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BtoBマーケティング戦略の立て方|80社支援から導く5ステップと失敗しない原則

「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために

施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。 こうした課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。 Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。

目次

BtoBマーケティング戦略とは、自社の商品・サービスを「誰に・何を・どのように届けるか」を体系的に設計することです。

施策の選定や実行よりも先に行うべき「設計の工程」であり、この設計がなければ広告もSEOもMAツールも本来の力を発揮できません。

本記事では、Sells upが80社以上のBtoBマーケティング支援を通じて得た知見をもとに、戦略立案の5ステップ・立てる前に整えるべき前提・よくある失敗パターン・弊社の支援事例を実務視点で解説します。

BtoBマーケティング戦略とは何か:「施策の羅列」との決定的な違い

BtoBマーケティング戦略とは、「誰に(ターゲット)・何を(価値提案)・どのように(チャネルと施策)届けるか」を体系的に設計することです。

ポイントをまとめると、①施策ではなく優先順位と方向性を決めること、②BtoBとBtoCでは構造が根本的に異なること、③戦略なき施策は成功しても再現できないこと、の3点です。

弊社に相談いただくBtoB企業の方から、最初によく聞くのが「施策はいろいろやっているのに成果が出ない」という言葉です。その背景には、多くの場合「施策は動いているが、戦略がない」という状態があります。なぜなら、戦略とは「やること」を決めるのではなく、「やらないことを決める」プロセスだからです。リソースが限られているBtoB企業では、この優先順位の設計が成果を左右します。

具体的には、「リードを増やしたい」という目標があっても、ターゲット企業の業種・規模・役職・課題が定義されていなければ、SEO・広告・展示会のどれを選ぶべきかが決まりません。施策を選ぶ前に「誰のためのマーケティングか」を設計するのが戦略の役割です。

BtoCとBtoBで戦略が変わる3つの構造的な理由

BtoBとBtoCでマーケティング戦略が根本的に異なる理由は、意思決定の構造・検討期間の長さ・購買動機の3点にあります。


BtoBBtoC
意思決定者複数(担当者・上長・経営層など)個人
検討期間数週間〜数ヶ月数分〜数日
購買動機合理的・ROI重視感情・即時的欲求
マーケの主目的リード獲得・育成・商談化認知・購買誘導

BtoBの購買プロセスでは、担当者が興味を持っても上長・経営層の承認が必要であり、稟議を通すための根拠資料・ROIの提示・社内説明用のコンテンツが求められます。BtoCで有効な「感情に訴える広告」や「衝動買いを促すUI」は、BtoBではほとんど機能しません。この構造的な違いを理解しないまま施策を選ぶと、予算を投下しても成果が出ない状態が続きます。

戦略なき施策が「頭打ち」を生む構造的な原因

戦略なしに施策だけを実行すると、①目標が人によって違うため優先順位がずれる、②施策が成功しても再現できない、③リソースが分散してどの施策も効果が出ない、④KPI未達のとき原因の特定ができない、という4つの問題が必ず発生します。

弊社が支援した企業の中で最も多い失敗の一つが、BtoCで使っていたマーケ手法をBtoBにそのまま転用するケースです。実際に弊社が支援した株式会社ブリューアス(TechAcademy IT研修・BtoB事業)様では、プログラミングスクール向けのBtoCマーケティング手法をBtoB向けIT研修のマーケティングにそのままコピー&ペーストしていたことが最大の課題でした。BtoC向けのGoogle広告のみで運用していたところ、戦略を設計し直してMeta広告・Microsoft広告を追加。BtoC発想では選ばれることのなかったMicrosoft広告での法人向けPCユーザーへの訴求など、新たなチャネルを開拓した結果、CPAを取り組み前と比べて約3分の1に削減することができました。

この事例が示すのは、「施策を増やす」より先に「BtoBとして何が正しいか」を設計することが重要だという点です。

BtoBマーケティング戦略を立てる前に確認すべき3つの前提

BtoBマーケティング戦略の立案前に整えるべき前提とは、KGIの逆算設計・ターゲット企業像(ICP)の定義・マーケと営業のSLA(Service Level Agreement)設計の3つです。

ポイントは、①受注目標から逆算してKPIを決めること、②ペルソナだけでなく企業単位のICPを設計すること、③SLAを戦略立案の段階から営業と合意することです。

この前提が整っていないまま5ステップに進んでも、戦略と施策がつながらない状態になります。なぜなら、「誰に何を届けるか」が定まっていない段階でチャネルを選んでも、正しい選択肢が存在しないからです。

なぜKGIからKPIを逆算する設計が必要なのか?

KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)から逆算してKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)を設計する理由は、「何を計測すれば成果に近づいているかがわかる」状態を先に作るためです。

具体的には、「今期の受注を20件増やす」というKGIがあれば、「受注率20%・商談化率30%の場合、必要なリード数は約333件」という計算が成立します。この逆算なしに「リードを増やしましょう」と施策を設計しても、何件のリードが必要なのかが不明なため、チャネル選定も予算配分も感覚に頼ることになります。弊社では支援開始時に必ずKGIから逆算してKPIツリーを設計し、施策選定の判断軸にしています。

ICP(理想顧客プロファイル)とペルソナの設計はなぜ両方必要なのか?

BtoBでは、ペルソナ(個人の担当者像)だけでなく、ICP(Ideal Customer Profile:理想的な顧客企業の定義)の設計が不可欠です。その理由は、BtoBの購買は企業単位で行われるからです。

ICPとは、自社の商品・サービスが最も価値を発揮できる企業の属性定義です。具体的には業種・従業員規模・売上規模・IT成熟度・現在の課題・意思決定の構造などを定義します。ICPが定まれば、ペルソナ設定(担当者・上長・経営層それぞれの課題と関心)が機能し、各ステージで刺さるコンテンツと訴求軸が明確になります。この順序を逆にすると、企業として適切でない個人にアプローチし続けることになります。

SLAを戦略立案の段階で設計する必要がある理由とは?

SLA(マーケと営業の引き継ぎルール)を戦略立案の段階から設計すべき理由は、「どの状態のリードを営業に渡すか」が決まっていないと、施策の成果を正しく評価できないからです。

SLAの設計には営業部門の巻き込みが不可欠で、マーケ部門だけで完結させようとすると形骸化しやすいという点には注意が必要です。具体的には、「MQL(マーケティングクオリファイドリード)の定義」「スコアリングの閾値」「営業が対応するまでの時間の目安」「フィードバックの方法」を合意しておきます。これがないまま施策を走らせると、マーケが渡したリードを営業が「質が低い」と判断して対応しない、という分断が起きます。

BtoBマーケティング戦略を立てる5つのステップ

BtoBマーケティング戦略の立案手順は、Step.1:環境分析 → Step.2:STP設計 → Step.3:価値提案の言語化 → Step.4:カスタマージャーニーと施策設計 → Step.5:KPI設計とPDCAの5ステップです。

ポイントは、①各ステップに「なぜそれが必要か」の根拠があること、②施策(How)は必ずジャーニー(Who・What・When)の後に選ぶこと、③測定設計はStep.5ではなくStep.1から考え始めることです。

この5ステップは「上から順番に完璧に仕上げる」ものではありません。実務では「仮説→実行→修正」を繰り返しながら、各ステップの精度を上げていくことが現実的な進め方です。

Step.1:市場・自社・競合の環境分析(3C分析の実務的な使い方)

環境分析とは、市場・自社・競合の3つを分析することで「自社が勝てる領域」を特定する作業です。

使うフレームワークは目的によって異なります。市場・顧客・競合を同時に整理するなら3C分析、自社の強み・弱みと外部の機会・脅威を整理するならSWOT分析、マクロ環境(政治・経済・社会・技術)を把握するならPEST分析、業界の競争構造を理解するなら5F(ファイブフォース)分析が適しています。目的なくすべてを使う必要はありません。

弊社の支援経験上、ここで重要なのが「業界によってリーチできるチャネルが根本的に異なる」という認識です。実際に弊社が支援した株式会社CLUE(ドローンSaaS・建設業界向け)様では、建設業界では検索行動が活発でないため、SEO記事よりもMeta広告・ディスプレイ広告などプッシュ型の施策のほうが獲得効率が高いという知見を実務の中で発見しました。この知見は、環境分析をしっかり行い「顧客がどこにいるか」を把握したからこそ得られたものです。業界の購買行動を理解せずにチャネルを選ぶと、予算を投下しても正しい相手に届かない状態が続きます。

