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マーケティングアウトソーシングとは?BtoBで失敗しない会社選びと外注設計の手順

戦略は立てた。次は実行できる体制があるか、確認しませんか

戦略設計の手順はわかっても、実際に動かすリソースやノウハウが不足しているケースは少なくありません。Sells upはBtoBマーケティングの戦略設計から施策実行まで、80社以上の支援実績があります。現状の課題と何から始めるべきかをご提案します。

目次

マーケティングアウトソーシングとは、自社のマーケティング業務を外部の専門会社に委託し、戦略設計から施策の実行、結果の検証までまとめて任せることを指します。

弊社がご支援した日本テレビアート様は、社内にマーケティング担当者が一人もいない状態から弊社にご依頼いただき、設計を整えたことで月100件以上のリード獲得を実現しました。

一方で、戦略を決めないまま施策の代行だけを依頼した結果、費用だけがかかり、成果につながらなかったケースも少なくありません。

本記事では、アウトソーシングで任せられる業務範囲から会社の選び方、費用感、よくある失敗とその防ぎ方まで、BtoBマーケティング支援で得てきた知見にもとづいてお伝えします。

マーケティングアウトソーシングとは?1分でわかる定義と役割

あらためて言葉の定義をしておくと、マーケティングアウトソーシングとは、自社のマーケティング業務を外部の専門会社に任せ、戦略の立案から施策の実行、効果測定までを一貫して担ってもらう取り組みのことです。

弊社に寄せられるご相談で特に多いのは、「MAツールを導入したものの使い切れていない」「リードは取れているのに商談に進まない」といったお悩みです。

SEOや広告、MA(マーケティングオートメーション)、インサイドセールスの設計まで、必要なスキルが多岐にわたるため、社内だけで完結させるのが難しい状況にある企業も多く見受けられます。そうしたときに、自社にない知見や実行力を、外部の専門チームから短期間で取り入れる手段としてアウトソーシングが活用されています。

アウトソーシング・代行・外注の違いを整理する

似た言葉として、アウトソーシング・代行・外注がありますが、厳密にはニュアンスが異なります。

アウトソーシングは、業務の一部または全体を外部に委ねるという広い概念を指します。代行は、広告運用やSNS運用など、特定の施策の実行部分だけを請け負うスタイルです。外注は、日本語として一般的に使われる言い方で、業務委託全般を指す言葉です。

マーケティングアウトソーシングが単なる「代行」と違うのは、戦略設計まで含めて支援することを前提としているかどうかです。実際に現場で多くのプロジェクトを見てきた実感としても、「何を、どの順番で、どう動かすか」という設計の段階から入ってくれる会社を選べるかどうかで、成果の出方は大きく変わります。

BtoCとBtoBマーケティングでアウトソーシングの意味が変わる理由

BtoBのマーケティングアウトソーシングは、BtoCのマーケティングとはそもそも目的が違います。BtoCでは、主に認知を広げたり、購入を促したりすることがゴールになりがちです。

一方でBtoBの場合は、「リードを獲得し、育成し、商談へとつなげる仕組みをつくること」が中心的な目的になります。BtoB商材では意思決定に関わる人数が多く、検討期間も長くなりやすいことが、その背景にあります。

そのため、MQL(マーケティングクオリファイドリード)の定義やスコアリングの設計、SLA(Service Level Agreement)による営業への引き渡しルールの設計など、BtoBならではの設計が欠かせません。こうした部分まで含めて任せられるかどうかが、BtoBマーケティングに強いアウトソーシング会社を選ぶうえでの重要なポイントになります。

BtoBマーケティング全体の流れを一度整理しておきたい方は、先にBtoBマーケティングの全体プロセスを読んでいただくと、この記事の内容がより理解しやすくなると思います。

マーケティングをアウトソーシングすべき会社・すべきでない会社の判断基準

マーケティングアウトソーシングが向いているかどうかは、「今の自社のフェーズ」と「抱えている課題の種類」で見ていくと判断しやすくなります。「施策の実行を手伝ってほしい」のか、「マーケティングの仕組みそのものをつくってほしい」のかによって、適した依頼先は変わってきます。

