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MAシナリオ設計とは?BtoBで商談を生む設計手順・スコア連動・失敗対処の手順

MAシナリオ設計の4ステップとスコアリング連動・IS自動通知構築の実務フロー

ツールの設定よりも、「何をどう設計するか」で成果が変わります

HubSpot・Account Engagement・Marketoに精通した担当者が、 ツールの設定支援だけでなく、リード育成シナリオやスコアリング設計まで一貫してサポートします。 まずは現状のツール活用状況をお聞かせください。

目次

MA(マーケティングオートメーション)のシナリオ設計とは、見込み顧客の行動や属性、検討フェーズに合わせて、最適なタイミングで最適な情報を自動配信するコミュニケーションフローをあらかじめ組み立てておく仕組みを指します。

MAツールを導入したものの、具体的なシナリオの組み方がわからず、活用が止まってしまっているBtoBマーケティング担当者は少なくありません。

弊社にも、シナリオの「出口」にあたるMQL条件やスコアリングとの連動が設計されていないまま運用しており、その結果、ステップメールは組んだものの商談化に結びつかないという状況にある企業から多くご相談いただきます。

本記事では、シナリオ設計の定義から、4要素フレームワーク、スコアリングとのつなぎ方、ありがちな失敗パターンとその対処法まで、80社以上の支援経験をもとに解説します。

MAシナリオ設計とは?定義とリードナーチャリングにおける役割

MAシナリオ設計とは、見込み顧客が特定の行動を取った際に、事前に設定したアクションを自動で返す「条件分岐つきのコミュニケーション設計」を行うことです。

シナリオ設計で押さえておきたいポイントは3つあります。

  1. 条件に応じて複数の分岐を持たせられること
  2. 行動データとスコアリングを組み合わせて自動判定できること
  3. シナリオの終点をMQL条件や営業へのトスアップときちんと接続できること

この3点が揃ってはじめて、「リードを育てて商談につなげる」という本来の目的が果たせます。

BtoBマーケティングにおいてMAシナリオが重要になるのは、購買サイクルが長く、複数の意思決定者が関わるBtoBの商談では、リードを放置している時間がそのまま競合への流出リスクになるためです。1件ずつ人手でフォローするには限界があるため、シナリオによる自動ナーチャリングを仕組み化することで、機会損失を防ぐことができます。

MAツール全体の導入設計については、MAツール導入の全体設計で詳しくご紹介しています。

MAシナリオとステップメールはどう違うのか?

よく混同されますが、MAシナリオとステップメールは設計の考え方が大きく異なります。ステップメールが「登録から何日後にどのメールを送るか」というように時系列ベースで固定した配信設計であるのに対し、MAシナリオはリードの行動やスコアに応じて進行ルートが変わる、条件分岐型の設計になっています。

項目MAシナリオステップメール
分岐条件に応じて複数の分岐を持てる時系列に沿った固定配信(分岐なし)
起動条件行動トリガーやスコア閾値など動的な条件登録日からの経過日数など静的な条件
向いている用途ナーチャリング全体の自動化・ISへの通知連携セミナー後のフォローなど単発のフロー

ステップメールは、シナリオ全体の中の一つの部品として組み込むイメージです。「資料ダウンロード後に3通送る」といったステップメールを、シナリオの一分岐として配置する形が、現場では一般的な使い方です。

リードナーチャリングの全体像と各施策の位置づけについては、別の記事で整理しています。

シナリオ設計を始める前に確認すべき前提条件

これまで支援してきた企業で、シナリオがうまく機能しなかったケースを振り返ると、多くの場合、原因はシナリオそのものの出来よりも「スタート前の準備不足」にあります。特に確認しておきたい前提条件は、リード母数・コンテンツ資産・スコアリング設計の3つです。

この3つが整う前にシナリオを細かく作り込んでも、実際に各分岐に到達するリードがほとんどいない、といった状況になりがちです。まずは現状を把握したうえでシナリオ設計に着手することをお勧めします。

リード母数が少ない段階でシナリオを優先すべきでない理由とは?

