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Marketo運用代行とは?依頼できる業務範囲・選び方・失敗しない準備を解説

ツールの設定よりも、「何をどう設計するか」で成果が変わります

HubSpot・Account Engagement・Marketoに精通した担当者が、 ツールの設定支援だけでなく、リード育成シナリオやスコアリング設計まで一貫してサポートします。 まずは現状のツール活用状況をお聞かせください。

目次

Marketo(マルケト)運用代行とは、Adobe Marketo Engage(アドビ マルケト エンゲージ)の日々の運用業務を、外部の専門会社に任せるサービスのことです。

弊社が支援してきた企業の中には、Marketoを導入したものの運用体制が整わず、スコアリングが形骸化したまま営業にリードが渡されてしまっているケースが少なくありません。

本記事では、Marketo運用代行で依頼できる業務範囲、代行会社の選び方、そして依頼前に自社で整えておくべき準備について整理してお伝えします。

Marketo運用代行とは?1分でわかる定義と役割

Marketo運用代行とは、Adobe Marketo Engageを使ったマーケティング施策の設計・配信・分析・改善を、外部の専門会社が継続的に担う支援サービスのことです。ポイントは次の3つです。

  • 「導入支援」とは違い、運用開始後の継続業務が対象になる
  • シナリオ改善・スコアリングのチューニング・KPIレポーティングが主な業務になる
  • 月次契約や年次契約など、継続型の契約形態が一般的である

Marketoは機能が非常に豊富なMA(マーケティングオートメーション)ツールのため、導入と初期設定が終わった後も、シナリオの継続的な見直し、スコアリング精度の向上、Salesforce(セールスフォース)との連携設計など、専門知識が必要な業務が途切れずに続きます。

これらを社内リソースだけで抱え込もうとすると、どうしても運用が滞りがちになります。

Marketoの機能や料金については、Marketoの機能と費用の全体像で詳しく解説しています。

導入支援と運用代行の違いを整理する

導入支援は、Marketoの初期設定や要件定義、SFA/CRMとの連携構築、最初のシナリオ設計など、「使える状態にするまでの環境づくり」を担うサービスです。

一方で運用代行は、その後の「日々の改善サイクルを回す業務」を継続的に引き受ける役割を持ちます。

導入支援は1〜3ヶ月程度のスポット契約になることが多く、運用代行は月次・年次での継続契約が基本です。

項目導入支援運用代行
対象フェーズ導入前〜稼働開始まで稼働開始後の継続運用
主な業務初期設定・CRM連携・初期シナリオ構築シナリオ改善・スコアリング・KPI報告
契約期間1〜3ヶ月程度(スポット)月次・年次の継続契約
必要な知識要件定義・技術実装施策設計・データ分析・営業連携

注意したいのは、導入支援と運用代行を別々の会社に依頼するパターンです。

この場合、導入時に組んだシナリオ設計の意図が運用側にうまく伝わらず、設計の一貫性が失われてしまうリスクがあります。可能であれば、導入支援と運用代行を同じ会社に任せることをおすすめします。

どのフェーズで代行会社が必要になるか

代行会社が必要になるタイミングの目安は、「社内のMarketo担当者が、運用の改善にまで手が回らなくなっているかどうか」です。たとえば、次のような状況があてはまります。

  • 担当者が他業務との兼務で忙しく、月次レポートすらまともに作れていない
  • スコアリングを見直したいが、設定変更の影響範囲が読めず手が出せない
  • 新しいシナリオを追加したいものの、既存シナリオとの干渉を判断できる人がいない
  • 営業から「渡されるリードの質が低い」と言われているが、原因を分析しきれていない

こうした状況は、社内だけで解決しようとすると、数ヶ月単位で止まってしまうことが少なくありません。

実際、弊社が支援した企業の中にも、この状態のまま半年以上改善できていなかったケースがいくつかあります。早い段階で外部の知見を取り入れた企業の方が、結果として商談化率の改善スピードは速い傾向にあります。

