ナレッジ

見込み客を増やす方法完全ガイド|BtoBで成果につながる施策選定と設計の全手順

MAツールの導入・活用の相談はSells upへ。

MAツールの導入や、導入後の成果最大化に課題をお持ちでしたら、ぜひSells upにご相談ください。80社以上の導入・活用を支援してきた担当者が貴社の状況・目標に向き合い、最適なツールの導入プラン / 統計知識を用いた活用プラン描き、戦略策定から実装 / 実行 / 効果測定までをご支援いたします。

目次

「展示会もやっている、広告も出している。なのに見込み客が増えない」

そんな状況に直面しているマーケティング担当者の方からのご相談を、弊社でもよくお聞きします。その背景には多くの場合、施策の前段にある「戦略が整っていない」という点が挙げられます。

本記事では、見込み客を増やすためのオンライン・オフライン施策の選定基準から、増やした後に商談へつなげる全体像まで、実務で使える手順を一気通貫で解説します。

見込み客が増えない本当の理由

施策を増やしても成果が出ない企業に共通するのは、「何をやるか」より先に「なぜ増えないか」を特定できていない点にあります。見込み客獲得が進まない企業に見られるのは、

  1. 施策の前に戦略が欠けている
  2. 見込み客の定義があいまいなまま動いている
  3. 獲得後の育成フローが存在しない

という3点です。

施策の「バラ打ち」が招く消耗戦

「複数の施策を並行しているが、どれも中途半端で成果が出ない」という状況を、多くのBtoBマーケティング担当者の方からよくお聞きします。施策の優先順位を決める基準がないまま動いているため、コンテンツマーケティングを始めながらWeb広告も走らせ、展示会にも出展する。それぞれがバラバラに動いているため、獲得したリードが一元管理されず、フォローが追いつかないという構造です。

弊社の支援では、「施策を減らして1つに集中した後、リード獲得数が逆に増えた」というケースは珍しくありません。

集中することで施策の質が上がり、メッセージの一貫性が生まれるからです。予算が限られる中小〜中堅企業ほど、「何を捨てるか」の判断が成果を左右します。

なぜ「定義していない」ことが見込み客獲得を阻むのか?

見込み客の定義があいまいなまま施策を動かすことは、獲得を進めるうえで障壁になります。「誰を獲得すれば成功なのか」が不明確なまま動いているため、施策の効果が正しく測れません。

「とにかくお問い合わせを増やしたい」という目標で動いている場合、営業が対応したいリードとマーケティングが獲得しているリードに大きなズレが生じます。その結果、「マーケティングが持ってきたリードは質が低い」という営業からの不満が生まれ、部門間の連携が崩れていきます。

見込み客・潜在顧客・リードの正確な定義

3つの用語の違いを整理しておきます。

  • 見込み客(リード):自社の商品・サービスに何らかの接点を持ち、将来的に購入する可能性がある企業・個人。資料請求・問い合わせ・セミナー参加などのアクションを取った層
  • 潜在顧客:自社の商品・サービスをまだ認知していない、または課題に気づいていない層。アプローチの対象ではあるが、まだリードには転換していない
  • MQL(マーケティングクオリファイドリード):MA(マーケティングオートメーション)活動を通じて一定の条件を満たし、営業への引き渡しが適切と判断されたリード

BtoBマーケティングにおいて「見込み客を増やす」とは、この3段階を意識しながら、潜在顧客をリードへ、リードをMQLへと段階的に引き上げる仕組みを作ることを意味します。潜在顧客からリードへの転換を含む全体像については、デマンドジェネレーションの全体設計も参照してください。

見込み客を増やす前に整えるべき3つの土台

施策を動かす前に必ず整えるべき要素が3つあります。事前の準備への投資が最もROI(費用対効果)の高い行動といえると考えており、反対に土台がない施策は消耗するだけになってしまいます。

土台1|ターゲットとペルソナの解像度を上げる

BtoBマーケティングにおけるペルソナは「企業軸」と「担当者軸」の2つを設定することが重要です。BtoBでは購買に関わる意思決定者が複数存在するため、1つのペルソナでは訴求が分散してしまいます。

企業軸(ファームグラフィック)

  • 業界・業種
  • 従業員規模(例:50〜300名のBtoBサービス業)
  • 事業フェーズ(例:第二創業期・新規事業立ち上げ中)
  • 現在の課題(例:紹介・テレアポが頭打ち)

