リード管理とは?BtoBで成果を出す仕組みの全体像と実践ステップを解説
「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために
施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。 こうした課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。 Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。
リード管理とは、見込み顧客に関する情報を一元管理し、購買につながる適切なアプローチを継続的に実現する仕組みのことです。
施策を動かしているのに商談が増えない、獲得したリードがどこに行ったか分からない。
そんな課題を抱える担当者に向けて、本記事では「リード管理の仕組みをどのように設計・構築するか」という全体像の理解を目的にして、リード管理の基本概念から、BtoBで成果につながる実践的な設計ステップまでを解説します。
リード管理とは何か
リード管理とは「見込み顧客に関する情報を一元管理し、購買につながる適切なアプローチを継続的に実現する仕組み」のことです。単なる顧客情報の整理ではなく、マーケティングと営業の両部門が連携して「次のアクションを生む」ことがゴールになります。
リード管理の要点を整理すると、
- 見込み顧客の状態を可視化すること
- 状態に応じた適切なアプローチを設計すること
- マーケと営業が共通の基準で動くこと
の3点です。
リード管理は、より大きな概念であるデマンドジェネレーションの全体像の中に位置づけられます。需要創出の戦略全体を理解した上でリード管理を設計することで、施策の方向性がぶれにくくなります。
そもそもリードとは何か?
リード(Lead)とは、自社の商品・サービスをまだ購入していないが、将来的に顧客になる可能性がある見込み顧客のことです。
BtoCでは「個人」をリードとして扱うことが多いですが、BtoBでは「企業・部門単位」でリードを捉える必要があります。なぜなら、BtoBの購買意思決定は担当者1人ではなく、複数の関与者によって行われるからです。
具体的には、現場の担当者・上長・情報システム部門・経営層など、異なる役割を持つ複数の人物が検討プロセスに関与します。
この「組織としてのリード」という視点が、BtoBのリード管理をBtoCより複雑にしている根本的な理由です。
リードの種類(MQL・SQL・SGL)
リードは購買意欲や獲得経路によって分類されます。主な種類は以下の3つです。
- MQL(Marketing Qualified Lead:マーケティング部門が育成した見込み顧客):マーケティング施策を通じて獲得・育成し、一定の関心度に達したと判断されたリードです。ウェビナー参加・資料ダウンロード・複数回のサイト訪問などの行動を基に判断します
- SQL(Sales Qualified Lead:営業部門がアプローチすべき見込み顧客):MQLの中から、営業担当者が商談化できると判断したリードです。インサイドセールスがアポイントを打診すべき状態とも言えます
- SGL(Sales Generated Lead:営業部門が直接獲得したリード):テレアポや展示会での名刺交換など、営業活動を通じて直接獲得したリードです
BtoBでは特にMQLからSQLへの引き渡しプロセスが成果を左右します。この引き渡し基準が曖昧なまま運用すると、マーケと営業の断絶が生まれます。この点については後述のStep.2で詳しく解説します。
MQLとSQLの定義の違いや、両者の引き渡しルールの設計方法については、MQLとSQLの定義とSLA設計で詳しく解説しています。
リード管理とCRM・SFA・MAツールの違い
誤解されやすい点として「CRM(顧客関係管理)やMA(マーケティングオートメーション)ツールを導入すればリード管理ができる」ということが挙げられます。
リード管理は「概念・プロセス」であり、CRM・SFA(営業支援システム)・MAツールは「そのプロセスを実現するための手段」です。この順序が逆になることで、多くの企業が「ツールを導入したのに成果が出ない」という状況に陥ります。
ツールを入れる前に設計すべきことがあります。それが「リードの定義」「ファネルの設計」「部門間の合意形成」の3点です。この設計がないままツールを導入してしまうと、活用されないまま放置されるリスクを高めます。
BtoBでリード管理が難しい理由
BtoBのリード管理が難しい理由として以下の3つが挙げられます。
- 意思決定に複数の関与者が存在すること
- 検討期間が長くリードが「冷める」こと
- マーケと営業の間でリードの定義がずれている
意思決定に複数の関与者が存在する
BtoBの購買プロセスでは、1つの案件に対して平均5〜7名の関与者がいると言われています。具体的には、現場担当者・部門長・情報システム部門・経営層・購買担当者などが関与します。
それぞれの関与者が求める情報は異なります。例えば、現場担当者は「使いやすさ」を求め、経営層は「ROI(投資対効果)」を求めます。
リード管理においては、この複数の関与者を一元的に把握し、それぞれに適したコミュニケーションを設計する必要があります。単一の担当者だけを追っていると、購買プロセスの全体像が見えなくなります。
検討期間が長く、リードが「冷める」
BtoBの検討期間は、商材によっては数ヶ月から1年以上に及びます。
その間にリードへのアプローチが途絶えると、関心が薄れて競合他社に流れる可能性が高まります。
弊社の支援事例でも、展示会で獲得した名刺リストを3ヶ月放置した結果、再度アプローチした時点では7割以上のリードが競合他社のサービスを検討していたというケースがありました。長い検討期間をつなぎとめる継続的なナーチャリング設計が、BtoBのリード管理における最重要課題の1つです。
なぜマーケと営業の間で「リードの定義」がずれるのか?
