「BtoB事業のリード獲得に苦戦しており、新しい施策を検討したい」
「限られた予算や人員の中で、どの施策から試せばよいか分からない」
BtoBマーケティングでは、このような課題が生じることがあります。
リード獲得の方法には、Web広告、コンテンツSEO、ウェビナー、展示会などさまざまな選択肢があります。この記事では、BtoB企業で検討しやすい代表的な9つの施策を取り上げます。

※成果が出るまでの期間は目安です。商材やターゲット、予算、運用体制などによって異なります。
BtoBマーケティングにおけるリード獲得は、将来の商談や受注につながる企業・担当者との接点をつくるための取り組みです。
BtoBでは、複数の関係者が購買に関わったり、情報収集から導入までに一定の期間を要したりすることがあります。そのため、単純にリード数を増やすだけでなく、自社のターゲットにどの施策で接点をつくるかを考えることが重要です。
どの施策が適しているかは、商材やターゲットによって異なります。特に、
- ターゲットとなる企業・担当者がどこで情報を集めているか
- どの程度の予算・社内リソースを使えるか
- どの程度の期間で成果を求めるか
という3つの視点から比較すると、施策を選びやすくなります。
本記事では、BtoBマーケティングを80社以上支援してきたSells upが、BtoB企業で活用できる9つのリード獲得施策と、自社に合った施策を選び、改善していくための5つのステップを解説します。
「施策の選択肢を知りたい」という段階だけでなく、「自社では何を優先すべきか」を整理したい場合にも参考になる内容です。
獲得したリードを育成し営業へ引き渡すまでを含めた全体像は、デマンドジェネレーションの全体像で解説しています。
BtoB企業のリード獲得に有効な施策9選【成功事例付き】
BtoB企業がリードを獲得する方法は、大きくオンラインとオフラインに分けられます。
この記事では、代表的な施策として次の9つを取り上げます。
オンライン
- Web広告
- コンテンツSEO(オウンドメディア)
- 外部メディア
- SNSマーケティング
- ホワイトペーパー
- ウェビナー
オフライン
- 展示会・イベント
- 業界専門誌
- ダイレクトメール
重要なのは、9つすべてを実施することではありません。
ターゲットとなる企業や担当者がどこで情報を集めているか、どの程度の予算や人員を使えるか、どのくらいの期間でリードを獲得したいかによって、適した施策は変わります。
まずはそれぞれの特徴を把握し、「自社で実施する候補になり得るか」という視点で比較してください。
具体的な選び方は、後半の「Step.3:リード獲得の施策を選ぶ」で解説します。
オンラインの施策
オンラインで実施できる代表的なリード獲得施策は、次の6つです。
Web広告
Web広告は、検索エンジンやWebサイト、SNS、動画サービスなどに広告を配信し、LPやWebサイトへ誘導して問い合わせや資料請求などにつなげる方法です。
代表的なものには、
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- SNS広告
- 動画広告
などがあります。
メリット
- 配信を開始すれば比較的早くユーザーとの接点をつくれる
- 配信対象や予算を調整しやすい
- クリック数やコンバージョン数などを数値で確認できる
- 効果を見ながら予算配分や訴求を変更できる
注意点
広告を出せばリードが獲得できるわけではありません。
検索キーワードや配信対象だけでなく、
- 誰に届けるか
- どの課題を訴求するか
- 広告からどのLPへ誘導するか
- フォームで何を入力してもらうか
まで含めて設計する必要があります。
特にリスティング広告は、自社の商品・サービスに関連する課題や製品をすでに検索しているユーザーと接点を持ちやすい一方、競合が多いキーワードではクリック単価が高くなることもあります。
そのため、広告単体のクリック率やコンバージョン率だけでなく、獲得したリードがその後どの程度商談につながっているかまで確認します。
向いている企業
- ターゲットがWeb検索やSNSを利用している
- 課題や製品カテゴリを検索する需要がある
- 短期間で一定量の流入やリードを獲得したい
- 広告費と運用・改善のための予算を確保できる
事例
デザイン会社A社では、新規事業の立ち上げにあたり、Web広告とコンテンツマーケティングを並行して実施しました。
ターゲットとの相性を踏まえてMeta広告を運用した結果、広告予算10万円で月100件以上のリードを獲得しています。
このように、ターゲットと広告媒体、訴求内容が合えば、Web広告は比較的短期間でリード獲得につながる可能性があります。
コンテンツSEO(オウンドメディア)
コンテンツSEOは、ターゲットが検索するテーマに合わせた記事を自社サイトで公開し、Googleなどの検索エンジンからユーザーを集める方法です。