Marketo運用代行で依頼できる業務5選

Marketo運用代行で任せられる業務は、大きく「技術実装系」「施策設計系」「分析・改善系」の3つに分けられます。具体的には、次の5つに整理できます。

  1. 初期設定・技術実装
  2. シナリオ設計とメール配信の自動化
  3. スコアリング設計と定期チューニング
  4. 効果測定・KPIレポーティング
  5. 戦略立案・SLA設計

どこまで対応できるかは代行会社によって大きく異なります。メール配信の設定代行にとどまる会社もあれば、戦略設計からSLA構築までまとめて支援できる会社もあります。

依頼する前に、自社がどの業務を外部に任せたいのかを整理しておくと、選定が格段に進めやすくなります。

①初期設定・技術実装|トラッキング・CRM連携

初期設定・技術実装とは、Marketoのトラッキングコードの設置、ランディングページとの連携、Salesforceとのデータ同期、Munchkinコードの実装など、ツールを正しく動かすための基盤づくりを指します。

ここは外注メリットが出やすい領域で、マーケ担当だけで対応するには技術的なハードルが高い部分です。

弊社が支援した企業でも、Salesforceとの双方向データ同期の設定ミスが原因で、リード情報がCRM側に正しく流れていなかった例が複数ありました。

「どこで設定が崩れているのか追うだけで2週間かかった」という担当者の声もあり、技術実装こそ代行会社の専門性が生かしやすい部分と言えます。

②シナリオ設計とメール配信の自動化

シナリオ設計とは、ホワイトペーパーのダウンロード後フォロー、展示会後のナーチャリング、休眠顧客の掘り起こしなど、顧客の行動を起点にしたメール配信の流れを組み立てることです。

全体の方向性やターゲット像の整理は社内で行い、具体的な設計と実装を外注する、という切り分けがうまく機能しやすい業務です。

Marketoではエンゲージメントプログラム(Engagement Program)を使ってシナリオを構築しますが、ペルソナやカスタマージャーニーを踏まえずに作ったシナリオは成果が出にくくなります。

たとえば、「資料をダウンロードした翌日にいきなり商品紹介メールを送る」といった設計では、開封率・クリック率ともに落ちてしまうことが多いです。検討フェーズに合わせたコンテンツの出し分けと配信間隔の設計が、成果を左右します。

シナリオ設計の具体的な進め方は、MAシナリオ設計の実践手順で詳しく取り上げています。

③スコアリング設計と定期チューニング

スコアリング設計とは、リードの行動(資料ダウンロード、特定ページの閲覧、メールクリックなど)や属性(役職・企業規模・業種など)に点数を付け、「どのリードを営業に渡すべきか」を自動判定する仕組みを作ることです。

この領域も外注の効果が出やすい一方で、「どんな行動を重視するか」といった方針決めは社内が主導する必要があります。

スコアリングは、一度作って終わりにしてしまうと機能しなくなります。

弊社が支援した企業の多くで、スコアリングを最初に設定してから一度も見直していないというケースが見られました。

弊社では、受注データとの照合を3ヶ月に1度行うことを標準としており、このペースでチューニングを続けないと、スコアと実際の購買意欲の間にギャップが生まれていきます。代行会社に依頼する際には、スコアリングの定期的な見直しが契約範囲に含まれているかを確認しておいてください。

スコアリング設計の考え方や、失敗を避けるためのポイントは、スコアリング設計と失敗回避の全手順で解説しています。

④効果測定・KPIレポーティング

効果測定・KPIレポーティングは、Marketoのプログラムキャンペーン単位・チャネル単位・シナリオ単位で、商談創出数・MQL数・メール開封率などの指標を集計し、月次や四半期ごとに改善案を出していく業務です。

データの集計や分析は外注し、結果の解釈と意思決定は社内で担う、という分担がしやすい領域です。

KPI(重要業績評価指標)の設計があいまいなままレポートだけお願いしてしまうと、「開封率が上がりました」といった表面的な報告に終始しがちです。

代行会社と契約する前に、「どの指標をレポートに含めるか」「改善アクションの提案までセットで行うか」を確認しておくことが大切です。

⑤戦略立案・SLA設計(上位支援)

戦略立案・SLA(Service Level Agreement:マーケと営業のリード引き継ぎルール)設計とは、MQL基準の定義、スコアリングの閾値設計、マーケ部門から営業部門へリードを渡す条件の言語化など、施策の上流を設計する業務です。

