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【初心者向き】MAツールを導入する8ステップと失敗を避けるコツ

MAツールの導入・活用の相談はSells upへ。

MAツールの導入や、導入後の成果最大化に課題をお持ちでしたら、ぜひSells upにご相談ください。50社以上の導入・活用を支援してきた担当者が貴社の状況・目標に向き合い、最適なツールの導入プラン / 統計知識を用いた活用プラン描き、戦略策定から実装 / 実行 / 効果測定までをご支援いたします。

目次

「MAツールを導入する意向は固まったものの、どうやって導入すればいいのか分からない。具体的な導入ステップが知りたい」

「MAツールを導入することになったものの、何から始めればいいのか分からない。社内の人材だけでも導入できるだろうか...」

MAツールを導入すると決めたものの具体的に何をするのか全体像が見えず、どのように最初の一歩を踏み出せばいいのか悩んでいる担当者は多いのではないでしょうか。

MAツールは、単にツールを選定して導入すれば成果が出るわけではありません。下記のステップに沿って戦略設計から運用まで計画的に進めることが重要です。

※リンクをクリックすると該当のステップに移動します

MAツールを導入するステップ概要
ステップ1:MAツールを導入する目的を明確にする

自社の課題や今後目指したい姿をもとに、なぜMAツールを導入するのか明確にする

ステップ2:MAツールを活用して達成したいKPIを決める

「商談化率を20%アップする」などMAツールを活用して達成したい具体的なKPIを決める
ステップ3:MAツールの導入目的・KPIをもとに必要な機能を整理する

カスタマージャーニーマップを作成して目的、KPIの達成にはどのような機能が必要なのか整理する

ステップ4:運用体制を整理する

MAツールを活用するにあたり、どのタイミングで誰が何をするのか明確にして共有する

ステップ5:導入するMAツールを選定する

自社の戦略設計を達成できるMAツールを選定する

ステップ6:MAツールのシナリオ・スコアリング設計をする

自社の戦略設計を達成するためにMAツールのシナリオ、スコアリング設計をする

ステップ7:初期設定・テスト運用をする

MAツールにデータを読み込ませるなどの初期設定をして限定した範囲でのテスト運用をする

ステップ8:本格運用をしてPDCAを回す

運用開始後にはPDCAを回してMAツール運用の精度を高める

また、MAツールの導入は、ツールとマーケティングの双方の知識が必要となるので、社内の人材だけで進めようとすると難しくて止まってしまう可能性があります。

知識のある専門家のサポートを受けながら、導入を進めることも視野に入れながらステップを確認していきましょう。

本記事では、MAツールを導入するステップと導入時によくある失敗をまとめて解説していきます。最後まで読めばどのような手順でMAツールの導入を進めるのか把握したうえで、まずやるべきことが分かります。

MAツールで成果を出すには、適切な手順で導入を進めることが欠かせません。自社の目的に合わせて活用するためにも、参考にしてみてください。

1.導入ステップ1:MAツールを導入する目的を明確にする

ステップ1では、MAツールを導入する目的を明確にしましょう。自社でなぜMAツールを活用するのかが明確になっていないと、MAツールを導入しても活用方法が曖昧になり成果につながらないためです。

実際にMAツールで成果を出せないときに多いのは、導入前の段階での下記のような失敗です。

【MAツールの導入前によくある失敗】

・MAツールを導入することが目的になっている

・MAツールを導入すれば何らかの成果が出ると思っている

・MAツール導入後の活用イメージがない

例えば、MAツールの導入自体が目的になっていると、導入後に何に活用すればいいのか分からず成果を生み出せません。

このような失敗を避けるためにも、「自社ではなぜMAツールを使うのか」目的を言語化しておきます。MAツールの目的を決めるときは、現状の課題と目指す姿を紐づけて考えるといいでしょう。

目的を決めるときに考えること概要/例
今の課題

マーケティング、営業活動で抱えている課題を書き出す

<例>
・リソース不足でマーケティング施策を回せていない

・リードは獲得できるものの商談化率が低い

・リードの温度感が分からずとりあえず営業に連携している

・オンラインとオフラインをまたぐリードの管理ができていない

目指す姿

現状の課題を改善して目指したい姿を書き出す

<例>
・限られた人員で継続的にマーケティング施策を回せるようにする

・リードを育成して商談化率を向上する

・ホットリードを見極めて営業に連携する

・見込み客を一元管理して的確なアプローチをする

多くの課題がある場合は自社での優先順位を基準に絞り込むといいでしょう。

一例として、リードは獲得できるものの商談化率が低い課題は、自社の売上に直結する課題です。優先度が高いと考え、MAツールではまずリードを育成して商談化率を向上することを目的にすると決めることができます。

