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リードクオリフィケーションの4つの方法と成功させるポイント

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目次

「リードマネジメントをしていて、見込み客の絞り込みをするフェーズに入った。リードクオリフィケーションは、具体的にどのような方法で取り組めばいいんだろう」
「マーケティング施策としてリードの獲得から営業への引き渡しまで取り組みたいと思っている。リードクオリフィケーションの具体的な実践イメージが持てず、具体的な方法が知りたい」

リードマネジメント(見込み客の獲得から絞り込みまでの一連の流れのこと)の最終フェーズとなる「リードクオリフィケーション」。

見込み客の絞り込みをすることまでは理解していても、具体的な方法が掴めない担当者も多いのではないでしょうか。

リードクオリフィケーションの方法には、主に「カスタマージャーニーマップの作成」「セグメンテーション」「スコアリング」「シナリオ設計」の4つがあります。

これらの方法は単体でも使用できますが、複数の方法を組み合わせるとホットリードの精度を高めることができます。

重要なことは、特定の方法を理解するだけでなく、各方法を理解したうえで、自社に合う方法で実施できるようにすることです。

そこで本記事では、リードクオリフィケーションの4つの方法や具体的な実施ステップ、複数の方法を取り入れた活用例、そして成功させるポイントをまとめて解説します。

最後まで読めば、適切な方法でリードクオリフィケーションを実施できるようになります。リードクオリフィケーションは成果に直結する重要なフェーズです。

自社の戦略設計に合う方法で実施するためにも、ぜひ参考にしてみてください。

1.リードクオリフィケーションの方法1:カスタマージャーニーマップの作成

1つ目は、カスタマージャーニーマップを作成して、リードクオリフィケーションをする方法です。

カスタマージャーニーマップとは、見込み客が自社の商品やサービスに関心を抱き、購入して継続利用するまでの一連の流れを可視化するフレームワークです。

どのような状況になると見込み客の検討度合いが高まるのか把握できるため、リードクオリフィケーションに活用できます。

ここでは、カスタマージャーニーマップを作成してリードクオリフィケーションをするステップをご紹介します。

カスタマージャーニーマップを作成してリードクオリフィケーションをするステップ

ステップ1:カスタマージャーニーマップを作成する

ステップ2:リードクオリフィケーションの対象とする範囲を決める

ステップ3:ホットリードの基準を決める

MAツールなどを導入していないけれど、まずリードクオリフィケーションに取り組んでみたい場合は、最初に検討してみてください。

1-1.ステップ1:カスタマージャーニーマップを作成する

まずは、カスタマージャーニーマップを下記の手順で作成します。

作成ステップ概要/例

ステップ1:カスタマージャーニーマップに落とし込む見込み客像を決める

自社の見込み客や顧客の傾向を分析して、カスタマージャーニーマップに使用する見込み客像を明確にする

<例>
競合商品を利用したことのない30代の女性
住居地:〇〇県
年収:〇〇円
家族構成:子ども1人
趣味:ネットショッピング
性格:しっかりと検討して決めたい慎重派

ステップ2:カスタマージャーニーマップに見込み客の行動や心理を書き込む

横軸に見込み客の行動フェーズ、縦軸に見込み客の心理や具体的な行動を設定して、マップ内を埋めていく

<例>
完成マップを参照

ステップ3:現状と離れすぎていないか確認する

カスタマージャーニーマップが理想の見込み客像になってしまうとリードクオリフィケーションの質が下がるため現状とかけ離れていないか確認する

<例>
情報収集段階で個別相談をする機会が少ないのに「見込み客の個別相談を増やしたい」という思いから具体的な行動に追加してしまっている

カスタマージャーニーマップを作成するときに重要なのは、実際の顧客の行動や心理をできる限り反映させることです。

例えば、比較検討段階で個別相談をする機会が少ないにも関わらず、見込み客の行動に「個別相談」と記載してしまうと、該当する見込み客が少なく絞り込みができなくなります。