担当者軸(デモグラフィック+行動)

  • 役職・決裁権の有無(例:取締役・事業本部長)
  • 情報収集の方法(例:検索・業界カンファレンス)
  • 日常の業務課題(例:社内にマーケノウハウがなく孤立している)

この2軸が揃うと、どのチャネルで・どんなメッセージを・どのタイミングで届けるかが自然と見えてきます。ターゲットリストの作り方については、見込み客の探し方とリスト設計で詳しく解説しています。

土台2|カスタマージャーニーで「どこで接点をつくるか」を決める

カスタマージャーニー(顧客が課題認識から購買決定に至るまでの行動と心理の流れ)を可視化することで、どの施策をどのフェーズに配置するかが決まります。BtoBの一般的なカスタマージャーニーは以下の4フェーズで構成されます。

フェーズ顧客の状態有効な施策
認知課題に気づき始めているSEO記事・SNS・プレスリリース
検討解決策を比較しているホワイトペーパー・ウェビナー・比較記事
評価特定のベンダーを深掘りしている事例記事・無料相談・デモ
決定稟議を通す段階にある提案書・ROI試算・導入支援資料

多くのBtoBマーケティング担当者がやってしまうのは、「認知フェーズ向けの施策」(例:SEO記事)に力を入れながら、「評価・決定フェーズ向けのコンテンツ」(例:事例・ROI資料)を整備しないままにしてしまうことです。見込み客を集めても途中で離脱してしまう原因の多くは、ここにあります。

土台3|見込み客の「質」を数値で定義する(MQL仮基準の設定)

後回しにされがちなのが、MQLの仮基準設定です。MQL(マーケティングクオリファイドリード)とは、「営業に引き渡してよい見込み客の条件」を数値・行動で定義したものです。仮の段階では、以下の2軸でMQL基準を設けることをおすすめします。

属性スコア(BANT)

  • Budget(予算):月次のマーケティング予算が存在するか
  • Authority(決裁権):担当者に決裁権または稟議起案権があるか
  • Need(課題):リード獲得の課題感が明確か
  • Timeline(導入時期):半年以内の検討意向があるか

行動スコア(例)

  • 資料ダウンロード:5点
  • ウェビナー参加:10点
  • 価格ページ閲覧:15点
  • 問い合わせフォーム入力:30点

合計スコアが一定閾値(例:30点以上)に達したリードをMQLとして営業に引き渡す。この仮基準を持つだけで、施策の「成功」を測る物差しが生まれます。MQL基準の本格的な作り方については、MQL判定基準とSLA設計の全手順で詳しく解説しています。

見込み客を増やすオンライン施策6選|選定基準と優先順位

BtoBマーケティングで有効なオンライン施策6つを「どの段階のどんな企業に向くか」という判断軸と合わせて整理します。

オンライン施策は「即効性」と「資産性」のどちらを優先するかで選び方が変わります。各施策の詳細解説はBtoBリード獲得の有効施策9選も参照してください。

コンテンツマーケティング・SEO

向いている企業:中長期でリードを積み上げたい・社内にライティングリソースがある企業
特に刺さるフェーズ:認知〜検討フェーズ(課題を言語化しはじめた顧客)

一度作成したコンテンツが継続的にリードを生み続ける「資産型施策」です。

検索エンジン経由の流入は広告費をかけなくても継続するため、長期的なコスト効率が高い点が強みです。

ターゲットが「課題解決のために検索するキーワード」を選定し、そのキーワードで上位表示される記事を作成します。記事末尾にホワイトペーパーやセミナーへの誘導を設置することで、リード情報を獲得する仕組みが完成します。

KPIの目安:記事公開から上位表示まで3〜6ヶ月。弊社が支援した場合の実績を踏まえた初期仮説として、月間100セッション以上の記事で月1〜5件のリード獲得が目安になりますが、業種や商材単価により大きく変動します。

Web広告(リスティング・ディスプレイ・SNS広告)

向いている企業:即効性が必要・特定のキャンペーン期間にリードを集中させたい企業
特に刺さるフェーズ:認知〜検討フェーズ(顕在層にはリスティング、潜在層にはディスプレイ・SNS広告)