アウトソーシングが向いている3つの状況

次のような状況に当てはまる場合は、マーケティングアウトソーシングを前向きに検討する余地があります。

  • 社内にマーケティング専任者がいない
    新規事業の立ち上げ期や、いわゆる第二創業期に多いケースです。紹介やテレアポ中心の営業が頭打ちになり、デジタル施策を始めたいものの、社内に担い手がいない状況です。
  • MAツールを導入したものの運用できていない
    ツール自体は導入したものの、スコアリングやシナリオの設計が止まってしまい、データだけが溜まっている状態です。このような場合は、設計の段階から支援できる会社にアウトソーシングしたほうが、前に進みやすくなります。
  • 施策は動いているのに商談化率が上がらない
    リードは獲得できているのに、商談に結びつかないという場合は、SLAやスコアリング、トスアップ基準など、営業との連携設計が足りていない可能性があります。外部パートナーに入ってもらい、設計から見直すことで改善が見込めるケースが多いです。

内製化を先に進めた方がいい状況

一方で、すぐに外注するのではなく、まず社内の基盤づくりに取り組んだ方が良いケースもあります。自社のサービスや商材に対する理解が浅いまま外注してしまうと、訴求の軸がずれた状態で施策だけが進んでしまいかねません。特に、競合との差別化ポイントや顧客の課題が社内で言語化されていない段階では、外注先に十分な情報を渡せず、成果につながりにくくなります。

そのような場合は、まず自社サービスの価値を言語化し、社内でのヒアリング設計を整えたうえで、外部パートナーと一緒に進める、という順番を取ることをおすすめしています。

「丸投げ」と「伴走」はどちらが自社に合うか

マーケティングアウトソーシングには、大きく「全部お任せ(丸投げ型)」と「一緒に設計・実行していく(伴走型)」の2つのスタイルがあります。丸投げ型は、社内に実行リソースがまったくない状況でも動き出せるという意味では機能しやすい選択肢です。ただ、その分ノウハウが社内に戻りにくく、契約が終わったタイミングでマーケティング活動が止まってしまうリスクがあります。

伴走型は、外部パートナーが設計をリードしながら、社内の担当者と一緒に手を動かしていくスタイルです。定期的な打ち合わせや勉強会などを通じてノウハウを移転していくことを重視します。弊社としては、将来的な自走を視野に入れた「伴走型」の進め方を基本としています。外部に任せるとしても、社内に何も残らない設計では、中長期的な費用対効果は低くなってしまうからです。

マーケティングアウトソーシングの主なメリットと注意点

マーケティングアウトソーシングの大きなメリットは、専門的な知見や実行リソース、ノウハウを外部からすぐに取り込める点です。その一方で、どれだけ優秀な外注先と組んだとしても、社内側の目標設計が曖昧なままでは、期待した成果は出づらくなります。この前提は、最初に押さえておく必要があります。

外注の判断プロセスや依頼の流れをもう少し詳しく知りたい方は、外注開始前に確認すべきステップをまとめた記事も、あわせて参考にしてみてください。

メリット①:専門知識とリソースをすぐに確保できる

マーケティング人材を採用し、育成して、実務を任せられるようになるまでには、半年〜1年以上かかることも珍しくありません。

アウトソーシングであれば、MA設計や広告運用、SEO、インサイドセールス設計などを担える専門チームに、契約の翌月から現場に入ってもらうことも可能です。新規事業の立ち上げ期や、事業の転換期など、スピードが求められる局面では特に有効です。

メリット②:戦略から実行までを一気通貫で動かせる

適切な外注先を選べば、KPIの設計やターゲット定義、施策の優先順位付け、MAの設定、営業との連携設計まで、一つのチームでカバーできます。

これらを社内の別々の動きで進めてしまうと、戦略と現場の実行がかみ合わないまま費用だけが膨らんでしまうこともあります。一気通貫で設計・実行できる会社に任せることで、このムダは減らしやすくなります。

