見込み客の探し方完全ガイド|BtoB担当者が最初に設計すべきチャネル戦略と商談化までの仕組み
BtoBマーケティングをどこから始めればいいか、一緒に整理します
「マーケティングに取り組みたいが、何から始めればいいかわからない」。 Sells upへのお問い合わせは、多くの場合このようなご相談です。 初回のお打ち合わせでは、現状のヒアリングと優先順位が高いと考えられる施策をお伝えします。
「見込み客をもっと獲得したい。でも、どこから手をつければいいかわからない」
そんな状況に直面しているBtoBマーケティング担当者は少なくありません。
本記事では、施策を一覧化するのではなく、見込み客を継続的に創出するための設計思想から、獲得後の商談化までを一貫して解説し、「どのチャネルで、どのように設計して見込み客を獲得するか」という全体像をご紹介します。
見込み客とは?BtoBにおける定義と潜在顧客との違い
見込み客・潜在顧客・MQL(マーケティングクオリファイドリード)の違いと関係性、およびBtoBマーケティングで見込み客獲得が難しい理由を整理します。
見込み客とは「自社の商品・サービスに何らかの接触があり、将来的に購入する可能性がある企業・担当者」のことです。ただし、この定義を正確に理解しないまま施策を設計すると、獲得数は増えても商談が生まれないという状況に陥ります。
見込み客(リード)の正確な定義
見込み客とは、資料請求・ホワイトペーパーのダウンロード・セミナー参加・問い合わせなど、何らかのアクションを通じて自社との接点を持った企業・個人のことです。マーケティング領域では「リード」とほぼ同義で使われます。
見込み客を定義するうえで重要なのは、「接触があればすべて見込み客」と捉えないことです。BtoBマーケティングでは、接触の温度感によって対応を変える必要があります。
潜在顧客・見込み客・MQLの違いと関係性
以下の3つの概念は、「自社への認知度」と「課題の顕在化度合い」で区別されます。
| 区分 | 自社の認知 | 課題意識 | アプローチの目的 |
|---|---|---|---|
| 潜在顧客 | なし | 課題に気づいていない | 認知・課題提起 |
| 見込み客(リード) | あり | 課題を認識し情報収集中 | 関係構築・育成 |
| MQL(マーケティングクオリファイドリード) | あり | 購買意欲が一定以上 | 営業への引き渡し |
MQLとは「マーケティング活動によって育成され、営業に渡せる状態になったリード」のことです。見込み客を獲得するだけでなく、MQLまで育てて営業に渡す仕組みを設計することが、BtoBマーケティングの本質です。
潜在顧客から見込み客、そしてMQLへと育てるプロセス全体は「デマンドジェネレーション」と呼ばれます。この概念の全体像については、デマンドジェネレーションの全体像で詳しく解説しています。
なお、まだ自社を知らない「潜在顧客」へのアプローチ手法は、本記事のスコープとは異なります。潜在顧客へのアプローチ方法については専門記事をご覧ください。
なぜBtoBの見込み客獲得は難しいのか?
BtoBの見込み客獲得が難しい理由は3つあります。
① 意思決定者が複数いる:BtoBでは担当者・課長・部長・役員など、複数のステークホルダーが購買に関与します。「担当者が興味を持った」だけでは商談にならないため、各レイヤーへのアプローチが必要です。
② 検討期間が長い:BtoB製品の平均的な検討期間は数週間から数ヶ月に及びます。一度接触しただけで商談化することはほとんどなく、継続的な育成(ナーチャリング)が不可欠です。
③ 「今すぐ客」はごく一部に過ぎない:見込み客の大半は「いつか検討したい」「情報収集中」という状態です(一般的なマーケティングモデルに基づく目安として、購買意欲が高い層は全体の数%程度とされています)。「今すぐ買う気がある層」だけにフォーカスする戦略は、獲得の総量を著しく制限します。
見込み客を探す前に設計すべき3つの前提
まず考えるべきは、施策を選ぶ前の設計です。「ターゲット定義」「カスタマージャーニー設計」「チャネル選定の優先順位」の3ステップを固めることが、すべての前提になります。
見込み客の探し方で失敗する最大の原因は「設計なき施策実行」です。どんなに優れた施策も、誰に・どのタイミングで・何を届けるかが決まっていなければ、成果に直結しません。
▼ こんな状況に心当たりはありませんか?