たとえば、自社の商品を直接紹介する記事だけではなく、
- 業務上の課題
- 製品・サービスの選び方
- 導入方法
- 他の手法との比較
- 業界特有のノウハウ
など、検討段階に応じた情報を発信します。
メリット
- 検索結果から継続的な流入を得られる可能性がある
- 作成した記事を自社のコンテンツとして蓄積できる
- 課題を認識し始めた段階のユーザーとも接点をつくれる
注意点
SEOは、記事を公開すればすぐにリードが増える施策ではありません。
検索結果で評価されるまでの期間は、サイトの状態、競合性、テーマ、コンテンツの品質などによって大きく異なります。
また、アクセスを増やすだけではリード獲得にはつながりません。
記事から、
- ホワイトペーパー
- ウェビナー
- サービス資料
- 問い合わせ
など、次の行動へつながる導線も設計します。
向いている企業
- ターゲットがWeb検索を利用して情報収集している
- 自社が継続的に発信できる専門知識を持っている
- 中長期でWebからの流入を増やしたい
- 継続的なコンテンツ制作の予算・体制を確保できる
事例
コンベンション事業を行うB社では、SEOコンテンツとLPを連動させながらコンテンツを継続的に制作しました。
その結果、3年間でWeb経由の問い合わせが約5倍となり、自然検索からもコンバージョンを獲得しています。
SEOは短期間の施策というより、コンテンツを蓄積しながら中長期で集客経路を育てる施策として考える方が適しています。
外部メディア
外部メディアを活用したリード獲得とは、比較サイト、業界メディア、ポータルサイトなど、自社以外が運営する媒体に情報を掲載する方法です。
代表的な媒体には、
- SaaS・ITツールの比較サイト
- 業界特化メディア
- ビジネスメディア
- ポータルサイト
などがあります。
メリット
- 自社サイトだけでは接点を持てないユーザーへ情報を届けられる
- すでに一定の読者を持つ媒体を活用できる
- 比較・検討しているユーザーとの接点をつくれる場合がある
注意点
外部メディアを選ぶ際は、媒体のアクセス数だけで判断しないことが重要です。
確認したいのは、
- 読者の企業属性や職種
- 自社のターゲットとの重なり
- 掲載場所
- 資料請求や問い合わせまでの導線
- 課金方式
- リード提供の条件
などです。
アクセス数が多い媒体でも、自社のターゲットが少なければリード獲得にはつながりにくくなります。
向いている企業
- 自社サイトからの流入がまだ少ない
- 自社のターゲットが利用する比較サイトや業界メディアが存在する
- 新しい層へ認知を広げたい
SNSマーケティング
SNSマーケティングは、X、Facebook、Instagram、YouTubeなどを使って情報を発信し、自社やサービスを知ってもらう方法です。
BtoBの場合は、SNSだけで直接大量のリードを獲得するというより、
情報発信 → 認知 → Webサイトやコンテンツへの訪問 → 資料請求・問い合わせ
といった流れで利用するケースもあります。
メリット
- これまで接点のなかった層へ情報を届けられる可能性がある
- 自社の知見や考え方を継続的に発信できる
- 内製すれば媒体への掲載費はかからない
注意点
SNS運用では、フォロワー数やインプレッション数そのものが目的にならないよう注意が必要です。
たとえば、
- ターゲットではないフォロワーばかり増える
- 投稿への反応はあるがWebサイトへ流入しない
- 運用担当者に依存して更新が止まる
といったこともあります。
そのため、運用を始める前に、
- 誰に情報を届けるか
- 何を発信するか
- 最終的にどこへ誘導するか
を決めておきます。
向いている企業
- ターゲットとなる担当者がSNSを利用している
- 自社に継続的に発信できる専門知識や事例がある
- 中長期で認知や接点を増やしたい
事例
美容サロン向け設備を扱うC社では、Instagramで施工事例を継続的に発信しました。
施工後の内装動画やビフォーアフター、詳細ページへのリンクなどを掲載し、SNSからの顧客獲得につなげています。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは、ターゲットにとって役立つ情報を資料としてまとめ、ダウンロード時に企業名や氏名、Eメールアドレスなどを入力してもらうことでリードを獲得する方法です。
内容はサービス資料だけではありません。
- 調査レポート
- ノウハウ資料
- チェックリスト
- 導入事例集
- 比較資料
- テンプレート
など、検討段階に合わせてさまざまな形式があります。
メリット
- 問い合わせよりも前の段階にいるユーザーと接点をつくれる
- 広告やSEO、SNSなど複数の施策と組み合わせられる
