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【実践的】MAツールの10つの選び方と失敗しないためのコツ

目次

「マーケティング施策の効率化、成果向上のためにMAツールの導入が決まった。いざMAツールを見てみると種類が豊富で、どのように選べばいいんだろう」

「MAツールは一度導入すると、簡単に変更できないから慎重に選定したい。どのようなポイントを押さえればいいのか知りたい」

MAツールの導入を検討するときにさまざまなMAツールがあることを知り、どのように取捨選択すればいいのか悩む担当者は多いのではないでしょうか。

MAツールは「機能性」「操作性」「コスト・サポート」の3つの軸を基準に、選び方のポイントを押さえて比較することが大切です。

※リンクをクリックすると該当の選び方の部分に移動します

MAツールを選ぶ軸選び方のポイント
機能性

MAツールを活用する目的に合う機能がある

自社の業種に合う機能がある

必要なツールやサービスと連携できる

操作性

初期設定がしやすい

直感的に使える設計になっている

操作工数が少なく運用負担が軽い

アカウント・情報共有がしやすい

コスト・サポート

中長期的な運用ができるコストになっている

アフターフォローが充実している

セキュリティを強化している

ただし、MAツールの選び方と自社のMAツールの戦略設計に一貫性がないと「必要な機能がなかった」「目的を達成する使い方ができない」などの後悔に陥ります。

MAツールを選ぶときには、自社の戦略設計を明確にしたうえで、適切な選び方を理解する視点を持つようにしましょう。

そこで本記事では、MAツールの選び方と、ツール選定前にしておきたいことを併せて解説していきます。

最後まで読めばどのような視点でMAツールを比較するべきか分かり、納得できるMAツール選びができます。

MAツールは、リード育成と商談創出のプロセスを体系化するための基盤となるツールです。成果につながるMAツールを選ぶためにも、ぜひ参考にしてみてください。

1.【機能編】MAツールの選び方

冒頭でも触れたように、MAツールは機能性・操作性・コスト・サポートの3つの軸で確認することが重要です。

まずは、MAツールを選ぶときに非常に重要になる機能に着目した選び方をご紹介します。MAツールは多機能であれば優れているわけではなく、下記のような視点で比較検討することが大切です。

MAツールの選び方チェックリスト
MAツールを活用する目的に合う機能がある

・自社のMAツール活用の目的に合う機能が備わっている

・細かな機能(メール配信であればその中の機能)を見て活用イメージが持てる

自社の業種に合う機能がある

・BtoCやBtoBなど業種の特徴を踏まえて問題なく使える機能が備わっている

・同業種の導入事例があり導入後のイメージが持てる

必要なツールやサービスと連携できる

・導入済み、または導入を検討しているツール、サービスと問題なく連携できる

・連携できるだけでなく必要な情報の共有、機能の活用ができるところまで確認できている

自社の成果につながるMAツールを選定するためにも、参考にしてみてください。

1-1.MAツールを活用する目的に合う機能がある

1つ目は、MAツールを活用する目的に合う機能があることです。いくら多機能であっても、自社が実現したいことに合う機能がなければ成果を実感できないためです。

MAツールの主な機能そのものはツールによる差は少ないですが、各機能で実現できることの粒度に差があります。ここに注目することが大切です。

MAツールの主な機能できることの例
見込み客の情報管理

・見込み客の一元管理

・見込み客の行動履歴、商談履歴の管理

・見込み客のクロスチャネル行動管理(SNSや広告など複数チャネルでの見込み客の行動履歴を管理する)

・CRMやSFAとの情報共有

メールの作成、配信

・メールの作成

・メールの配信時間管理

・ステップメール(ユーザー行動に紐づくメールを自動配信する)

・セグメント配信(特定の条件のユーザーにメールを自動配信する)

・ABテスト

広告配信連携

・広告チャネル管理

・広告の効果測定

・広告のセグメント配信

LP・問い合わせフォームの作成

・ノーコードでのLP、問い合わせフォームの作成

・テンプレートの活用

・独自ドメイン対応

・属性によるLPの使い分け

・ABテスト

スコアリング

・行動、属性でのスコア設定

・リアルタイムでのスコア更新

・一定のスコアに達したときのアラート通知

シナリオ設計

・分岐条件の設定

・トリガーの設定

・リアルタイムでの反映(ユーザーがトリガーとなる行動をしたときにすぐにシナリオに沿った反応ができる)

分析機能

・見込み客の行動パターン分析

・各施策の効果測定

・KPIの可視化

・レポート作成

※MAツールにより機能とできることの内容が異なります

例えば、MAツールを活用して、商談化できる見込み客をプラス30件増やしたいとしましょう。この目的を達成するには、戦略的に見込み客を獲得、育成しなければなりません。