- 展示会に出展したが、集めた名刺がほぼ未フォローのまま眠っている
- Web広告を出稿しているが、問い合わせの質が低く営業が動いてくれない
- SEOに取り組み始めたが、どのキーワードを狙えばいいか判断できない
これらはすべて、「設計の欠如」が引き起こす状況です。
Step.1:ターゲット(ペルソナ+ICP)を解像度高く定義する
ペルソナとは「理想的な顧客の人物像」のことです。BtoBでは、企業レベルの定義(ICP:アイデアルカスタマープロフィール)と、担当者レベルの定義の2層が必要です。
ICPで定義すべき項目:
- 業界・業種・企業規模(従業員数・売上高)
- 現在直面している事業課題
- 自社サービスと相性がよい成長フェーズ(第二創業期・新規事業立ち上げ等)
- 予算規模・意思決定プロセスの特徴
担当者ペルソナで定義すべき項目:
- 役職・職種・決裁権の有無
- 情報収集の方法(検索・SNS・業界誌・セミナー等)
- 抱えている痛み・解決したい課題
具体的には、「従業員50〜300名のBtoB SaaS企業で、新規事業立ち上げを担当している40代の事業本部長。紹介・テレアポ営業が頭打ちになり、マーケティング施策の仕組み化を求めている」という解像度まで落とすことが重要です。
Step.2:カスタマージャーニーで「どのフェーズで接触するか」を決める
カスタマージャーニーとは「顧客が課題を認識してから購買に至るまでの行動と心理の変化」を可視化したものです。BtoBでは一般的に以下の4フェーズで構成されます。
| フェーズ | 顧客の状態 | 有効な接触方法 |
|---|---|---|
| 認知 | 課題を認識し始めた | SEOコンテンツ・SNS・広告 |
| 興味・関心 | 解決策を調べ始めた | ホワイトペーパー・セミナー |
| 比較・検討 | 複数の選択肢を評価中 | 事例記事・デモ依頼 |
| 購買決定 | 社内稟議・最終比較中 | 個別提案・ROI資料 |
認知フェーズで使う施策と、比較・検討フェーズで使う施策は異なります。施策を設計する際は、各フェーズに対応したコンテンツ・チャネルを用意することが重要です。
Step.3:チャネル選定の優先順位を「自社リソース」と「検討フェーズ」で決める
チャネルの優先順位は以下の2軸で判断します。
軸1:即効性 vs 中長期資産
| 即効性が高い施策 | 中長期資産になる施策 |
|---|---|
| Web広告・テレアポ・展示会 | SEO・ホワイトペーパー・セミナー |
| 止めると成果がゼロになる | 蓄積が継続的な流入を生む |
| 予算依存が高い | 初期投資は必要だが中長期で効果 |
軸2:社内リソースとの整合性
リソースが限られている場合、分散投資は失敗の原因になります。マーケター1〜2名の体制であれば、まず1〜2チャネルに集中して成果を出してから拡張することを推奨します。
見込み客の探し方:オンライン施策7選
BtoBにおけるオンラインチャネル7種の特徴と、「向いている企業・状況」「避けるべきパターン」を整理します。
特に押さえたいのは、各チャネルが「カスタマージャーニーのどのフェーズを担うか」という役割分担です。認知フェーズはSEO・SNS・広告、興味・関心フェーズはホワイトペーパー・ウェビナー、比較・検討フェーズはメールナーチャリング・インサイドセールス、というように、フェーズとチャネルを対応させて設計することが重要です。
弊社の支援経験上、コンテンツSEOとMAの連携が整っており、かつナーチャリングフローまで設計できている場合に、中長期で安定した費用対効果を出しやすい傾向があります。ただし、短期間で成果が求められる場合は広告を補完的に活用するのが現実的です。
各施策のより詳細な実践方法については、BtoBリード獲得施策の詳細をご覧ください。
① コンテンツSEO(オウンドメディア)