マーケと営業の認識のズレは、「リードの定義が合意されていないこと」から生まれます。
具体的には、マーケティング部門は「ウェビナーに参加した企業」をリードとして営業に渡しますが、営業部門は「まだ検討段階に入っていない」と判断してフォローしないというケースが頻繁に起きます。この認識のずれが積み重なると、マーケは「渡したリードを営業が使わない」と感じ、営業は「マーケが送ってくるリードは質が低い」と感じるという断絶が生まれます。
この問題の原因は、「どの状態になったら営業がフォローすべきか」という基準が言語化・合意されていないことにあります。ツールを導入しても、この合意がなければ断絶は解消されません。
リード管理の3つのプロセス
リード管理の3プロセスは①獲得→②育成→③絞り込みの順で機能します。
この順序を飛ばして「絞り込み」から始めることはできません。なぜなら、育成されていないリードをスコアリングしても、正確な優先順位づけができないからです。
各プロセスの詳細な違いや連携方法については、リードジェネレーションとナーチャリングの違いで詳しく解説しています。
リードジェネレーション(獲得)
リードジェネレーションとは、自社の商品・サービスに関心を持つ潜在顧客を見込み顧客として獲得する活動のことです。
獲得手法はインバウンド型とアウトバウンド型の2種類に分類されます。
インバウンド型は、コンテンツマーケティング・SEO・ウェビナー・ホワイトペーパーなど、見込み顧客が自発的にアクションを起こす仕組みを作る手法です。BtoBでは検討期間が長いため、見込み顧客が情報収集を始めた段階で接点を持てるインバウンド施策の重要性が高まっています。
アウトバウンド型は、展示会・テレアポ・メール配信・広告など、自社から積極的にアプローチする手法です。即効性は高いですが、接触した相手がすぐに購買意欲を持っているとは限らないため、その後のナーチャリング設計が重要です。
BtoBのリードジェネレーションで特に重要なのは、「獲得数」よりも「質」を意識することです。ターゲット企業・部門・役職に合致しないリードをいくら大量に獲得しても、商談化率は上がりません。
リードナーチャリング(育成)
リードナーチャリングとは、獲得した見込み顧客に対して継続的に情報提供を行い、購買意欲を高める育成活動のことです。
獲得直後のリードをすぐに営業に渡すことは、BtoBでは多くの場合、時期尚早です。なぜなら、BtoBの購買意思決定には時間がかかり、まだ情報収集段階にある見込み顧客に対して営業がアプローチしても、「まだ早い」と感じられてしまうからです。
代表的なナーチャリング手法には、ステップメール・定期的なウェビナー開催・事例コンテンツの配信・個別のインサイドセールスによるフォローコールなどがあります。重要なのは、見込み顧客の検討フェーズに合わせた情報を届けることです。比較検討段階の見込み顧客に基礎的な解説コンテンツを送っても、価値を感じてもらえません。
各フェーズに応じたナーチャリングの具体的な手法については、リードナーチャリングの具体的な手法で詳しく解説しています。
リードクオリフィケーション(絞り込み)
リードクオリフィケーションとは、育成した見込み顧客の中から「今アプローチすべき見込み顧客」を特定する絞り込みのプロセスのことです。
絞り込みの代表的な手法がスコアリングです。スコアリングとは、見込み顧客の行動(ページ閲覧・メール開封・資料ダウンロードなど)や属性(業種・規模・役職など)に点数を付け、合計スコアが一定値を超えたリードを営業に引き渡す仕組みです。
ここで重要なのは、スコアリングは「ツールの機能」ではなく「設計が先」だということです。どの行動に何点を付けるかは、自社の受注データや営業の知見を基に設計する必要があります。ツールを入れれば自動的にスコアが付くわけではありません。
絞り込みの具体的な4つの手法については、リードクオリフィケーションの4つの手法で詳しく解説しています。
リード管理が機能しない企業に共通する3つの問題
リード管理がうまく機能しない企業には、
- リードの定義が統一されていない
- リード情報が属人化・分散している
- ツール導入が目的化している
という3つの共通した問題があります。
▼こんな状況、起きていませんか?