自社の商談や契約につながっている顧客の行動や心理をベースにしたほうが、確度の高いリードクオリフィケーションができるので、意識してみましょう。

この手順に沿って進めると、下記のようなカスタマージャーニーマップが完成します。

1-2.ステップ2:リードクオリフィケーションの対象とする範囲を決める

カスタマージャーニーマップが作成できたら、カスタマージャーニーマップのどの範囲をリードクオリフィケーションの対象とするのか決めていきます。

リードクオリフィケーションの対象範囲を決めるときは、下記のポイントを意識するといいでしょう。

【リードクオリフィケーションの対象範囲を決めるポイント】

・見込み客の行動、思考の変化両方に着目して検討度合いが高まるフェーズを決める

・見込み客の育成フェーズから着目してベストなタイミングを検討する

例えば、比較検討フェーズで見込み客の温度が高まり、契約を検討する積極的な行動に出ている場合は、このフェーズで絞り込みをすると結論づけることができます。

このように、カスタマージャーニーマップで描いた見込み客の心理と行動変化をもとに、検討度合いが高まるタイミングを決めていきましょう。

1-3.ステップ3:ホットリードの基準を決める

リードクオリフィケーションの対象とする範囲が決まったら、その範囲のなかでホットリードだと選別する基準を決めます。

比較検討フェーズを範囲とした場合でも、下記のようにさまざまなパターンがあります。事前に明確にしておかないと、抽出するホットリードの粒度が揃いません。

【比較検討フェーズを範囲とした例】

・比較検討フェーズの見込み客を全員ホットリードとする

・比較検討フェーズのなかで個別相談とセミナー参加をした見込み客をホットリードとする

例えば、比較検討フェーズのなかで無料相談とセミナー参加をした見込み客をホットリードとする場合は、見込み客の管理をして無料相談とセミナー参加をした見込み客はいないか確認します。

そして、ホットリードの条件を満たした見込み客が抽出できた場合は、営業に渡します。

2.リードクオリフィケーションの方法2:セグメンテーション

2つ目は、セグメンテーションです。セグメンテーションとは、見込み客のなかからホットリードに該当する集団の条件を決めて絞り込むことです。

ホットリードに該当する見込み客の特徴や属性などの条件を掛け合わせることで、ホットリードに該当する見込み客の集団を抽出できます。

ここでは、セグメンテーションを設定して、リードクオリフィケーションをするステップをご紹介します。

セグメンテーションを設定してリードクオリフィケーションをするステップ

ステップ1:セグメンテーションの評価軸を決める

ステップ2:セグメンテーションの質を確認する

ステップ3:セグメンテーションの条件に沿ってホットリードを絞り込む

自社のホットリードの定義を明確にしたい場合に有効活用できるので、参考にしてみてください。

2-1.ステップ1:セグメンテーションの評価軸を決める

まずは、セグメンテーションの条件を決めましょう。セグメンテーションの条件は業種や自社のターゲットにより異なりますが、下記の4つを軸とすることが多いです。

評価軸概要/例

人口動態変数

年齢や職業など個人、企業の属性に関するセグメント

<例>
・年齢:30代、40代など
・企業規模:従業員50名など
・職業:不動産、通信業など
・年収:300万円~など

地理的変数

住まいの地域や気候、移動手段など地理的な条件に関するセグメント

<例>
・住居地:関東、中部など
・移動手段:公共交通機関、自家用車など

心理的変数

価値観やライフスタイルなど見込み客の内面に関するセグメント

<例>
・ライフスタイル:コスパ重視、ブランド志向など
・性格:外交的、社交的など

行動変数

見込み客の商品の検討度合いや行動に関するセグメント

<例>
・競合サービスの利用:競合サービスを利用しているなど
・見込み客の行動:デモ体験をした、セミナーに参加したなど

このときに重要なのは、複数の評価軸を組み合わせることです。1つの評価軸に絞ってしまうと、粗いリードクオリフィケーションになってしまうからです。

例えば、人口動態変数で、見込み客に多い通信業の従業員100名までの規模でセグメントするとしましょう。これだけでは、自社の検討度合いや企業の趣向などが反映されておらず、見込み客に近い属性であっても、検討度合いが低いケースが考えられます。

自社のホットリードに該当する見込み客をイメージしながら、複数のセグメントを掛け合わせて下記のように条件を設定しましょう。

セグメンテーションの条件の例(MAツールを提供する事業の例)

人口変数

・企業規模:従業員50~100名
・業種:通信業、放送業、ライフライン業

地理的変数

・地域:全国

心理的変数

・価値観:機能重視
・意思決定:上層部の許可が必要
・課題:社内で使えるか不安
・検討期間:長い

行動変数

・競合サービスの利用:競合サービスを利用していない(比較はしている)
・検討度合い:デモ体験をしている
・反応:担当者がメールを開封する、セミナーに参加するなどの反応がある