コンテンツSEOとは、検索エンジンで上位表示を狙うキーワードに対して有益な記事を作成・公開する手法です。
向いている状況:
- 6〜12ヶ月以上の中長期視点で取り組める
- 社内に専門知識があり、信頼性の高いコンテンツを継続的に作れる
- 特定の課題キーワードで検索するターゲットが明確に定義されている
避けるべきパターン:
- 「とりあえずブログを書けばいい」という認識で着手する
- キーワード設計なしに記事を量産する
- MAツールとの連携なしに運用する(コンバージョンの設計が抜けると流入しても見込み客化しない)
コンテンツSEOの最大の強みは、「一度公開したコンテンツが資産として積み上がる」点にあります。弊社の支援事例では、従業員100名規模のBtoB SaaS企業で、適切なキーワード設計と記事の継続的な更新に取り組んだところ、一部の企業では12ヶ月後の月間リード獲得数が大きく伸長したケースがあります。
② Web広告(リスティング・ディスプレイ)
Web広告とは、検索エンジンやWebサイト上に掲載される有料広告のことです。リスティング広告は「今すぐ検討している層」に、ディスプレイ広告は「過去に接触したことがある層(リターゲティング)」に有効です。
向いている状況:
- 即効性が求められる(新サービス立ち上げ直後・展示会前の集客等)
- ターゲットのキーワード検索ボリュームが一定以上ある
- ランディングページとCVR(コンバージョン率)の改善サイクルを回せる体制がある
避けるべきパターン:
- 広告だけに依存してSEO・コンテンツ資産を構築しない
- ターゲティング設定が粗く、質の低いリードを大量に集める
- 費用対効果の検証をせずに予算を使い続ける
③ ホワイトペーパー・資料ダウンロード
ホワイトペーパーとは、業界の課題解決に役立つノウハウや調査結果をまとめた資料のことです。ダウンロード時に企業名・氏名・連絡先などを入力してもらうことで、情報収集フェーズにある見込み客の情報を取得できます。
向いている状況:
- 自社の専門性が高く、読者にとって価値のある情報を提供できる
- ダウンロード後のナーチャリングフローが設計されている
- MAツールと連携して行動履歴を追跡できる体制がある
具体的な種類:
- 業界レポート・調査データ
- 導入事例集・ROI計算シミュレーション
- 実務テンプレート・チェックリスト
ホワイトペーパーは「単に資料を公開する」だけでは効果が出ません。ダウンロード後に適切なステップメールやインサイドセールスのフォローを組み合わせることで、はじめて商談化に近づきます。
④ ウェビナー・オンラインセミナー
ウェビナーとは、インターネット上で開催するオンラインセミナーのことです。場所を問わず参加者を集められ、質疑応答を通じて参加者のニーズを直接把握できます。
向いている状況:
- 複雑なプロダクト・サービスを「体験」させながら説明したい
- 業界知識・専門ノウハウを持つ登壇者がいる
- 参加後のフォローアップメールやインサイドセールス対応が設計されている
セミナー後のナーチャリング設計については、セミナーを使ったナーチャリングの仕組みで詳しく解説しています。
⑤ SNS運用(LinkedIn・X)
SNSは中長期でのブランド認知と専門性の発信に有効なチャネルです。BtoBにおいては、FacebookやLinkedInが意思決定者へのリーチに優れています。特に、LinkedInはBtoBリード獲得のチャネルとして注目度が高まっています。
向いている状況:
- 中長期での認知獲得・信頼構築を目的とする
- 経営者・事業責任者クラスへのリーチを狙う
- 担当者個人のブランディングを活用できる体制がある
避けるべきパターン:
- 「投稿すれば見込み客が来る」という期待で短期成果を求める
- 商品訴求の投稿ばかりで、読者にとっての価値が低い
⑥ メールマガジン・ステップメール