Step.2:ターゲット設定とSTP分析(注力セグメントの絞り込み)

STP分析とは、市場を細分化(Segmentation)し、注力するセグメントを絞り込み(Targeting)、競合との位置づけを定義(Positioning)する一連の設計です。

  1. Segmentation(セグメンテーション):業種・企業規模・課題の深刻度などで市場を細分化する
  2. Targeting(ターゲティング):自社が最も価値を提供できるセグメントを1〜2つに絞る
  3. Positioning(ポジショニング):競合と比較して「自社だけが提供できる価値」を定義する

ポジショニングを可視化する際は、縦軸・横軸に顧客が重視する2つの評価軸(例:価格の高低×対応の専門性)を置いたポジショニングマップを使います。自社が競合との空白域に位置できれば、差別化の起点になります。STP分析の実践手順については、 STP分析の実践5ステップで具体例とともに解説しています。

Step.3:自社の価値提案(バリュープロポジション)を言語化する

バリュープロポジションとは、「自社が提供でき・競合が提供できず・顧客が求める独自の価値」のことです。この交差点を言語化することが、施策設計の起点になります。

バリュープロポジションが明確であれば、広告コピー・ランディングページのメッセージ・営業トークが一本の軸で統一されます。反対に、これが曖昧なまま施策を設計すると、媒体によってメッセージがバラバラになり、顧客にとって「何が強みかわからない会社」として映ります。

弊社が支援したCLUE様では、当初LPがサービスの機能説明中心の構成になっていました。それをお客さまの課題解決に焦点を当てた構成に再設計したことで、安定したリード獲得を実現しています。「機能を伝える」から「課題が解決できる理由を伝える」への転換が、バリュープロポジションの言語化が生む最も大きな変化です。

Step.4:カスタマージャーニーを設計してチャネルと施策を選ぶ

カスタマージャーニーとは、顧客が認知→興味関心→比較検討→意思決定→購入→継続するまでの各フェーズで、顧客の状態・課題・タッチポイント・自社が取るべき施策を可視化したものです。

施策はジャーニーの後に選ぶことが重要です。「SEOをやる」「広告をやる」という施策ファーストの発想では、認知フェーズには過剰・意思決定フェーズには不足という状態が生まれます。ジャーニーの各フェーズで「顧客は何を知りたいか・何をきっかけに動くか」を先に定義し、その答えからチャネルと施策を導きます。

施策選定には4P分析(製品・価格・チャネル・プロモーションの企業視点)と4C分析(顧客価値・コスト・利便性・コミュニケーションの顧客視点)を組み合わせると、施策の抜け漏れを防げます。MAツールのシナリオ設計については、 MAシナリオの設計手順で詳しく解説しています。

Step.5:KPIを設計してPDCAサイクルを回す体制を構築する

PDCAとは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(計測)→Action(改善)を繰り返すことで施策の精度を高めるサイクルです。BtoBマーケティングでは、以下の指標を定期的に計測することが基本になります。

  • CPA(Cost per Acquisition):リード1件あたりの獲得コスト
  • CVR(Conversion Rate):訪問者やリードが次のアクションに移行した割合
  • CAC(Customer Acquisition Cost):顧客1社を獲得するためにかかった総コスト
  • LTV/CAC比率:CACに対してLTVが3倍以上あることが投資回収の目安とされています

弊社が推奨するのは、数値の計測だけでなく「営業からのフィードバックをPDCAの材料にする」仕組みを合わせて設計することです。「マーケが渡したリードが成約につながったか」「どの属性のリードが商談化しやすいか」という定性情報が、スコアリング設計の精度向上につながります。この仕組みを設計せずにデータだけを見ていると、施策の改善が表面的なCPA・CVRの調整に留まり、根本的な精度向上が起きません。リードスコアリングの設計方法については、 リードスコアリングの設計方法で詳しく解説しています。