弊社の支援先の傾向を見ると、ハウスリストの件数がまだ少ない段階では、凝ったシナリオを組むよりも、リードジェネレーション施策を強化して母数を増やした方が、結果として商談数の増加に直結するケースが多くあります。

シナリオは、メール開封率やサイトへの再訪率、各アクションの実行率といった確率の掛け合わせで機能します。そのため、もともとのリスト件数が少ないと、複数のステップを経由した先に辿りつくリードはどうしてもわずかになってしまいます。このような状況では、シナリオに工数をかけるより、母数拡大にリソースを振り向けた方が合理的です。

どの程度の件数からシナリオを重視するかは、業種やターゲット、商材単価によって変わります。一つの目安として、「各分岐に到達するリード数が常にひと桁になっていないか」を確認してみるとよいでしょう。

コンテンツマッピングとカスタマージャーニーの準備

コンテンツマッピングとは、リードの検討フェーズごとに有効なコンテンツを整理しておく作業です。一般的には、TOFU・MOFU・BOFUという3つのフェーズで整理します。シナリオ設計と同時にコンテンツの棚卸しを行い、「ここで出せるコンテンツがない」といった抜けがないかをあらかじめチェックしておきます。

フェーズリードの状態有効なコンテンツ
TOFU|情報収集課題を認識しはじめた段階課題解決型ホワイトペーパー、業界動向レポートなど
MOFU|比較検討具体的な解決策を比較している段階導入事例、他社比較資料、機能紹介動画など
BOFU|最終決定導入を具体的に検討している段階個別相談会、無料トライアル、料金シミュレーションなど

特にTOFUのコンテンツが不足している場合は、まずはステップメール型のシンプルなシナリオ1本から立ち上げ、コンテンツを増やしながら徐々に分岐を追加していく進め方が現実的です。弊社の支援では、まずTOFUコンテンツを数本揃えてシナリオを走らせ、その反応データを見ながらMOFU以降の施策を広げていく形がうまくいくケースが多く見られます。

MAシナリオ設計の基本フレームワーク「誰に・いつ・何を・どのように」

弊社がシナリオ設計をお手伝いする際は、必ず最初に「誰に(セグメント)」「いつ(タイミング)」「何を(コンテンツ)」「どのように(チャネル)」という4つの要素を整理するところからスタートします。

この4つの中でも、とくにシナリオの成果に直結しやすいのが「誰に」のセグメント設計です。とはいえ、4要素すべてについて具体的な条件まで落とし込まないと、MAツール上で実装することはできません。抽象的な言葉で止めず、担当者同士が同じイメージを持てるレベルまで明文化しておくことが重要です。

「誰に」セグメント設計の方法

セグメント設計とは、シナリオの対象となるリードを、属性データと行動データという2つの軸で絞り込む作業です。どちらか一方だけで絞ってしまうと対象が偏りやすいため、基本的には2軸の組み合わせで条件を設定します。

条件例
属性セグメント業種:製造業・SaaS/企業規模:従業員100名以上/役職:課長以上 など
行動セグメント価格ページを複数回閲覧/資料ダウンロード経験あり/メールをクリック済み など

最初のシナリオでは、条件を詰め込みすぎないことがむしろ重要です。「ウェビナー参加者全員」「資料をダウンロードした方全員」といったシンプルな条件から始め、運用しながら条件を絞り込んでいく方が、対象者がゼロになってしまうリスクを避けやすくなります。

「いつ」配信タイミングの設計

配信タイミングの設計では、行動を起点にするトリガー型と、日時を起点にするバッチ型という2種類の考え方を使い分けます。BtoBのナーチャリングでは、購買意欲が高まった瞬間を逃さないためにも、トリガー型を軸に設計するケースが多くなります。

タイプ起動条件の例向いているシナリオ
トリガー型資料ダウンロード直後/価格ページの複数回閲覧/フォーム送信 など行動検知からISへ通知するホットリード対応 など
バッチ型前回アクションから一定期間経過/四半期ごとの定期タイミング など休眠リードの再活性、定期的な情報提供 など