2-2.ステップ2:セグメンテーションの質を確認する

セグメンテーションの評価軸が決まったら、本当にリードクオリフィケーションに活用できる基準なのか質を確認します。

評価軸作成は比較的容易にできますが、その評価軸が本当に確度の高いリードクオリフィケーションにつながるかどうかの判断が難しいためです。

セグメンテーションの質を確認するときは、下記の「4Rの法則」を活用するといいでしょう。4Rの法則は、セグメンテーションが適切か評価をする指標です。

4つの項目に該当するセグメンテーションであれば、自社に合うホットリードが抽出しやすいと言えるでしょう。

4Rの法則の要素概要/例

優先度
(Rank)

・優先度の高いセグメントができているか

<例>
自社の見込み客のなかでも
商談化する優先度の高いセグメントができている

規模の有効性(Realistic)

市場規模に対して十分あり得るセグメントができているか

<例>
セグメントが理想像になっており実際に抽出することが難しい状態になっていない

到達可能性(Reach)

セグメントした見込み客が契約や商談などの目標にちゃんとたどり着くか

<例>
セグメントした見込み客像と商談、契約につながる見込み客像が一致しているか

測定可能性(Response)

セグメントの基準の計測ができるか

<例>
セグメントの各条件が明確でその条件に当てはまる見込み客が抽出できる

例えば、優先度であれば、設定したセグメントが商談化する見込みの高いグループになっているかを確認します。

また、到達可能性ではセグメントした見込み客が理想像になってしまい、商談や契約につながりにくい状況になっていないかをチェックします。

このように、セグメンテーションの質そのものをしっかりと確認したうえで、リードクオリフィケーションにつなげます。

2-3.ステップ3:セグメンテーションの条件に沿ってホットリードを絞り込む

セグメンテーションの質を確認できたら、この条件に沿って見込み客を絞り込みます。

絞り込む方法は見込み客の管理方法やセグメンテーションの条件により異なりますが、下記のような方法が検討できるでしょう。

【セグメンテーションの条件に沿ってホットリードを絞り込む方法】

・セグメンテーションの項目の一覧表を作り見込み客を選別する

・管理している見込み客がセグメンテーションに該当するか定期的に確認する

例えば、セグメンテーションの項目を一覧表にして、見込み客の現状を入力していきますセグメンテーションの条件に該当する見込み客が抽出できたら、ホットリードとして営業に渡します。

3.リードクオリフィケーションの方法3:スコアリング

3つ目は、スコアリングです。リードクオリフィケーションにおけるスコアリングとは、見込み客の行動や属性に点数をつけて、一定の点数に達した見込み客をホットリードとして絞り込む方法です。

スコアリングをして、リードクオリフィケーションをするステップをご紹介します。

スコアリングしてリードクオリフィケーションをするステップ

ステップ1:スコアリングする項目を決める

ステップ2:スコアリングの点数配分を決める

ステップ3:ホットリードとなる「しきい値」を決める

スコアリングは点数の管理や算出が手間になるので、基本的にはMAツール(見込み客の獲得から選別までを自動化、効率化するツール)を活用します。

MAツールを使う場合でも必要になるホットリードの選別に焦点を充てて解説しているので、参考にしてみてください。

3-1.ステップ1:スコアリングする項目を決める

まずは、見込み客に点数をつける項目を決めます。スコアリングの項目は、下記の2つの軸で検討することが多いです。

スコアリングの項目概要/例

属性

企業規模や業種など企業、見込み客の属性によって絞り込む

<例>
・企業規模
・担当者の役職
・業種

行動

見込み客の具体的な行動によって絞り込む

<例>
・メールマガジンの開封状況
・セミナー参加
・個別相談参加
・Webサイトでの行動
・行動の鮮度

スコアリングをする項目を決める時は、直近1〜2年の受注顧客と失注顧客(成約に至らなかった顧客)のデータを分析し、共通する属性や行動パターンを洗い出すことがおすすめです。

例えば、過去のデータからメールマガジンの開封率や個別相談への参加がホットリードにつながっていることが分かった場合は、スコアリングの重要な指標になります。

このように、自社の見込み客の傾向をもとにしながら、スコアリングするべき項目を決めていきましょう。

3-2.ステップ2:スコアリングの点数配分を決める

スコアリングの項目が決まったら、それぞれの点数配分を明確にします。点数配分では基本的に、商談化や契約に近い行為や属性に高い点数を割り振っていきます。

どの行動が商談や契約に近いのかは会社により異なるため、一概には言えません。ここでも直近1〜2年の受注顧客と失注顧客のデータを分析しながら、根拠のある点数を割り振っていきましょう。