ここは、単なる「作業代行」というより、社内と一緒に設計していく「共同作業」に近い領域です。

SLAがないままスコアリングだけ整えても、営業側が「なぜこのリードが送られてくるのか」を理解できず、ホットリードが放置されてしまいます。戦略立案やSLA設計まで踏み込める代行会社は限られるため、このレベルの支援が必要かどうかは、選定時にきちんと確認しておくと安心です。

Marketo運用代行を活用すべき企業・そうでない企業の判断基準

Marketo運用代行が向いているかどうかは、

「Marketoの専任担当者がいるか」
「運用を止めずに改善サイクルを回せているか」

の2点で考えると整理しやすくなります。おおまかには次のようなイメージです。

  • 専任担当者がいない、もしくは他業務との兼務で運用が滞っている企業は、代行を活用しやすい
  • ツールは動いているものの、成果に結びついていない企業も、代行の恩恵を受けやすい
  • MQL基準やペルソナ、スコアリングの方針が決まっていない企業は、代行より前に戦略設計が必要

代行が向いている企業の特徴3つ

代行の活用を検討しやすいのは、例えば次のような企業です。

  • Marketoは動いているが運用が止まっている企業:初期設定は終わっているものの、シナリオの見直しやスコアリングの再設計が手つかずになっている状態です。たとえば、MA担当者が育休に入ってから誰も触れていない、といったケースが典型です。代行会社が入ることで、止まっていた運用を再稼働させやすくなります。
  • マーケティング担当者が1〜2名しかいない企業:少人数でMarketoの運用、コンテンツ制作、営業との連携まで抱えるのは現実的に厳しいケースが多いです。「施策を回すだけで精一杯で、改善まで手が回らない」といった状況で、代行を入れて工数を補うと、施策の質を高めやすくなります。
  • 商談数はある程度あるが、受注率や商談化率を上げたい企業:スコアリングやシナリオの精度を高めることで、営業に渡すリードの質を上げられます。この改善サイクルを代行会社が担うことで、社内リソースをより付加価値の高い業務に振り向けやすくなります。

代行より前に自社で整えるべきことがある企業の特徴

一方で、代行会社に頼んでも成果が出にくいのは、「誰に何を届けるのか」という基本設計が固まらないまま走り始めてしまうケースです。

具体的には、次のような状態にある企業は、代行を急ぐより先に社内での整理が必要です。

  • MQL(マーケティングクオリファイドリード)の定義が社内で合意されていない。たとえば「どの状態になったら営業に渡すのかを、ちゃんと話し合ったことがない」という企業です。
  • ターゲットペルソナが言語化されておらず、誰を育成したいのかが曖昧なままになっている
  • Marketoに溜まっているリストの品質が低く、まずは重複削除や名寄せなどのデータクレンジングが必要な状態

代行会社は「決めたものを動かす」ことには強みがありますが、「何を動かすべきか」を決める部分は、どうしても社内での議論が欠かせません。

この設計がないまま代行を入れてしまうと、コストだけかかって成果が見えにくい状態になりがちです。準備が整う前の発注は、慎重に考えた方が安全です。

代行会社を選ぶ前に自社で整えるべき3つの準備

代行会社選びに進む前に、自社側で整理しておきたいのが

「MQL基準の言語化」
「業務範囲の切り分け」
「情報共有フローの設計」

の3点です。ここが曖昧なままだと、契約後に「想像していた支援内容と違う」というギャップが生まれやすくなります。

準備1:MQL基準と「良いリード」の定義を言語化する

MQL基準とは、マーケティング側が「この状態になったら営業に渡せる」と判断する条件を定めたものです。

たとえば「役職が部長以上で、特定のページを3回以上見ている」といったように、属性と行動の組み合わせで定義します。

弊社がご支援した企業では、代行会社に依頼する前にMQL基準をきちんと言語化していなかったため、せっかく代行会社がスコアリングを作っても営業に使われなかった、というケースがありました。支援の途中で営業から「このスコアが何を示しているのかよくわからない」という声が上がったこともあります。