配信頻度については、弊社が支援してきたBtoB企業の傾向として、同じリードに対して配信が多すぎるとオプトアウト率が上がりやすいと感じています。実際にどのペースが適切かは業界や商材によって変わるため、自社の配信実績を見ながら、ABテストで最適な頻度やタイミングを探っていくことをお勧めします。

「何を」コンテンツの選定とマッピング

コンテンツを選ぶ際の基本は、リードの検討フェーズと抱えている課題に合わせて、事前にコンテンツマッピングを組んでおくことです。業種別や役職別に文章を出し分けるだけでも、開封率やクリック率が変わってくるケースはよくあります。

一方で、パターンを増やしすぎると制作・運用の手間が一気に増えます。弊社の支援では、まずTOFU段階のコンテンツを優先的にいくつか揃え、そこで得た反応データをもとに、必要に応じてMOFU・BOFU向けのコンテンツやパーソナライズを足していく、という順番がうまく回りやすいです。このあたりはあくまで経験則なので、自社のリソースや状況と相談しながら調整してみてください。

「どのように」チャネル設計

BtoBのシナリオでは、メインとなるチャネルはメールであることがほとんどですが、メールだけで完結させず、IS(インサイドセールス)への通知やサイト上のポップアップなど、他チャネルとの組み合わせ方が成果を大きく左右します。メールで検討意欲を高め、行動スコアが一定のラインを超えた段階でISに自動通知する、という二段構えの設計は、弊社の支援でも機能しやすいパターンです。

実践シナリオ例3選:スコア連動の出口設計つきBtoB向けテンプレート

ここからは、実際に弊社が支援してきた企業で使われている設計パターンをもとに、代表的なシナリオ例を3つご紹介します。いずれも「スコアと出口設計」をセットにしている点が、一般的なテンプレートとの違いです。

シナリオのゴールが曖昧なまま運用していても、どこをどう改善すればよいかが見えてきません。まずは出口まで含めて一つの線で描くところから始めてみてください。

資料ダウンロード後のステップメール型シナリオ

誰にホワイトペーパーや事例資料をダウンロードしたリード
いつダウンロード直後(1通目)→数日後(2通目)→約1週間後(3通目)
何を1通目:関連するお役立ち情報/2通目:類似企業の導入事例/3通目:個別相談やデモの案内
出口設計3通目のクリックなど、あらかじめ決めたアクションがあったタイミングでスコアを加算し、行動スコアが設定した閾値に達したらMQL判定としてISにトスアップ

各メールの間隔は、商材の検討期間や自社リードの反応を見ながら調整してください。ここで挙げた日数は、あくまで弊社支援先での一例であり、業界や商材によって適切なペースは変わります。

ステップメールのより詳細な設計方法については、ステップメールの設計手順をご覧ください。

キーページ訪問検知からIS自動通知へのシナリオ

誰にサービスページや価格ページを3日連続で訪問しているリード
いつ3日連続の訪問が検知された当日
何をIS担当者に対するアラート通知(リード情報・訪問ページ・スコアなどを添えて通知)
出口設計IS担当が速やかに架電し、結果をSFAに記録。その情報をマーケティングにフィードバックし、シナリオやスコアリングの改善に活かす

たとえば、弊社がご支援している株式会社CLUE様では、サービスページへの3日連続訪問を検知してISに自動連携する仕組みを構築しました。この仕組みによって、「営業が自分でリードを探しに行く状態」から「行動データをもとにISが動く状態」へシフトすることができました。


戦略立案、施策の実行、そして人材育成。非連続な成長を続けるスタートアップのマーケ立ち上げとその裏側

取り組みがスタートした2019年当時、株式会社CLUEでは営業活動は進められていたものの、社内にマーケターが不在だったことからマーケティング施策に取り組めないという課題を抱えていました。そこでマーケティング戦略の立案から施策の実行、インサイドセールスチームの立ち上げまで幅広い支援サービスをご提供させていただきました。

