敗事例と、その解決策を紹介します。
失敗1:運用が属人化し、担当者の不在によって施策が止まる
MA運用を特定の担当者だけに任せてしまうと、その担当者の異動や退職をきっかけに施策が停滞するリスクがあります。
特に、シナリオ設計の意図やスコアリングの基準が担当者の頭の中だけに残っている状態では、後任者が引き継いでも同じ品質で運用を継続することは難しくなります。
対策として重要なのは、運用ノウハウを個人に依存させない仕組みづくりです。具体的には、メール配信の目的、シナリオ設計の考え方、スコアリング条件の設定理由などをドキュメント化し、誰でも確認できる状態にしておきます。
また、メイン担当者だけでなくサブ担当者を設定するなど、複数人で運用できる体制を整えることで、担当者変更があっても安定した運用を継続できます。
失敗2:スコアリング基準が曖昧で、営業活動につながらない
MAでは、Webサイトの閲覧履歴やメールの開封・クリックなどをもとに、見込み顧客の関心度を数値化できます。しかし、マーケティング部門の感覚だけでスコアリング基準を設定すると、「スコアは高いが商談につながらない」という状況が発生することがあります。
例えば、「資料をダウンロードしたから購入意欲が高い」と判断していても、営業側から見ると情報収集段階の見込み顧客であるケースもあります。
このようなズレを防ぐには、スコアリング設計の段階から営業部門を巻き込むことが重要です。過去に受注につながった顧客の行動データや商談化したリードの特徴を分析し、実際の営業成果と結びつく基準を設定します。
MA導入後も、商談化率や受注率を確認しながらスコアリング条件を定期的に見直すことで、精度を高めていくことができます。
より精度の高いスコアリング設計を行うには、過去の受注・失注データを活用し、成果につながる条件を統計的に分析する方法も有効です。統計的スコアリング設計の考え方については、別記事で詳しく解説しています。
失敗3:コンテンツ不足によってナーチャリングが続かない
MAを導入すると、メール配信やシナリオ設計によって継続的な情報提供が可能になります。しかし、配信するコンテンツが不足すると、結果的に同じ内容のメルマガを繰り返し送るだけになり、十分な効果を発揮できません。
特にBtoBでは、検討期間が長く、顧客の課題や検討フェーズに合わせた情報提供が求められます。そのため、導入前にどのようなコンテンツを活用できるかを整理しておくことが重要です。
新しいコンテンツを毎回ゼロから作成する必要はありません。営業資料、過去のウェビナー資料、提案書、導入事例など、社内に蓄積されている既存コンテンツを見直し、メール記事やホワイトペーパーなど別の形式に展開することで、効率的にコンテンツを増やせます。
なお、ナーチャリング施策の成果を高めるには、コンテンツを増やすだけでなく、メール開封率やクリック率、商談化率などの指標をもとに効果を検証し、改善を続けることが重要です。具体的な成果指標の選び方や改善サイクルについては、ナーチャリングの成果指標の選び方と改善サイクルで詳しく解説しています。
MA導入成功のポイントは「ツール導入前の準備」にある
これらの失敗に共通しているのは、「MAを導入すれば自然に成果が出る」という考え方です。
MAはあくまでマーケティングや営業活動を支援する仕組みであり、導入するだけで課題が解決するものではありません。成果を出している企業は、MAを単なるツールではなく、営業プロセスや組織体制を改善するための取り組みとして活用しています。
そのため、ツール選定より前に、以下の準備を進めることが重要です。
MA導入によって実現したい目的を明確にする
マーケティングと営業の役割分担を整理する
KPIや評価指標を設定する
継続的に運用できる体制を整える
本記事で紹介した企業事例でも、成果につながっている企業には「ツール導入後に考える」のではなく、「導入前に業務プロセスや運用体制を見直している」という共通点があります。
MAを成果につなげるためには、ツール選びだけでなく、それを活用できる組織づくりまで含めて設計することが重要です。
本記事の事例をそのまま実践しても成果が再現できない理由
成功事例には、成果につながった前提条件がある
MA導入の成功事例を見ると、「同じツールを導入すれば同様の成果が出る」と考えてしまいがちです。しかし、実際にはツール導入以前から、リード獲得の導線やコンテンツ、営業プロセスなどの基盤が整っていたことが成果につながっているケースが少なくありません。
MAは、既存のマーケティング・営業活動を効率化するための仕組みです。リード獲得や顧客接点の基盤が整っていない状態で導入しても、期待した効果を得ることは難しくなります。