メリット③:自走を前提にすればノウハウを社内に残せる

「外注するとノウハウが社内に残らない」という懸念は、丸投げ型のアウトソーシングに対しては確かに当てはまります。一方で、週次の勉強会や設計ドキュメントの共有、担当者が実務に同席する形での支援など、ノウハウ移転を意識した伴走型の進め方を取れば、契約終了後も社内で運用を続けていくことが十分に可能です。

たとえば、株式会社日本テレビアート様とのプロジェクトでは、毎週の勉強会を通じてHubSpotの操作方法やBtoBマーケティングの基本を社内のご担当者と一緒に学んでいきました。

当初は社員の大半がデザイナーで、営業・マーケティングのノウハウがほとんどない状態でしたが、支援を続ける中でインサイドセールスチームの立ち上げまで実現し、マーケティングの仕組みを自社の体制で支えられる組織へと変わっていきました(詳細は支援事例ページをご覧ください)。

注意点:社内にSLAと目標設計がないと外注効果が出にくい理由

「とりあえず外部の会社にお願いしておけば何とかなるだろう」というスタンスで進めてしまうと、どうしても成果は出にくくなります。どれだけ腕の良い外注先と組んだとしても、社内側でKGIやKPI、MQLの基準、SLA(営業への引き継ぎルール)が言語化されていなければ、施策の良し悪しを判断することすらできません。また、マーケティングが創出したリードを営業がきちんと受け取り、動ける体制がないと、リードだけ増えても商談には結び付きません。

こうした経験から、私たちは、まず社内でKPIやSLAの方向性をすり合わせ、そのうえで外注先の選定に進む、という流れをおすすめしています。

BtoBマーケティングアウトソーシングで依頼できる業務範囲

BtoBマーケティングのアウトソーシングで任せられる業務は、大きく「戦略設計」「施策実行」「MA(マーケティングオートメーション)」「営業連携設計」の4つに分けて考えることができます。どの部分を外部に任せ、どこを社内に残すのかを事前に整理しておくことで、無駄なコストをかけずに済みます。

領域主な業務内容外注の向き・不向き
戦略設計KGI・KPI設計、ペルソナの設定、カスタマージャーニーマップの作成、競合分析社内での言語化が難しい場合、外部の視点を入れると整理が進みやすい
施策実行SEO・コンテンツ制作、Web広告運用、ウェビナー企画・運営、メール施策リソース不足や専門性が足りない領域を絞って外注すると効果的
MA・SFA設計MAツールの選定・導入、スコアリング設計、シナリオ設計、SFA(営業支援システム)との連携設計から対応できる会社に依頼する必要がある(設定作業だけでは機能しない)
営業連携設計MQLの定義、SLA(マーケと営業の引き継ぎルール)の設計、インサイドセールス体制の構築BtoB特有の領域であり、この設計まで対応できる会社は多くない

戦略設計の外注(KPI設計・ペルソナ・カスタマージャーニー)

戦略設計の外注では、KGI(目標)から逆算してKPIを決めたり、ターゲット企業・担当者ペルソナを整理したり、カスタマージャーニーを描いたりする部分を外部の力を借りて進めます。

「何から手をつければいいのか分からない」というままMAツールだけ導入し、設計が追いつかずに運用が止まってしまうケースは少なくありません。こうした事態を避けるためにも、戦略設計から伴走できるパートナーを選ぶことで、施策の優先順位と目標の整合を取りやすくなります。

施策実行の外注(SEO・広告・ウェビナー・コンテンツ)

施策実行の外注は、SEOコンテンツの制作やWeb広告の運用、ウェビナーの企画・運営、メールマーケティングといった具体的な実務部分を外部に任せるイメージです。

どの施策も専門性が求められるため、すべてを社内で対応しようとすると、品質が落ちるか、担当者の負荷が高くなりすぎてしまうことがあります。自社が強みを持ちづらい領域を見極めて外注することで、社内のリソースをより本質的な業務に割けるようになります。