このように、何となくMAツールを導入するのではなく、社内で明確な目的を持ち導入できるようにすることが重要です。

▼MAツールを活用することで得られる効果は、下記の記事で詳しく解説しています。


【フェーズ別】MAツールの7つの効果と効果を実感するためのポイント| 株式会社Sells up

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2.導入ステップ2:MAツールを活用して達成したいKPIを決める

ステップ2では、MAツール導入の目的をベースに達成したいKPIを決めます。目的のみの設定ではMAツールの成果の基準が曖昧になり、正しく効果測定ができないためです。

KPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)とは、目的達成の指標となる具体的な数値を指します。

例えば、MAツールを導入する目的が「リードを育成して商談化率を向上する」であれば、下記のように目的達成の目安となる具体的な数値を設定します。

【リードを育成して商談化率を向上するときのKPIの例】

・半年以内に商談化率を15%アップする

・半年以内に新規獲得リード数を月50件まで増やす

・(既に施策が決まっている場合)メール開封率を15%アップする

・(既に施策が決まっている場合)セミナー参加率を10%アップする

「商談化率を向上する」という目的設定だけでは、どうなれば向上したと言えるのか人により異なる可能性があります。

半年以内に商談化率を15%アップするとKPIを設ければ、達成を目指して足並みを揃えてMAツールの運用ができます。

このように、MAツールを導入する前にはMAツールの導入目的とKPIを明確にして、自社でのMAツール活用イメージをしっかりと持っておきましょう。

3.導入ステップ3:MAツールの導入目的・KPIをもとに必要な機能を整理する

ステップ3では、MAツールの導入目的とKPIをもとに必要な機能を整理します。MAツールは、多機能であれば優れているわけではありません。自社の戦略に必要な機能があり、KPI達成に向けて有効活用できることが重要なのです。

そのため、自社の戦略を念頭に置きつつ、カスタマージャーニーマップを使い必要な機能を整理しましょう。必要な機能を整理するときは、下記の2段階で進めます。

MAツールに必要な機能を整理するステップ

1)MAツールの基本的な機能を把握する

2)カスタマージャーニーマップに沿って必要な機能を整理する

3-1.MAツールの基本的な機能を把握する

まずは、MAツールの基本的な機能を把握しておきましょう。MAツールは見込み客の獲得から育成、商談化までの各フェーズで活用できる下記のような機能が揃っています。

MAツールの主な機能できること
見込み客の情報管理

・見込み客の情報を一元管理できる

・オンライン、オフラインでの見込み客情報をまとめて管理することもできる

メールの作成、配信

・ノーコードでメールマガジンを簡単に作成できる

・見込み客の状況に応じて自動でメール配信ができる

・ツールによってはステップメール(指定したタイミング、順序で段階的にメールを自動配信する)ができる

広告配信連携

・複数の広告配信を自動化、最適化できる

LPの作成

・見込み客の購買意欲を高めるページを作成できる

問い合わせフォームの作成

・見込み客が問い合わせするページを作成できる

スコアリング

・見込み客の行動、属性をもとに検討度合いなどを数値化して表示できる

シナリオ設計

・見込み客の行動パターンに応じて、自社がとるべき行動を設計して自動で実行できる

アラート通知

・見込み客が指定の行動をしたときに通知を受け取れる

・例:セミナーの申し込みをしたときに通知を受け取るなど

商談履歴の管理

・顧客ごとに商談履歴、商談化までのプロセスが可視化ができる

分析機能

・キャンペーンの効果やリードの分析、各施策の分析など様々な角度で分析ができる

他ツールとの連携

・CRMやSFAなどと連携して情報を共有できる

※MAツールにより使える機能が多少異なります

次のステップでも確認しますが、自社の目的に沿って必要な機能があるかどうかが重要です。例えば、見込み客を育成して商談化率を向上したい場合は、

  • 見込み客育成に活用できるメール配信やLP作成機能
  • 見込み客の温度感を確認できるスコアリング機能
  • 見込み客の育成シナリオに沿って施策ができるシナリオ設計