- 一度作成した資料を別の施策でも利用できる
注意点
ホワイトペーパーそのものに集客力があるわけではありません。
資料を作成した後、
- SEO記事
- Web広告
- SNS
- 外部メディア
- メール
などを通じてダウンロードページへ誘導する必要があります。
また、ホワイトペーパーをダウンロードしただけで、すぐに商品・サービスを検討しているとは限りません。
どの資料をダウンロードしたのか、その後どのような行動があったのかなどを確認しながらフォローします。
向いている企業
- Webサイトへの流入はあるが問い合わせにつながっていない
- 自社にノウハウや調査データ、事例などが蓄積されている
- 問い合わせより前の段階のユーザーとも接点をつくりたい
ホワイトペーパーをダウンロードした後のフォローを自動化する方法は、資料請求後のフォローメールで解説しています。
ウェビナー
ウェビナーは、オンラインでセミナーを開催し、参加登録を通じてリードを獲得する方法です。
自社の商品説明だけでなく、
- 業界動向
- ノウハウ
- 導入事例
- 課題解決方法
- 他社との対談
など、ターゲットが参加したいと思えるテーマを設定します。
メリット
- 地域に左右されず参加者を集められる
- 一定時間を使ってテーマを詳しく説明できる
- アンケートなどを通じて参加者の関心を把握できる
注意点
ウェビナーで難しいのは、開催そのものよりも集客です。
自社の保有リストだけで十分な参加者を集められない場合は、
- メール
- SNS
- 広告
- 外部メディア
- 共催
などを利用して集客します。
特に共催ウェビナーは、他社が持つ顧客層とも接点をつくれるため、自社単独ではリーチしにくい層へ情報を届ける方法の一つです。
向いている企業
- ターゲットに説明すべきテーマやノウハウがある
- メールやSNSなど一定の集客経路を持っている
- 他社と共催できるテーマやネットワークがある
ここまでのオンライン施策をチャネル全体のなかで整理したい場合は、BtoBデジタルマーケティングの全体像もあわせてご覧ください。
オフラインの施策
オンライン以外にも、BtoBでは展示会や専門誌、郵送DMなどがリード獲得に使われています。
展示会・イベント
展示会は、特定の業界やテーマに関心を持つ企業が集まるイベントへ出展し、来場者との接点をつくる方法です。
メリット
- 短期間で多くの企業・担当者と接点を持てる
- 製品を実際に見せたり、デモを行ったりできる
- 来場者と直接会話できる
注意点
展示会では、獲得した名刺の数だけを成果としないことが重要です。
来場者の中には、
- 情報収集が目的
- 競合企業
- 自社のターゲットではない企業
なども含まれます。
そのため、展示会後に、
- ターゲット企業か
- どのような課題を話していたか
- どの商品に関心を示したか
- いつフォローするか
を整理し、営業やインサイドセールスにつなげます。
向いている企業
- 商品・サービスを実際に見せることで価値を伝えやすい
- 自社のターゲットが集まる展示会がある
- 短期間で多くの企業と接点を持ちたい
事例
デジタルコンテンツ流通事業を行うD社では、AIをテーマにした大型展示会へ出展し、デモやプレゼンテーションを実施しました。
その結果、1,800枚の名刺を獲得しています。
展示会では名刺獲得数だけでなく、その後の商談化まで含めて評価することが重要です。
展示会で交換した名刺を商談につなげるまでの手順は、展示会リードの扱い方で解説しています。
業界専門誌
業界専門誌への広告掲載や寄稿も、BtoBで利用される方法の一つです。
特に、専門誌や業界紙が主要な情報源になっている業界では、ターゲットとなる企業へ情報を届ける手段になります。
主な方法
- 広告掲載
- タイアップ記事
- 調査レポートの寄稿
- コラムの寄稿
メリット
- 特定業界の読者へ情報を届けやすい
- 業界内での認知や信頼形成にも利用できる
注意点
専門誌へ掲載しただけで直接問い合わせが発生するとは限りません。
認知を目的とするのか、資料請求やWebサイトへの流入まで求めるのかによって、掲載方法や評価指標を変えます。
向いている企業
- 業界専門誌の影響力が比較的大きい
- ターゲットとなる業界が明確
- Web以外でも認知を広げたい
ダイレクトメール(郵送)
ダイレクトメールは、ターゲット企業へハガキや封書などを郵送して情報を届ける方法です。
展示会やセミナーの案内、新商品のお知らせ、資料送付などに利用できます。
メリット
- Web広告やメールとは異なる接点をつくれる
- 送り先の企業を指定してアプローチできる
- オンラインで接点を持ちにくい業界にも利用できる
注意点
成果を左右するのは、郵送物そのものよりも「誰に送るか」です。
対象企業を広げすぎるとコストが増えるため、
- 業界
- 企業規模
- 所在地
- 事業内容