MA導入・運用の外注(スコアリング設計・シナリオ・SFA連携)

MA導入・運用の外注では、MAツールの選定や初期設定に加え、スコアリングの設計、メールシナリオの設計、SFAとの連携設計などを任せることが多くなります。よくあるのは、「ツールの導入だけ外部に頼み、その後の運用設計が置き去りになっている」というパターンです。

実際に、MAは入っているもののスコアリングがまったく設定されておらず、ハウスリストに上から順番に電話している、という状態の企業からご相談をいただくこともあります。

MAの価値は、ツールそのものではなく、どう設計して運用するかにあります。そのため、設計から運用まで一貫してサポートできるパートナーかどうかを見極めることが重要です。なお、MAツールを社内で導入・活用したい場合の進め方は、MAツール導入の進め方で詳しく解説しています。

外注すべき業務と内製化すべき業務の分け方

どの業務を外注し、どこを内製化するかを考える際の基本的な軸は、「自社に蓄積すべき知見かどうか」と「外部の専門性を借りた方が早いかどうか」です。自社サービスの強みの言語化や、競合との差別化ポイントの整理、既存顧客のインサイトの把握などは、社内で主体的に取り組んだほうが長期的に見ても資産になります。

一方で、MAの設定や広告クリエイティブの制作、SEOの技術的な設計など、専門性が高く変化も速い領域は、外注したほうが効率的なことも多いです。

この2つをきちんと切り分けることが、アウトソーシングの効果を最大化するポイントになります。

マーケティングアウトソーシング会社の選び方:5つの判断軸

マーケティングアウトソーシングのパートナーを選ぶ際は、「自社の課題フェーズ」と「相手の得意分野」が噛み合っているかどうかを、5つの視点から見ていくと判断しやすくなります。費用の安さだけで決めてしまうと、あとから設計のやり直しが必要になるケースも出てきます。

判断軸①:BtoBマーケティングの商談化フロー全体を設計できるか

1つ目は、リードを獲得してから育成し、MQL判定を経て営業にトスアップするまでの流れを、一つのフローとして設計できるかどうかです。

「広告を出してリードが増えました」で終わってしまう会社と、「獲得したリードをMAでスコアリングし、スコアが一定値を超えたら営業に自動で引き渡す」といったところまで設計できる会社とでは、結果に大きな差が生まれます。初回の提案段階で、商談化のプロセスまでどのように関わってくれるのかを確認しておくとよいでしょう。

判断軸②:自社の業種・フェーズ・課題に近い実績があるか

2つ目は、自社と近い業種や企業規模、マーケティングの成熟度を持つ企業を支援した経験があるかどうかです。SaaS企業の支援実績が豊富な会社が、そのままのやり方で製造業向けのBtoBマーケティングを支援しても、同じように成果が出るとは限りません。

例えば、弊社がご支援している株式会社CLUE様のプロジェクトでは、「建設業界では検索行動がそこまで活発ではないため、Meta広告やディスプレイ広告などプッシュ型の施策の方がリード獲得の効率が良い」という業界特有の傾向が、実務を通じて見えてきました。

このように、業界ごとの前提や学びの積み重ねが、支援の成否を分ける場面も多くあります。

判断軸③:MAツールとの連携設計まで対応できるか

3つ目は、MAツールとの連携設計までしっかり対応できるかどうかです。ここで言う連携対応力とは、MAツールの選定や初期設定だけでなく、スコアリングの設計やシナリオ設計、SFAとのデータ連携までを含めて設計・実装できる力のことです。

Salesforce認定資格を持った担当者がいるかどうか、HubSpotやSalesforce Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)、Adobe Marketo Engageなど、どのツールを扱えるのかを確認しておくと判断材料になります。