代行会社が担えるのは、あくまで「社内の合意がある前提での設計」です。まずは営業と一緒に「どのような状態のリードであれば営業に渡すべきか」をすり合わせてから、代行会社に声をかけるようにしてください。

準備2:依頼する業務範囲と内製する業務を切り分ける

業務範囲の切り分けとは、「どこまでを代行会社に任せ、どこからを社内で対応するのか」を言葉にしておくことです。すべてを丸投げすると社内にノウハウが残らず、一方で担当者のキャパシティを超える範囲まで内製しようとすると、運用が止まってしまいます。

目安として、次のような整理が参考になります。

業務カテゴリ内製を推奨代行を推奨
戦略・MQL定義◎(社内合意が前提)△(議論の伴走は可能だが決定は社内)
シナリオ・スコアリング設計△(社内に十分な知識がある場合)◎(専門性が必要で外注メリットが大きい)
Marketo技術実装×(エンジニアリング知識が求められる)◎(代行会社の得意領域)
コンテンツ制作◎(自社のドメイン知識が必須)△(制作自体は外注可能だが方向性は社内)
KPIレポーティング△(数値の意味づけや方針決定は社内)◎(集計・分析作業は外注しやすい)

準備3:代行会社との情報共有・フィードバックフローを決める

情報共有・フィードバックフローとは、「営業の受注・失注データ」「商談化したリードの特徴」「現場の感触」など、代行会社が改善提案を出すために必要な情報を、どのような頻度と形で共有するかを決めておくことです。

月次レポートのチェックだけで済ませていると、どうしても改善のスピードが落ちてしまいます。少なくとも月に1度は、営業からのフィードバックをマーケ担当者経由で代行会社に伝える場を設けるようにすると、施策の精度が上がりやすくなります。

Marketo運用代行会社の選び方|5つのチェックポイント

Marketo運用代行会社を選ぶ際は、「認定資格・実績」「KPI設計力」「SFA連携への対応」「自走化支援」「ノウハウ継承」の5点を確認しておくと、大きな外れを避けやすくなります。どれか1つでも抜けていると、「期待していた支援が受けられない」という事態になりかねません。

なお、ここで扱っているのは「Marketoに特化した運用代行会社」を選ぶ際の基準です。戦略支援や伴走型コンサルティングまで含めた支援会社の比較については、Marketoコンサル会社の選び方も参考にしてください。

チェック1:Marketo関連の認定資格・実績件数

Marketoの運用支援を任せるうえで、Adobe公式の認定パートナーかどうか、Marketo関連の認定資格(Adobe Certified Expert – Marketo Engageなど)を保有しているかは、最初に確認したいポイントです。資格の有無に加え、Marketo固有の支援実績がどれくらいあるかも重要な判断材料になります。

弊社では、Salesforce認定資格を持つ担当者が設計を担当しています。Account Engagement(旧Pardot)とMarketoは競合するツールですが、リードスコアリングの設計、SLAの構築、ナーチャリングシナリオの考え方には共通点が多く、Account Engagement支援で蓄積したBtoBマーケティングの知見をMarketo支援にも活かしています。

チェック2:商談数・受注率をKPIにできるか

代行会社を評価するKPIとして、メール開封率やクリック率といったエンゲージメント指標だけでなく、「MQL数」「MQL→SQL転換率」「商談創出数」まで追える体制になっているかも確認しておきたいところです。

エンゲージメント指標だけを追っている代行会社だと、マーケティングの最終目的である「商談創出」とのつながりが弱くなりがちです。契約前に「どの指標を月次レポートに含めるか」を擦り合わせておくと、期待値のズレを防ぎやすくなります。

チェック3:Salesforce/CRM連携の設計まで対応できるか

MarketoはSalesforceとのネイティブ連携が強みの一つですが、その連携設計には一定の技術知識が必要です。代行会社が、Marketo側の運用だけでなく、SFAへのリード連携、ホットリード通知の仕組み、フィールドマッピングの設計まで対応できるかどうかは、事前に確認しておきましょう。