メールマガジンは、既存リストに対して定期的に有益な情報を配信することで関係性を深める手法です。新規獲得ではなく、既存リストの「掘り起こし」として活用する場合に特に効果があります。
向いている状況:
- 過去に接触したことがある見込み客リストが一定数蓄積している
- MAツールと連携して行動ログに基づいたセグメント配信ができる
- 担当者の検討フェーズに合わせたコンテンツを準備できる
ステップメールとは、あらかじめ設定したシナリオに沿って、自動的にメールを順番に配信する仕組みのことです。単発のメルマガと組み合わせることで、見込み客の温度感を徐々に高められます。
⑦ プレスリリース・外部メディア掲載
プレスリリースとは、企業や製品に関するニュースを公式情報として発信する手法です。新サービスのローンチ・業務提携・調査レポートの発表などに有効です。
向いている状況:
- ニュース性の高い取り組み(業界初・大手企業との連携等)がある
- 業界専門メディアに掲載されることで、信頼性の向上が見込める
- 低コストで広範囲にリーチしたい
見込み客の探し方:オフライン施策5選
BtoBマーケティングにおけるオフラインチャネル5種の特徴と、デジタル施策との役割分担の整理方法を解説します。
オフライン施策は「デジタルが届かない層へのリーチ」と「直接対話による信頼構築」の2点で、オンライン施策の補完的な役割を担います。デジタル化が進んでも、BtoB向けの商材・サービスは最終的に「人と人の関係性」で購買が決まるケースが多いです。
① 展示会・イベント出展
展示会は、業界関係者が集まるため、短期間で多くの見込み客との接点を作れる場です。ターゲット設計が適切であれば、接触数と接触の質を同時に確保できる点が、ほかのチャネルにはない強みです。
重要なのは出展後の設計です。展示会で集めた名刺が未フォローのまま眠っている企業は少なくありません。出展翌日のお礼メール配信・スコアリングに基づいた優先フォロー・MAツールを使った継続的なナーチャリングまでを事前に設計しておく必要があります。
展示会後の商談化設計の詳細は、展示会リード獲得から商談化までの手順をご覧ください。
② セミナー開催
セミナーは、参加費を設定したり特定のテーマに絞ることで、情報収集目的の参加者を自然に絞り込み、真剣に検討している層だけを集められる場です。
セミナーで成果を出す3つのポイント:
- テーマを「顧客の痛み × 自社の強み」の交差点に設定する
- 参加後にアンケートを実施し、温度感の高い参加者を特定する
- 参加後1〜3日以内のフォローアップメールと個別相談への誘導を設計する
③ テレアポ・インサイドセールス
テレアポは、直接対話によって温度感をその場で確認できる点に価値があります。ただし、手当たり次第に架電するのは非効率です。スコアリングと組み合わせることで、架電先の優先順位を客観的に設定できます。
インサイドセールスとは、電話・メール・オンライン商談を駆使して非対面で営業活動を行う役割のことです。現在、多くのBtoB企業でインサイドセールスの専任チームを設置する動きが広がっています。
効果的な活用方法:
- MAツールのスコアが一定以上に達したリードを優先的に架電する
- ウェビナー参加後や資料ダウンロード後の「ホットな状態」に素早くアプローチする
- CRM(顧客関係管理)ツールに通話内容を記録し、営業へ引き継ぐ
④ 紹介・パートナー連携
紹介経由の見込み客は成約率が高い傾向があります。紹介者への信頼がそのまま自社への信頼に転換されるからです。ただし、紹介に依存した営業モデルは仕組み化が難しく、スケールしないという課題があります。
仕組み化のアプローチ:
- 紹介制度の設計(既存顧客・パートナー企業へのインセンティブ)
- 補完関係にある企業との共催セミナーやコンテンツ連携
- 士業・コンサルティング会社との業務提携による紹介ネットワーク構築
⑤ ダイレクトメール(DM)