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休眠リード再活性化シナリオ

誰に一定期間アクションが見られない休眠リード(スコア減衰適用後)
いつ休眠と判定したタイミング以降、四半期に1回程度
何を最新の業界動向、新しい導入事例、製品アップデート情報など、「以前にはなかった新しい価値」を感じてもらえるコンテンツ
出口設計メールの開封やクリックが発生したリードをアクティブ層に再分類し、通常のナーチャリングシナリオに戻す

休眠リードへのアプローチは、売り込み色が強く出てしまうと再度のオプトアウトにつながりやすくなります。「役に立つ情報を届ける」というスタンスを大切にし、焦らず関係性を温め直していく意識が重要です。

弊社の支援においては、一定期間アクションのなかったリードに対してスコア減衰をかけたうえで再アプローチシナリオを回すことで、再びアクティブな状態に戻るリードが一定数現れるケースが何度もありました。具体的な減衰期間や減衰幅は、商材や購買サイクルによって適切な値が変わるため、自社のデータを見ながら調整していくことをお勧めします。

スコアリングとシナリオの接続方法:MQL判定との連動設計

特につまずきが多いのが「MQL条件をどう決めるか」という部分です。ここでは、シナリオの「出口」をMQL(Marketing Qualified Lead)の条件と結びつけ、一定のスコアに達したリードを自動的にISへトスアップする仕組みづくりについて解説します。

MQL条件が曖昧なままでは、「どこまで育ったらシナリオを終えてよいか」が判断できません。また、HOTリードの定義を行動データと紐づけて決めておくことで、営業側と共通認識を持ちやすくなります。この2点が、シナリオと営業連携をつなぐ重要な接点になります。

スコアリング設計の基本的な考え方については、リードスコアリングの設計基礎でまとめています。

MQL条件の設計とシナリオのゴール設定

MQL条件とは、マーケティング側が「ここまで育っていれば営業に渡す価値がある」と判断するための基準です。

弊社が支援している企業では、属性スコアと行動スコアの両方を使い、AND条件でMQLを判定する設計を採用しるケースが多くあります。属性スコアだけに頼ると、行動データが乏しい潜在層が紛れ込みやすく、逆に行動スコアだけに頼ると、企業規模や役職がターゲット外のリードが混ざりやすい傾向があるためです。

具体的にどこを閾値とするかは、商材の単価や商談規模、営業体制によって変わってきます。「営業がフォローしやすいリストになっているか」という視点で、営業部門と定期的にすり合わせながら調整していくことが大切です。

MQL条件の決め方をより詳しく知りたい方は、MQL判定基準の設計方法も合わせてご覧ください。

HOTリード検知とインサイドセールスへのトスアップ設計

HOTリードとは、MQL条件を満たしているうえで、価格ページの閲覧や資料ダウンロードなど、購買意欲と相関の高い行動を短期間に取っているリードを指します。弊社の支援では、こうした条件を満たしたリードをシナリオ上で自動的に検知し、そのタイミングでISに通知が飛ぶような設計にするケースが多くあります。

たとえば、株式会社SmartHRでは、ユーザーの行動データを起点にトリガーメールを設計・実装した結果、マーケティングチーム全体の問い合わせ数が1年間で約10倍に増加しました。この事例から、シナリオと行動データを適切に連動させることが、商談化率に大きく影響することが分かります。


1年間で約10倍の問い合わせ数を獲得!急成長のマーケチームを支えたMA活用支援の裏側に迫る

SmartHR Plusのプラットフォーム事業部が、Account Engagement導入初期にSells upのMA活用支援を活用した事例。社内知見ゼロの状態からトリガーメール・スコアリング設計・40超のフォーム構築まで一貫支援し、1年で問い合わせ数約10倍を達成。マーケチーム立ち上げ期にMA成果を最速で出す支援の全貌を公開。

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MAシナリオのよくある失敗パターンと対策

これまで支援してきた企業で、シナリオが期待したほど成果につながらなかったケースを振り返ると、原因は大きく「配信タイミング」「セグメントの粒度」「営業との連携」という3つの軸に整理できます。とくに多いのが、「最初からシナリオを複雑にしすぎていること」と「SLAが決まっていないこと」の2つです。

