潜在顧客の掘り起こし完全ガイド!効果的な実践手法で新規顧客を獲得
BtoBマーケティングのご相談はSells upへ
Sells upはデータに裏打ちされたマーケティング活動を通じて売上成長を実現するBtoBマーケティング専門のエージェンシーです。 まずはお気軽にご連絡ください。
「潜在顧客の掘り起こしは、何から手を付ければいいのだろう?」
「まだ接点のない層へ、どうアプローチすべきかわからない」
マーケティング担当者として、このような疑問や迷いを感じていませんか。「今すぐ客」の獲得競争が激化するなかで、未来の顧客を見つけることは急務といえます。

すぐ購入しなくても、将来のお客様になり得る「潜在顧客」は、じつは市場にあふれています。この層は自分の課題にまだ気づいていませんが、適切なアプローチで「宝の山」に変わります。
この記事では、「潜在顧客の掘り起こし」に関する具体的な手法と手順を解説します。
【この記事を読むと得られるメリット】 ・潜在顧客への理解が深まり、的確なターゲティングができる ・自社に最適なアプローチ方法で効率的に顧客を獲得できる ・潜在顧客を顧客化するまでの道筋がわかり、長期的な売上基盤を構築できる |
新規顧客獲得に行き詰まりを感じている方、持続的な成長を実現したい方は、潜在顧客の掘り起こしのグの全体像をつかむために、本記事をお役立てください。
1.「潜在顧客」とは何か?
まずは、「潜在顧客」について、基本的な事項から整理しておきましょう。
1. 潜在顧客の定義 2. 潜在顧客の特徴 3. 見込み客との違いは「ニーズの自覚度」を見る 4. 顕在顧客との違いは「購買意欲の有無」を見る |
1-1.潜在顧客の定義
最初に「潜在顧客」について、あらためて確認しましょう。
潜在顧客とは、現時点で自社の製品やサービスを利用しておらず、将来的に顧客となる可能性を秘めた層のことです。
彼らは何らかの課題を抱えているものの、それを明確に認識しておらず、解決策にもたどり着いていません。
1-2.潜在顧客の特徴
潜在顧客は、以下のような特徴を持っています。

【潜在顧客の特徴】 ・課題について未自覚である:日々の業務で漠然とした不満や不便さを感じているものの、それが解決すべき課題だと明確には認識していません。たとえば、手作業による集計業務に時間がかかっていても、「これが普通」と考えている状態です。 ・情報収集が不足している:自社の存在や製品名を知らないケースが大半で、同業他社の製品についても調べていません。具体的な製品・サービスを探す検索行動も、起こしていない段階にあります。 ・購買意欲はまだない:ニーズが顕在化していないため、当然ながら購買行動には移っていません。商品比較や価格検討といった具体的なアクションは、一切取られていない状態です。 |
企業側から見ると、潜在顧客は市場に現れていない “隠れた需要層” です。その動向をつかみにくい一方で、適切なアプローチによってニーズを顕在化させ、顧客化できる余地がきわめて大きい層といえます。
1-3.見込み客との違いは「ニーズの自覚度」を見る
マーケティング用語では、潜在顧客と類似した概念として「見込み客(リード)」という言葉があります。
両者の決定的な違いは、ニーズの自覚度にあります。見込み客とは、認知・興味関心・比較検討など、購入に至るすべての前段階を含む、広い概念です。