成功事例を参考にする際は、「どのツールを使ったか」だけではなく、「どのような準備を行ったうえで成果につながったのか」を確認することが重要です。
業種・商材単価・リード数によって適した活用方法は異なる
MAの効果は、業種や商材特性、保有しているリード数によって大きく変わります。
例えば、Web上で情報収集を行い、問い合わせや資料請求を経て比較検討する購買行動が多い業種では、MAによる情報提供やナーチャリングの効果が出やすい傾向があります。一方で、紹介や訪問営業が中心の業種では、Web上の行動データだけでは十分な判断材料を得られない場合もあります。
また、保有しているリードが少ない状態で複雑なシナリオ設計を行っても、配信対象が限られ、十分なデータを蓄積できません。
本記事で紹介した事例企業も、一定数のリードやコンテンツ資産、営業体制がある状態からMA活用を開始しています。自社で導入する際は、成功事例の施策だけでなく、自社の現在地との違いを把握することが重要です。
成功事例だけでは判断できないポイントがある
MAツールやマーケティング支援サービスで紹介される導入事例は、成果につながった企業を中心に紹介されています。そのため、事例を見る際には「成功した施策」だけでなく、「成果が出るまでにどのような準備や改善を行ったのか」にも注目する必要があります。
例えば、成功企業では以下のような取り組みが事前に行われているケースが多くあります。
- ターゲット顧客や導入目的の明確化
- マーケティングと営業の役割分担の整理
- コンテンツやリード管理体制の整備
- 効果測定と改善サイクルの運用
成功事例は、そのままコピーするものではなく、自社の状況に合わせて取り入れるべきポイントを見極めることが重要です。リード数、コンテンツ資産、営業体制などの違いを整理したうえで、自社に適したMA活用のステップを設計しましょう。
MA導入準備チェックリスト
MAを導入する前に、自社が成果を出せる状態にあるかを確認しましょう。
以下の項目でチェックが少ない場合は、ツール導入よりも先にデータ整備や運用体制の構築から取り組むことで、MA導入後の成果につながりやすくなります。
※必要なリード数や運用工数は、商材単価・営業プロセス・ターゲット市場によって異なります。以下は一般的なBtoB企業における目安です。
リード資産・データ管理
□ 過去に獲得したリード情報がデジタルデータとして蓄積されているか(目安:1,000件以上)
□ 月間で一定数の新規リードを継続的に獲得できているか(目安:100件以上)
□ リード情報が整理され、重複データの統合や不要データの整理ができているか
コンテンツ資産・作成体制
□ 自社の商品・サービスの特徴や導入メリットを説明できる営業資料があるか
□ 顧客の検討段階に応じて提供できるコンテンツが複数あるか
□ 継続的にコンテンツを作成、または既存コンテンツを再活用できる体制があるか
運用リソース・部門間連携
□ MA運用の担当者を決め、継続的に改善へ取り組める時間を確保できるか
□ マーケティング部門と営業部門で、リード情報や商談状況を共有する機会があるか
□ MQL(マーケティングで創出する有望リード)の定義について、営業部門と合意形成できる状態か
□ 経営層がMA導入の目的を理解し、中長期的な取り組みとして支援できる体制があるか
チェック項目が少ない場合でも、MA導入が適していないというわけではありません。現在の課題や優先順位を整理し、自社に合った導入ステップを設計することが重要です。
MA導入前の準備や運用体制の構築について不明点がある場合は、専門家へ相談し、自社の状況に合わせた進め方を確認することも有効です。
まとめ:MAで成果を出すために押さえるべき5つのポイント
本記事で紹介した成功事例からも分かるように、MA導入の成果は「どのツールを選ぶか」だけで決まるものではありません。重要なのは、導入前に目的や体制を整理し、マーケティングと営業が連携できる仕組みを構築することです。
MAで成果を出すために、特に押さえておきたいポイントは以下の5つです。
1. 事業目標から逆算してKGI・KPIを設定する
「MAを導入すること」自体を目的にせず、売上・商談数・受注数などの事業目標から逆算して、達成すべき指標を明確にします。目的や評価基準が曖昧な状態では、施策の優先順位を判断できません。
2. スコアリングはデータに基づいて設計する
スコアリング基準を担当者の経験や感覚だけで設定すると、営業活動につながらないリードが増える可能性があります。過去の受注・商談データを分析し、成果につながる条件をもとに客観的な基準を設計することが重要です。
