BtoBマーケティング戦略の立て方|80社以上の支援経験を基に解説する5ステップ
戦略は立てた。次は実行できる体制があるか、確認しませんか
戦略設計の手順はわかっても、実際に動かすリソースやノウハウが不足しているケースは少なくありません。 Sells upはKPI設計・施策選定・MAツール活用まで、戦略と実行を一貫して支援します。 現状の課題と何から始めるべきかを、ご提案いたします。
BtoBマーケティング戦略で成果が出ない企業の多くは、「戦略がない」のではなく「戦略と施策がつながっていない」状態にあります。
この記事では、80社以上のBtoBマーケティング支援実績を持つSells upが、戦略立案の実践的な手順・使うべきフレームワークの選び方・支援事例から見えた成功パターンを、すぐに使える形で解説します。
BtoBマーケティング戦略とは何か
BtoBマーケティング戦略とは、自社の商品・サービスをどの企業顧客に、どのような価値として、どのように届けるかを体系的に設計することです。「施策を実行すること」ではなく、「施策の優先順位と方向性を決める設計図を作ること」と理解してください。
BtoBとBtoCでなぜ戦略が変わるのか
BtoBの購買は、複数の関係者が関与し、意思決定まで数週間から数ヶ月かかるのが一般的です。BtoCのように「見て、すぐ買う」という行動は起きません。このため、認知→育成→選定→商談という長いプロセス全体を設計する必要があり、フェーズごとに異なる施策を組み合わせる戦略が不可欠です。
| BtoB | BtoC | |
|---|---|---|
| 意思決定者 | 複数(担当者・上長・経営層など) | 個人 |
| 検討期間 | 数週間〜数ヶ月 | 数分〜数日 |
| 購買動機 | 合理的・ROI重視 | 感情・即時的欲求 |
| マーケの主目的 | リード獲得・育成・商談化 | 認知・購買誘導 |
戦略立案が必要な理由:なぜ「やってみる」では成果が出ないのか
BtoBマーケティングで戦略なしに施策だけを実行すると、以下の問題が必ず発生します。
- 何を目標にしているかが人によって違うため、部門間の優先順位がずれる
- 施策の効果が出ても「なぜ効いたのか」がわからず、再現できない
- リソースが分散し、どの施策にも十分な投資ができない
- KPI未達のとき、どこを改善すべきかを判断できない
80社以上を支援してきた中で、「施策はやっているが成果が出ない」という相談の大半は、ターゲットの定義があいまいなまま施策を積み上げていたケースです。戦略とは「やること」より先に「やらないことを決める」プロセスでもあります。
BtoBマーケティング戦略の立案手順:5ステップ
Step.1:KGI・KPIを設定する
最初に決めるべきは「何を達成したら成功か」という定量目標です。KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)には受注数・売上・新規顧客数などを置き、それを分解したKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)に商談数・リード数・CVRなどを設定します。
目標設定のポイントは、過去実績と施策の変化量を根拠に置くことです。根拠なく「前年比200%」を目標にしても、達成のために何をすれば良いかが導けません。
Step.2:環境分析で「勝てる場所」を特定する
目標を設定したら、次は自社が勝てる市場と顧客を特定するための分析を行います。分析すべき対象は3つです。
市場・顧客分析
市場規模、成長性、自社製品と相性の良い業種・企業規模・担当者の役職、顧客の課題と意思決定プロセスを把握します。顧客属性(業種・企業規模・役職・決裁権の有無)の解像度が低いまま施策を設計しても、ターゲット外のリードが大量に混入します。
自社分析
自社の強み・弱み、過去施策の実績、リソース状況(ヒト・モノ・カネ)、LTV(Life Time Value:顧客一人が生涯にもたらす利益)を整理します。LTVは「平均購入単価×平均継続期間(または購入回数)」で算出でき、後述するCAC(顧客獲得コスト)と比較して施策の採算性を判断する基準になります。
競合分析