- 自社との取引可能性
などから対象を絞ります。
また、発送後にWebサイトへのアクセス、問い合わせ、イベント申込などを計測できるようにしておくと、施策の評価がしやすくなります。
向いている企業
- ターゲット企業を具体的にリストアップできる
- オンラインだけでは接点をつくりにくい
- 展示会やセミナーへの集客経路を増やしたい
アウトバウンド施策も選択肢から外す必要はない
BtoBのリード獲得では、テレアポや企業への直接アプローチなどのアウトバウンド施策もあります。
これらは不特定多数の企業へ大量にアプローチすると、反応率が低くなったり、営業担当者の負担が大きくなったりすることがあります。
一方で、
- 対象となる企業が明確
- アプローチしたい企業数が限られている
- 特定企業との商談をつくることに価値がある
といった場合には、アウトバウンドが適しているケースもあります。
そのため、「テレアポは古いから使わない」「Web施策だけにする」と決めるのではなく、ターゲットや商材に合わせて判断します。
たとえば、ターゲット企業を絞ったうえで、
ダイレクトメール → 電話 → メール → Webコンテンツ
のように複数の接点を組み合わせる方法もあります。
獲得したリードのうちどれを優先して対応するかの考え方は、リードクオリフィケーションの考え方で解説しています。
結局、どの施策を選べばよいのか
9つの施策を見ても、「結局、自社ではどれを選べばよいのか」と迷う場合があります。
その場合は、次の3つを基準に比較します。
- ターゲット:対象となる企業・担当者はどこで情報を集めているか
- 予算・リソース:実行・継続できる予算と人員があるか
- 期間:いつまでにリードを獲得する必要があるか
たとえば、短期間でリード獲得を試したい場合と、中長期で検索流入を増やしたい場合では、選ぶ施策が異なります。
また、1つの施策だけに絞る必要もありません。
Web広告からホワイトペーパーへ誘導する、SEO記事からウェビナーへ集客する、展示会で獲得したリードをメールでフォローするといったように、複数の施策を組み合わせることもできます。
重要なのは、施策単体の一般的な評価ではなく、自社のターゲット・予算・期間に合っているかという視点です。
具体的な選び方は、次章「Step.3:リード獲得の施策を選ぶ」で整理します。
BtoB企業がリード獲得を進めるための5ステップ
ここまで紹介した施策の中から、自社に合ったものを選び、実際のリード獲得につなげるには、施策を始める前の設計も重要です。
基本的には、次の5つのステップで進めます。
|
BtoB企業がリード獲得を進めるための5ステップ |
|---|
|
1.目標を明確にする |
|
2.ターゲットを設定する |
|
3.リード獲得の施策を選ぶ |
|
4.施策ごとのKPIを設定し、運用する |
|
5.結果をもとに見直す |
順番通りに進めること自体が目的ではありません。目標やターゲットを整理したうえで施策を実行し、その結果を見ながら必要に応じて設定を見直します。
Step.1:目標を明確にする
最初に、「何件のリードを獲得するか」だけではなく、その先の売上や商談まで含めて目標を整理します。
たとえば、
売上目標 → 必要な受注件数 → 必要な商談数 → 必要なリード数
という順番で逆算します。
|
リード獲得目標の考え方(例) |
確認する内容 |
|---|---|
|
売上目標 |
いつまでに、どの程度の売上を目指すか |
|
必要な受注件数 |
顧客単価を踏まえると何件の受注が必要か |
|
必要な商談数 |
過去の商談から受注への転換率をもとに算出 |
|
必要なリード数 |
リードから商談への転換率をもとに算出 |
たとえば年間120件の受注が必要で、過去実績から商談から受注への転換率が20%、リードから商談への転換率が10%であれば、必要な商談数やリード数を逆算できます。
ただし、こうした転換率は企業や商材、流入経路によって異なります。
広告から獲得したリードと、問い合わせや展示会で獲得したリードでは、その後の商談化率が異なる場合もあるため、可能であれば自社の過去データを使って設定します。
まだ実績がない場合は仮の数値から始め、実際のデータが蓄積した段階で見直します。
目標となるリード数が分かれば、「その件数をいつまでに、どの施策で獲得するか」を考えやすくなります。
Step.2:ターゲットを設定する
次に、どのような企業・担当者との接点を増やしたいのかを整理します。
ここで重要なのは、「購買意欲が高そうな人」を想像することではなく、実際に商談や受注につながっている企業にはどのような共通点があるのかを確認することです。
ターゲットを整理する方法としては、次のような情報が参考になります。
1.既存顧客のデータを確認する
受注した企業について、
- 業界
- 企業規模
- 所在地