スコアリングの項目
スコアリングの例

属性

従業員数100名以上

+15点

従業員数50名〜99名

+7点

ターゲットとなる業種(通信業等)

+10点

担当者:部長・課長クラス

+10点

担当者:主任クラス

+5点

行動

デモ体験申し込み

+50点

料金ページ閲覧

+15点

個別相談参加

+20点

セミナー参加

+10点

メールマガジン開封

+3点

ホワイトペーパーダウンロード

+8点

点数の配点に困った場合は、過去の見込み客のホットリード化する前の行動を分析してみるといいでしょう。

例えば、料金ページを見てから個別相談、デモ体験に申し込む流れが多い場合は、この3つの行動は商談化に近い行動として高い配点になります。

逆に、ホワイトペーパーのダウンロードが商談化に結びついていない場合は、低めの配点が検討できます。このように、実際に商談化した見込み客の行動をベースに、配点を考えてみましょう。

3-3.ステップ3:ホットリードとなる「しきい値」を決める

スコアリングの点数配分ができたら、何点に達すればホットリードの基準となるしきい値を決めます。

しきい値を決めるときも、過去の見込み客の属性や行動を足して、どれくらいの点数になるのか参考にするといいでしょう。

例えば、合計点数が120点に達したらホットリードというしきい値を定めれば、120点に達した見込み客を営業へと渡せます。

また、属性で30点、行動で100点以上など、点数の内訳を細かく設定することも可能です。確度の高いリードクオリフィケーションになるように、調整をしてみるといいでしょう。

▼スコアリングについては、下記の記事でも詳しく解説しています


MAスコアリング完全ガイド|失敗事例から学ぶ、営業と連携しROIを証明する実践テンプレート

MAのスコアリング、形骸化していませんか?「営業から質が低いと言われる…」その課題、解決できます。失敗事例から学ぶ、営業と連携しROIを証明する具体的な仕組みと、明日から使えるSLA・スコア設計テンプレートをプロが徹底解説。

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【MAツールを活用するとホットリードの抽出を自動化できる】

スコアリングは見込み客の点数管理が課題になりますが、MAツールを活用すると見込み客ごとの加点、しきい値判定などを自動化できます。

複数の施策を実施していても、見込み客ごとの行動をリアルタイムで加点して、しきい値となる点数に達した瞬間に通知などを受け取れます。

リードクオリフィケーションのスコアリングを継続して行いやすくなるため、MAツールを活用して実施することが多いです。MAツールのスコアリングについては、下記の記事で詳しく解説しています。


MAツールスコアリング入門|成果が出る設計と運用のポイント

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4.リードクオリフィケーションの方法4:シナリオ設計

4つ目は、シナリオ設計です。シナリオ設計とは、ホットリードに至るまでの条件・プロセス・判断基準を体系的に設計することです。

自社の設計したシナリオを最後まで進めることができた見込み客が、ホットリードになります。

ここでは、シナリオ設計をしてリードクオリフィケーションをする方法をご紹介します。

シナリオ設計してリードクオリフィケーションをするステップ

ステップ1:見込み客にいつ・何をしてアプローチするか決める

ステップ2:シナリオに沿ってホットリードを抽出する

シナリオ設計もスコアリングと同様に施策の実施や管理が負担になるため、基本的にはMAツールを活用します。どのようにシナリオを組み立ててホットリードの絞り込みをするのか、参考にしてみてください。

4-1.ステップ1:見込み客にいつ・何をしてアプローチするか決める

シナリオ設計は、企業側のアプローチに対する見込み客の行動を軸に分岐を作成します。そのため、企業側がいつ・どのようなアプローチをするのか決めておく必要があります。

過去の受注、失注データをもとに、商談化、契約している顧客がどのような工程を辿っているのか確認するといいでしょう。

一例として、下記のようにセミナー案内の送付をした場合、見込み客の反応に応じて次の行動を決めます。

見込み客から申し込みがあった場合は、ホットリードに近づく次のシナリオに進みます。一方で、未開封の場合は、検討度合いが低いと考えて、前のシナリオへと戻ります。

このように、企業側からのアプローチ1つ1つに見込み客の行動を紐づけて、検討度合いが高まるようにシナリオを組み立てていくのです。

最初はメールマガジンの開封などハードルの低いアプローチから設定して、ホットリードに近づくにつれて、個別相談やデモ体験の実施など、見込み客側にも行動が伴うシナリオが増えていくケースが多いです。