どのような施策をするのか具体的に検討したときに、LP作成やメール配信をしたいと考えました。

そこで、LP作成やメール配信機能があるMAツールに着目するのではなく、一歩踏み込みどのようにLP作成、メール配信ができるのか確認します。

「ステップメールを自動配信したい」と考えている場合はステップメール機能が必要ですし、「今までLPを作成したことがない」場合は、テンプレートや独自ドメイン取得などがあると安心です。

このように、目的を実現するために、必要な機能の粒度まで確認しておくとミスマッチが起こりにくくなります。

MAツールごとの機能はWebサイトやパンフレットなどに記載されているので、簡単に確認できます。Webサイトやパンフレットでは確認できない場合は、営業担当者や窓口に問い合わせて確認すると安心です。

MAツールの導入目的を達成できる機能の判断が難しい場合は知識のある外部業者に相談する

MAツールを選ぶときには、自社の目的を達成するにはどの機能が必要なのか判断する難しさがあります。

これはMAツールの機能を熟知し、豊富な導入経験がなければ判断が難しい部分です。だからこそ、自社で判断できないと感じる場合は、MAツールに精通している外部業者に相談して検討を進めましょう。

私たち「Sells up」は、50社以上の豊富なMAツール導入実績があります。ただMAツールを導入するのではなく、企業様の成果を最優先する本質的なアドバイスをしています。

自社の戦略設計を達成するには、どのような機能を持つMAツールが最適なのか悩む場合には、ぜひ一度ご相談ください。

1-2.自社の業種に合う機能がある

2つ目は、自社の業種に合う機能があることです。業種によって、MAツールに求める機能や機能の基準が異なるケースがあるからです。

例えば、BtoCとBtoBでは、MAツールで扱うリード数やチャネル、購買検討期間が異なります。業種の特徴を踏まえた機能がないと、運用時に問題が出てくる可能性があります。

比較項目BtoCBtoB
リード数

数万~数十万単位の個人

<機能選びのポイント>
・多くのリードを管理できるか

数百~数万単位の法人、事業主

<機能選びのポイント>
・属性、会社情報などを細かく管理できるか

チャネル

SNSやECサイト、メールなどマルチチャネル

<機能選びのポイント>
・マルチチャネル対応をしているか

・チャネルをまたいだ分析ができるか

メール、Webサイトが中心

<機能選びのポイント>
・必要なチャネルを扱えるか

購買検討期間

検討期間が短くスピード感のある施策が必要

<機能選びのポイント>
・リアルタイムでの分析、データ反映ができるか

・施策のどの範囲まで自動化できるか

検討期間が長く見込み客の育成が必要

<機能選びのポイント>
・中長期的に見込み客を育成できる機能が充実しているか

・再アプローチできる機能があるか

例えば、BtoBよりもBtoCのほうがMAツールに登録するリード数が多くなる傾向があります。BtoC企業の場合、管理できるリード数が少ないと使いにくくなるかもしれません。

また、BtoC企業は顧客の検討期間が短い傾向にあるので、リアルタイムでのスコア反映、分析など、スピードのある運用、判断ができる機能が必要になります。

このように、業種の傾向を踏まえて、問題なく使える機能が備わっているか確認する視点も必要です。

同じ業種、業態の導入事例を参考にすることもおすすめ

MAツールの機能の活用イメージを持つために、自社と同じ業種、業態の導入事例を探してみることもおすすめです。

同じ業種、業態で戦略的に機能を使えていれば、同じように活用できるイメージが持ちやすくなります。導入事例は、MAツールのWebサイトで紹介されているケースがあるので、参考にしてみてください。

1-3.必要なツールやサービスと連携できる

3つ目は、必要なツールやサービスと連携できることです。導入後に「データが連携できない」「必要なサービスと連携できない」となると、目的に合う使い方ができなくなる可能性があるからです。

MAツールと連携が検討できる主なツール、サービスは下記のとおりです。

連携できるツール、サービスの例連携するメリット

CRM(顧客情報管理システム)(Customer Relationship Management)

・見込み客の情報を複数部門に共有しやすくなる

SFA(営業支援システム)(Sales Force Automation)