【潜在顧客と見込み客の相違点】 ・ニーズの認識段階:見込み客はすでに課題を認識し、情報収集や製品比較など、具体的な検討行動を始めています。一方、潜在顧客は購入プロセスのごく初期(認知以前から認知直後の段階)にとどまります。 ・購買行動モデル上の位置:購買行動モデルAISAS(注意→興味→検索→行動→共有)に当てはめると、潜在顧客は「注意」「興味」より前の段階で、「検索」や「行動」へ移っていない状態です。見込み客は「検索」以降のフェーズも含まれます。 |
たとえば、セミナー参加者が資料請求した段階では見込み客ですが、まだセミナーの存在すら知らない段階では潜在顧客となります。
この違いを理解しておくと、各層に適したアプローチ方法を選択できるようになります。
1-4.顕在顧客との違いは「購買意欲の有無」を見る
一方、「顕在顧客」という用語もあります。顕在顧客は、自身の課題を明確に認識し、解決策となる商品・サービスもいくつか把握している層です。
見込み客と顕在顧客は重複する部分の多い概念ですが、ここでは顕在顧客と潜在顧客の違いという観点でも整理しておきましょう。
【顕在顧客と潜在顧客の本質的な違い】 ・購買意欲の明確さ:顕在顧客はすでに明確なニーズがあり、製品への関心も高い状態です。適切な提案を行えば、契約・購入につながりやすい特徴があります。潜在顧客はニーズが潜んでいる状態のため、まだ購買意欲は生じていません。 ・情報探索の積極性:顕在顧客は課題解決に向けて動き始めており、競合他社の商品も含めて比較検討している可能性が高くなります。潜在顧客は「課題の種」を抱えているだけです。具体的な商品が、その解決策になり得ると気づいていません。 ・必要なアプローチの質:顕在顧客には “他社との競合を意識した直接的な提案” が有効ですが、潜在顧客にはまず “課題を認識させニーズを引き出す働きかけ” が必要です。たとえば、業務効率化ツールの場合、顕在顧客には製品デモや価格提案を、潜在顧客には業務課題を可視化するセミナーを提供するといった違いがあります。 |
両者の違いを購買意欲の有無で区別すれば、マーケティング戦略の精度が格段に高まります。
2.潜在顧客の掘り起こしで得られる本質的な4つの価値
「潜在顧客の掘り起こし」は、前章で見てきた潜在顧客を発掘し、さらにはコミュニケーションを通じて見込み客へと引き上げていくプロセスです。
どのようなメリットがあるのか、以下のポイントを確認しましょう。
1. 新規顧客の獲得機会が顕在層の数十倍に拡大する 2. 新たな市場創出で事業成長を加速できる 3. ニーズ顕在化前に競合他社に対して先行優位性を確保できる 4. ファン育成で長期的な顧客価値を最大化できる |
2-1.新規顧客の獲得機会が顕在層の数十倍に拡大する
潜在顧客を掘り起こす最大のメリットは、新規顧客獲得の母集団が飛躍的に拡大することです。
一般に「潜在顧客のボリュームは顕在顧客の数十倍」ともいわれます。この広大な裾野にアプローチできれば、新規顧客獲得の機会は飛躍的に増加します。

とりわけ、市場が成熟し顕在需要が頭打ちになっている状況では、潜在ニーズの掘り起こしこそが、事業成長のブレイクスルーとなります。
たとえば、すでに競合がひしめく市場で新規参入する場合、顕在層の奪い合いではなく潜在層の開拓から始めるのは、優れた戦略です。独自の顧客基盤を構築でき、新規顧客獲得の可能性は無限に広がります。
2-2.新たな市場創出で事業成長を加速できる
潜在顧客の掘り起こしは、新規市場の創出にもつながります。潜在顧客はまだ「顧客候補」でしかありませんが、それだけに一定数を自社顧客化することに成功すれば、独自の新市場を形成できる可能性があります。

潜在顧客の掘り起こしを通じた新市場の創出は、大きな価値を持ちます。他社との直接競争を避けて、独自のポジションを築けるからです。
たとえば「家事代行サービス」や「カーシェアリング」といった市場は、潜在的なニーズを掘り起こして創出された新市場といえます。
既存市場に固執せず、潜在的な需要を追求する姿勢こそ、事業を次の成長ステージへ押し上げる原動力となるでしょう。
2-3.ニーズ顕在化前に競合他社に対して先行優位性を確保できる
潜在顧客への働きかけに注力すると、競合他社に先駆けて見込み客の心をつかめるという利点があります。潜在段階から認知・関係構築できていれば、その顧客が課題解決に本腰を入れる頃には、自社が第一想起される存在となるからです。