設計の力が弱い会社に依頼してしまうと、「設定自体は終わっているのに、運用がまったく回っていない」といった状態になりがちなので注意が必要です。

判断軸④:内製化・自走化を見据えた支援体制があるか

4つ目は、契約終了後にどこまで内製化や自走を見据えているかです。「自社がずっと代行し続ける前提で設計する」のか、「いずれクライアント側に運用を引き継ぐ前提で設計する」のかによって、長期的なコストや組織の成長度合いは大きく変わります。毎週の勉強会や設計書の共有、社内担当者への権限移譲の計画などが支援内容に含まれているかどうかも、事前に確認しておきたいポイントです。

判断軸⑤:担当者の専門性とコミュニケーションの質

5つ目は、担当者個人の専門性とコミュニケーション力です。マーケティングの設計やMA、営業連携といった領域を横断的に理解しているかどうか、そして、それを分かりやすい言葉で伝えながら伴走できるかどうかが重要になります。

初回の提案時に、「自社の課題をどう整理したのか」「どの指標を重視しているのか」「なぜその施策を選んだのか」といった点を確認し、腹落ちする説明ができているかどうかを見ておくと判断しやすくなります。

BtoBマーケティング支援会社の特徴や選び方のポイントは、BtoBマーケティング支援会社の比較と選定基準でも詳しく整理しています。

マーケティングアウトソーシング会社おすすめ7選(BtoBマーケティング特化)

BtoBマーケティングに特化したアウトソーシング会社とは、戦略設計からMAの活用、営業連携の設計まで、BtoBならではのプロセスを一貫して支援できる会社を指します。ただし、それぞれの会社で得意分野は違うため、自社の課題フェーズと照らし合わせながら選ぶことが大切です。

コンサルティングとアウトソーシングの役割の違いについても知りたい方は、BtoBマーケコンサル会社の比較も参考になると思います。

株式会社Sells up(戦略設計×MA実装×自走化支援)

Sells upは、BtoBマーケティング支援に特化した会社で、HubSpot、Salesforce Marketing Cloud Account Engagement、Adobe Marketo Engageの3つのMAツールについて支援実績があります。

戦略設計から施策の実行、MA設定、営業連携のSLA設計、自走化支援までを一気通貫でサポートできる点が特徴です。Salesforce 認定 Marketing Cloud Account Engagement スペシャリストや Tableau Desktop スペシャリストの資格を持つ担当者が、これまで80社以上のBtoB企業をご支援してきました。

たとえば、複数年にわたりご一緒している株式会社CLUE様(ドローンSaaS・建設業界向け)のプロジェクトでは、2019年当時、社内にマーケティング経験者がいない状態からのスタートでした。

KPI設計やSalesforce Marketing Cloud Account Engagementの導入・運用、Salesforce(SFA)との連携、インサイドセールスの立ち上げまで段階的に並走し、「営業担当が個人で案件を取りに行くスタイル」から、「マーケティング施策によって組織的にリードを獲得するスタイル」への転換を実現しています(詳しくは支援事例ページをご覧ください)。

項目内容
支援タイプ戦略設計×MA実装×自走化支援(伴走型)
得意領域BtoBマーケティング戦略設計、MA/SFA導入、スコアリング設計、SLA構築
対応MAツールHubSpot、Salesforce Marketing Cloud Account Engagement、Adobe Marketo Engage
支援実績80社以上(詳細は支援事例ページをご参照ください)
向いている企業新規事業立ち上げ期、第二創業期、MAを導入しているが成果が出ていない企業

BtoBマーケティング特化会社の支援タイプ比較

BtoBマーケティングに強いアウトソーシング会社は、大きく3つのタイプに分けられます。自社の課題フェーズと照らし合わせながら、どのタイプが合いそうかを考えてみてください。

タイプ代表的な会社得意領域向いている状況
戦略設計×MA実装型Sells up・ワンマーケティング株式会社KPI設計、MA構築、営業連携SLAマーケティングの仕組みをゼロから設計したい
SEO・コンテンツ特化型テクロ株式会社・バズ部(株式会社ルーシー)オウンドメディア、SEO記事制作インバウンドでのリード獲得を強化したい
総合代行型ferret One(株式会社ベーシック提供)・株式会社THE MOLTS広告運用、コンテンツ制作、サイト制作施策実行のリソースを幅広く補完したい