【シナリオ設計はリードナーチャリング(見込み客の育成)にもなる】

シナリオ設計では、見込み客が購入検討度を高められるように、提供すべき情報や接点の順序を体系化します。そのため、見込み客の「育成」(リードナーチャリング)と「絞り込み」(リードクオリフィケーション)の双方を同時に考慮する必要があります。

見込み客の育成と選別の基準を一貫したストーリーに落とし込む必要があるため、シナリオ設計は難易度が高くなると言えるでしょう。

4-2.ステップ2:シナリオに沿ってホットリードを抽出する

設計したシナリオに沿って施策を実施して、最後までたどり着けば自然とホットリードになります。ホットリードが抽出できた場合は、営業に引き継ぎします。

なかなかホットリードを抽出できない場合は、シナリオ設計に問題がある可能性があります。

【ホットリードが抽出できないときによくあるシナリオ設計の問題】

・理想的なシナリオを描いてしまいホットリードの難易度が高くなっている

・ホットリードにつながる行動を拾えていない

例えば、実際の見込み客や顧客の行動ではなく「このような行動をして欲しい」という理想でシナリオを設計してしまうとハードルが高くなり、ホットリードが出にくい状態に陥ってしまいます。

カスタマージャーニーマップや過去の見込み客の行動を参考にしながら、無理のあるシナリオになっていないか見直すといいでしょう。

【MAツールでは施策の自動化、ホットリードの自動判定などができる】

MAツールを活用すると、シナリオの分岐に沿った施策の自動化や、ホットリードが抽出できたときの通知などを受け取れるようになります。

例えば、メールマガジンを開封した見込み客には1日以内にセミナー案内を送付するシナリオ設計さえしておけば、該当の見込み客に自動で施策を実行します。

また、シナリオを辿りホットリードが抽出できた場合には通知が届くため、見逃すことがありません。このように、MAツールを使うことで、煩雑になりやすいシナリオ設計の運用がしやすくなります。

▼MAツールでのシナリオ設計については、下記の記事で詳しく解説しています


MAツールのシナリオ完全ガイド|基本的な考え方から設計手順まで

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5.リードクオリフィケーションの精度を高めるために複数の方法を組み合わせよう

ここまで、リードクオリフィケーションの方法を具体的に解説してきました。それぞれの方法を運用するイメージが持てるようになったでしょう。

今回紹介した方法はどれも、リードクオリフィケーションを実行するという目的は同じです。ただし、抽出できる粒度が異なるため、組み合わせることで精度を高められます。

一例として下記のように、4つの方法をつなげて、より精度の高いリードクオリフィケーションを行うことも可能です。

リードクオリフィケーションのステップ概要

ステップ1
セグメンテーションをする

セグメンテーションをして自社のホットリードの定義を明確にする

ステップ2
カスタマージャーニーマップを作成する

カスタマージャーニーマップを作成して自社の見込み客や顧客の行動などを明確にする

ステップ3
シナリオ設計をする

カスタマージャーニーマップの見込み客の行動をベースにシナリオ設計をする

ステップ4
スコアリングをする

セグメンテーションの項目やシナリオ設計の見込み客の行動を参考にしながらスコアリングをする

ステップ5
ホットリードを抽出する

シナリオ設計、スコアリングで抽出したホットリードを営業に渡す

まずは、セグメンテーションで、自社のホットリードに該当する見込み客の属性や行動を明確にします。その後に、カスタマージャーニーマップを作成して、ホットリードにつながる見込み客の行動を可視化します。

ここまでまとめた情報をスコアリングやシナリオ設計に活用して、確度の高いリードクオリフィケーションを実施していきます。

スコアリングやシナリオ設計にはMAツールが活用できるため、セグメンテーションやカスタマージャーニーマップで自社のホットリードの解像度さえ上げておけば、運用の負担も軽減できるでしょう。