などの機能が必要だなと目星を付けておくといいでしょう。

3-2.カスタマージャーニーマップに沿って必要な機能を整理する

MAツールの基本的な機能を把握したところで、カスタマージャーニーマップに沿って必要な機能を整理します。

カスタマージャーニーマップとは、見込み客がサービスや商品を認知してから契約に至るまでの一連の流れを整理するフレームワークです。見込み客の行動を軸に、どのタイミングでどのようなアプローチが必要なのか検討できます。

一例として、下記のようなカスタマージャーニーマップを作成すると、どのタイミングでMAツールを活用し、どのような機能が必要となるのか可視化できます。

カスタマージャーニーマップの作成ステップ
概要/例
ステップ1:自社の商品、サービスを利用するターゲットを決める

商品、サービスの認知から契約(購入)までの行動を描くターゲットを決める

<例>
自社の顧客データを基に中心となる顧客像をターゲットに設定する

ステップ2:見込み客の検討フェーズごとの行動を明確にする

見込み客が検討フェーズごとにどのような行動をするのか具体的に記載する

<例>

顧客データやアンケートなどを見ると「比較検討」フェーズでは店舗に足を運び実物を見る人が多い

ステップ3:行動ごとの見込み客の心理的な変化を明確にする

ステップ2で記載した行動をするときに見込み客がどのような気持ち、悩みを抱いているのか記載する

<例>

「比較検討」フェーズでは〇〇と〇〇の視点で悩むことが多い

ステップ4:検討フェーズごとに見込み客とのタッチポイントを明確にする

検討フェーズごとに見込み客とどのような接点を持っているのか記載する

<例>

「比較検討」フェーズでは無料体験、比較資料が接点となる

ステップ5:MAツールのどのような機能が必要かを検討する

タッチポイントで実現したい成果を出すために必要なMAツールの機能を具体的に記載する

<例>
「比較検討」フェーズのタイミングでシナリオ設計を使い検討資料を送付したい

MAツールの機能を記載するときは、どの機能を使い何を実現したいのかできるだけ具体的に記載するとツール選定時にミスを防げます。

例えば、「メールを配信」と記載するのではなく「ステップメール配信機能を使って購買意欲を高める情報を段階的に配信する」という粒度で記載できると、活用イメージと機能のミスマッチが起こりにくくなります。

【カスタマージャーニーマップで確認しにくい機能があるので注意】

カスタマージャーニーマップは、見込み客の行動を軸にMAツールの機能を整理していきます。そのため、見込み客の行動に紐づかない下記のような機能は、見落としがちなので注意が必要です。

・見込み客の管理機能
・アラート通知機能
・他のツールとの連携機能

カスタマージャーニーマップを作成した後に、再度MAツールの基本機能を確認して、見落としている機能がないか確認することがおすすめです。

4.導入ステップ4:運用体制を整理する

ステップ4では、MAツールの運用体制を整えます。どのタイミングで誰が何をするのか決まっていないと、その場しのぎの運用になりやすく成果につながらないためです。

MAツールの運用体制は活用の目的や社内の体制により異なりますが、下記のように複数部署が関わることが多いです。

MAツールの運用体制の例実施したほうがいいこと
マーケティング部

・MAツール運用の全フェーズの管理

・コンテンツ作成(外注するケースもある)

・効果測定、改善

情報システム部

・MAツール導入のサポート

・運用時の保守点検

営業

・ホットリードの管理、商談化

コールセンター

・検討フェーズなど必要なタイミングでの顧客サポート

運用体制を整理するときは連携部署が分かる状態にするだけでなく、カスタマージャーニーマップを使いどのタイミングでどの部署が何をするのか共通認識を持つとスムーズに運用できます。