潜在顧客は課題を自覚していない分、特定の企業にロイヤルティ(愛着や忠誠心)があるわけでもありません。そこに自社が早期から寄り添い、有益な情報提供や課題提起を行えば、「○○のことならあの会社」という印象を植え付けられます。
たとえば競合商品と比較検討する段階になっても、「以前から情報提供を受けている御社の製品が安心だ」と自社を選んでもらえる可能性が高まります。潜在顧客との早期接触は、将来の競争優位を確保する投資です。
2-4.ファン育成で長期的な顧客価値を最大化できる
潜在顧客の段階から時間をかけて丁寧に育成した顧客は、購買後も長期的に良好な関係を維持しやすいというメリットがあります。潜在顧客から見込み客→顧客化→ロイヤル顧客という段階を追ってコミュニケーションを重ねるなかで、自社や製品に対する深い理解と愛着が醸成されるからです。

潜在顧客時代から信頼関係を築いて契約に至った顧客は、長期にわたりサービスを利用してくれる傾向があります。このような顧客は競合製品に乗り換えにくく、アップセル・クロスセルにも協力的です。1顧客当たりの売上貢献が高くなります。
また自社のファン・アンバサダーとなって、積極的に周囲に推奨してくれるケースも期待できます。SNSや口コミで自社の魅力を語ってくれるファンは、新たな潜在顧客を紹介してくれることもあります。
長期的視野で見れば、潜在顧客時代から関係を育んだ顧客こそが、最もLTV(顧客生涯価値)が高く収益性の良い顧客になり得ます。
3.潜在顧客を掘り起こし顧客化するまでの流れ 7ステップ
潜在顧客を実際の顧客へと育成するには、体系的なプロセスが必要です。ここでは、実践すべき7つのステップを、順を追って解説します。
1. ステップ1:STP分析で市場とターゲットを絞り込む 2. ステップ2:自社における潜在顧客を明確に定義する 3. ステップ3:ペルソナ設定で具体的な顧客像を描く 4. ステップ4:カスタマージャーニーマップで接点を可視化する 5. ステップ5:最適なアプローチ手法を選定する 6. ステップ6:継続的なコミュニケーションで関係性を深める 7. ステップ7:効果測定と改善でPDCAサイクルを回す |
3-1.ステップ1:STP分析で市場とターゲットを絞り込む
まずは、市場やターゲットを絞り込むために、STP分析を実施します。STPとはSegmentation(市場細分化)・Targeting(標的市場の選定)・Positioning(差別化ポジショニング)の頭文字で、マーケティング戦略立案の基本プロセスです。

【STP分析の実践手順】 ・Segmentation(セグメンテーション):市場全体を属性やニーズの異なるいくつかのグループに分類します。たとえばBtoCなら年齢層やライフスタイル、BtoBなら業種や企業規模など、顧客を分ける変数を洗い出して細分化します。 ・Targeting(ターゲティング):細分化されたセグメントの中から、自社がアプローチすべき市場を選定します。各セグメントの規模や成長性、自社との親和性などを評価して、潜在顧客になり得る層が十分存在し、なおかつ自社が攻略しやすい魅力的な市場を絞り込みます。 ・Positioning(ポジショニング):選んだターゲット市場で、自社商品・サービスを競合と差別化する立ち位置を定めます。ターゲット顧客に対し、自社がどのような独自価値を提供できるかを明確にする戦略です。 |
やみくもに全方位へアプローチするのではなく、選んだターゲットセグメントに絞ってリソースを投入することがポイントです。
3-2.ステップ2:自社における潜在顧客を明確に定義する
次に、自社にとっての「潜在顧客」を具体的に定義しましょう。企業によって製品やサービス、市場環境が異なるため、「誰が潜在顧客に当たるのか」を明確にしなければ、効果的な施策は打てません。