戦略を機能させる「リードプロセス」の全体設計

リードプロセスとは、リードジェネレーション(獲得)→リードナーチャリング(育成)→リードクオリフィケーション(選別)という3段階の流れで、見込み顧客を商談化まで導く仕組みのことです。

ポイントは、①3つのプロセスは施策の話ではなく戦略設計の一部であること、②各プロセスの定義と担当部署を先に決めること、③リサイクル(育ちきらなかったリードを取りこぼさない仕組み)を忘れないことです。デマンドジェネレーション全体の構造については、 デマンドジェネレーションの全体像で解説しています。

リードジェネレーション:質の高い接点をどう設計するか

リードジェネレーションとは、自社の商品・サービスに関心を持つ見込み顧客との最初の接点を作る活動です。

インバウンド施策(SEO・コンテンツマーケティング・ウェビナー)とアウトバウンド施策(Web広告・テレアポ・展示会)の使い分け基準は、「顧客がどこで情報収集しているか」と「自社のリソース状況」の2軸で決めます。検索行動が活発な業界ではSEO・リスティング広告が有効ですが、先述のCLUE様の事例のように建設業界など検索が少ない業界ではプッシュ型広告のほうが適しています。「とりあえずSEO」「とりあえず広告」という選び方が、リードの質を下げる最大の原因です。

リードナーチャリング:検討期間の長いBtoBで「育てる」仕組みを作る

リードナーチャリングとは、獲得したリードの検討温度を時間をかけて高め、商談化につなげるための継続的なコミュニケーション活動です。

BtoBでは、獲得したリードのうち今すぐ購入を検討しているのは全体の約10%程度と言われています。残りの90%は「いつかは必要になるかもしれない」という潜在層です。この層を放置すれば、せっかく獲得したリストが劣化するだけです。具体的な施策としては、ステップメール・MAシナリオ・ウェビナー後のフォローアップメールなどが有効です。

弊社の支援事例では、CLUE様においてセミナー後のアンケートからお客さまごとの関心トピックを分析し、最適なフォローアップメールを配信する仕組みを構築しました。「全員に同じメールを送る」のではなく「関心に合わせたコンテンツを届ける」という設計が、商談化率の向上につながっています。

リードクオリフィケーション:ホットリードを見極めてトスアップする

リードクオリフィケーションとは、育成したリードの中から「今すぐ営業が動くべき状態」のリード(ホットリード)を見極め、営業部門に引き渡す仕組みです。

スコアリング設計では、「スコアが高い=ホット」という単純化が失敗を生みます。弊社が推奨するのは、行動スコア(ページ閲覧・資料DL・メール開封)と属性スコア(業種・企業規模・役職)を組み合わせた2軸設計です。また、一定期間行動がないリードはスコアを減点するネガティブスコアリングも組み込まないと、古いスコアを持つリードが「ホット」として残り続けます。トスアップの仕組みと部門連携の設計については、トスアップ設計と部門連携で詳しく解説しています。

BtoBマーケティング戦略でよくある3つの失敗パターンと対応策

BtoBマーケティング戦略で起きやすい失敗は、①BtoCの手法の転用、②MAツールの先行導入、③マーケと営業の定義のズレ、の3つです。

これらの失敗は「悪意や怠慢」から生まれるのではなく、「戦略設計の順序が誤っている」ことが根本原因です。なぜなら、施策を選ぶ前に「誰に・何を・なぜ自社から」を定義していれば、BtoC転用もMAの先行導入も起きにくいからです。

失敗①:BtoCの手法をそのまま転用してしまう

BtoCで実績があるマーケティング手法を、そのままBtoBに転用するのは非常に危険です。その理由は、購買の意思決定構造・検討期間・購買動機がまったく異なるからです。

先述のブリューアス様の事例がその典型です。プログラミングスクール(BtoC)のマーケ手法をBtoB向けIT研修にそのまま転用していたため、法人の購買プロセスに合わないアプローチが続いていました。戦略を設計し直し、BtoBに適したチャネル・メッセージ・ランディングページ構成に刷新したことで、CPAを約3分の1に改善しています。