・ホットリードをスムーズに営業部門に引き継げる

・商談後のフォローまで一貫した体制を整えられる

デジタル広告

・デジタル広告の効果測定ができる

・見込み客に応じたセグメント配信ができる

SNS

・見込み客との接点を強化できる

・見込み客に応じたセグメント配信ができる

コミュニケーションツール

・アラート通知を活用しやすくなる

※連携できるツールはMAツールにより異なります

例えば、MAツールで抽出したホットリードをいち早く営業に引き継ぎたい場合は、SFAと連携ができるツールを選択する必要があります。

また、マーケティング施策として広告やSNSと連携して取り組みたい場合は、連携して活用できるか確認が必要です。

このように、MAツールの活用目的や活用体制に応じて、どのようなツール、サービスと連携するべきか事前に書き出しておきましょう。

そのうえで、必要なツール、サービスと連携できるMAツールを選択するのですが、本当に問題なく連携できるのか細かく確認しておくことが重要です。

MAツールと他のツール、サービスを連携するときによくある失敗は、下記のとおりです。

【MAツールと他のツール、サービスを連携するときによくある失敗】

・MAツール側は連携できても連携したいツール側が対応していない

・連携はできるもののデータの構造などが異なり必要なデータを共有できない

・データを反映するタイミングにずれが生じてしまう

・ツール間でのデータ定義が異なり重複して共有してしまう

MAツールと他ツールの連携はできても、必要なデータが共有できない、データ共有のタイミングがずれるなどのトラブルが起こる可能性があります。

知識が必要となるテクニカルな部分になるので、情報システム部や情報管理部などと連携をしながら、

  • 〇〇の情報を連携できるのか
  • どれくらいのタイムラグがあるのか
  • 連携時にネックになることはあるのか

など細かい部分まで確認して、MAツールを選定するようにしましょう。

【AI搭載のMAツールも登場している】

昨今はAIを搭載しているMAツールも登場しています。AI搭載でできることはMAツールにより異なりますが、一例として下記のような機能が挙げられます。

・AIによるスコアリングの予測

・メールなどの下書きの作成

・データ分析のサポート

AI搭載により業務効率化などにつながる可能性はありますが、現時点では予測精度や成果に大きく貢献するとは言い難いです。補助的な機能として検討する範囲にとどめておきましょう。

2.【操作編】MAツールの選び方

続いて、操作や設定方法に着目したMAツールの選び方をご紹介します。MAツールは中長期的に運用するので、担当者の負担をいかに減らせるかが重要なポイントです。

MAツールの選び方チェックリスト

・初期設定をしやすくするマニュアル、機能が用意されている

・ITシステム部などと連携して初期設定が問題なくできそうか確認する

・専門的な知識がなくても必要な機能が使える設計になっている

・デモンストレーションや無料体験で使用してみて迷わず使える

・必要な機能を使うときに面倒な設定、複雑な操作がない

・デモンストレーションや無料体験で使用してみて長期的に使えそうか確認する

・利用したい人数分のアカウントがある

・データをPDF化できるなど外部と必要な情報が共有できる

どのような点に着目すればいいのか、ぜひ参考にしてみてください。

2-1.初期設定がしやすい

1つ目は、初期設定がしやすいことです。導入時のMAツールは、機能の箱だけが並んでいるような状態です。ここに見込み客のデータやコンテンツ、シナリオ設計などを紐づけなければなりません。

初期設定の作業があまりに複雑だとアカウント登録をしたもののその先に進めない事態を招くので、どのように初期設定を進めるのか下記のような点を確認しておきましょう。

初期設定の内容例チェックポイント
初期設定のマニュアル

・初期設定の方法がマニュアル化されており手順に沿って進められる

情報連携

・手元にある見込み客の情報をスムーズに同期できる(CSV連携など)

・同期したい情報を絞り込み反映できる

ツール、サービス連携

・複雑な処理をしなくても外部ツール、サービスと連携できる(API連携など)

・トラッキングタグを簡単に設置できる

シナリオ・スコアリング

・ドラッグ&ドロップなどの操作で感覚的に設計できる

・要件定義に技術的な難しさがない(コードを使用するなど)

支援

・初期設定の相談ができる窓口がある

・初期設定支援サービスがある

初期設定はテクニカルな部分があるので、マーケティング担当者とITシステム部などが連携して進めることが多いですが、実際にできそうかという視点で各項目をチェックすることがおすすめです。