- 事業内容
- 利用しているサービスやシステム
- 契約した商品・プラン
などを確認し、受注企業にどのような傾向があるかを整理します。
2.既存顧客にヒアリングする
数値だけでは分からない情報は、顧客へ直接確認します。
たとえば、
- 自社を知ったきっかけ
- 検討を始めた背景
- 当時抱えていた課題
- 比較したサービス
- 最終的に選んだ理由
などです。
これによって、「どのような状況になったときに自社の商品・サービスを検討するのか」を把握しやすくなります。
3.営業担当者から情報を集める
営業が日々の商談で得ている情報も参考になります。
- 商談が進みやすい企業
- 受注につながりやすい企業
- 商談にはなるが失注しやすい企業
- よく聞かれる課題や要望
などを確認します。
マーケティング部門だけでターゲットを決めるのではなく、実際に顧客と話している営業の情報もあわせて整理します。
4.市場規模を確認する
ターゲット候補となる企業が市場にどの程度存在するかも確認します。
- 業界統計
- 業界レポート
- 企業データベース
- 公開されている企業情報
などを利用します。
たとえば、月100件のリード獲得を目標にしていても、対象企業そのものが数百社しか存在しない市場では、目標設定を見直す必要があります。
リード獲得は、単純に件数を増やすことが目的ではありません。
自社の商談や受注につながる可能性のある企業・担当者との接点をどのように増やすかという視点でターゲットを整理することが重要です。
ターゲットが明確になると、
- どのチャネルを選ぶべきか
- どのようなテーマで情報を発信するか
- 広告やLPで何を訴求するか
といった後工程も決めやすくなります。
ターゲットの定義を広告やフォームの設定まで落とし込む手順は、ICP設計の手順で解説しています。
Step.3:リード獲得の施策を選ぶ
続いて、ターゲットと目標に合わせて実施する施策を決めます。
記事前半の「BtoB企業のリード獲得に有効な施策9選【成功事例付き】」では、次の9つを紹介しました。
- Web広告
- コンテンツSEO
- 外部メディア
- SNSマーケティング
- ホワイトペーパー
- ウェビナー
- 展示会・その他イベント
- 業界専門誌
- ダイレクトメール
この中から施策を選ぶ際は、主に次の3点を確認します。
- ターゲットとの相性
- 予算と社内リソース
- 成果を求めるまでの期間
1.ターゲットとの相性
Step.2で整理したターゲットが、普段どこで情報を得ているのかを確認します。
たとえば、
- Web検索で課題解決方法を調べる → Web広告、コンテンツSEO
- 業界特化の展示会への参加が多い → 展示会
- 専門誌や業界紙が主要な情報源になっている → 業界専門誌
といった考え方です。
業界だけで機械的に決めるのではなく、実際の顧客ヒアリングや営業情報から、情報収集の方法を確認できると精度が上がります。
2.予算と社内リソース
施策ごとに必要な予算だけでなく、運用に必要な人員や時間も確認します。
たとえば、
- SEOを始めたいが、記事制作を継続できる人員がいない
- ウェビナーを開催したいが、企画や集客を担当できる人がいない
- 広告を出したいが、LPを改善する体制がない
といった場合です。
外注によって補える場合もありますが、予算が確保できないのであれば、別の施策を優先する判断も必要です。
3.成果を求めるまでの期間
いつまでにリードを獲得する必要があるのかによっても、選択肢は変わります。
短期間で接点を増やしたい場合は、Web広告や開催時期の決まっている展示会などが候補になります。
一方、中長期で検索からの流入を増やしたい場合は、コンテンツSEOなど継続を前提とした施策も選択肢になります。
ただし、「短期施策」「中長期施策」と完全に分けられるわけではありません。
たとえば広告を継続的な獲得チャネルとして運用するケースもあれば、SEOでも既存サイトの状態によって比較的早く成果が表れるケースがあります。
そのため、一般的な特徴だけでなく、自社の状況を踏まえて判断します。
複数施策を組み合わせる場合
リード獲得では、複数の施策を組み合わせる場合もあります。
たとえば、
Web広告 → ホワイトペーパー
SEO記事 → ウェビナー
展示会 → メールでフォロー
といった形です。
ただし、多くの施策を同時に始めるほどよいわけではありません。
予算や人員が限られている場合は、結果を確認できる範囲に絞って実施し、継続する施策と見直す施策を判断します。
WebサイトやLPもあわせて確認する
広告やSEO、展示会などで興味を持った担当者が、後から企業名やサービス名を検索することがあります。
その際に、
- 何を提供しているサービスなのか分からない
- 誰向けの商品なのか分からない
- 導入事例や料金など検討に必要な情報がない