【潜在顧客定義で明確にすべき要素】 ・ターゲット市場の範囲:自社が参入すべき市場セグメントの中で、潜在的なニーズを持つ層がどこに存在するかを見極めます。市場全体を漠然と捉えるのではなく、具体的にアプローチ可能な範囲に絞り込むことが重要です。 ・顧客の具体的な属性:潜在顧客となり得る人物や企業の特徴を、年齢・職業・企業規模・業種・抱える課題などの観点から詳細に描き出します。属性が具体的であればあるほど、後続の施策設計が精度の高いものになります。 ・ニーズの潜在度合い:課題をまったく認識していない層なのか、漠然と感じている層なのか、潜在ニーズの深さや状態を見極めます。ニーズの顕在化までの距離を把握すれば、適切なアプローチ方法やコミュニケーション内容を設計できます。 |
以上の要素をベースとしつつ、次のペルソナ設定のステップに進みましょう。
3-3.ステップ3:ペルソナ設定で具体的な顧客像を描く
続いて、ターゲットと定めた層を象徴する「ペルソナ」を設定します。ペルソナとはマーケティング上の仮想の顧客人物像であり、施策の精度を高めるために作成されるものです。

【効果的なペルソナ設定の要素】 ・具体的な人物像を作成する:名前・年齢・職業・役職・年収・家族構成・趣味嗜好・抱える課題などを設定します。「マーケティング部に勤める38歳男性。在籍5年で課長。新規リードの育成に悩んでいるが具体策がわからず模索中」といった具合に、実在するかのように感じられるレベルまで肉付けすることが重要です。 ・データに基づいて精度を向上させる:既存顧客や過去の商談リードのデータを、ペルソナ設計の材料として活用します。営業担当へのヒアリング、アンケート調査、ウェブのアクセス解析結果などを収集し、潜在顧客となり得る人の共通点を抽出しましょう。 ・顧客目線(ペルソナ目線)で施策を検討する:ペルソナが定まれば、「この人なら何に興味を持つだろうか」と顧客目線で具体的に想像できるようになります。たとえば「朝の通勤電車でスマホニュースをチェックする習慣がある」ペルソナなら、SNS投稿は朝7〜8時台に配信するといった判断が可能です。 |
なお、市場や戦略の変化に応じて、ペルソナは定期的に見直すことも重要です。
3-4.ステップ4:カスタマージャーニーマップで接点を可視化する
ペルソナを設定したら、そのペルソナが自社を知り、最終的に顧客となるまでの思考・行動プロセスを図解したカスタマージャーニーマップを作成します。カスタマージャーニーマップとは、見込み客が課題を認識してから購入に至るまでの旅路を可視化したものです。