Salesforce連携の設計が不十分なままだと、スコアが閾値を超えても営業に通知が届かず、ホットリードが放置されてしまいます。特にSalesforceを利用している企業にとっては、ここが代行会社選びの大きな分かれ目になります。

チェック4:自走化・内製化支援まで視野に入れているか

自走化支援とは、代行会社が施策を動かしながら、その設計意図やルール、改善プロセスを社内担当者に伝えていく支援のことです。自走化を前提にしていない代行会社に長く任せ続けると、ノウハウが社内に残らず、契約終了と同時に運用が止まるリスクが高まります。

弊社が推奨しているのは、「代行+自走化支援」というスタンスです。最初は代行会社が手を動かしながら、半年〜1年ほどかけて社内担当者が自分で判断・設計できる状態を目指すことで、長期的なコスト削減と社内のノウハウ蓄積を両立させることができます。

チェック5:ノウハウが自社に残る支援体制か

ノウハウの継承とは、代行会社が作成した設計書、スコアリングルール、シナリオ構成図などが自社に納品され、担当者交代や契約終了後も活用できる形になっているかどうかを指します。

契約前に、「設計ドキュメントはどこまで納品されるのか」「担当者が変わる場合の引き継ぎはどうするのか」といった点を確認しておきましょう。ここをあいまいにしたままにしておくと、代行会社を変えるたびにゼロから設計し直し、同じことを何度も繰り返すことになりかねません。

Marketo運用代行でよくある失敗パターン3選と対処法

Marketo運用代行でよく見られる失敗パターンとして、「スコアリングの丸投げ」「作業代行止まりの設計」「ノウハウが社内に残らない」の3つが挙げられます。

いずれも、依頼前の設計と契約の段階で手を打つことで、かなりの部分を防ぐことができます。

失敗①:スコアリング設計を丸投げし、営業が使わないまま形骸化する

スコアリングを代行会社に完全に任せてしまい、営業部門が「このスコアの意味がわからない」「どう活用すればいいのかイメージが持てない」と感じてしまうケースがあります。

弊社が入ったプロジェクトでも、「このスコアは本当に信用していいんですか?」と営業から問われ、設計の意図が現場に伝わっていなかったことが原因だった例がありました。

この失敗を防ぐには、スコアリングの設計段階から営業担当者に参加してもらうことが重要です。「どのような行動を取ったリードは受注に結びつきやすいのか」を営業の感覚も踏まえて確認しながら設計することで、現場が腹落ちして使えるスコアリングになります。

弊社の支援でも、スコアリング設計の前には必ず営業ヒアリングのセッションを設けています。

失敗②:ツール操作の代行だけで戦略・シナリオが設計されない

「メール配信の設定」や「レポート作成」だけを代行会社が担い、なぜその施策を行うのか、誰に何を届けるのかといった設計が曖昧なまま運用が続いてしまうケースも少なくありません。

半年たってもリードの質が変わらず、「次は件名を変えてみましょう」といった打ち手に終始しているような状態です。

これは代行会社側の問題だけでなく、発注側が「作業だけお願いすればいい」というスタンスで進めてしまうことにも原因があります。

代行会社を選ぶ際は、「作業をお願いする相手」ではなく、「設計を一緒に考えてくれるパートナー」として機能してくれるかどうかを、事前に見極めておくことが大切です。

失敗③:自社にノウハウが残らず、契約終了後に運用が止まる

2〜3年にわたって代行会社に任せたものの、担当者が退職し、代行会社との契約も終了したタイミングでMarketoの運用が完全に止まってしまう、というケースもあります。

「設定の意図を聞いても『そういうものです』としか教えてもらえなかった」という話を、引き継いだ担当者から聞くこともあります。これは、代行会社がドキュメントを残さず、社内への知識移転をしてこなかったことが主な原因です。

対処法としては、契約時に「すべての設計物は自社に帰属する」「月次レビューで設計意図を説明する」「自走化に向けたステップを共有する」といった条件を盛り込んでおくことが有効です。こうした点に前向きではない代行会社の場合は、一度立ち止まって検討し直した方がよいでしょう。

Marketo運用代行の料金相場と費用対効果の考え方

Marketo運用代行の料金は、支援範囲や担当者のレベルによって幅がありますが、おおよそ月額10〜100万円以上のレンジで提供されているケースが多いです。以下は、あくまで一般的な目安としてのイメージです。