このように、1つの方法でリードクオリフィケーションを進めるのではなく、方法ごとの長所を活かすことでより的確なリードクオリフィケーションを目指せます。

6.リードクオリフィケーションを成功させる3つのポイント

リードクオリフィケーションの方法が具体的に理解できたところで、プラスアルファで知っておきたいリードクオリフィケーションを成功させるポイントをご紹介します。

リードクオリフィケーションを成功させるポイント

・社内でホットリードの認識を揃えておく

・初めからホットリードの条件を細かく設定し過ぎない

・部門間で連携をしながらPDCAを回す

リードクオリフィケーションは方法だけを理解するのではなく、その方法を継続できる仕組みづくりが大切です。どのような点に留意するべきか参考にしてみてください。

6-1.社内でホットリードの認識を揃えておく

1つ目は、自社のホットリードの認識を揃えておくことです。部署間や個人間でホットリードの認識が異なると、リードクオリフィケーションの精度が下がるためです。

例えば、マーケティング部門と営業部門でホットリードの認識が異なっている状態で、ホットリードの引き継ぎをするとします。

成約や商談に繋がらないケースも発生する中で、どういう顧客であれば成果につながるのかを営業側でも把握するようになるでしょう。

そのような経験を経た営業部門の考えるホットリードと、マーケティング部門の考えが異なる状態で引き継ぎを受けても、営業側としては納得できないと考えることも出てくるはずです。

リードクオリフィケーションを実施する方法では、どのパターンであっても、具体的な施策をする前にホットリードの定義を明確にします。このタイミングで認識を揃えておくといいでしょう。

また、ホットリードの定義を決めるときには、営業担当者にヒアリングをして複数の部署で決めることも1つの方法です。

「実際に商談につながっているリードの特徴は?」「今までのホットリードの傾向は?」などと質問をして、ホットリードの定義に組み込むことも検討できるでしょう。

このように、リードクオリフィケーションを成功させるには、ホットリードの認識を揃えてスムーズに引き継ぎできることが重要です。

6-2.初めからホットリードの条件を細かく設定し過ぎない

2つ目は、初めからホットリードの条件を細かく設定し過ぎないことです。リードクオリフィケーションに慣れていない段階で条件を細分化すると、下記のような失敗が起こりやすいためです。

【ホットリードを細かく設定したときの失敗例】

・該当するホットリードがなかなか出てこない

・スコアリングやシナリオ設計の運用が複雑になる

初めからあまりに理想的なホットリードを基準にすると見込み客を絞り込み過ぎて、ホットリードが出てこない可能性があります。

また、ホットリードの条件が細かくなると、その分セグメンテーションやスコアリング、シナリオ設計などの運用が複雑になります。運用に慣れていない段階で複雑化すると、継続しにくくなることも考えられるでしょう。

例えば、スコアリングであれば、まずは成約への影響が高い10~20項目に絞り、5点、10点、15点などのシンプルな点数配分からスタートするといいでしょう。

そもそも、リードクオリフィケーションはPDCAを回しながら精度を高めていくものです。最初から完全なホットリードの抽出を狙うよりも、まずは最低ラインのホットリード抽出を目指すほうが取り組みやすくなるでしょう。

【営業のリソースも聞きながらホットリードの条件を調整するのも1つの方法】

ホットリードの条件を緩和、もしくは厳しくするときに、営業のリソースを聞くのも1つの方法です。

フォローするホットリードが0の状態で厳しい基準を設けてしまうと、営業活動自体に支障が出る可能性があります。営業担当者の状況を把握しながら、目標とするホットリードを渡せる状態に条件を調整する視点も必要でしょう。

6-3.部門間で連携をしながらPDCAを回す

3つ目は、部門間で連携をしながらPDCAを回すことです。リードクオリフィケーションは最初から完璧を目指さずに、改善を重ねて自社に合うホットリードの絞り込みができるように調整していくことが重要です。