費用相場と契約形態の目安

マーケティングアウトソーシングにかかる費用は、支援タイプやカバーする業務範囲、支援先企業の規模によって大きく変わります。月額数万円のライトなものから、数百万円規模の包括的な支援まで幅広く存在します。ここでは、弊社が複数社へのヒアリングや支援の現場を通じて把握している範囲での目安をまとめます。あくまで経験にもとづく金額感であり、公的な統計データではない点はご留意ください。

支援タイプ別の費用レンジ(月額目安)

支援タイプ月額費用の目安主な内容
戦略コンサル・設計型20万〜60万円KPI設計、戦略立案、MA設計、SLA構築
施策代行型(SEO・広告など)10万〜50万円記事制作、広告運用、SNS運用
MA運用代行型20万〜70万円MAツール設定、シナリオ運用、SFA連携
一気通貫型(戦略〜実行)50万〜150万円戦略設計から施策実行、MA、営業連携まで

※上記はあくまで弊社が把握している範囲での経験則にもとづく目安です。公的な統計データではありません。

費用対効果の考え方:コンサル費用と商談創出数で試算する

費用対効果を考える際には、「月額費用 ÷ 月間の商談獲得数」というシンプルな式で、商談1件あたりのマーケティングコストを出してみると判断しやすくなります。例えば、月額30万円の支援費用で月5件の商談を獲得できているとすると、商談1件あたりのコストは6万円です。自社の平均受注額や受注率から逆算すれば、そのコストが見合うかどうかを具体的に検討できます。

現場の感覚としても、「費用が安い会社を選んだものの、結果として商談がほとんど増えなかった」というご相談は少なくありません。単純な金額の安さだけを見るのではなく、設計力や実績も含めて総合的に判断していくことが大切です。

マーケティングアウトソーシングの失敗パターン3選と回避策

マーケティングアウトソーシングがうまくいかないケースには、いくつかの共通したパターンがあります。大まかに言うと、「設計がないまま外注してしまう」「目標やSLAの合意がない」「ノウハウ移転を前提にしていない」の3つです。いずれも、契約前の段階での確認によって、ある程度は避けることができます。

失敗①:施策代行だけ依頼し、戦略がないまま費用を消耗する

「とりあえず広告を回してほしい」「SEO記事をたくさん書いてほしい」といった形で外注を始めてしまうと、戦略がないまま施策だけが先行してしまうことがあります。

弊社がご支援した企業では、それまでの代理店に広告運用だけを任せていたものの、ターゲットの定義やMQLの基準が決まっておらず、数ヶ月の間、商談数がほとんど増えなかったというケースがありました。広告費だけが出ていく一方で、「誰に対して」「どの状態をゴールとして」動いているのかが曖昧なままだったのです。

このパターンを避けるには、初回提案の段階で「どのKPIを、どのように改善していくのか」をきちんと示せる会社かどうかを見ておくことが有効です。

失敗②:SLAも目標も決めずに外注し、営業と連携がとりづらくなる

「マーケからリードを渡しているのに営業が動いてくれない」「営業からは『リードの質が悪い』と言われる」といった摩擦も、よく見られるパターンです。

BtoBマーケティングでは、MQLの定義や営業への引き渡し条件、営業が初回対応するまでの期限などをSLAとしてあらかじめ決めておかないと、マーケティングが創出したリードが商談につながりにくくなります。

外注先が優秀であっても、社内の営業とのSLA設計が整っていなければ成果には結び付きません。私たちは、外注を検討する前に、社内でMQLやSLAの考え方をおおまかにすり合わせ、そのうえで外部パートナーに設計を手伝ってもらう、という進め方をおすすめしています。

失敗③:社内に何も残らず、契約終了後に運用が止まる

丸投げ型のアウトソーシングで起こりやすいのが、契約中は施策が回っていたものの、契約終了と同時にすべて止まってしまい、社内にノウハウや仕組みがほとんど残っていない、という状況です。これは、契約前に「ノウハウをどう社内に移していくか」という観点が十分に話し合われていないことが原因であることが多いです。