- マーケが渡したリードを営業がほとんどフォローしていない
- 担当者が変わると、それまでの顧客とのやりとりが引き継がれない
- MAツールを導入したが、誰も使いこなせていない
- 「リード数は増えているのに商談が増えない」という状態が続いている
問題① リードの定義が営業・マーケで統一されていない
「マーケが渡したリードを営業が使わない」という問題の根本は、「どの状態になったら営業がフォローすべきか」という基準が言語化・合意されていないことにあります。
マーケティング部門は「ウェビナーに参加した」「資料をダウンロードした」という行動をもとにリードを渡します。しかし営業部門は「まだ検討段階に入っていない」「予算も権限もない担当者だ」と判断してフォローしません。この認識のずれが繰り返されると、マーケは大量のリードを渡し続け、営業はその大半を放置するという構造が固定化されます。
具体的には、「MQLとする行動の基準」「SQLに引き上げるスコアの閾値」「営業がフォローすべき期限」を、マーケと営業が共同で言語化・合意することが解決策になります。
問題② リード情報が属人化・分散している
「名刺はAさんが持っている」
「メール対応の詳細はBさんしか知らない」
「商談の内容はSFAに未入力のまま」
この状態では、リード管理は形骸化します。
情報が属人化・分散していると、担当者が変わった瞬間にリードへの連続したアプローチが途絶えます。見込み顧客からすれば「以前話した内容が全く引き継がれていない」という体験になり、信頼を失う原因にもなります。
重要なのは、ツールを導入する前に「どの情報を・誰が・どのタイミングで・どこに入力するか」というルールを策定することです。このルールがなければ、どんなCRMやSFAを入れても形骸化します。
問題③ ツールを入れることが目的になっている
よく、「MAツールを導入したのに成果が出ない」というご相談をいただきます。その多くは、運用設計がないままツールを稼働させてしまっていることが原因です。
ツールは設計された仕組みを自動化・効率化するための手段です。「ゴール(MQLをどう定義し、どう営業に渡すか)」「プロセス(どのシナリオでナーチャリングするか)」「評価基準(スコアリングの設計)」が決まっていない状態でツールを入れても、活用されないログが蓄積されるだけです。
MAツールの機能は年々高度化していますが、ツールの性能がそのまま成果に直結するわけではありません。成果を左右するのはツールではなく、ツールを動かす「仕組みの設計」です。
BtoBでリード管理を機能させるための実践ステップ
リード管理を機能させるための順序は、①定義の設計→②部門間の合意→③管理ルールの整備→④スコアリング設計→⑤ツール化の5ステップです。この順序を守ることが、「ツールを入れたのに機能しない」という状況を防ぐポイントです。
Step.1:リードの定義とファネルを設計する
最初に取り組むべきは、「どの状態の見込み顧客をリードと呼ぶか」「どの段階でMQLとするか」「どの段階でSQLとするか」を言語化することです。
具体的には、以下の問いに答える形で設計を進めます。
- 自社にとってのリードとは:名刺交換した全員か、特定の行動を取った人だけか
- MQLの定義:どの行動の組み合わせ、またはスコアの閾値をMQLとするか
- SQLの定義:インサイドセールスがアプローチすべき状態をどう定義するか
- 失注・ペンディングになったリードをどう扱うか(リサイクルリードの設計)
この設計は企業ごとに異なります。自社の営業プロセス・受注データ・商談化に至った見込み顧客の行動パターンを基に設計することが重要です。
Step.2:マーケと営業でSLAを締結する
SLA(Service Level Agreement)とは、マーケと営業が「お互いに何をするか」を取り決めた合意書のことです。
SLAに盛り込むべき主な項目は以下の6点です。
- MQLをどの基準で営業に渡すか(引き渡し条件)
- 営業は何営業日以内にフォローするか(対応期限)
- フォロー後の結果をどうフィードバックするか(報告ルール)
- フォローしなかった場合のリードはどう扱うか(リサイクルルール)
- マーケが提供すべきリードの質と量の目標(マーケの責任範囲)
- 営業がフィードバックすべき情報の形式と頻度(営業の責任範囲)
SLAを締結することで、マーケは「渡したリードが適切にフォローされているか」を追跡でき、営業は「フォローすべきリードが明確になる」というメリットを得られます。部門間の認識のズレを解消するために、SLAの締結は重要な取り組みの1つです。
SLAに盛り込むMQLの判定基準をどう設計するかについては、営業が納得するMQL判定基準で詳しく解説しています。
Step.3:リード情報の管理ルールと入力基準を整備する
設計と合意ができたら、次はリード情報の管理ルールを整備します。具体的には以下の4点を決定します。