- 問い合わせや資料請求の場所が分かりにくい
といった状態では、次の行動につながりにくくなります。
そのため、リード獲得施策とあわせて、WebサイトやLP、サービス資料などの情報も確認します。
Step.4:施策ごとのKPIを設定し、運用する
施策を開始したら、結果を確認するためのKPIを設定します。
KPIは施策によって異なります。
|
施策 |
確認する指標の例 |
|---|---|
|
Web広告 |
クリック数、クリック率、CV数、CVR、CPL |
|
オウンドメディア |
自然検索流入数、CV数、CVR |
|
ウェビナー |
申込数、参加率、アンケート回答数、商談数 |
|
展示会 |
接点数、名刺獲得数、フォロー数、商談数 |
|
施策間の比較 |
リード数、CPL、商談数、商談獲得単価 |
ここで注意したいのは、リード獲得数だけで施策を評価しないことです。
たとえば、
- A施策:100件のリードを獲得し、商談は2件
- B施策:30件のリードを獲得し、商談は8件
であれば、リード数だけを見るとA施策の方が優れているように見えます。
しかし、最終的な目的が商談や受注であれば、B施策の方が重要なチャネルである可能性があります。
そのため、
流入 → リード → 営業への引き継ぎ → 商談 → 受注
のどこまでつながっているかを確認できるようにします。
施策開始直後は受注まで十分なデータがない場合もあるため、その段階ではCV数やCPLなどの先行指標を見ながら運用し、データが蓄積した後に商談や受注まで評価範囲を広げます。
KGIから逆算してKPIを組み立てる方法は、KPIツリーの作り方で解説しています。
営業へ渡す基準とその後の対応ルールは営業への引き渡しの設計、優先順位の付け方はスコアリングモデルの設計方法で解説しています。Sells upが支援で使っているRFEスコアモデルでは、MQLの条件を「属性スコア20点以上かつ行動スコア40点以上」という二軸で置き、配点はロジスティック回帰で算出しています(Engagement 0.45/Recency 0.385/Frequency 0.165)。
Step.5:結果をもとに見直す
最後に、実施した施策の結果を確認し、継続・改善・停止を判断します。
重要なのは、「数値が悪いからやめる」とすぐ判断するのではなく、どこに問題があるのかを確認することです。
|
課題 |
確認・改善する内容の例 |
|---|---|
|
SEO記事への流入はあるがCVにつながらない |
CTA、資料内容、フォーム、記事とCVの関連性を確認する |
|
リスティング広告のCVが減少している |
キーワード、検索語句、広告文、LP、入札条件などを確認する |
|
ウェビナーの申込数が少ない |
テーマ、対象者、告知チャネル、共催先などを確認する |
|
SNSを継続しているがターゲットからの反応が少ない |
投稿内容、利用媒体、ターゲットがSNSに存在するかを確認する |
たとえば、広告の成果が悪い場合でも、広告媒体そのものが原因とは限りません。
- ターゲット設定が合っていない
- 広告の訴求が合っていない
- LPで内容が伝わっていない
- フォームの入力負荷が高い
など、複数の原因が考えられます。
そのため、
結果を確認する → 原因の仮説を立てる → 一部を変更する → 再度結果を確認する
という流れで改善します。
一方で、一定期間試してもターゲットとの相性が悪いと判断できる施策については、無理に継続する必要はありません。
限られた予算や人員を、より成果につながっている施策へ振り分けることも重要です。
すでに保有しているリードの整理はハウスリストの棚卸し、しばらく動きのないリードへの再アプローチは休眠リードの掘り起こし方で解説しています。
獲得した後に接点を保つ方法は、リードナーチャリングの具体的な手法をご覧ください。
リード獲得の戦略設計にお悩みなら「Sells up」にご相談ください

リード獲得では、施策を増やすことよりも、「誰をターゲットにするか」「どの施策を優先するか」「どの指標で評価するか」を整理することが重要です。
一方で、
「どの施策を優先すべきか、社内だけでは判断しにくい」
「目標やターゲットの設定から、マーケティング活動全体を見直したい」
といった状況では、外部の視点を入れた方が整理しやすい場合もあります。
Sells upでは、BtoB企業を対象に、データ分析をもとにしたマーケティング戦略の設計から施策の実行・改善までを支援しています。
広告運用、コンテンツマーケティング、WebサイトやLPの改善、MA活用などを、事業の状況や課題に応じて組み合わせながら、リード獲得だけでなく、その後の商談につなげる運用まで支援します。
【Sells upのマーケティング支援イメージ】

株式会社CLUE様