DM(ダイレクトメール)とは、郵送で見込み客に直接届ける広告物のことです。インターネットをあまり使わない現場担当者・経営者層など、デジタルが届きにくい層へのリーチに有効です。
向いている状況:
- デジタル施策が効きにくい業界(製造業・建設業・医療等)をターゲットにしている
- 既存リストに対してイベントや新サービスの案内を届けたい
- QRコードと組み合わせて、Webへの誘導とアクション計測を行いたい
獲得した見込み客を商談につなげる仕組みの設計
「MQL設計」「スコアリング」「ナーチャリング」の3つの仕組みを設計することが、見込み客を商談につなげるうえで欠かせないポイントです。
見込み客の数を増やすことだけでは商談は増えません。「獲得した見込み客を選別・育成して営業に渡す仕組み」を設計することが、BtoBマーケティングの核心です。
なぜ見込み客が増えても商談が生まれないのか?
よくある失敗パターンは3つです。
- 獲得と育成が分断されている:展示会や広告で名刺・リードを集めても、その後のフォローアップ設計がなく「集めっぱなし」になっている
- 温度感の違うリードを同じ扱いで営業に渡す:購買意欲の低いリードを大量に渡しても、営業が動かなくなり、マーケとの信頼関係が壊れる
- 「今すぐ客」だけを追う:購買意欲が高い層だけにアプローチし、「いつか客」を放置することで、中長期的な商談機会を失う
この「獲得」と「育成」の役割の違いについては、リードジェネレーションとナーチャリングの違いで詳しく整理しています。
MQL基準の設計:「どの状態になったら営業に渡すか」を決める
MQL(マーケティングクオリファイドリード)の基準を設計するとは、「どの行動・属性を持ったリードを営業に引き渡すか」の定義を、マーケティングと営業が合意することです。
MQL基準に含めるべき要素:
- デモグラフィック要件:企業規模・業種・役職が自社のターゲットICPと一致しているか
- 行動スコア:ホワイトペーパーのダウンロード数・セミナー参加回数・特定ページの閲覧状況
- エンゲージメント:メール開封率・クリック率・問い合わせフォームへのアクセス
具体的には、「ターゲット業種・規模の企業の部長職以上で、スコアが50点以上」といった形で定義します。
MQL設計の詳細な手順については、MQL判定基準の設計方法で完全ガイドとして解説しています。
スコアリングで見込み客の優先順位を可視化する
スコアリングとは、見込み客の属性と行動履歴に点数を付けることで、営業が優先的にアプローチすべきリードを可視化する仕組みのことです。
スコアリングの評価軸は大きく2種類あります。
① デモグラフィックスコア(属性点数):業種・企業規模・役職など、変わらない属性に対して付ける点数
② 行動スコア(ビヘイビアスコア):資料ダウンロード・セミナー参加・特定ページの閲覧など、関心度を示す行動に対して付ける点数
2つを組み合わせることで、「ターゲット企業の意思決定者が自社の製品ページを複数回閲覧している」というような、今すぐアプローチすべきリードを客観的に検出できるようになります。
スコアリングモデルの設計手順の詳細は、スコアリングモデルの設計手順をご覧ください。
ナーチャリングで「まだ買わない層」を育てる仕組み
リードナーチャリング(ナーチャリング)とは、獲得した見込み客に対して継続的に有益な情報を届けることで、購買意欲を段階的に高めていくプロセスのことです。
ナーチャリングの主な手法:
- メールマガジン・ステップメール:検討フェーズに合わせたコンテンツを自動配信する
- リターゲティング広告:自社サイトに来訪したことがある層に広告を配信し続ける
- ウェビナー招待:特定テーマに関心を示したリードを次のウェビナーに招待する
- インサイドセールスによる定期フォロー:スコアが一定以上になったリードに架電する