失敗②:戦略の合意なくMAツールを先に導入してしまう

MA(マーケティングオートメーション)ツールは、戦略・シナリオ・コンテンツが揃った状態で導入することで初めて機能します。弊社が推奨するのは、MAツールの導入前に「ターゲット定義・スコアリング設計・シナリオ設計・コンテンツ準備」の4つが揃っているかを確認することです。この順序を守らない場合、ツールが高機能なメール配信ツールに留まるリスクがあります。

よくある状況は「競合他社がHubSpotを使っているから導入する」という判断です。ツール選定よりも「どのシナリオで・誰に・何を配信するか」の設計が先です。ツールは設計を自動化するための手段であり、設計のない自動化は「誤った施策を速く繰り返す」だけになります。

失敗③:マーケティングと営業の定義がズレたまま施策を走らせる

「マーケが渡したリードは質が低い」という営業からの声は、多くのBtoB企業で聞かれます。その根本原因は、MQL(マーケティングクオリファイドリード)の定義がマーケと営業で一致していないことにあります。

SLAが設計されていないと、マーケは「資料をダウンロードしたリード=ホット」と判断し、営業は「検討も確認せず渡されるリード=質が低い」と判断します。この認識のズレを放置したまま施策を増やしても、両部門の摩擦が増えるだけです。戦略立案の段階でSLAを設計し「どの状態のリードを渡すか・渡されたら何日以内に対応するか」を合意しておくことが、この失敗を防ぐ唯一の方法です。

弊社の支援事例から学ぶ:戦略設計が成果を決める理由

弊社Sells upは、Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialist(Salesforce認定資格)を保有する担当者が中心となり、80社以上のBtoBマーケティング支援を行ってきました。以下はそのうち2社の事例です。いずれも「戦略なき施策の積み上げ」から「設計に基づく仕組みの構築」への転換が成果の起点になっています。

事例1:マーケ不在からMA・SFA導入で組織的なリード獲得体制を構築(CLUE様)

株式会社CLUE(ドローンSaaS・建設業界向け)様は、2019年時点でマーケティング経験者が社内に一人もいない状態でした。営業活動はできていたものの、マーケティング施策への投資方法がわからない状態からのスタートです。

弊社はKPI設計から着手し、ターゲット属性に合致するリード数と商談獲得数の2つを指標に設定しました。建設業界では検索行動が活発でないという分析結果から、Meta広告・ディスプレイ広告などプッシュ型施策を中心に設計。LPをサービス機能中心の構成からお客さまの課題解決に焦点を当てた構成に再設計し、安定したリード獲得を実現しました。Account Engagement(MA)とSalesforce(SFA)の選定・導入初期設定・活用まで支援し、3日連続でサービスページに訪問しているユーザーを検知してインサイドセールスに自動連携される仕組みも構築しました。5年間の支援で「営業が自分の足で獲得する状態」から「組織的なマーケティング施策でリードを獲得できる状態」に変革し、インサイドセールスチームの立ち上げも実現しています。

事例2:BtoCからBtoBへの転換でCPAを約3分の1に削減(ブリューアス様)

株式会社ブリューアス(TechAcademy IT研修・BtoB事業)様は、BtoCのプログラミングスクール向けのマーケ手法をBtoBにそのまま転用していたことが最大の課題でした。BtoBマーケティング経験者が社内に不在の状態でゼロから立ち上げる必要がありました。

弊社はGoogle広告のみの運用からMeta広告・Microsoft広告を追加し、多媒体戦略でリーチを拡大しました。BtoC発想では出てこなかったMicrosoft広告での法人向けPCユーザーへの訴求など、新たなチャネルを開拓しています。LPの構成を論理的なお客さまとのコミュニケーション視点で再設計し、Account Engagement(旧Pardot)のMA運用も改善しました。その結果、広告運用の改善によりCPAを取り組み前と比べて約3分の1に削減し、目標のリード件数を達成しています。さらにMA運用の改善によりステップメールから継続的な受注を獲得し、一度失注した休眠顧客への掘り起こしメール配信で大型案件の受注にも成功しています。