株式会社CLUE様では、営業活動やプロダクトのPMFは進んでいた一方、社内にマーケティングの知見が十分に蓄積されておらず、施策をどのように立ち上げるかが課題となっていました。
Sells upでは、過去の顧客データやサービスサイトのアクセスデータなどを確認し、施策ごとの目標やKPIを設計しました。
並行して、過去の広告配信データやユーザーの反応をもとに、配信媒体、広告枠、入札、クリエイティブなどを見直しながら広告を運用しています。
また、広告の遷移先となるLPには、インサイドセールスやフィールドセールスが顧客との会話から得た課題やニーズを反映し、広告からLP、営業対応までのつながりを整理しました。
関連記事:

株式会社日本テレビアート様

株式会社日本テレビアート様では、テレビ業界を取り巻く環境の変化を背景に、新たな事業と顧客接点の創出を進めていました。
支援では、まず同社がこれまで手掛けてきた実績や得意領域を整理し、新たに提供するサービスの方向性を検討しました。
その後、Meta広告によるリード獲得と並行して、サービス資料やLPの制作、Webサイトの改修、コンテンツマーケティングの立ち上げを進めました。
施策開始当初はWeb、動画、LP、ロゴなどのデザイン制作を中心に展開していましたが、その後は企業のCIやブランディングなど、より上流の相談にも対象が広がっています。
関連記事:

リード獲得施策の選定や、マーケティング戦略全体の整理に課題を感じている場合は、現在の状況を確認したうえで、取り組むべき施策の優先順位からご相談いただけます。
また、実際の支援事例をもとに、業種・施策別の取り組み方を確認したい場合は、以下の記事もあわせてご覧ください。

「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために
施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。こうした課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。
相談してみる →まとめ
本記事では、BtoB企業のリード獲得で検討できる9つの施策と、自社に合った施策を選び、運用するための進め方を解説しました。
代表的な施策は次の通りです。
【オンライン】
- Web広告
- コンテンツSEO(オウンドメディア)
- 外部メディア
- SNSマーケティング
- ホワイトペーパー
- ウェビナー
【オフライン】
- 展示会・イベント
- 業界専門誌
- ダイレクトメール
どの施策が適しているかは、ターゲット、予算・社内リソース、成果を求めるまでの期間によって異なります。
また、施策を実行する際は、次の5つのステップで進めます。
- 目標を明確にする
- ターゲットを設定する
- リード獲得の施策を選ぶ
- 施策ごとのKPIを設定し、運用する
- 結果をもとに見直す
特にBtoBでは、リードの獲得件数だけでなく、その後の商談や受注まで確認しながら施策を評価することが重要です。
最初から多くの施策を実施する必要はありません。自社のターゲットや体制に合う施策から始め、結果を確認しながら、継続・改善・停止を判断していきます。
本記事が、貴社のリード獲得施策を整理する際の参考になれば幸いです。
獲得と育成をひとつの流れとして設計する方法はリードジェネレーションとナーチャリングの違い、獲得から営業への引き継ぎまでの管理はリード管理の全体像で解説しています。
BtoBマーケティング全体の流れはBtoBマーケティングの全体プロセス、施策の選び方をさらに広く見たい場合は見込み客を増やす方法もあわせてご覧ください。
よくある質問
BtoBにおけるリード獲得とは何ですか?
BtoBにおけるリード獲得とは、法人を対象に自社製品・サービスに関心を持つ見込み顧客(リード)の情報を収集し、営業活動につながる接点を作るプロセスのことです。
BtoBのリード獲得は、BtoCと比べて以下のような特性があります。
| 比較項目 | BtoB | BtoC |
|---|---|---|
| 意思決定者 | 複数(担当者・上司・決裁者など) | 個人(または家族) |
| 検討期間 | 数カ月〜1年以上になるケースも多い | 比較的短い |
| 求められる情報 | ROI・導入事例・仕様など合理的な情報 | デザイン・口コミ・価格など感情的要素も含む |
| リード獲得後の流れ | ナーチャリング(育成)→商談→受注 | 購買ページへの誘導→即時購入が多い |
BtoBでは、リード獲得はあくまで受注・売上拡大への入口であり、獲得した後の「育成(ナーチャリング)」と「商談化」まで一連のプロセスとして設計することが重要です。質の低いリードをいくら集めても成約にはつながらないため、「ターゲット属性に合致しているか」という視点でリード獲得施策を選ぶことが求められます。
BtoBにおけるリードとは何ですか?