競合の価格帯・訴求軸・使用チャネル・顧客層を把握し、自社との差分を明確にします。競合が攻めていない領域に自社の優位性を置くことが、ポジショニングの起点になります。
これら3つを同時に整理するフレームワークが3C分析です。また、自社の強み・弱みと外部の機会・脅威を4象限で整理するSWOT分析は、戦略の方向性を決める際に特に有効です。マクロ環境(政治・経済・社会・技術の変化)を把握したい場合はPEST分析を、業界の競争構造を理解したい場合は5F(ファイブフォース)分析を使います。
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Step.3:ターゲット・ポジショニング・価値提案を定義する(STP)
環境分析で得た情報をもとに、以下の3つを順番に定義します。これがSTP分析の流れです。
- Segmentation(セグメンテーション):市場を業種・規模・課題の深刻度などで細分化する
- Targeting(ターゲティング):自社が最も価値を提供できるセグメントを1〜2つに絞る
- Positioning(ポジショニング):競合と比較して「自社だけが提供できる価値」を定義する
ポジショニングを可視化する際にはポジショニングマップが有効です。縦軸・横軸に顧客が重視する2つの軸(例:価格の高低×対応の専門性)を置き、競合と自社の位置を図示します。自社が空白域に位置できれば、差別化が成立します。
ターゲットの解像度を上げるために、ペルソナ設定も行います。BtoBでは購買に関わる担当者・上長・経営層それぞれのペルソナを設定することで、各ステージで刺さるコンテンツと訴求軸が変わります。
Step.4:施策を設計し、カスタマージャーニーに落とし込む
ターゲットと提供価値が定まったら、次は「どのチャネルで・どのタイミングで・何を届けるか」を設計します。このときに使うのがカスタマージャーニーマップです。顧客が認知→検討→選定→購入→継続するまでの各フェーズで、顧客の状態・課題・タッチポイント・自社が実施すべき施策を整理します。
BtoBマーケティングの施策選定には4P分析(製品・価格・チャネル・プロモーションの企業視点)と4C分析(顧客価値・コスト・利便性・コミュニケーションの顧客視点)を組み合わせると、施策の抜け漏れを防げます。主な施策としては以下があります。
- リード獲得:SEO・コンテンツマーケティング・Web広告・展示会・ウェビナー
- リード育成:メルマガ・ホワイトペーパー・ナーチャリングシナリオ・MA(マーケティングオートメーション)活用
- 商談化:インサイドセールス・リードスコアリング・トスアップ設計
- 継続・拡大:カスタマーサクセス連携・LTV向上施策
MAツール(HubSpot・Account Engagement・Marketoなど)を導入することで、リードのスコアリング・行動ログの取得・ナーチャリングメールの自動配信が可能になります。またSFA(Sales Force Automation:営業支援システム)とCRM(顧客関係管理システム)と連携することで、マーケティングから営業へのリード引き渡しをデータドリブンで行えます。
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Step.5:実行・計測・改善(PDCAサイクル)
施策を実行したら、設定したKPIの進捗を定期的に計測します。計測すべき主な指標は以下の通りです。
- CPA(Cost per Acquisition):リード1件あたりの獲得コスト
- CVR(Conversion Rate):サイト訪問者やリードが次のアクションに移行した割合
- CAC(Customer Acquisition Cost):顧客1社を獲得するためにかかった総コスト
- LTV/CAC比率:CACに対してLTVが3倍以上あることが投資回収の目安とされます
施策ごとにROI(投資対効果)を計算し、効果が出ている施策にリソースを集中しながら、効果の薄い施策は変更または停止します。市場変化や競合の動きによって最適な施策は変化するため、定期的な戦略の見直しが重要です。
Sells upの支援事例:戦略立案から成果創出まで
以下は、Sells upが実際に戦略立案から施策実行まで支援したクライアントの事例です。いずれも「戦略なき施策の積み上げ」から「設計に基づく仕組みの構築」への転換が成果の起点になっています。