- どの情報を管理するか:企業名・部門・役職・獲得経路・行動履歴・商談内容・フォロー結果など
- 誰が入力するか:マーケ担当者・インサイドセールス・フィールドセールスの役割分担
- いつ入力するか:リード獲得直後・商談後・フォロー後など、タイミングのルール化
- どこに入力するか:CRM・SFA・MAツールのどのシステムに、どの情報を格納するか
最初からすべての情報を完璧に管理しようとすると、運用が重くなり定着しません。まずはシンプルな必須項目に絞り、運用を定着させてから拡張していくことを推奨します。
Step.4:スコアリングの設計と運用を開始する
スコアリングとは、見込み顧客の行動・属性にスコアを付け、合計点が一定値を超えたリードを営業に引き渡す仕組みのことです。
スコアリングの設計は大きく2つのデータを組み合わせます。
行動データ(インプリシットデータ)によるスコア例:
- 資料ダウンロード:15点
- 料金ページの閲覧:10点
- メールの開封:3点
- ウェビナーへの参加:20点
- Webサイトの訪問(3回以上):8点
属性データ(エクスプリシットデータ)によるスコア例:
- ターゲット業種に該当:20点
- 従業員数100名以上:15点
- 役職が部長以上:20点
- 予算権限あり:25点
最初から精緻なモデルを目指す必要はありません。「営業がフォローすべき状態」を定義し、その状態に近いほど高スコアになる設計から始めることがスタートラインです。運用しながらPDCAを回してモデルを改善していきます。
スコアリングモデルの具体的な設計方法については、スコアリングモデルの設計方法で詳しく解説しています。
Step.5:MAツール・CRMを活用して仕組みを自動化する
Step.1〜4の設計が整った段階で初めて、ツールの導入・活用に移ります。ツール選定で確認すべきポイントは主に2点です。
ポイント① 自社の営業プロセスとの適合性:自社のMQL定義・スコアリング設計・ファネル設計をそのツールで実装できるかを確認します。機能が多いツールが良いツールとは限りません。
ポイント② SFA・CRMとの連携性:MAツール単体で完結させるのではなく、SFAやCRMと連携させることで「マーケ→営業」の引き渡しを一気通貫で管理できます。連携設計が複雑になりすぎないツールを選ぶことも重要です。
代表的なMAツールとして、Salesforce系の企業にはAccount Engagement(旧Pardot)、HubSpotを中心に統合管理したい企業にはHubSpot、中小企業や匿名リードの追跡に強みを持つSATORIなどがあります。
各MAツールの特徴や選び方については、MAツールの活用方法と選定で詳しく解説しています。
リード管理で押さえるべき指標(KPI)
リード管理のKPIは①獲得段階、②育成・絞り込み段階、③全体ROIの3層で設計します。
1つの指標だけを追うと、施策の偏りや品質の低下を見落とすリスクがあります。
KPI設計の3つのポイントは、①ファネルの各段階に対応する指標を設定すること、②マーケと営業が共有する指標を持つこと、③数値を定期的にレビューしてSLAの改善につなげることです。
リードジェネレーション段階のKPI
リード獲得段階で追うべき主なKPIは以下の3つです。
| KPI | 定義 | 注意点 |
|---|---|---|
| 獲得リード数 | 期間内に獲得した見込み顧客の総数 | 数だけを追うと質が低下するリスクがある |
| CPL(Cost Per Lead:リード獲得単価) | リード獲得にかかった費用÷獲得リード数 | チャネル別に比較することで費用対効果が見える |
| MQL転換率 | 獲得リード数÷MQL数 | 低い場合は獲得施策またはMQL定義の見直しが必要 |
特に重要なのはチャネル別のCPLとMQL転換率の組み合わせです。CPLが低くてもMQL転換率が低いチャネルは、質の低いリードを大量に獲得している可能性があります。
リードナーチャリング・クオリフィケーション段階のKPI
育成・絞り込み段階で追うべき主なKPIは以下の3つです。
| KPI | 定義 | 注意点 |
|---|---|---|
| MQL数 | 期間内にMQL基準を満たしたリード数 | SLAで定義した基準に基づいて計測する |
| MQL→SQL転換率 | MQL数÷SQL数 | マーケと営業の連携品質を測る最重要指標 |
| 商談化率 | SQL数÷商談発生数 | 低い場合はSQL定義またはフォロー手法の見直しが必要 |
MQL→SQL転換率は、マーケと営業の連携品質を数値で可視化する指標として特に重要です。この数値が低い場合、MQLの定義が適切でないか、営業のフォロー品質に課題があるかのどちらかであることが多いです。SLAのレビュー会議でこの指標を定期的に確認することを推奨します。