これを防ぐには、支援内容に定期的な勉強会や設計書・マニュアルの提供、権限移譲のスケジュールなどが含まれているかどうかを、事前に確認しておくことが重要です。

実際に、株式会社日本テレビアート様とのプロジェクトでは、週次の勉強会を通じてHubSpotの使い方やBtoBマーケティングの基礎を社内担当者の方々と共有し続けることで、経営陣が掲げる目標に向けて自社だけでも運用を続けられる体制づくりを進めてきました。

マーケティングアウトソーシングを進める4つのステップ

マーケティングアウトソーシングを検討するときは、いきなり会社探しから始めるのではなく、先に自社側の準備を整えておくことが大切です。私たちは、次の4ステップで進めることをおすすめしています。

Step.1:自社の現フェーズと課題を言語化する

まずは、「リードが足りない」「MAが動いていない」「商談化率が低い」など、どのフェーズで何がうまくいっていないのかを具体的に言葉にしてみます。この整理をしないまま外注先を探し始めてしまうと、自社に合う会社かどうかの判断がしづらくなります。現状の把握には、「月間リード数」「商談化率」「受注率」「MAの稼働状況」の4つを基準として見ることをおすすめしています。

Step.2:外注する業務範囲と内製化する業務を切り分ける

次に、「自社に蓄積すべき知見(サービスの強みの言語化や顧客インサイトの収集など)」と、「外部の専門性を借りた方がスムーズな領域(MA設計や広告運用、SEOなど)」を分けて考えます。すべてを外注してしまうと費用が膨らみますし、すべてを内製で賄おうとすると工数が足りなくなります。どこまでを外注するのか、線引きをしておくことで、費用対効果を高めやすくなります。

Step.3:2〜3社に相談し、提案力と担当者の質を比較する

候補を1社に絞って話を聞いてしまうと、比較の基準が持ちにくくなります。2〜3社に初回相談を依頼し、「自社の課題をどう整理したか」「どの施策をなぜ優先すると考えているのか」「費用対効果をどう見立てているのか」といった点を比べてみると、それぞれの会社の設計力や提案の質が見えやすくなります。担当者との相性やコミュニケーションの丁寧さも、実務を進めていくうえでは重要な判断材料になります。

Step.4:KPIとSLAを先に合意してから契約する

外注先を決めたら、契約書を交わす前に、KPIやMQLの基準、SLAの骨格について大枠の合意を取ることをおすすめします。「月間MQL◯件を目標とする」「スコア◯点以上のリードを営業に渡す」「営業は24時間以内に初回対応を行う」といった形で、数値と行動のルールをそろえてからスタートした方が、期待する成果に近づきやすくなります。

まとめ:マーケティングアウトソーシングは「設計」から始める

最後に、本記事でお伝えしたポイントを整理します。

  • マーケティングアウトソーシングとは、マーケティング業務を外部の専門会社に任せ、戦略設計から施策実行、効果測定までを一括して支援してもらう取り組みです。
  • BtoBマーケティングのアウトソーシングで任せられる業務は、「戦略設計」「施策実行」「MA導入・運用」「営業連携設計」の4つに整理できます。
  • 支援会社を選ぶ際の5つの視点は、①商談化フローを設計できるか ②自社と近い業種・フェーズの実績があるか ③MAツール連携まで対応できるか ④内製化・自走化を見据えているか ⑤担当者の専門性とコミュニケーション力です。
  • よくある失敗パターンは、①戦略なしで施策代行だけ依頼してしまう ②SLAや目標を決めずに外注し、営業と噛み合わなくなる ③ノウハウが社内に残らない契約になっている、の3つです。いずれも契約前の確認である程度防ぐことができます。
  • 進め方の4ステップは、Step.1:課題の言語化 → Step.2:業務範囲の切り分け → Step.3:複数社への相談・比較 → Step.4:KPIとSLAの事前合意、という流れです。