ナーチャリングの詳細な手法と始め方については、リードナーチャリングの手法で解説しています。
また、リードクオリフィケーション(リードの絞り込み)の具体的な方法については、リードクオリフィケーションの実践方法をご参照ください。
MA(マーケティングオートメーション)ツールで獲得から商談化を一元管理する
特に押さえたいのは、MAツールが「探し方」のどの課題を解決するか、という整理です。獲得・育成・MQL判定の各プロセスでMAがどう機能するかを理解することで、導入後の設計がしやすくなります。
見込み客の獲得・育成・MQL判定のプロセスを人手だけで回そうとすると、リソースの限界にすぐ突き当たります。MAツールは「仕組みとして見込み客を育てる」ための中核インフラです。
MAツールが解決する「探し方」の4つの課題
MA(マーケティングオートメーション)ツールとは、見込み客の獲得・育成・分析を自動化・効率化するためのソフトウェアのことです。
| 課題 | MAなしの状態 | MAありの状態 |
|---|---|---|
| リードの行動把握 | 誰がどのページを見たか分からない | 行動ログが自動的に蓄積される |
| フォローのタイミング | 担当者の感覚・空き時間で対応 | スコアが閾値を超えたら自動通知 |
| ナーチャリング | 手動メール配信・フォローに依存 | シナリオに基づく自動配信 |
| MQL判定 | 営業の主観で判断 | スコアと属性の客観基準で自動判定 |
コンテンツSEO × MA連携で見込み客を自動で育てる仕組み
弊社の支援経験上、コンテンツSEOとMAの連携が整っており、かつナーチャリングとMQL設計まで一気通貫で設計できている場合、中長期的な費用対効果が高くなる傾向があります。具体的には、以下のフローで機能します。
Step.1:SEOコンテンツで検索流入を獲得する(課題キーワードで検索した見込み客が記事に到達)
Step.2:ホワイトペーパーや資料のダウンロードを促し、リード情報を取得する(匿名訪問者を見込み客として特定)
Step.3:MAツールでダウンロード後のステップメールを自動配信する(フェーズに合わせたコンテンツを届ける)
Step.4:スコアが一定値に達したリードをインサイドセールスに通知する(MQL判定の自動化)
Step.5:インサイドセールスが架電・アポイントを取得し、営業に引き渡す(SLAに基づくトスアップ)
このフローを設計することで、「SEO記事を公開→読者が資料をダウンロード→ステップメールで育成→スコアが上がる→自動通知→インサイドセールスが架電→商談化」という一連の流れが半自動で回るようになります。
支援事例:MAを活用して見込み客獲得を仕組み化したケース
Sells upでは、BtoBマーケティング支援・MA活用支援・インサイドセールス立ち上げ支援を通じて、「紹介・テレアポ頼みの営業から脱却し、マーケティング主導の見込み客獲得へ」という変革を複数の企業で支援してきました。
たとえば、従業員80名規模のHR SaaS企業では、コンテンツSEOの立ち上げからHubSpotを使ったスコアリング・インサイドセールス設計まで約9ヶ月で整備し、マーケティング起点の商談が継続的に生まれる体制を構築した事例があります。
弊社の支援では、まず「現状の見込み客獲得プロセスの可視化」から始め、チャネル選定・コンテンツ設計・MAツールの導入・スコアリング設計・インサイドセールスとの連携体制構築まで、一気通貫で設計します。成果は企業の状況や実行体制によって異なりますが、仕組みが整うと商談の質・量ともに改善するケースが多いです。
「施策の羅列ではなく、自社の状況に合った優先順位と設計思想が欲しい」という場合は、まずお気軽にご相談ください。
まとめ
見込み客を「探す」ことは、BtoBマーケティングの出発点に過ぎません。
成果を出すためには「誰を・どのチャネルで・どの状態で獲得し・どう育てて・いつ営業に渡すか」という設計全体が必要です。