なお、Marketo本体のライセンス費用は運用代行とは別に発生します。ツールそのものの費用については、Marketoの料金プランと費用構造をご覧ください。また、MAツール全般の運用代行費用については、MAツール全般の運用代行比較も参考になります。

スポット支援・月額支援・フル伴走支援の料金レンジ

支援タイプ主な対象業務料金レンジ(目安)
スポット支援初期設定・スコアリング設計・単発コンサルティング5〜30万円/案件
月額支援シナリオ改善・月次レポート・定例ミーティング10〜50万円/月
フル伴走支援戦略設計からSLA構築・実装・測定まで一気通貫50〜100万円以上/月

ここで挙げた金額は、弊社および他社の事例から見た参考レンジです。実際には、代行会社や支援内容によって大きく変わります。見積もりを依頼する際は、「どの業務をどこまで依頼するか」を事前に整理したうえで複数社から取ると、比較がしやすくなります。

費用対効果を判断する2つの軸

Marketo運用代行の費用対効果を考える際には、次の2つの軸で見ていくと判断しやすくなります。

軸①:工数削減の効果 社内担当者がMarketo運用に使っていた時間(時間×時給)を試算し、その工数がどれだけ削減できるかを考えます。たとえば月20時間分の工数が浮くと仮定し、社内原価を時給5,000円とすると、月10万円分の価値が生まれる計算になります。

軸②:商談創出への貢献 代行によりMQL数が増え、商談化率も改善した場合の売上インパクトを見積もります。たとえばMQLが月20件増え、そのうち10%が商談化し、1件あたりの商談単価が100万円であれば、月200万円分の商談機会が増えたことになります。あくまでシミュレーションですが、このような試算を代行会社と共有しておくと、費用対効果を具体的に議論しやすくなります。

Sells upのMarketo運用代行支援でできること

Sells upは、BtoBマーケティング支援に特化し、HubSpot・Account Engagement・Marketoの3ツールにわたって、MAの選定・導入・活用支援をこれまで80社以上に提供してきました。

Marketo支援においては、ツール設定の代行にとどまらず、リードスコアリングの統計的な設計、SLAの構築、ナーチャリングシナリオの設計まで、一連のプロセスを一貫してサポートしています。

弊社の支援の特徴は、「代行で成果を出しつつ、社内担当者が自ら意思決定できる状態を目指す」という方針にあります。施策の設計意図やスコアリングのロジック、シナリオの改善プロセスを丁寧に伝えながら進めることで、担当者の理解度を高め、契約終了後も運用が止まらない状態を目指しています。

弊社がMarketo支援を通じてどのような成果を出してきたかについては、Marketo活用で成果が出た事例もあわせてご覧ください。

Sells upが支援の起点とする「戦略設計ファースト」の考え方

弊社の支援では、ツールの設定に入る前に「戦略の設計」をしっかり固めることからスタートします。具体的には、MQL基準の言語化、ペルソナの再定義、カスタマージャーニーとシナリオの紐づけ、SLAの合意といった上流設計を、支援開始から1ヶ月ほどで社内の担当者や営業部門と一緒に整理していきます。

この設計が整うことで、Marketoのスコアリングやシナリオ、レポーティングが、すべて「商談創出」という共通のゴールに向かって動き出します。Marketoを導入したものの成果が出ていない場合、多くのケースでこの上流設計が不十分だったことが原因です。まずは現状のMarketo活用状況をヒアリングするところからご一緒できればと思います。