配信タイミング・頻度の設計ミス

配信頻度が高すぎると、オプトアウトが増え、せっかくのリストが摩耗してしまいます。弊社が関わってきた企業でも、同じリードに対して立て続けに配信してしまい、関係性を損ねてしまうパターンがよくありました。どの程度の間隔が適切かは、自社のリードデータをもとにABテストで確かめていくのがおすすめです。

たとえば、資料ダウンロード直後のトリガーメールひとつを取っても、「すぐに送るパターン」と「数時間あけてから送るパターン」で開封率が変わることがあります。複数パターンを試しながら、自社にとっての最適なタイミングを探っていきましょう。

シナリオが複雑すぎて管理できなくなる

分岐を増やしすぎると、1つひとつの分岐に到達するリードが極端に少なくなり、どのパターンが機能しているのか判断しづらくなります。

弊社の経験として、最初のシナリオは分岐を3つ程度までに抑え、シンプルに始めることをお勧めしています。

たとえば、「メール開封 → 次のメールを送る」「メール未開封 → 別コンテンツを送る」「スコアが閾値に達したらISに通知」という3つの分岐は、シンプルかつ結果を追いやすい基本形の一例です。より入り組んだシナリオは、このようなシンプル版を数ヶ月運用し、データがたまってきてから追加していく順番が現場では適しています。

シナリオ終了後に営業連携が切れる

SLA(マーケと営業の引き継ぎルール)が決まっていないと、せっかくシナリオからMQLが上がってきても、営業側でフォローされず、そのまま放置されてしまうことがあります。その状態では、MAシナリオの成果も見えません。

SLAの最低限の要件としては、「HOTリード通知から初回連絡までの時間」と「一定期間内に接触できなかった場合にどう扱うか」という差し戻しルールを文書にしておくことが挙げられます。具体的に何時間以内に連絡するかといったラインは、業界や商材、ISの体制によって変わるため、営業側とよく相談しながら、現実的に守れる基準を決めることが重要です。SLAがないままでは、シナリオの効果をきちんと測ること自体が難しくなります。

MAシナリオ設計 実装チェックリスト

最後に、シナリオの設計から運用開始までの流れを7つのステップに整理しました。設計の抜け漏れ確認に活用していただければと思います。

ステップ確認内容チェックポイント
Step.1前提条件の確認リード母数・コンテンツ資産・スコアリング設計の3点が整っているか
Step.2セグメント定義属性セグメントと行動セグメントの2軸で対象者を明文化できているか
Step.3コンテンツマッピングTOFU・MOFU・BOFUそれぞれのフェーズに対応するコンテンツが揃っているか
Step.4タイミング設計トリガー型とバッチ型を使い分けた配信タイミングが設計されているか
Step.5出口設計(MQL条件)どのスコアや条件でMQLと判定し、ISに渡すのかが明文化されているか
Step.6SLA策定HOTリード通知後の初回連絡タイムラインと差し戻しルールについて、営業と合意できているか
Step.7効果測定・改善サイクル開封率・クリック率・MQL数・商談化率を定点観測し、マーケと営業の合同で振り返る場を設けているか

まとめ

MAシナリオ設計とは、見込み顧客の行動や属性、検討フェーズに合わせて最適なコミュニケーションを自動化するための設計そのものです。中でも、シナリオの「出口」となるMQL条件やHOTリード判定、SLAをセットで設計できているかどうかが、成果を左右する大きなポイントになります。ステップメールを構築したのに商談が増えないケースでは、この出口設計が抜けていることが少なくありません。

着手の順番としては、リード母数がまだ少ない段階ではシナリオよりも母数拡大を優先し、コンテンツとスコアリング設計の土台が整ってからシナリオに本格的に取り組む方が、結果として効率的です。最初はシンプルなシナリオから始め、データがたまってきた段階で徐々に精度を上げていく方が失敗しにくい進め方だと感じています。

Account Engagement Specialistの資格を持つ担当者が、80社以上の支援を通じて実感しているのは、シナリオそのものの複雑さよりも、「スコアリングとのつなぎ方」と「営業とのSLA整備」にしっかり向き合った企業ほど、商談化率が安定して伸びていくということです。本記事の内容を、自社の前提条件を整理するところから一つずつ確認していくためのガイドとして活用していただければ幸いです。

よくある質問

MAシナリオ設計とは何ですか?