例えば、下記のように、各部署がやるべきことを書き出して把握しておけば、MAツール導入前に部署ごとに準備ができるでしょう。

【カスタマージャーニーマップを使い各部署でやるべきことを明確にした例】

・見込み客が比較検討する段階で営業担当がフォローする

・マーケティング部は見込み客が興味関心を持った段階で配信するメルマガを作成する

・コールセンターでは比較検討段階の見込み客リストに電話をしてフォローアップする

MAツールは導入すれば成果が出るわけではなく、PDCAを回せる運用体制があって初めて効果を発揮します。導入する前にしっかりと体制を整えておきましょう。

5.導入ステップ5:導入するMAツールを選定する

ステップ5では、いよいよ自社に合うMAツールを選定します。MAツールを選ぶときは、1~3のステップで決めてきた自社の戦略設計を達成できるかが大前提です。

いくら多機能で高価なMAツールであっても、自社の目的を達成できなければ成果につながらないためです。どのようなMAツールでも、まずは自社の戦略設計を実現できるかという視点で導入を検討しましょう。

そのうえで「機能性」「操作性」「コスト・サポート」の3つの軸で比較すると、MAツールの絞り込みがしやすくなります。

MAツールを選ぶ軸選び方のポイント
機能性

MAツールを活用する目的に合う細かな機能がある

<例>
商談化率を向上させたい場合は「見込み客管理機能」を見るだけではなくその中にホットリードの可視化や営業へのアラーム通知などがある

自社の業種に合う機能がある

<例>
BtoBとBtoCは検討期間や抱える見込み客数、見込み客との接点が異なるため、業種に応じた機能が揃っている

必要なツールやサービスと連携できる

<例>
CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)などMAツールと連携したいツール、サービスと連携して体制を構築できる

操作性

初期設定がしやすい

<例>
見込み客登録やシナリオ設計、スコアリングなどの初期設定がスムーズに進められる

直観的に使える設計になっている

<例>
無料体験などをしてみて必要な操作が簡単に理解できる

操作工数が少なく運用負担が軽い

<例>
無料体験などをしてみて日々の運営に負担となる操作、工数の多い操作などがなく継続利用できるイメージが持てる

アカウント・情報共有がしやすい

<例>
複数人で運用する場合は必要な数のアカウントが作成できる、レポートやダッシュボードを簡単に共有できる

コスト・サポート

中長期的な運用ができるコストになっている

<例>
導入コストだけでなく人件費や月額費も含めて、中長期的に運用できるコストに収まっている

アフターフォローが充実している

<例>
MAツール導入後の相談窓口、個別サポートなどの体制が整っている

セキュリティを強化している

<例>
セキュリティ認証などセキュリティを強化する仕組みを取り入れている

例えば、機能を比較検討する場合は、多くの機能が揃っているという視点ではなく、自社の目的、業種に合う機能があるのか確認することが重要です。

例えば、MAツールを使って見込み客との接点を増やしリードを獲得したい場合は、コンテンツ作成やメール配信機能などが必要になります。

このときにメール配信機能があれば実現できると考えるのではなく、メール配信の中にステップメールやシナリオ設計など、自社の戦略に必要な機能が揃っているのかというところまで確認しておくといいでしょう。

ただし、MAツールを3つの軸に沿って比較検討するには、MAツールごとの特徴を理解できる深い知識が必要です。

社内のノウハウだけでは的確な選定が難しいと感じる場合は、外部の業者のサポートを受けながら選定するといいでしょう。


【実践的】MAツールの10つの選び方と失敗しないためのコツ| 株式会社Sells up

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6.導入ステップ6:MAツールのシナリオ・スコアリング設計をする

ステップ6では、MAツールのシナリオ・スコアリング設計をします。MAツールのシナリオ、スコアリング設計は、MAツールを有効活用して成果を出すための中核を担う機能です。

シナリオ設計とは、カスタマージャーニーマップでまとめた見込み客の行動データに基づき、決めたシナリオに沿って自動的に情報を届ける仕組みを設計することを指します。

下記のように、まずはメールを配信して開封した見込み客にはセミナー案内をする、セミナー案内を開封した見込み客にはイベント案内をするなど、見込み客の行動に応じたフォローを自動化できます。