本記事のまとめ:
① 設計ファースト:ターゲット定義・カスタマージャーニー・チャネル優先順位の設計なしに施策を始めると、リソースを分散させて成果が出ない
② 獲得と育成を一気通貫で設計する:見込み客を集めるだけでなく、MQL基準・スコアリング・ナーチャリングの3つを組み合わせて商談化まで設計する
③ MAツールで仕組み化する:少人数でも「コンテンツSEO×MAツール」の組み合わせで、継続的に見込み客を生み出す仕組みが構築できる
④ まず1〜2チャネルに集中する:並列で施策を始めると失敗しやすい。リソースに合わせて絞り込み、PDCAを速く回すことが重要
BtoBマーケティングの全体プロセスについては、BtoBマーケティングの全体プロセスで体系的に解説しています。見込み客獲得を「仕組み」として構築したい場合は、Sells upにお気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 見込み客を増やす方法はありますか?
まず「ターゲット定義」と「チャネルの絞り込み」から着手することが重要です。施策を並列で始めることはリソースが限られているBtoB企業の最もよくある失敗パターンです。自社のICP・ペルソナを定義し、カスタマージャーニーを設計したうえで1〜2チャネルに集中する順番が有効です。コンテンツSEO×MA連携は、多くのBtoB企業にとって再現性の高い最初の1手です。
Q. 見込み顧客はどのように分類されますか?
「温度感(購買意欲の高さ)」と「属性(ターゲット適合度)」の2軸で分類するのが基本です。温度感は行動スコア(資料ダウンロード・ページ閲覧・セミナー参加等)、属性は企業規模・業種・役職で評価します。この2軸を組み合わせたスコアリングモデルを設計することで、「今すぐアプローチすべきMQL」「育成すべき中長期リード」「ターゲット外」の3分類に整理できます。
Q. 少人数のチームでも見込み客を効率的に集める方法はありますか?
マーケター1〜2名の体制では、「コンテンツSEO+ホワイトペーパー+MAによるナーチャリング」の3点セットが最適です。一度作成したコンテンツが資産として積み上がるため継続的な運用コストが低く、MAで自動化することでリード管理・育成を少人数で回せます。展示会・テレアポはフォローアップ工数が大きいため、リソースが少ない段階ではオンライン施策に集中するのが現実的です。
Q. 見込み客を獲得できているのに商談が増えない場合はどうすればいいですか?
原因は「MQL基準の未定義」「ナーチャリング設計の欠如」「スコアリングなし」の3つのいずれかにあることがほとんどです。まず過去12ヶ月で商談化したリードの共通属性と行動履歴を分析し、そこから逆算してMQL基準を定義することを推奨します。温度感の低いリードを大量に渡すと営業との信頼関係が壊れるため、質の選別が最初の優先課題です。
Q. 見込み客の探し方でオンラインとオフラインはどう使い分ければいいですか?
カスタマージャーニーの「フェーズ」と「ターゲット属性」で使い分けることが基本です。認知・情報収集フェーズにはSEOやSNSなどオンライン施策が適し、比較・検討フェーズには展示会・セミナーなどオフライン施策で直接対話の機会を作ることが有効です。デジタルが届きにくい業界(製造業・建設業等)では、テレアポやDMを補完的に活用することも有効です。
BtoBマーケティングをどこから始めればいいか、一緒に整理します
「マーケティングに取り組みたいが、何から始めればいいかわからない」。 Sells upへのお問い合わせは、多くの場合このようなご相談です。 初回のお打ち合わせでは、現状のヒアリングと優先順位が高いと考えられる施策をお伝えします。
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