弊社の支援事例としては、株式会社日本テレビアート様で、営業・マーケティングのノウハウがほぼない状態からご一緒し、毎月の広告予算を約10万円に抑えながら月100件超のリードを継続的に獲得できる仕組みを構築した事例があります。

また、株式会社CLUE様では、マーケティング経験者がいない状態から複数年の伴走を通じてリード獲得体制を整え、インサイドセールスチームの立ち上げまで実現しています。

マーケティングアウトソーシングは、「どの会社にお願いするか」以上に、「何を設計したうえで依頼するか」で成果が大きく変わります。まずは自社の課題を丁寧に言語化し、その設計から一緒に取り組んでくれるパートナーを探すことが、成功への第一歩になります。

よくある質問(FAQ)

Q. アウトソーシングで有名な企業は?

BtoBマーケティングのアウトソーシングで実績がある会社としては、Sells up、ワンマーケティング株式会社、ferret One(株式会社ベーシック提供)、シンフォニーマーケティング株式会社、テクロ株式会社などが挙げられます。それぞれ得意な領域が異なるため、自社の課題フェーズや業種に近い実績を持つ会社を選ぶことが大切です。

Q. マーケティング業界で1位はどこですか?

「マーケティング業界1位」といっても、売上や支援社数、特定領域での実績など、何を基準にするかによって答えは変わります。自社に合うパートナーを探す際は、業界トップの規模かどうかよりも、「自社の業種やフェーズ、利用しているMAツールに近い実績があるか」を基準にしたほうが成果につながりやすいと考えています。

Q. マーケティングを委託するサービスはありますか?

BtoBマーケティングの業務を委託できるサービスは、大きく「戦略設計型」「施策代行型」「MA運用代行型」「一気通貫型」の4タイプに分けられます。まずは「何を外部に任せたいのか」を整理し、それに対応できるタイプの会社に相談するのが良いと思います。

Q. マーケティングの4大要素は?

マーケティングの4大要素(いわゆる4P)は、Product(製品)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)の4つです。BtoBマーケティングのアウトソーシングでは、この中でも特にPromotionの領域、具体的にはリードジェネレーションやナーチャリング、商談化の設計といった部分を外部に任せるケースが多くなっています。

Q. BtoBマーケティングのアウトソーシングを依頼したのに成果が出ない場合、何が原因ですか?

よくある原因の一つは、「戦略や設計が不十分なまま、施策の実行だけを外注している」ことです。外注先が広告運用やコンテンツ制作だけを担い、KPIやMQL、SLAといった設計がされていない状態だと、リードを獲得しても商談にはつながりにくくなります。弊社が引き継いだ案件の中でも、外注先を切り替え、設計から見直したことで商談化率が改善した例がいくつもあります。

Q. マーケティングアウトソーシングは内製化よりも費用がかかりますか?

短い期間だけ切り取って見ると、外注の方が人件費より高くつくケースもあります。ただ、採用や育成にかかるコスト、スキルが定着するまでの時間(一般的には1年以上かかることも多い)を踏まえると、設計力のある外注先を活用した方が早く成果が出る場合もあります。私たちは、アウトソーシングを通じて社内にノウハウを蓄積しながら、段階的に内製化へ移行していく「伴走型」の進め方をおすすめしています。

戦略は立てた。次は実行できる体制があるか、確認しませんか

戦略設計の手順はわかっても、実際に動かすリソースやノウハウが不足しているケースは少なくありません。Sells upはBtoBマーケティングの戦略設計から施策実行まで、80社以上の支援実績があります。現状の課題と何から始めるべきかをご提案します。

株式会社Sells up 代表取締役
③支援会社選定・外部支援系
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。BtoBマーケティング支援会社として、デジタルマーケティング戦略設計・MA/SFA導入・リードジェネレーション・ナーチャリング・営業連携SLA構築を80社以上に提供し、売上成長への貢献実績を持つ。Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement SpecialistおよびTableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。