マーケティング部門と営業担当者が連携して下記のような声を拾いながら、施策を見直せるようにしましょう。

質問対象
質問例

マーケティング部門内での質問例

・ホットリードはどのような経緯を辿ったか

・適切なタイミングで抽出できたか

・ホットリードの絞り込みに課題となる点はなかったか

営業担当者への質問例

・ホットリードは成果につながったか

・ホットリードの質に違和感がなかったか

・ホットリードの件数は適切か

例えば、営業担当者からホットリードの質が思ったより低かったという声があった場合は、絞り込む方法やホットリードの定義に課題があると考えられます。

精度を高められるように調整をして、改良した方法でリードクオリフィケーションを実施します。

このように、ホットリードを抽出できたら終わりではなく、より的確なリードクオリフィケーションができるように改善を重ねていきましょう。

7.スコアリング・シナリオ設計は難易度が高い!知見のある業者と連携することがおすすめ

ここまで解説したように、リードクオリフィケーションの方法は単に実践するだけでなく、確度の高いリードの絞り込みを達成する必要があります。

そのためには、過去のデータとMAツール上のデータを掛け合わせて統計的に解析していくことが求められますが、実は、スコアリングやシナリオ設計は難易度が高いです。

そのため、自社だけで実現することが難しい場合は、知見のある外部業者と連携することがおすすめです。

実際に、「株式会社ベーシック」が実施した「BtoBマーケティング調査レポート2025MAツール編」によると、MAツールを活用しているBtoB企業の54.5%がシナリオ設計やスコアリングを難しいと回答しています。

調査方法 :Webアンケート
調査対象 :BtoBマーケティング業務に関わる方
有効回答数 :330
調査期間 :2025年5月30日~6月3日
参考:株式会社ベーシック「BtoBマーケティング調査レポート2025MAツール編」

自社で実施すると、「設定したもののホットリードが抽出できない」「根拠のあるスコアリングの設定ができない」などの課題を抱えるケースも出てくるでしょう。結果的に、営業が求める受注確度の高い見込み客を抽出することが難しくなってしまいます。

そのため、知見のある業者と適切なMAツールを使いながら、自社の戦略設計に応じたリードクオリフィケーションができる体制を整えることがおすすめです。

MAツールの戦略設計から伴走!的確なリードクオリフィケーションはSells upにご相談ください

自社の見込み客に応じた的確なリードクオリフィケーションを実践するには、豊富な知見と継続できる運用体制が欠かせません。

MAツールを使いながら精度の高いリードクオリフィケーションができる体制を整えたい場合は、私たち「Sells up」にご相談ください。

Sells upは、50社以上のMAツール導入実績があります。豊富なノウハウとMAツールに関する知識をもとに、企業様の戦略設計からツール選定、運用体制構築までを伴走支援します。

また、Sells upは本質的なアドバイスを積極的にしていくのはもちろん、下記のようにMAツールを知り尽くしてからこそできる支援を提供いたします。

【Sells upのMAツール導入支援の強み】
・統計解析を用いた客観的で根拠のあるスコアリング、シナリオ設計ができる
・戦略的な俯瞰視点で企業様の戦略に沿ったMAツールの活用を提案できる
・MAツールの選定から施策実践まで一貫した支援ができる

「リードクオリフィケーションで苦戦して成果につながらない」「リードクオリフィケーションのノウハウが不足している」など、リードクオリフィケーションを実施しようとしたときに課題を感じる場合は、ぜひ一度ご相談ください。

8.まとめ

本記事では、リードクオリフィケーションの方法をまとめて解説しました。最後に、この記事の概要を簡単に振り返ってみましょう。

〇リードクオリフィケーションの方法は次の4つ

リードクオリフィケーションの方法概要

カスタマージャーニーマップの作成

見込み客の行動、心理の変化を可視化してホットリードを絞り込む

セグメンテーション

属性や行動などを掛け合わせて見込み客の集団を絞り込む

スコアリング

属性や行動などを掛け合わせて点数をつけてホットリードを絞り込む

シナリオ設計

ホットリードに至るまでの条件・プロセス・判断基準を体系的に設計する

〇リードクオリフィケーションの精度を高めるために複数の方法を組み合わせよう

〇リードクオリフィケーションを成功させるポイントは下記のとおり

  • ホットリードの認識を揃えておく
  • 初めからホットリードの条件を細かく設定し過ぎない
  • 部門間で連携をしながらPDCAを回す

リードクオリフィケーションはリードマネジメントのなかでも、売上や成果に直結する重要なフェーズです。

確度の高い戦略的なリードクオリフィケーションを実施するためにも、ぜひSells upにお気軽にお問い合わせください。

BtoBマーケティングのご相談はSells upへ

Sells upはデータに裏打ちされたマーケティング活動を通じて売上成長を実現するBtoBマーケティング専門のエージェンシーです。 まずはお気軽にご連絡ください。

株式会社Sells up
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。BtoBマーケティングの戦略設計/KPI設計はもちろん、リードジェネレーション施策やナーチャリング、MA/SFA活用を支援し、業界/企業規模を問わずこれまでに約80社以上の支援実績を持つ。Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialist/Tableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。