MAシナリオ設計とは、見込み顧客が特定の行動を取ったときに、あらかじめ決めておいたアクション(メール配信・IS通知・コンテンツの出し分けなど)を自動で返す、条件分岐つきのコミュニケーションフローを事前に組み立てることを指します。単純に時系列でメールを送るステップメールと異なり、リードの行動やスコアに応じて複数のルートに分岐する点が特徴です。

MAとは何の略ですか?

MAはMarketing Automation(マーケティングオートメーション)の略で、見込み顧客の獲得(リードジェネレーション)から育成(リードナーチャリング)、営業へ渡すかどうかの判定(リードクオリフィケーション)までの一連のマーケティング活動を、自動化・効率化するためのツールや考え方を指します。

代表的なMAツールには何がありますか?

BtoBマーケティングの現場でよく使われているMAツールとしては、Account Engagement(旧Pardot)、HubSpot Marketing Hub、Adobe Marketo Engageの3つが代表的です。Account EngagementはSalesforceとのネイティブ連携、HubSpotは直感的にワークフローを組める操作性、Marketoは大規模データやきめ細かなセグメントに強みがある、といった特徴があります。

SalesforceのBtoB向けMAツールとは何ですか?

SalesforceのBtoB向けMAツールは、Account Engagement(Marketing Cloud Account Engagement、旧称Pardot)です。SalesforceにはほかにBtoC寄りのMarketing Cloudもありますが、BtoBのリードナーチャリングやシナリオ設計に使われるのはAccount Engagementです。Engagement Studioという機能を使うことで、ビジュアルなフロー画面上でシナリオとスコアリングカテゴリを組み合わせたナーチャリング設計ができる点が特徴で、すでにSalesforce CRMを利用している企業との相性が良いツールです。

MAシナリオを設計したのに商談数が変わらない場合、何が原因ですか?

よくいただくご相談です。よくある原因としては、シナリオの出口設計(MQL条件・HOTリードの定義・SLA)が詰め切れていないケースが挙げられます。シナリオでリードが育っても、「どのタイミングで、どの条件を満たしたら営業に渡すか」が決まっていないと、商談化プロセスが動きません。もう一つ多いのが、リード母数が少ない段階でシナリオを作り込みすぎているケースです。この場合はいったん母数拡大に比重を移すなど、施策の順番を見直す必要があります。

営業がHOTリードをフォローしてくれない場合、どう改善すればいいですか?

こちらも非常によくご相談いただくテーマです。理由として多いのは、「HOTリードの定義が営業側に納得感を持って受け止められていない」か、「SLAが決まってはいるものの運用されていない」かのどちらかです。改善の第一歩としては、直近でISが追ったHOTリードの商談転換率や受注率をマーケティング・営業で一緒に振り返り、スコアリングの有効性を数字で共有することが有効です。そのうえで、「いつまでにフォローするか」「フォローできなかったときにどう扱うか」というSLAの運用ルールを見直し、現場目線で合意できる形にアップデートしていくと、徐々にフォロー率と商談化率の両方が改善していきます。

ツールの設定よりも、「何をどう設計するか」で成果が変わります

HubSpot・Account Engagement・Marketoに精通した担当者が、 ツールの設定支援だけでなく、リード育成シナリオやスコアリング設計まで一貫してサポートします。 まずは現状のツール活用状況をお聞かせください。

株式会社Sells up 代表取締役
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。メールシナリオ設計・スコアリング連動・コンテンツとフェーズの整合を含むナーチャリング運用の一体設計を80社以上に提供し、リードの商談化率向上を実現してきた実績を持つ。Account Engagement SpecialistおよびTableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。