弊社のさらに詳しい支援事例については、80社支援のBtoBマーケ成功事例をご覧ください。

まとめ:BtoBマーケティング戦略を「仕組み」として機能させるために

この記事で解説した内容を整理します。

  • BtoBマーケティング戦略とは、「誰に・何を・どのように届けるか」を設計することであり、施策選定よりも先に行うべき工程です
  • 戦略立案の前提として、KGIからの逆算設計・ICP定義・SLAの合意の3つを整えることが重要です
  • 立案手順は5ステップで、環境分析→STP設計→価値提案の言語化→カスタマージャーニーと施策設計→KPI設計とPDCAの順です
  • よくある失敗パターンは、BtoCの手法の転用・MAツールの先行導入・マーケと営業の定義のズレの3つです
  • 戦略のない施策は、成功しても再現できず、失敗しても改善できない状態を生みます

BtoBマーケティングのプロセス全体(戦略設計から受注まで仕組み化する8ステップ)については、BtoBマーケティングの全体プロセスで詳しく解説しています。ノウハウやリソースが不足している場合は、BtoBマーケティングに特化した支援会社への相談も有効な選択肢です。

BtoBマーケティング戦略に関するよくある質問(FAQ)

Q. BtoBマーケティングとは何ですか?

BtoBマーケティングとは、企業間取引(Business to Business)におけるマーケティング活動のことです。顧客が企業であるため、複数の意思決定者が関与し、検討期間が数週間〜数ヶ月に及ぶ点がBtoCと根本的に異なります。リード獲得から育成・商談化までを体系的に設計することが求められます。

Q. BtoBマーケティングの施策の一覧は?

主な施策はリード獲得(SEO・コンテンツマーケティング・Web広告・展示会・ウェビナー)、リード育成(ステップメール・MAシナリオ・ホワイトペーパー)、商談化(インサイドセールス・スコアリング・トスアップ設計)、継続拡大(カスタマーサクセス連携・LTV向上施策)の4フェーズに分類できます。施策は必ずカスタマージャーニーを設計した後に選定します。

Q. マーケティング戦略の5つの要素は?

BtoBマーケティング戦略の主要な設計要素は、①KGI・KPIの逆算設計、②環境分析(3C・SWOT・PEST)、③STP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)、④カスタマージャーニーと施策設計(4P・4C)、⑤PDCAサイクルの構築、の5つです。この順序で設計することが重要です。

Q. BtoBとBtoCのどちらがいいですか?

BtoBとBtoCは優劣ではなく、提供する商品・サービスの特性によって事業モデルが決まります。BtoBは検討期間が長く意思決定者が複数いる分、受注単価が高く長期的な取引関係を築きやすい特徴があります。BtoCは購買サイクルが短い分、スケールしやすい反面、顧客単価が低く競合との差別化が難しい傾向があります。

Q. BtoBマーケティング戦略はどこから始めるべきですか?

まずKGI(受注目標)を定め、そこから逆算してKPIを設計することから始めます。次に環境分析(3C・SWOT)でターゲットと自社の強みを特定し、STP分析で注力セグメントを絞り込みます。施策の選定はカスタマージャーニーを設計した後に行います。

Q. 戦略なしに施策を実行するとどうなりますか?

施策が成功しても「なぜ効いたか」がわからず再現できない状態になります。また、リソースが複数施策に分散してどれも効果が出ない、KPI未達のときに原因を特定できないという問題が起きます。弊社の支援経験上、「施策はやっているが成果が出ない」という相談の大半が、ターゲット定義が曖昧なまま施策を積み上げていたケースです。

Q. MAツールはいつ導入すべきですか?

MAツールは戦略・シナリオ・コンテンツの3つが揃った状態で導入することを推奨します。具体的には、ターゲット定義・スコアリング設計・ナーチャリングシナリオの設計・配信するコンテンツの準備が整ってから導入するのが適切です。この順序を守らないと、ツールが高機能なメール配信ツールに留まるリスクがあります。

「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために

施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。 こうした課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。 Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。

株式会社Sells up 代表取締役
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。BtoBマーケティングの戦略設計から施策実行まで一貫して支援した実務経験を持つ。 業界/企業規模を問わずこれまでに約80社以上の支援実績を持つ。Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement SpecialistおよびTableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。