予算を投下したタイミングからリードが流入し始める「即効型施策」です。

リスティング広告は「今すぐ解決策を探している」顕在層に、ディスプレイ・SNS広告は「まだ課題に気づいていない」潜在層へのアプローチに向いています。

ポイントはランディングページ(LP)との連携で、広告でクリックした後のLPが訴求と一致していないと、コンバージョン率が大幅に下がります。

KPIの目安:BtoBマーケティングにおけるリスティング広告のCPA(顧客獲得単価)は業種によりますが、1万〜5万円が目安となります。月次でクリック率・コンバージョン率・CPAを検証し、改善を継続することが前提です。

ウェビナー・オンラインセミナー

向いている企業:専門性・信頼構築を重視する・ナーチャリングにも活用したい企業
特に刺さるフェーズ:検討〜評価フェーズ(解決策を絞り込んでいる顧客)

参加者がテーマに関心を持って登録してくる施策のため、リードの質が高い傾向があります。

弊社の支援では、ウェビナー後のフォローアップを整えた企業で、参加者からの商談化率が展示会名刺と比べて高くなるケースが多く見られます。

参加者のアンケート回答・滞在時間・チャット発言をスコアリングに組み込み、熱量の高い参加者から優先的にインサイドセールスがアプローチする流れが有効です。

ホワイトペーパー・資料ダウンロード

向いている企業:検討フェーズのリードを獲得したい・リード情報(社名・役職)が必要な企業
特に刺さるフェーズ:検討フェーズ(比較・情報収集中の顧客)

フォームへの入力を通じて、氏名・会社名・役職といった詳細情報を取得できます。

資料の内容が「ターゲットの課題に直接刺さる」ものであることが条件です。

「業界別の事例集」「失敗パターンと対処法」「比較検討に使える選定チェックリスト」といった実用性の高いコンテンツが、ダウンロード率と後続のMQL転換率を高めます。

SNSアカウント運用

向いている企業:ブランド認知を中長期で積み上げたい・担当者個人の発信力を活用できる企業
特に刺さるフェーズ:認知フェーズ(まだ課題に気づいていない潜在顧客)

BtoBマーケティングにおいては、XやLinkedIn(リンクトイン)での情報発信が「担当者の信頼構築」に寄与します。ただし、SNS単体でのリード獲得は難しく、他の施策との組み合わせが前提です。

プレスリリース・外部メディア掲載

向いている企業:新製品・新サービスの認知拡大・ニュース性のある情報を持つ企業
特に刺さるフェーズ:認知フェーズ(自社をまだ知らない層へのリーチ)

比較的少ない予算で幅広い層へリーチできます。

ただし、プレスリリース単体でリードを獲得しようとするのは現実的ではなく、セミナー集客やLP誘導との組み合わせで初めて効果が生まれます。

【判断軸】フェーズ別・リソース別の施策選定マトリクス

どの施策を選ぶかは、「フェーズ(今すぐ結果が必要か・中長期で積み上げるか)」と「リソース(予算・人員)」の2軸で考えると整理しやすいです。

即効性重視中長期重視
低予算・少人数テレアポ・プレスリリースコンテンツマーケティング(SEO)
中予算・チームありリスティング広告・ウェビナーホワイトペーパー・SNS運用
高予算・専門チームあり複数広告チャネル組み合わせコンテンツ×MAによる自動化

見込み客を増やすオフライン施策4選|BtoBで今も有効な理由

デジタル化が進む中でも、オフライン施策は「信頼構築の速度」と「特定層へのリーチ」という点でオンラインが補えない価値を持っています。

展示会・セミナー

特に刺さるフェーズ:認知〜検討フェーズ(業界の情報を一度に収集したい顧客)

展示会は、普段オンラインで情報収集をしない層や、業界の最新情報を一度に収集したいビジネスパーソンが集まる場です。

短期間で多くのリードと接触できる点が最大の強みです。ただし、展示会後の「フォロー体制」で商談化率が決まります。

名刺交換したリードをそのまま放置している企業が多い中、展示会翌日以降の自動フォローシナリオをMA(マーケティングオートメーション)で組むことで、商談化率が大幅に改善します。展示会後のMA活用については、展示会リード獲得と商談化の全手順で詳しく解説しています。

テレアポ・インサイドセールス

特に刺さるフェーズ:検討〜評価フェーズ(購買意欲が一定程度高まっているリード)