事例1:株式会社CLUE|ゼロからのマーケ立ち上げで非連続な成長を実現
株式会社CLUEは、2019年時点でマーケターが社内にいませんでした。Sells upは過去の顧客データとアクセスログを分析してKPIを設計するところから着手。広告の運用・LP改善・セミナー施策・オウンドメディアの記事方針まで一貫して設計し、Account EngagementとSalesforceの導入・初期設定も支援しました。複数チャネルから安定的にリードを獲得できる仕組みを構築し、その後5年間の非連続な成長を支えています。

事例2:株式会社日本テレビアート|広告予算約10万円で月100件のリードを創出
新規事業の企画・開発に取り組んでいた日本テレビアートは、「何を誰に売るか」の言語化すら固まっていない状態からスタートしました。Sells upは約10ヶ月をかけて提供サービスの定義と訴求軸の整理を行い、その後Meta広告でのリード獲得・HubSpotへのリード管理移行・コンテンツマーケティングの立ち上げを並行実施。広告費約10万円/月で100件以上のリードを継続創出できる体制を構築しました。

事例3:SmartHR Plus|MA活用の最適化で1年間に問い合わせ約10倍
Account Engagement(旧Pardot)を導入済みでありながら活用が進んでいなかったSmartHR Plus。Sells upはアプリごとのユーザーニーズの調査から始め、メール文面を1〜2パターンから20〜30パターンに拡充。フォーム・サンクスメール・Engagement Studioの設定を整備し、ウェブ行動ログの取得基盤も構築しました。支援から1年間で問い合わせ数が約10倍に増加しています。
MAツールの選定・導入・活用でお悩みの方は、以下の記事もご参照ください。
- Account Engagementのメール配信設定ガイド
- SalesforceとAccount Engagementのリードスコアリング設計
- Account Engagementのランディングページ作成手順
- HubSpotのスコアリング設定と活用方法

BtoBマーケティング支援会社の選び方
自社でノウハウ・リソースが不足している場合、支援会社を活用することで戦略立案のスピードと精度が大幅に上がります。支援会社を選ぶ際に確認すべきポイントは以下の4点です。
- 自社が出したい成果(リード創出・MA活用・インサイドセールス立ち上げなど)の実績があるか
- 自社と同じ業種・規模の企業を支援した経験があるか
- 自社の課題を理解したうえで、課題に合った提案をしてくれるか
- 担当者とのコミュニケーションが取りやすく、伴走型で動いてくれるか
支援会社の選び方と主要17社の比較は以下の記事で詳しく解説しています。

まとめ:BtoBマーケティング戦略立案の5ステップ
この記事で解説した内容を整理します。
- KGI・KPIを設定する:根拠ある数値目標を置き、達成状況を計測できる状態を作る
- 環境分析で勝てる場所を特定する:3C・SWOT・PEST・5Fを目的に応じて使い分ける
- STPでターゲット・ポジショニング・価値提案を定義する:「誰に・何を・なぜ自社から」を明確にする
- 施策をカスタマージャーニーに落とし込む:4P・4Cを使い、フェーズごとに最適な施策を選択する
- PDCAで改善を継続する:CPA・CVR・CAC・LTVを定期計測し、ROIの高い施策にリソースを集中させる
戦略のない施策は、成功しても再現できず、失敗しても改善できません。まずは自社のターゲットと提供価値の定義から着手することをおすすめします。ノウハウやリソースが不足している場合は、BtoBマーケティングに特化した支援会社への相談も有効な選択肢です。
戦略は立てた。次は実行できる体制があるか、確認しませんか
戦略設計の手順はわかっても、実際に動かすリソースやノウハウが不足しているケースは少なくありません。 Sells upはKPI設計・施策選定・MAツール活用まで、戦略と実行を一貫して支援します。 現状の課題と何から始めるべきかを、ご提案いたします。
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