例えば、見込み客の情報を同期するときの方法やデータ形式を見て、自社でも問題なく同期できそうなMAツールを選定する必要があるでしょう。

また、初期設定に不安がある場合は、サポートが充実しているMAツールを選定したほうが、導入時の壁を乗り越えられます。

MAツールの初期設定の具体的な手順、内容は公開されていないケースが多いため、営業担当者などに

  • どのように初期設定をするのか
  • 見込み客の情報はどのように同期するのか
  • スコアリングやシナリオ設計は簡単にできそうか

などと具体的な質問をして、対応できそうか比較検討してみるといいでしょう。

2-2.直感的に使える設計になっている

2つ目は、直感的に使える設計になっていることです。実務でMAツールを使う担当者が苦手意識を感じると、なかなか浸透せず導入が失敗するリスクがあるからです。

直感的に使える設計かどうかは、下記のような点を確認するといいでしょう。

【直感的に使える設計になっているMAツールの例】

・操作時にヘルプやガイドを表示できる

・ドラッグ&ドロップやワンクリックなど簡単に操作できる

・重要な操作をするときには「〇〇を実行してもいいですか」と確認がある

・操作手順が明確になっている

・専門用語を極力使用していない(日本語に対応している)

・難しい操作をしなくてもダッシュボードで現状を把握できる

例えば、初めてメールを作成するときには、どこに何を書けばいいのか理解できていません。このときにメールの作成から配信までの機能が同じ導線上にまとまっていると、迷わずに作業を進められます。

また、各機能の手順が明確でマニュアルなどにまとめられていると、担当者の知識量に左右されず誰でも取り組みやすくなるでしょう。

このような操作性は資料やWeb上の情報だけでは、確認することが難しいです。できれば無料体験やデモンストレーションで実際に操作をしてみて、問題なく扱えそうか確認することがおすすめです。

難しい場合は、実際にMAツールを操作している動画を確認して、操作するイメージが持てるか確認すると1つの判断基準になります。

2-3.操作工数が少なく運用負担が軽い

3つ目は、操作工数が少なく運用負担が軽いかどうかです。MAツールは中長期的な運用が前提となるため、運用負担が大きいと継続利用をする前に挫折する可能性があるからです。

MAツールの操作工数も実際にツールに触れないと分からない部分が多いため、デモンストレーションや無料体験などを活用するといいでしょう。

その際に、各機能を使うためにどのような工程を踏むのかを確認して、継続して使える範囲かどうかを判断することがおすすめです。

一例として、メール配信をするときに、条件設定や配信する見込み客の抽出などに思いのほか工数がかかる場合は、継続利用ができないと思うかもしれません。

一方で、メール配信の設定を一度実行すればある程度自動化できるMAツールであれば、運用負担が軽いと感じるでしょう。

このように、実際の運用を見越して負担感を確認しておくことも、選定のポイントになるでしょう。

【複数人で活用する場合は研修コストも念頭に置く】

MAツールを複数人で使う場合は、操作を覚えるまでにかかる時間、コストも念頭に置いておきましょう。

操作が複雑で覚えるまでに時間がかかる場合は、研修コストがかさむ可能性があります。また、特定の担当者しか使えないレベル感の場合は、操作が属人化してしまうリスクも含めて検討する必要があるでしょう。

2-4.アカウント・情報共有がしやすい

4つ目は、アカウントの保有や情報共有がしやすいことです。とくにMAツールを複数人で運用したい場合は、下記のポイントを確認しておきましょう。

項目チェックポイント
アカウント数

・管理者アカウント数

・追加アカウント数(別途費用がかかるケースが多い)

・権限の管理(管理者、編集者など権限を変更できる)

情報共有

・ダッシュボード共有(閲覧専用ビューを作成できるなど)

・MAツールの情報を他のツールに連携

・PDFやCSVでのレポート作成

アカウント数は、追加費用を払わずに使用できる数を把握します。例えば、将来的に2~3名でMAツールを運用したい場合は、基本費用で3名以上が利用できるMAツールを選定するといいでしょう。

MAツールを複数人で使うときに管理者や閲覧者、編集者など権限を設定したいときは、権限変更ができるかどうか確認しておくと安心です。

また、MAツールに集約したデータを会議資料や月報などに使いたい場合は、手軽に情報共有ができると負担を減らせます。

ダッシュボードをそのままPDF化できる、ダッシュボード画面を閲覧専用ビューとして共有できるなど、情報を外部に共有できるか確認しておくといいでしょう。

3.【コスト・サポート編】MAツールの選び方

続いて、コストと運用サポートに着目したMAツールの選び方のポイントをご紹介します。MAツールは継続利用が前提になるため、安心して使えるサポートとコストも大切なポイントとなります。