まとめ:Marketo運用代行は「業務委託」ではなく「設計の共同作業」

Marketo運用代行に関するポイントをあらためて整理します。

  • Marketo運用代行は、稼働後の継続的な改善サイクルを担うサービスです。導入支援とはフェーズが異なり、シナリオの改善、スコアリングのチューニング、KPIレポーティングが主な役割になります。
  • 代行で任せられる業務は5つに整理できます。初期設定・技術実装、シナリオ設計、スコアリング設計、効果測定・KPIレポーティング、戦略立案・SLA設計という5つの領域です。
  • 代行会社を選ぶ前に、自社で整えておきたい準備は3つあります。MQL基準の言語化、業務範囲の切り分け、情報共有フローの設計を事前に済ませておくことで、契約後のギャップを減らせます。
  • 代行会社の選定は、5つのチェックポイントが目安になります。認定資格や実績、KPI設計力、CRM連携への対応、自走化支援の有無、ノウハウ継承の仕組みを必ず確認してください。
  • よくある失敗は、「スコアリングの丸投げ」「作業代行だけで設計がない」「ノウハウが残らない」の3つです。いずれも、依頼前の設計と契約条件の段階で予防することができます。

FAQ:Marketo運用代行についてよくある質問

Q. Marketo運用代行では具体的にどのような業務を依頼できますか?

Marketo運用代行で依頼できる主な業務は、初期設定・技術実装、シナリオ設計とメール配信の自動化、スコアリング設計とチューニング、効果測定・KPIレポーティング、戦略立案・SLA設計の5つです。ただし、どこまで対応しているかは会社ごとに違うため、特にスコアリングの見直しや戦略部分まで扱ってくれるかどうかは、契約前に必ず書面で確認しておくことをおすすめします。

Q. 社内にMarketo担当者がいなくても依頼できますか?

依頼すること自体は可能ですが、MQL基準やペルソナ、営業との連携フローについて社内で意思決定できる担当者が、最低1人は必要です。意思決定の窓口がいないと、代行会社側も設計を進めづらくなります。

Q. 運用代行と導入支援の違いは何ですか?

導入支援は「Marketoを使える状態にするまでの環境整備」を行うもので、運用代行は「稼働後の継続的な改善サイクル」を担うものです。導入支援は1〜3ヶ月程度のスポット契約になることが多く、運用代行は月次の継続契約が基本です。両方を同じ会社に任せることで、設計の意図が途切れずに済みます。

Q. 見積もり依頼時に何を伝えるとスムーズですか?

「どの業務を代行したいか」「自社のMarketo活用状況(稼働中か、止まっているのか)」「SalesforceなどのSFAとの連携の有無」「月次で社内がどれくらい工数を割けるか」の4点を整理して伝えると、代行会社側も具体的な提案をしやすくなります。また、途中解約の条件や設計ドキュメントの帰属についても、初回の相談段階で確認しておくと安心です。

Q. 代行会社を途中で変更することはできますか?

途中で変更することはできますが、設計ドキュメントや運用ルールが前の代行会社の手元にしかない場合、引き継ぎが難しくなります。最初の契約時に「すべての設計物は自社に帰属する」と明記し、最短契約期間や解約時の条件も確認しておくと、いざというときに動きやすくなります。

Q. 運用代行を依頼しながら、将来的に内製化することはできますか?

内製化を見据えた支援を提供している会社であれば可能です。弊社では、代行しながら設計意図を社内担当者に伝えていく「代行+自走化支援」を前提としています。将来的に内製化したい場合は、契約前に、自走化を支援メニューに含めているかどうかを確認しておくとよいでしょう。

Q. Marketo運用代行を依頼しても成果が出ない場合、考えられる原因は何ですか?

多いのは、代行を始める前の段階でMQL基準やペルソナ、スコアリングの方針が決まっていなかったパターンです。代行会社は「決まったものを動かす」ことには長けていますが、「何を動かすべきか」を決めるには社内の合意が必要です。成果が出ないと感じる場合は、戦略設計の上流部分から見直すことをおすすめします。

ツールの設定よりも、「何をどう設計するか」で成果が変わります

HubSpot・Account Engagement・Marketoに精通した担当者が、 ツールの設定支援だけでなく、リード育成シナリオやスコアリング設計まで一貫してサポートします。 まずは現状のツール活用状況をお聞かせください。

株式会社Sells up 代表取締役
③支援会社選定・外部支援系
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。BtoBマーケティング支援会社として、デジタルマーケティング戦略設計・MA/SFA導入・リードジェネレーション・ナーチャリング・営業連携SLA構築を80社以上に提供し、売上成長への貢献実績を持つ。Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement SpecialistおよびTableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。