MAツールを活用したKPIの具体的な設計フレームワークについては、MAのKPI設計フレームワークで詳しく解説しています。
リード管理全体のROIを測定する
リード管理全体の投資対効果を可視化するためのROI計算式は以下の通りです。
リード管理ROI=(リード管理経由の受注金額-リード管理への投資額)÷リード管理への投資額×100
「リード管理への投資額」には、MAツールのライセンス費用・コンテンツ制作費用・担当者の人件費・外部支援費用などが含まれます。
ROIを可視化することで、「マーケティング施策にこれだけ投資したことで、これだけの受注を生み出した」という経営層への説明が可能になります。孤立無援でリード管理の推進を担う担当者にとって、ROIの可視化は予算確保と社内承認を得るための重要な武器になります。
リード管理に役立つツールの選び方
ツール選定の判断基準は「自社のリード管理の成熟度」によって異なります。
①導入初期はExcel・スプレッドシートでシンプルに始め、②リード数が増えた段階でMAツールを検討し、③マーケ・営業の連携を強化する段階でSFA・CRMとの統合を進めるという段階的なアプローチが現実的です。
Excelとスプレッドシートで始める場合
リード管理をコストをかけずに始めたい場合、ExcelやGoogleスプレッドシートは有効な選択肢です。企業名・担当者名・獲得経路・検討フェーズ・最終接触日などをシンプルな項目で管理するところから始められます。
ただし、Excelとスプレッドシートはリード管理専用ツールではないため、以下の点では限界があります。
- スコアリングの自動計算ができない
- Webサイトへのアクセスやメール開封などの行動トラッキングができない
- リード数が増えると管理・検索が煩雑になる
- 複数担当者での同時編集に限界がある
リード数が月間50件を超えてきた段階、または行動データを基にしたナーチャリングを始めたい段階では、専用ツールへの移行を検討することを推奨します。
MAツールを活用する場合
MAツール(マーケティングオートメーションツール)は、リードナーチャリングとスコアリングの自動化が主な活用領域です。代表的なツールと、向いている企業・用途を整理します。
| ツール名 | 向いている企業・用途 | 特徴 |
|---|---|---|
| Account Engagement | Salesforce利用中の中〜大規模BtoB企業 | Salesforceとの完全統合、高度なスコアリングとシナリオ設計が可能です |
| HubSpot | CRM・MA・SFAを統合管理したい中小〜中規模企業 | CRM機能を内包し、マーケから営業まで一気通貫で管理できます |
| SATORI | 匿名リードの追跡・ナーチャリングに注力したい国内企業 | 匿名ユーザーの行動追跡に強みがあり、国内サポートが充実しています |
CRM・SFAと連携させる場合
MAツール単体では、「マーケ→インサイドセールス→フィールドセールス」という引き渡しプロセスの全体を管理しきれません。SFA・CRMと連携させることで、リードの獲得から商談・受注までを一気通貫で可視化できます。
連携設計の基本的な考え方は、MAツールでリードの獲得・育成・スコアリングを行い、MQL基準を満たしたリードを自動的にCRM・SFAに連携し、営業担当者に通知するという流れです。この連携が機能することで、「MQLが発生したのに営業が気づいていなかった」という見落としを防ぐことができます。
まとめ:リード管理は「ツール」ではなく「仕組み」の問題です
「マーケが渡したリードを営業が使わない」「ツールを入れたのに成果が出ない」。これらはすべて、リード管理の「仕組み」が設計されていないことから生まれる問題です。
本記事で解説した内容を振り返ると、BtoBにおけるリード管理を機能させるために必要なことは以下の5点です。
- リードの定義とファネルを設計すること(MQL・SQLの基準を言語化する)
- マーケと営業でSLAを締結すること(引き渡し基準・対応期限・フィードバックルールを合意する)
- リード情報の管理ルールと入力基準を整備すること(誰が・何を・いつ・どこに入力するかを決める)
- スコアリングを設計して運用すること(行動データと属性データを組み合わせた優先順位づけの仕組みを作る)
- 設計が整った段階でツールを活用すること(ツール選定より設計が先)
弊社Sells upでは、BtoBマーケティング支援・MA活用支援・インサイドセールスの立ち上げ支援を通じて、こうした「仕組みの設計と実装」を支援しています。「どこから手をつければよいか分からない」という段階からご相談いただけます。まずはお気軽にお声がけください。
BtoBマーケティング全体の仕組みをどう構築するかについては、BtoBマーケティングの全体プロセスも合わせてご覧ください。
よくある質問(FAQ)
営業におけるリード管理とは何ですか?