【カスタマージャーニーマップ作成の手順】 ・顧客行動を時系列で捉える:典型的なペルソナがたどるステップを時系列で並べ、各段階での顧客の感情や疑問、接触するチャネルなどを書き出します。「課題に気づく→情報を検索→自社コンテンツに接触→資料ダウンロード→問い合わせ→商談→利用開始→ファン化」のような流れです。 ・接点の漏れをチェックする:潜在顧客に適切な接点を創出できているかを点検します。「潜在顧客が情報収集しているのはどこか」「どの段階で不安を感じやすいか」といったことを明らかにしていきましょう。 ・ボトルネック解消策を考える:接点漏れが可視化できれば、そのマップに沿って必要な施策を配置していく形で、シナリオを設計していきます。とくに潜在顧客フェーズでは、課題の種に先回りして、気づかせることが重要です。 |
カスタマージャーニーマップを作ると、いつ・何をすべきかが、明確にわかるようになります。
3-5.ステップ5:最適なアプローチ手法を選定する
ターゲットとペルソナ、カスタマージャーニーが定まったら、具体的なアプローチ手法の選定に移ります。
潜在顧客への施策にはオウンドメディア・SNS・Web広告・セミナー・メールなどさまざまな手段があります。自社の潜在顧客に効果的なチャネルと施策を取捨選択しましょう。
【手法選定の判断基準】 ・ペルソナの行動パターン:「その層が日常的に利用しているメディアは何か」「どのような情報なら興味を持つか」を軸にチャネルを選定します。たとえばITリテラシーの高い若年層が潜在顧客ならSNSやYouTubeを重視し、専門性の高いBtoB層が相手ならホワイトペーパー提供やウェビナー開催を優先する、といった具合です。 ・ジャーニー段階との適合性:カスタマージャーニーの各段階に応じて、最適な手法は異なります。たとえば、認知段階ではSNSや広告、情報収集段階ではオウンドメディア、比較検討段階ではホワイトペーパーのように、段階ごとに施策を使い分けましょう。 ・コンテンツのチューニング:チャネルごとに適したメッセージ内容やコンテンツ形式も異なるため、選んだ手法ごとに提供するコンテンツをチューニングする必要があります。いずれの場合も軸にあるのは「ペルソナが抱えている潜在ニーズをどう刺激し、解決策を提案するか?」です。 |
迷ったらペルソナ視点での考察に立ち返り、顧客目線で適切な手段に集中することがポイントです。
3-6.ステップ6:継続的なコミュニケーションで関係性を深める
潜在顧客へのアプローチ施策を開始したら、継続的なコミュニケーションによって見込み度合いを高め、関係性を育んでいきます。潜在顧客はすぐに購買には至らない前提で、長期的な視点で接触を重ねることが重要です。
【継続コミュニケーションの実践方法】 ・複数チャネルでの接触を維持する:オウンドメディア経由で接点を持てたら、その後メールマガジンやSNSフォローによって定期的に有益情報を届け、興味関心を維持・増幅させます。セミナー参加者にはフォローメールで追加資料や関連セミナー案内を送るなど、一度接点を持った潜在顧客を逃さず、継続育成する仕組みを整えましょう。 ・段階に応じた情報提供を続ける:潜在顧客がニーズを自覚して顕在顧客にステージが変わった後も、アプローチを続けます。他社に流れてしまわないよう、引き続き有用な情報提供や提案を行い、自社への興味関心をより強めてもらうステップへ移行する必要があります。 ・パーソナライゼーションを行う:一人ひとりの関心度に応じて、内容や頻度を調整することも大事です。反応がない場合は接触方法を変えたり、別の切り口のコンテンツを試すなど工夫しましょう。 |
コミュニケーションの積み重ねこそが信頼関係を醸成し、潜在顧客を将来の良質な顧客・ファンへ育てる土壌となります。
3-7.ステップ7:効果測定と改善でPDCAサイクルを回す
潜在顧客掘り起こし施策は長期戦となるため、効果測定と改善(PDCAサイクル)を回し続けることが成功の鍵です。各施策について定量・定性両面でモニタリングを行い、「どのチャネル経由で見込み客化したか」「どのようなコンテンツに反応が良かったか」などKPIを追跡します。
【効果測定とPDCAの実践ポイント】 ・KPI設定とデータ分析:メール施策なら開封率やクリック率、Webサイトなら訪問数や滞在時間、SNSならエンゲージメント率などを計測し、どの施策が潜在層に響いているかデータに基づき分析します。反応が芳しくない場合には仮説を立てて、別のコンテンツやチャネルを試すなど改善を図ります。 ・成果の追跡と検証:潜在顧客が顕在化してリード(見込み客)となった後の成果(商談化率・受注率など)まで追いかければ、本当に質の高い潜在顧客層はどこだったのか、育成手法は適切だったかを検証できます。たとえば「ウェビナー経由のリードは商談化率が高い」といった発見があれば、今後はウェビナーへの投資を増やす判断ができます。 ・ツール活用による効率化:MA(マーケティングオートメーション)ツールの活用が有効です。専用ツールを使えば、見込み客データベースを一元管理し、スコアリングやトラッキングによって効率的にセグメント・分析ができます。 |
MAツールをこれから導入しようと検討している方は、「ma ツール 導入」の記事もあわせてご覧ください。
4.潜在顧客の掘り起こしを実践する4つの具体的アプローチ手法
潜在顧客へのアプローチには多様な手法がありますが、ここでは代表的な4つの手法を紹介します。
1. オウンドメディア運用:有益なコンテンツから接点を創出 2. SNS活用:ターゲット層との日常的な関係を構築 3. Web広告配信:潜在層へのリーチを効率的に拡大 4. ウェビナー・セミナー開催:専門知識を提供し信頼を獲得 |
4-1.オウンドメディア運用:有益なコンテンツから接点を創出
自社が運営するWebサイトやブログなどのオウンドメディアは、潜在顧客との新たな接点を生み出す有力なチャネルです。
潜在顧客は商品名ではなく、自分の抱える悩みに関連したキーワードで情報検索を行うため、彼らの課題解決に役立つコンテンツを提供すれば、関心を引きつつ自社への理解を育めます。