スコアリングは見込み客の属性、行動ごとに点数をつけて、優先的にフォローする見込み客を可視化する機能です。

下記のようにメールの開封、資料のダウンロードなど、見込み客の具体的な行動ごとに点数を決めて、一定の点数に達した見込み客をホットリードとして表示します。

MAツールの運用を開始する前に、この2つの機能を設計しておくことで、見込み客の育成、可視化がしやすくなります。

ただし、どちらの機能も勘に頼り設計すると、実際の見込み客の行動との間に差が生まれて、成果につながる運用ができません。

【シナリオ設計・スコアリングの失敗例】

・できそうな施策をつなげてシナリオ設計したが見込み客の反響が悪い

・勘に頼ってスコアの割り振りをしたもののホットリードが商談化につながらない

そのため、現在の見込み客の行動やデータを参考にしながら、根拠のあるシナリオ設計、スコアリングができる知識が求められます。

ここはMAツール導入時の難所であり多くの担当者が難しいと感じる部分なので、知見のある外部業者とともに進めるといいでしょう。

7.導入ステップ7:初期設定・テスト運用をする

ステップ7では、導入するMAツールの初期設定をしてテスト運用をします。初期設定では、MAツールを活用するための下記のような基本設定を行います。

マーケティング部と情報システム部などが連携して進めることが多いですが、難易度によっては外部の業者に委託するケースがあります。

初期設定の一例概要
データの取り込み

・見込み客情報などのデータを取り込み整理する

シナリオ・スコアリングなどの設定

・事前に設計したシナリオ・スコアリングなどの設定をする

コンテンツの登録

・LPやメルマガなど運用開始時に最低限必要なコンテンツを登録する

サービス・ツール連携

・広告やSNS、ECサイトなどのサービスと連携する

・CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)と連携する

権限・分析設定

・タグの設置など分析できる環境を設定する

・運用者の権限を設定する

MAツールの初期設定が完了したら、テスト運用を開始します。急に全フェーズにMAツールを導入すると、トラブルが起きたときのリスクが大きくなるためです。

例えば、まずは社内のメンバーに対してシナリオ設計に沿ったコンテンツを配信するなど、特定の機能、限定した範囲から運用を開始します。

その中で「コンテンツが表示されない」「シナリオに沿って配信されていない」などのトラブルがあれば、その都度改善していきます。

また、テスト運用時は担当者が機能に慣れるチャンスなので、テスト運用時にコツや流れを掴んでおくといいでしょう。

8.導入ステップ8:本格運用をしてPDCAを回す

ステップ8では、テスト運用で問題がないことを把握したうえで、本格的な運用を開始します。「4.導入ステップ4:運用体制を整理する」で決めた体制に沿って、見込み客の獲得から商談化までの各フェーズで活用していきます。

ここで重要なのは、MAツールは導入して終わりではなく運用しながら精度を高めることです。

定期的に運用レポートを作成して、ボトルネックとなっている部分はないか、KPIを達成できそうか確認します。ボトルネックが明確になっている場合は改善を重ねて、MAツールの導入成果を高めていきます。

ボトルネックを発見する視点概要/例
見込み客の行動

・コンテンツやWebサイト、広告などでの見込み客の行動を見て離脱につながる部分を分析する

<例>
特定のコンテンツで離脱している場合は改善の余地がある

スコアリング・シナリオ設計の反応

・スコアリングやシナリオ設計が成果につながっているか、課題になっている箇所がないか分析する

<例>
ホットリードは出ているが商談化していないためスコアリングの方法を見直す必要がある

KPI

・MAツールのKPI達成に向けて一定の成果が出ているか分析する

<例>
商談化率は増えているもののKPIは達成できていない

例えば、MAツールの運用データを分析して、特定のメールでの離脱が多いと分かれば、メールを改善して見込み客の離脱を防ぐなどの対応ができます。

MAツールは中長期的に運用をして、シナリオやスコアリング、コンテンツを継続的に改善していくことで、成果が出やすくなっていきます。

導入直後にすぐ成果が出るというよりもPDCAを繰り返して、精度を高めるところまでを意識して取り組みましょう。

9.MAツールを導入するときによくある失敗

ここまでMAツールを導入するステップを紹介してきましたが、実はMAツール導入時に起こりやすい失敗があります。よくある失敗を事前に理解して、回避することが大切です。

ここでは、MAツールを導入するときによくある失敗を3つご紹介します。どれも導入前に知っておけば避けられることばかりなので、チェックしておきましょう。

MAツールを導入するときによくある失敗

・MAツールを導入すれば見込み客を育成できると思っている

・戦略から運用まで一貫した軸を持てていない

・MAツールが社内に浸透しない

9-1.MAツールを導入すれば見込み客を育成できると思っている

1つ目は、MAツールを導入さえすれば見込み客を育成できると思っているパターンです。

MAツールはあくまでも自社の戦略設計を達成するための手段なので、導入しただけでは見込み客の育成、商談化などにはつながりません。MAツールの戦略に沿って活用できる運用体制を整え実践することで、初めて成果が出せるようになるのです。