営業におけるリード管理とは、見込み顧客の情報・行動履歴・商談状況を一元的に把握し、確度の高い見込み顧客を優先的にフォローするための仕組みのことです。具体的には、マーケティング部門から渡されたMQL(マーケティング部門が育成した見込み顧客)に対して何営業日以内にフォローするか、フォロー結果をどう記録・共有するかというルールを整備することが中心になります。リード管理を機能させることで、営業担当者が「今アプローチすべき見込み顧客」を明確に把握でき、限られたリソースを成約可能性の高い顧客に集中させられます。
リードとはどういう意味ですか?
リード(Lead)とは、自社の商品・サービスに関心を持つ可能性がある見込み顧客のことです。まだ購入・契約には至っていないものの、将来的に顧客になる可能性がある層を指します。BtoBマーケティングでは、ウェビナーへの参加・資料のダウンロード・Webサイトへの問い合わせなどのアクションを起こした企業・担当者がリードとして扱われます。リードは購買意欲の高さによってMQL(マーケティングが育成した見込み顧客)とSQL(営業がアプローチすべき見込み顧客)に分類されます。
ビジネス用語でリードとは何ですか?
ビジネス用語としてのリードとは、営業・マーケティング活動を通じて接触した見込み顧客のことです。単なる「潜在顧客」ではなく、自社に対して何らかの関心や行動を示した個人または企業を指します。BtoB領域では、展示会での名刺交換・Webサイトへの問い合わせ・ウェビナーへの参加・ホワイトペーパーのダウンロードなどがリード獲得の代表的なきっかけになります。リードを獲得した後は、ナーチャリング(育成)とクオリフィケーション(絞り込み)のプロセスを経て、商談・受注につなげていきます。
ビジネス英語で「Lead」とは何ですか?
ビジネス英語における「Lead」は、「見込み顧客」または「潜在的な取引相手」を意味します。営業・マーケティングの文脈では「Sales Lead(セールスリード)」とも呼ばれ、自社の商品・サービスに関心を示した個人または企業を指します。英語圏のビジネスでは「Generate Leads(リードを獲得する)」「Nurture Leads(リードを育成する)」「Qualify Leads(リードを選別する)」という表現がよく使われます。日本のBtoBマーケティングでもこの概念がそのまま取り入れられており、「リード獲得」「リードナーチャリング」「リードクオリフィケーション」という用語が標準的に使われています。
リード管理はどのツールで行うのが最適ですか?
リード管理に最適なツールは、自社のリード管理の成熟度と課題によって異なります。導入初期でリード数が少ない場合はExcelやGoogleスプレッドシートでシンプルに始めることができます。リードナーチャリングとスコアリングを自動化したい場合はMAツール(Account Engagement・HubSpot・SATORIなど)の活用が有効です。マーケから営業への引き渡しを一気通貫で管理したい場合はSFA・CRMとMAツールを連携させる設計が必要になります。重要なのは、ツールを選ぶ前に「リードの定義」「SLAの締結」「管理ルールの整備」という設計を先に行うことです。設計がないままツールを導入すると、活用されないまま放置されるリスクを高めます。
「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために
施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。 こうした課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。 Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。
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