たとえば人事管理システムを提供する企業なら、「リモートワーク時代の労務管理ガイド」「勤怠管理の法律知識」といった記事を公開すれば、まだシステム導入を考えていない潜在層にもリーチできます。
有益な記事を蓄積していけば、検索エンジン経由で、継続的に潜在顧客を集客できます。一度作成したコンテンツが資産となり、中長期的な顧客接点を生み出し続ける点は、この手法の本質的な価値といえます。
4-2.SNS活用:ターゲット層との日常的な関係を構築
X・Facebook・InstagramといったSNSは、潜在顧客との認知拡大と関係構築に役立つ手法です。潜在顧客が情報収集に使うプラットフォーム上で有益な情報を発信すれば、ターゲット層と接点を持てます。
業界ニュースや市場トレンドの解説、現場で使えるTips、ブログ記事の更新通知といったコンテンツを定期的に共有し、自社アカウントにフォロワーを集めましょう。
SNSごとに利用者層が異なるため、自社のターゲット層が多いプラットフォームを選び、届ける内容や投稿頻度を戦略的に設計することが重要です。
4-3.Web広告配信:潜在層へのリーチを効率的に拡大
Web広告は、潜在顧客にピンポイントで情報を届け、効率的に認知度を高められる手法です。ターゲットを絞り込みやすく即効性が高いため、潜在顧客へのアプローチに適しています。
たとえばSNS広告なら、年齢・居住地・興味関心といった属性で配信先をセグメントできるため、自社商品に関連する課題を持ちそうな層にのみ広告を表示できます。
広告クリエイティブは、潜在顧客の関心を引く課題提起やベネフィット訴求を意識して、「自分のための情報だ」と認識してもらえるように工夫しましょう。
4-4.ウェビナー・セミナー開催:専門知識を提供し信頼を獲得
セミナーやウェビナー(オンラインセミナー)の開催は、潜在顧客にアプローチする非常に有効な方法です。顔の見える形で話を聞くという体験は、強いインパクトを与えます。
自社の専門知識を活かした課題解決セミナーや最新トレンド解説ウェビナーを開催してみましょう。「無料でこれだけ学べるなら」と参加者の信頼を獲得でき、潜在顧客を顕在化させる契機となります。
たとえば、税理士事務所なら「インボイス制度の実務対応セミナー」によって、まだ顧問税理士を探していない事業者にもアプローチできます。自社の売り込みの場にせず、あくまで参加者の課題解決に役立つ情報提供に徹することが重要です。
5.潜在顧客掘り起こしを成功させる3つの実践ポイント
最後に、潜在顧客の掘り起こしを成功させるために重要な3つのポイントをお伝えします。
1. インバウンドマーケティングを軸に据える 2. 成約まで時間がかかる前提で長期的に取り組む 3. MAツール活用で効率化と成果向上を両立させる |
5-1.インバウンドマーケティングを軸に据える
潜在顧客へのアプローチでは、強引な売り込みよりも、インバウンドマーケティングの考え方を軸に据えることが重要です。インバウンドマーケティングとは、顧客側から自社に興味を持ってもらえるよう有益な情報発信で引き寄せる手法です。
潜在顧客はまだニーズが顕在化していないため、いきなり電話営業や押し売りをしても、警戒心を抱かせ逆効果になりかねません。一方、ブログ記事やホワイトペーパー、セミナーなどで役立つ知識を提供すれば、相手から「もっと知りたい」と近づいてきてくれます。