3. マーケティングと営業をつなぐデータフローを構築する
MAの効果を最大化するには、マーケティング部門だけでなく営業部門との連携が欠かせません。MQLの定義を共有し、MAとSFA・CRM間で必要な情報を連携できる仕組みを整えることで、リードの引き渡しやフォローの精度を高められます。
4. シナリオとコンテンツは段階的に改善する
導入初期から複雑なシナリオや大量のコンテンツを準備する必要はありません。まずは既存の営業資料や導入事例などを活用し、小さく始めながら効果検証を行い、徐々に改善していくことが重要です。
5. MAを業務改革プロジェクトとして推進する
MAは単なるメール配信ツールではなく、マーケティング・営業活動の仕組みを改善するための基盤です。ツール導入だけで終わらせず、組織全体で顧客情報を活用する体制を整えることが、継続的な成果につながります。
MA導入で成果を出すには、自社の課題や営業プロセスに合わせた戦略設計が欠かせません。BtoBマーケティング全体の戦略設計やMA活用方法については、以下の記事も参考にしてください。


よくある質問
MAツールの導入で最も成果が出やすい課題は何ですか
MAツールは、営業プロセスの属人化、営業リソース不足、休眠リードの活用、マーケティングと営業の連携強化といった課題の解決に効果を発揮します。
本記事で紹介した事例でも、これらの課題を起点にMAを活用し成果につなげています。特に、見込み顧客の行動データを活用したスコアリングと、営業部門への引き渡し体制をあわせて設計した企業では、商談創出や営業活動の効率化につながる成果が見られました。
中小企業でもMAツールの成功事例のような成果は出せますか
中小企業でも、MAツールを活用して成果を出すことは可能です。
実際に、アイアットOEC(少人数体制)やTAKAYAMA(新入社員がインサイドセールスを担当)のように、限られたリソースで成果につなげた事例があります。
ただし、成功の前提として、一定数のリード情報や顧客に提供できるコンテンツ、営業活動につなげる体制が整っていることが重要です。これらが不足している場合は、MA導入より先にWebサイトの導線改善やリード獲得基盤の整備から取り組むことで、導入後の効果を高めやすくなります。
MAツールの成功事例を参考にしてもうまくいかないのはなぜですか
成功事例には、ツール導入以前に整えられていた前提条件があります。
例えば、リード獲得の導線、コンテンツ資産、営業部門との連携体制などです。これらの基盤が異なる企業が同じ施策を実施しても、同じ成果が得られるとは限りません。
成功事例を見る際は、「どのツールを使ったか」だけではなく、「どのような準備を行い、どのような体制で運用したのか」を確認し、自社の状況に合わせて取り入れることが重要です。
MAツールのROI(投資対効果)はどのように計算しますか
MAツールのROIは、導入によって得られる利益と、導入・運用にかかるコストをもとに算出します。
基本的な計算式は以下の通りです。
ROI =(MA導入による利益 − MA導入・運用コスト)÷ MA導入・運用コスト × 100
MA導入による利益には、商談数や受注数の増加による売上向上効果だけでなく、メール配信やリード管理などの業務効率化によるコスト削減効果も含まれます。
具体的な計算方法やシミュレーション例については、「MA導入のROIの見積もり方」で詳しく解説しています。
スコアリングの基準はどのように作ればよいですか
スコアリング基準は、担当者の経験や感覚だけで設定するのではなく、過去の受注データやWeb上での行動データをもとに設計することが重要です。
例えば、「資料請求をした」「料金ページを閲覧した」「複数回サイトを訪問した」といった行動が、実際の商談化や受注につながっているかを分析し、成果につながる条件を明確化します。
より精度の高いスコアリング設計については、「統計的スコアリング設計の考え方」で、データを活用した基準作成の方法を解説しています。
同じ成果を、自社でも再現できるか確認したい方へ
Sells upはBtoBマーケティング支援に特化し、これまで80社以上の支援実績を持ちます。 広告費10万円で月100件のリード創出、MA活用で問い合わせ10倍など、事例で紹介した成果は実際に支援した企業で起きたことです。 自社の課題に当てはめて何ができるかを、まずはお気軽にご相談ください。
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