「テレアポは古い施策だ」という認識は誤解です。現代のテレアポは、「Webサイトを閲覧した企業」「資料をダウンロードした担当者」に対して行うインサイドセールス(非対面型営業)と組み合わせることで、精度の高いアプローチが可能になります。

MAツールの行動ログ(Webサイト閲覧・資料ダウンロード・メール開封)を活用し、熱量が高いリードにタイミングよく電話をかけることでアポ率が向上します。

弊社支援先の一部では、資料ダウンロード直後10分以内の架電で接続率が大きく改善した例もあります。アクションのタイミングと優先順位の整理が成否を分けます。

DM(郵送・FAX)

特に刺さるフェーズ:認知〜検討フェーズ(デジタル接点が取りにくい経営層・現場責任者)

DM(ダイレクトメール)は、メールが届きにくい経営層・現場責任者へのアプローチとして依然として有効です。特にターゲットが「デジタルの情報過多の中で埋もれやすい」業種では、物理的な郵便物が際立ちます。

QRコードをDMに印刷してLPへ誘導し、その後のアクセス解析で関心度を測る活用パターンが、弊社支援先でもよく使われています。

パートナー連携・共催マーケティング

特に刺さるフェーズ:認知〜検討フェーズ(パートナー企業の顧客基盤を通じた新規リーチ)

補完関係にある企業とのパートナー連携は、「互いの顧客基盤を活用して新規リードにアプローチする」施策です。共催ウェビナー・クロスプロモーション・紹介プログラムなどが代表的な形式です。

パートナー企業の信頼を借りた紹介は、最初の接触からすでに一定の信頼関係が前提となっているため、商談化率が通常のリードよりも高くなる傾向があります。

増やした見込み客を「商談」につなげる全体像

見込み客を増やすことと、商談を増やすことは別の取り組みです。増やした先のフローがなければ、リストが積み上がるだけで売上は変わりません。獲得と育成のフローについては、リードジェネレーションとナーチャリングの違いも参考にしてください。

Step.1:リードナーチャリングのシナリオを組む

リードナーチャリング(見込み客を継続的に育成し購買意欲を高めるプロセス)は、BtoBマーケティングで最も後回しにされやすい取り組みです。BtoBの検討期間は商材や業種にもよりますが、数ヶ月から1年程度に及ぶケースが少なくありません。獲得直後にアプローチをやめると、そのリードは競合に流れてしまいます。

基本的なシナリオの組み方は以下の通りです。

Step.1:リードをフェーズ別に分類する(認知・検討・評価)

Step.2:フェーズごとに届けるコンテンツを決める(認知→ノウハウ記事、検討→事例・比較資料、評価→デモ・相談会)

Step.3:配信チャネルと頻度を設定する(メール・ステップメール・リターゲティング広告)

Step.4:フェーズ移行のトリガーを決める(特定コンテンツ閲覧・スコア到達など)

シナリオの詳細については、リードナーチャリングの手法と設計で解説しています。

Step.2:スコアリングで「今すぐ客」を見極める

スコアリングとは、リードの属性(役職・企業規模など)と行動(サイト閲覧・メール開封など)に点数を付け、営業対応の優先順位を数値化する仕組みのことです。

MAツールの普及によって多くの企業がスコアリングを導入できる環境にありますが、「スコアの仕組みが機能せず、スコア上位のリードでも商談化しない」という課題を抱える企業も少なくありません。

弊社の支援事例では、「属性スコア」と「行動スコア」を分けて管理し、両方が一定水準に達したリードのみをMQLとして引き渡す方法が最も効果的でした。行動スコアだけが高くても、意思決定権を持たない担当者では商談につながらないからです。

スコアリングの詳細については、スコアリング設計と運用の実践手順を参照してください。

Step.3:MQL基準を営業と合意してトスアップの流れを作る

トスアップとは、マーケティングが育成したリードを営業に引き渡すプロセスのことです。このプロセスが曖昧だと、「マーケティングが渡したリードを営業がフォローしない」「営業が引き取ったリードのその後が見えない」という状況が生まれます。