インバウンド施策を充実させておけば、検索エンジンやSNS経由で潜在顧客が自発的に接触してくる機会が増えます。自社が有用な情報源として機能できるよう、コンテンツ提供を中心としたインバウンド戦略をしっかり構築しましょう。
5-2.成約まで時間がかかる前提で長期的に取り組む
潜在顧客の掘り起こしは短期で成果を求めすぎないことが大切です。
潜在層はニーズ顕在層と比べ、契約・購入までに長い時間とステップを要します。コンテンツに接触してから見込み客に育つまで、数カ月から1年以上かかるケースも珍しくありません。
潜在顧客の掘り起こし施策は、最初から「長期戦」の構えで取り組む必要があります。そうしないと、「すぐ売上に繋がらないから無駄だ」と途中で打ち切ってしまうリスクがあるからです。
半年や1年で芽が出なくとも粘り強くPDCAを回し、2年目・3年目に大きな果実を得るといった視点で取り組みましょう。
5-3.MAツール活用で効率化と成果向上を両立させる
潜在顧客の掘り起こしでは、多様なチャネル・コンテンツを駆使する必要があるため、マーケティングオートメーション(MA)ツールを活用しましょう。

MAツールでは、自動メール配信、スコアリング(見込み度合いの点数化)、Web行動トラッキングなどが一元的に行えます。担当者が手作業でフォローするよりもはるかに効率的に、適時適切なコミュニケーションを実現できます。
「ツールの選び方に迷う」「導入後のサポートが不安」というときには、ぜひSells upにご相談ください。そもそもの戦略を明確にするところから伴走し、効果的な潜在顧客の掘り起こしをサポートします。
6.まとめ
本記事では「潜在顧客の掘り起こし」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。
潜在顧客の掘り起こしで得られる本質的な4つの価値は、以下のとおりです。
1. 新規顧客の獲得機会が顕在層の数十倍に拡大する 2. 新たな市場創出で事業成長を加速できる 3. ニーズ顕在化前に競合他社に対して先行優位性を確保できる 4. ファン育成で長期的な顧客価値を最大化できる |
潜在顧客を掘り起こし顧客化するまでの流れを7つのステップで解説しました。
1. STP分析で市場とターゲットを絞り込む 2. 自社における潜在顧客を明確に定義する 3. ペルソナ設定で具体的な顧客像を描く 4. カスタマージャーニーマップで接点を可視化する 5. 最適なアプローチ手法を選定する 6. 継続的なコミュニケーションで関係性を深める 7. 効果測定と改善でPDCAサイクルを回す |
潜在顧客の掘り起こしを実践する4つの具体的アプローチ手法は以下のとおりです。
1. オウンドメディア運用:有益なコンテンツから接点を創出 2. SNS活用:ターゲット層との日常的な関係を構築 3. Web広告配信:潜在層へのリーチを効率的に拡大 4. ウェビナー・セミナー開催:専門知識を提供し信頼を獲得 |
潜在顧客掘り起こしを成功させる3つの実践ポイントを解説しました。
1. インバウンドマーケティングを軸に据える 2. 成約まで時間がかかる前提で長期的に取り組む 3. MAツール活用で効率化と成果向上を両立させる |
潜在顧客の掘り起こしは、短期的な成果は見えにくいかもしれません。しかし、全体像を理解して継続的に取り組めば、潜在顧客は顕在化し顧客へと育ってくれます。じっくりと腰を据えて、施策を進めていきましょう。
BtoBマーケティングのご相談はSells upへ
Sells upはデータに裏打ちされたマーケティング活動を通じて売上成長を実現するBtoBマーケティング専門のエージェンシーです。 まずはお気軽にご連絡ください。
CONTACT