BtoBにおけるリードとは、自社の製品やサービスに一定の関心を持つ見込み顧客(企業または担当者)のことを指します。具体的には、問い合わせフォームへの入力・資料のダウンロード・展示会での名刺交換・ウェビナーへの参加登録などを通じて連絡先情報を提供した法人担当者が「リード」にあたります。
BtoBのリードは、購買意欲・検討フェーズ・属性によって以下のように分類されることが多いです。
| 種類 | 状態の目安 | 対応例 |
|---|---|---|
| コールドリード | 自社製品への関心はあるが、購買意欲はまだ低い状態 | ステップメールや有益なコンテンツ配信で関係を育てる |
| ウォームリード | 複数のコンテンツを閲覧したり資料をダウンロードするなど、情報収集が活発化している状態 | タイムリーな個別フォローや事例紹介で検討を促進する |
| ホットリード(MQL/SQL) | スコアリングで一定の閾値を超えるなど、購買意欲が高まっている状態 | 営業担当者がアプローチし、商談化を目指す |
MAツールのスコアリング機能を活用すると、リードの購買意欲を数値で可視化し、どのタイミングで営業に引き渡すかを判断しやすくなります。BtoBでは検討期間が長いため、コールドリードの段階から関係を継続的に育てる「ナーチャリング」の設計が成約率の向上に直結します。
リード獲得とは何ですか?どんな手段がありますか?
リード獲得とは、自社の製品やサービスに関心を持ちそうな見込み顧客(リード)の連絡先情報を収集し、マーケティング・営業活動の対象として登録するプロセスのことです。
BtoB企業におけるリード獲得の代表的な手段は、大きく「オンライン」と「オフライン」に分けられます。
| チャネル | 主な施策 | 特徴 |
|---|---|---|
| オンライン | Web広告・コンテンツSEO・外部メディア・SNSマーケティング・ホワイトペーパー・ウェビナー | 地域を問わずリーチできる・効果測定がしやすい・継続的な集客が可能 |
| オフライン | 展示会・業界専門誌・ダイレクトメール | 体験・信頼構築に強い・アナログ業界や年配層へのリーチに有効 |
どの施策が最適かは、ターゲットの属性(業界・情報収集の手段)・利用可能な予算とリソース・目標達成までの期間の3点を軸に選定するのが基本です。「流行っているから」「他社がやっているから」という理由だけで施策を選ぶのではなく、自社の状況を踏まえて無理なく運用できる施策を複数組み合わせて実行することが、安定したリード獲得につながります。
リード獲得の施策はいくつ並行して進めるとよいですか?
数の目安はありません。判断材料になるのは、獲得したリードに対応できる体制があるかどうかです。リード獲得数の目標は達成しているのに商談数が伸びていない、営業へ渡す基準が決まっていない、といった状態であれば、施策を増やす前に獲得後の扱い方を整えます。まずは自社のターゲットに合う施策を1〜2つ選び、運用が回ってから広げる進め方が無理のない形です。
テレアポや飛び込み営業はやめたほうがよいですか?
一律にやめたほうがよいとは言えません。法人営業の新規開拓手法の調査では、テレアポを実施している企業が53.1%、飛び込み営業が33.9%あります。ただし商談化率のベンチマークでは、アウトバウンド起点が1〜5%程度に対しインバウンド起点は20〜40%程度と差が大きく、主力のチャネルとしては効率が落ちます。ターゲットを絞り、事前に企業情報を調べたうえで接触する補完的な手法として位置づけると判断しやすくなります。
経営者がリード獲得に取り組む理由は何ですか?
経営者がリード獲得に積極的に取り組む主な理由は、リード獲得が企業の売上・事業成長に直接つながる根幹のプロセスだからです。
具体的には、以下のような理由が挙げられます。
- 売上目標の達成に直結する:BtoBでは受注件数=売上の基盤であり、受注を生み出すためには一定数のリードが継続的に必要です。「いつまでに何件受注するか」という目標から逆算すると、必要なリード数が明確になり、リード獲得が経営指標の一つになります
- 属人的な紹介・営業への依存から脱却するため:多くのBtoB企業では、創業期に既存の人脈や紹介に頼った営業が中心となりますが、スケールしにくく不安定です。リード獲得の仕組みを構築することで、特定の営業担当者や人脈に依存しない営業体制をつくれます
- 新規顧客との接点を計画的に創出するため:既存顧客への依存度を下げ、新規市場へ参入・拡大するためには、計画的なリード獲得施策が欠かせません。経営者がリード獲得戦略に関与することで、マーケティングと経営目標が連動しやすくなります
- 投資対効果を管理するため:リード獲得施策にはコストが伴います。「どの施策が効率よくリードを生んでいるか」をデータで把握し、予算配分を最適化するためには、経営者レベルでのKPI管理が重要です
リード獲得は、単なるマーケティング担当者の業務ではなく、経営の根幹に関わる戦略的な取り組みです。特にBtoBでは検討期間が長いため、経営者が中長期的な視点でリード獲得の仕組みを整備することが、持続的な事業成長の要になります。