SLA(サービスレベルアグリーメント)を締結することで、この問題を構造的に解決できます。SLAに盛り込むべき項目は以下の5点です。

  • MQLの定義:どのスコア・条件を満たしたリードをMQLとするか
  • 引き渡しのタイミング:MQL到達後、何時間以内に営業がアクションするか
  • フォロー期限:何日以内にアポ打診まで完了させるか
  • フィードバックの方法:営業がMQLを「否認」した場合の理由記録と通知方法
  • レビュー頻度:月次でMQL基準を見直すミーティングを設定するか

弊社の支援においても、SLAの締結は「営業とマーケティングの認識のズレを解消する」うえで効果的な取り組みの一つです。

MAツールで獲得から育成までを一元管理する

MA(マーケティングオートメーション)ツールを活用することで、見込み客の獲得・スコアリング・ナーチャリング・営業引き渡しを一元管理できます。

ただし、MAツールは「戦略と事前準備が整っていて初めて機能する」ツールです。整わないままMAを導入した場合、ログが溜まるだけで活用されないという結果になります。

MAツールの選定については、BtoB向けMAツール比較12選も参考にしてください。獲得後のリスト管理については、見込み客管理の仕組みと実践ステップで解説しています。

見込み客獲得でよくある失敗3パターンと対処法

施策を動かしても成果につながらない代表的な失敗が3つあります。いずれも「施策選定の問題」ではなく「事前準備と部門連携の問題」に起因しています。

失敗1|「量を追って質が下がる」施策の問題

「月のリード獲得数を増やせ」というKPIを設定した結果、獲得数は増えたものの商談化率が極端に下がるというケースがあります。量を追うことでターゲットとズレた層まで獲得してしまうからです。

有効な対処法は、KPIを「リード獲得数」から「MQL獲得数」または「商談化率」に変更することです。獲得したリードの全数ではなく、MQLに転換したリードの比率を追うことで、施策の「質」が自然と向上します。

失敗2|「獲得したが育成できない」ナーチャリング不在の問題

BtoBマーケティングでは、獲得したリードのうち今すぐ購入を検討している層はごく一部とされています。「95:5ルール」として知られるこの考え方では、約5%だけが今すぐ市場にいるという趣旨の知見が紹介されています(※正確な比率は商材や業種により異なります)。

残りの大多数は「将来的に購入する可能性があるが、今すぐではない」層です。この層を育てないまま放置すれば、購買検討が具体化したとき、競合から購入されてしまいます。

定期的なメルマガ配信・ウェビナーへの再招待・コンテンツ配信などで接点を維持し、スコアが上昇したタイミングで営業アクションに移行するフローを設けることが対処法です。

失敗3|「営業との認識ズレ」MQL定義の不在

マーケティングで「見込み客を獲得した」と思っていても、営業が「質が低いリードばかり」と感じている場合、原因は「MQLの定義が共有されていない」ことにあります。

SLA締結が解決策ですが、その前に「営業が商談したいリードとはどんな企業・人物か」を双方で言語化するミーティングを設けることが先決です。この対話なくしてMQL基準は機能しません。リードクオリフィケーションの具体的な進め方については、リードクオリフィケーションの実践方法で解説しています。

KPIと費用対効果の整理|稟議に使える数字の出し方

見込み客獲得施策を社内で承認を取るには、KGI(最終目標)から逆算した数字の組み立てが必要です。施策と売上の接続を数値で示すことで、稟議の通りやすさが大きく変わります。

施策別CPA・ROIの目安

以下は弊社支援先の実績を踏まえた初期仮説です。業種・商材の単価・営業サイクルによって大きく変動するため、自社の状況に合わせて検証を重ねながら活用してください。

施策CPA目安立ち上がりまでの期間特記事項
コンテンツ・SEO1,000〜5,000円/リード3〜6ヶ月継続的な資産として積み上がる
リスティング広告5,000〜30,000円/リード1〜4週間LP最適化が成否を左右する
ウェビナー3,000〜20,000円/リード2〜6週間リードの質が高い傾向あり
展示会5,000〜50,000円/リード出展当日〜フォロー体制で商談化率が変わる
ホワイトペーパー2,000〜10,000円/リード公開直後〜属性情報が取得できる点が強み

KGIからKPIを逆算するフレームワーク

KPIは「最終的な売上目標(KGI)」から逆算するのが基本です。以下のフレームで整理してください。

例:年間売上目標(KGI):5,000万円の場合

  • 平均受注単価:100万円 → 必要受注件数:50件
  • 受注率(商談→受注):30% → 必要商談数:167件
  • MQL→商談化率:30% → 必要MQL数:556件
  • リード→MQL転換率:20% → 必要リード数:2,780件
  • 月次目標リード数:232件/月