MAツールの導入段階で、下記のような考え方をしている場合は要注意です。

【MAツール導入時の要注意な考え方】

・MAツールを導入すればマーケティング活動をある程度自動化できる

・MAツールを導入してから使い方を考えようと思う

・MAツールの活用方法は現場に任せている

例えば、MAツールはマーケティング活動を自動化、効率化できるツールだと捉え、導入すればある程度自動的に見込み客を育成できると考えているとしましょう。

確かにマーケティング活動を自動化、効率化できる側面はありますが、それは目的や使い方が明確な場合です。MAツールを導入しただけでは見込み客の行動に沿って、必要なマーケティング活動を効率化できません。

1.導入ステップ1:MAツールを導入する目的を明確にする」からしっかりと取り組み、MAツールの導入目的、KPIを設定したうえで、目的に沿って活用できるように体制を整えていくことが重要です。

9-2.戦略から運用まで一貫した軸を持てていない

2つ目は、MAツールの戦略から運用まで一貫した軸を持てていないケースです。MAツールは自社の戦略設計に沿って活用するものなので、戦略から運用までに一貫性がないと十分な活用ができません。

例えば、MAツールの戦略設計はできているものの、運用体制や機能に紐づけできず、それぞれが分断されているケースが該当します。

とくに、MAツールの戦略設計担当者と運用者が異なる場合など、複数の部署、担当者で進めていく場合は、情報の分断、フェーズごとの分断が起こりやすいです。

このような状態を避けるには、本記事の導入ステップで解説したように、戦略設計をベースに運用体制や機能を考えていくことが重要です。

例えば、MAツールを活用してホットリードを120%アップさせたいという目的があったとしましょう。

この目的を達成する見込み客の行動をカスタマージャーニーマップに落とし込んだうえで、必要な機能、運用体制を整えていけば、一貫性のある運用ができます。

9-3.MAツールが社内に浸透しない

3つ目は、MAツールが社内に浸透しないケースです。MAツールの導入時に目的や機能、活用フェーズなどの情報が共有されていないと、MAツール活用の足並みが揃いません。

その結果、MAツールが浸透せずに、導入しても意味がなかったと感じてしまいます。この状態を防ぐには、MAツールの戦略設計段階から情報共有をして、関係者を巻き込む姿勢が大切です。

例えば、MAツールの戦略設計、体制整備などをマーケティング部のみで決めてしまうと、営業やコンテンツ作成担当者などが状況を理解しにくい状態になります。

戦略設計の段階から会議に参加する、意見を聞くなどして、MAツールの必要性、活用する意義を伝えていく必要があるでしょう。

▼MAツール導入後に感じる使いこなせない原因は、下記の記事で詳しくまとめています。


MAツールを使いこなせない企業によくある7つの原因と見直すコツ| 株式会社Sells up

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10.MAツール導入時には戦略から設計する知識・ノウハウが必要だからこそ専門家の伴走が必要

ここまで、MAツールを導入するステップや導入時によくある失敗を解説してきました。MAツールは、導入さえすれば、成果が出るわけではありません。

戦略設計段階からしっかりと取り組み一貫した目的を掲げて、体制整備、ツール選定などに進む必要があります。

しかし、社内にはMAツールの導入時に上流(戦略設計)から下流(コンテンツ作成、運用)までアプローチできるノウハウを持ち合わせた人材がいないことが多いです。

とくにMAツール導入時にはマーケティングの知識だけでなく、機能やスコアリング設定などのMAツール自体の深い理解が求められます。

知識不足のまま無理に自社で導入を進めると、途中で止まってしまう、的確な判断ができないなどのトラブルにつながります。

そこで、MAツールの導入時には、知識のある専門家に伴走してもらうことがおすすめです。MAツールに精通している専門家であれば各ステップの要所を押さえつつ、戦略設計に沿った導入サポートができます。

【MAツール導入時に専門家に伴走してもらうメリット】

・専門的な知識が必要な場面で根拠、知識に基づいた的確な判断ができる

・社内にMAツールを理解している担当者がいなくても導入を進められる

・MAツール導入時に迷ったことをすぐに相談できる

中でも、私たち「Sells up」は、MAツールの戦略設計から運用まで一貫した伴走支援ができます。単にMAツールの導入を目指すのではなく、企業様の成果を最優先することを大切にしています。