この逆算を持つことで、「月232件のリードを獲得するために、どの施策にいくらの予算を投じるか」という具体的な稟議資料が作成できます。また、前述の「95:5ルール」のような市場前提(市場の大多数は今すぐ客ではない)と組み合わせると、「なぜこれだけのリード数が必要か」の説明に説得力が増します。KPI設計の詳細フレームワークは、リードジェネレーションのKPI設計法で解説しています。

よくある質問

見込み客を増やすには何から始めればよいですか?

まず取り組むべきは施策の前段にある「土台整備」です。獲得したいターゲットのペルソナ(企業軸・担当者軸の2軸)を明確にし、MQLの仮基準を設定することから始めてください。この土台があることで、どの施策を選べばよいかが明確になり、施策の効果も正しく測れるようになります。

見込み客獲得において、オンラインとオフラインはどう使い分ければよいですか?

使い分けのポイントは「即効性が必要か」と「どの層にリーチしたいか」の2軸です。オンライン施策は中長期での資産積み上げや顕在層へのアプローチに向いており、オフライン施策は信頼構築の速度やデジタルに馴染みのない層へのリーチに強みがあります。両方を組み合わせることで、獲得できる見込み客の幅が広がります。

見込み客を増やしても商談につながらない場合、原因はどこにありますか?

原因の多くは「獲得後の育成(リードナーチャリング)」と「MQL基準の不在」にあります。BtoBでは検討期間が長いため、獲得直後にアプローチをやめると見込み客が競合に流れてしまいます。また、営業とマーケティングのMQL定義が揃っていないと、渡したリードがフォローされないという問題も起きます。

見込み客獲得のKPIはどう設定すればよいですか?

「リード獲得数」だけをKPIにするのは避けてください。年間売上目標(KGI)から受注件数・商談数・MQL数・リード数を逆算し、月次のリード目標を算出することをおすすめします。さらに、KPIを「MQL獲得数」または「商談化率」に設定することで、施策の質も自然と向上します。

見込み客の獲得にMAツールは必要ですか?

MAツールは「あると効率が大きく上がる」ツールですが、導入が先決ではありません。重要なのは、ペルソナ・カスタマージャーニー・MQL基準の準備が先にあることです。整わないままMAを導入した場合、ログが溜まるだけで活用されないという結果になります。準備が整った段階でMAツールを導入することで、獲得から育成・営業引き渡しまでを一元管理できます。

まとめ|見込み客を増やす取り組みを「仕組み」にする

見込み客を増やすうえで押さえるべき3点は、

  1. 土台(ペルソナ・カスタマージャーニー・MQL基準)を先に整える
  2. 施策を「フェーズとリソース」の判断軸で選ぶ
  3. 獲得後の育成・スコアリング・トスアップまで一気通貫で作る

という3点です。

施策を増やすことより、「今ある施策を土台に基づいて機能させること」のほうが成果への近道です。多くの担当者が陥るのは、「次の施策を探す」ことで本来取り組むべき「事前準備の見直し」を後回しにしてしまうパターンです。

まずペルソナの2軸と MQL仮基準の設定から着手してください。この2つが揃うだけで、施策の効果を測れる状態が生まれます。

Sells upでは、BtoBマーケティング支援・MA(マーケティングオートメーション)活用支援・インサイドセールス立ち上げ支援を通じて、「土台整備から実装まで」の一気通貫サポートを行っています。「何から手をつければよいかわからない」という段階からご相談もお待ちしています。

MAツールの導入・活用の相談はSells upへ。

MAツールの導入や、導入後の成果最大化に課題をお持ちでしたら、ぜひSells upにご相談ください。80社以上の導入・活用を支援してきた担当者が貴社の状況・目標に向き合い、最適なツールの導入プラン / 統計知識を用いた活用プラン描き、戦略策定から実装 / 実行 / 効果測定までをご支援いたします。

株式会社Sells up
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。BtoBマーケティングの戦略設計/KPI設計はもちろん、リードジェネレーション施策やナーチャリング、MA/SFA活用を支援し、業界/企業規模を問わずこれまでに約80社以上の支援実績を持つ。Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialist/Tableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。