企業様にMAツールの知見がなくても本質的なアドバイスを積極的にしていくので、安心して導入を進められます。

MAツールの導入実績だけでも50件以上あり特徴や強みも熟知しているため、企業様の戦略設計、社内環境に最適な提案が可能です。

実際にMAツールなどの運用体制を整えて、下記のように初年度から多い月で100件以上のリードを獲得できるようになった支援事例もあります。

Sells upが支援した株式会社日本テレビアートさまのMAツール導入例

テレビ業界全体の市場の変化を受けて、新規事業の立ち上げに取り組むことになった日本テレビアート様。顧客接点の創出や販路拡大の課題を解決するために、私たち「Sells up」にお声がけいただきました。

事業内容の言語化とコンテンツ作成、CRM(MA、SFA)ツールの導入などを実施して、初年度から多い月で100件以上のリードを獲得。広告費を10万円程度に抑えることができ、費用対効果の高い取り組みができるようになりました。

▼株式会社日本テレビアート様の事例は、下記でも解説しています。


新規事業の舞台裏。広告予算10万円で毎月100件のリードを創出し、顧客に“デザインの力”を届けるまで

新規事業立ち上げの一環として立ち上げられた株式会社日本テレビアートのビジネスプロデュース室では、新しいサービスの企画から新規顧客との接点創出と販路の拡大に悩みを抱えていました。こうした課題解決を目的とした弊社との取組みでは、サービス企画から広告の運用、MAの導入まで幅広い支援サービスをご提供させていただきました。

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「MAツールの導入が社内で進められるか不安」「MAツールの導入ノウハウがなくてなかなか進まない」など、MAツールの導入に課題を抱えている場合は、まずはお気軽にお問い合わせください。

11.まとめ

本記事では、MAツールを導入するステップと導入時によくある失敗をまとめて解説しました。最後にこの記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。

〇MAツールを導入するステップは下記のとおり

MAツールを導入するステップ概要
ステップ1:MAツールを導入する目的を明確にする

自社の課題や今後目指したい姿をもとに、なぜMAツールを導入するのか明確にする

ステップ2:MAツールを活用して達成したいKPIを決める

「商談化率を20%アップする」などMAツールを活用して達成したい具体的なKPIを決める

ステップ3:MAツールの導入目的・KPIをもとに必要な機能を整理する

カスタマージャーニーマップを作成して目的、KPIの達成にはどのような機能が必要なのか整理する

ステップ4:運用体制を整理する

MAツールを活用するにあたり、どのタイミングで誰が何をするのか明確にして共有する

ステップ5:導入するMAツールを選定する

自社の戦略設計を達成できるMAツールを選定する

ステップ6:MAツールのシナリオ・スコアリング設計をする

自社の戦略設計を達成するためにMAツールのシナリオ、スコアリング設計をする

ステップ7:初期設定・テスト運用をする

MAツールにデータを読み込ませるなどの初期設定をして限定した範囲でのテスト運用をする

ステップ8:本格運用をしてPDCAを回す

運用開始後にはPDCAを回してMAツール運用の精度を高める

〇MAツールの導入時によくある失敗は下記のとおり

  • ・MAツールを導入すれば見込み客を育成できると思っている
  • ・戦略から運用まで一貫した軸を持てていない
  • ・MAツールが社内に浸透しない

MAツールは戦略設計から体制整備、運用まで一貫した軸を持って取り組む必要があります。ノウハウ不足や自社だけでの導入に不安がある場合は、Sells upにお気軽にお問い合わせください。

MAツールの導入・活用の相談はSells upへ。

MAツールの導入や、導入後の成果最大化に課題をお持ちでしたら、ぜひSells upにご相談ください。50社以上の導入・活用を支援してきた担当者が貴社の状況・目標に向き合い、最適なツールの導入プラン / 統計知識を用いた活用プラン描き、戦略策定から実装 / 実行 / 効果測定までをご支援いたします。

株式会社Sells up
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。BtoBマーケティングの戦略設計/KPI設計はもちろん、リードジェネレーション施策やナーチャリング、MA/SFA活用を支援し、業界/企業規模を問わずこれまでに約80社以上の支援実績を持つ。Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialist/Tableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。