MAツールの選び方チェックリスト

・初期費用だけでなく中長期的に使えるコストになっている

・追加費用が発生しそうかも視野に入れて予算内に収まるか確認する

・導入後に必要な支援を受けられる体制が整っている

・アフターフォローにコストがかかる場合は予算内に収まる

・外国のMAツールの場合は日本語でのサポートに対応している

・第三者機関のセキュリティ認証を受けてセキュリティを強化している

・セキュリティを強化する仕組み、設計を取り入れている

一度導入したMAツールを長く運用するためにも、ぜひ参考にしてみてください。

3-1.中長期的な運用ができるコストになっている

1つ目は、中長期的な運用が可能なコストであることです。MAツールは短期的に導入して終わりではなく、PDCAを回しながら成果を高めていくものです。

そのため、中長期的な運用を前提として、初期費用だけではなく継続して利用できるかランニングコストを確認しましょう。

ちなみに「クラウドサーカス株式会社」が実施した「マーケティングオートメーションに関するアンケート調査結果レポート」では、MAツールを導入している企業の65%が年間500万円以下の投資をしています。一つの目安として参考にしてみてください。

※人件費を除く
調査方法 :インターネットアンケート
調査対象 :BtoBマーケティング部門、営業部門の担当者
調査人数 :629人
調査期間 :2021年10月
Cloud CIRCUS調べ
参考:クラウドサーカス株式会社「マーケティングオートメーションに関するアンケート調査結果レポート」

また、MAツールによっては、使用していくなかでカスタマイズ、アカウント追加などをして、費用がかさんでしまうことがあります。

あらかじめ追加費用が発生しそうなポイントを把握しておき、年々コストがかさむような運用にならないかどうかも確認しておくと安心です。

【MAツールのコストはROIで管理する】

MAツールの導入、運用時にコストがネックだと感じた場合は、ROIで管理する視点を持つといいでしょう。

ROI(Return On Investment)とは投じたコストに対して、どれだけ利益を出したかを示す指標です。MAツールに投資したコストの分だけ利益を出せていれば、投資対効果が高いことになります。

MAツール検討時にコストが高いなと感じたら、どれくらいの利益を創出できそうかという視点を持ち比較検討することも1つの方法です。

3-2.アフターフォローが充実している

2つ目は、アフターフォローが充実していることです。MAツールは初期設定や運用時に、分からないことが出てくる可能性があります。

適宜フォローを受けられる体制を整えておくと、挫折せず活用を推進できます。MAツールを選ぶときには、下記のようなフォロー体制があるか確認してみてください。

【MAツールのアフターフォローの例】

・電話やメール、チャットでの相談体制がある

・勉強会やセミナーを開催している

・個人サポートを用意している

・外国のMAツールの場合は日本語でのサポートがある

・使い方などを載せているサポート専用ページがある

例えば、MAツール導入企業向けの相談窓口がある場合は、使い方が分からないときに気兼ねなく相談できます。また、オプションや有料プランで、毎月の個別相談や個人サポートを用意しているケースもあります。

アフターフォローの内容はMAツールのWebサイトや資料で確認できるため

  • どの程度アフターフォローが必要になりそうか
  • 自社の活用しやすい方法で相談ができるか

などの視点で比較検討してみるといいでしょう。

3-3.セキュリティを強化している

3つ目は、MAツールのセキュリティを強化していることです。MAツールでは見込み客の情報や企業の機密情報などを扱うため、一定のセキュリティ対策が求められるからです。

MAツールはSaaS製品(インターネット経由でサービスを利用する)が主流なので、セキュリティはサービス提供元のベンダーに依存します。下記のように、セキュリティを強化しているかどうかを確認しておきましょう。

【MAツールのセキュリティ対策の例】

・セキュリティ認証(PマークやISMSクラウドセキュリティ認証など)を受けている

・MAツールの設計段階でセキュリティを強化している

・ログ監視など不審な動きを感知する仕組みがある

・権限、ログイン方法のカスタマイズで情報の持ち出しを防止できる

例えば、ISMSクラウドセキュリティ認証(クラウドサービスを対象とした第三者機関のセキュリティ認証)やPマーク(個人情報を適切に扱っている認証)などを受けていると、第三者機関による確認を得ていることが分かります。

セキュリティに関してはWebサイト上に詳しく掲載していないMAツールもあるので、営業担当者などに

  • どのようなセキュリティ対策をしているのか
  • 独自のセキュリティ強化に関する取り組みがあるか
  • インシデント発生時にはどのような対応をするのか

などを質問して、セキュリティ強化の状態を比較検討するといいでしょう。

4.自社に本当に合うMAツールを選定するには「なぜMAツールを使うのか」という戦略設計が重要

ここまで、MAツールの選び方を詳しく解説してきました。どのような視点でMAツールを比較検討するべきか明確になり、自社に合うMAツールのイメージを持てたかと思います。

ただし、機能やコストなど特定の選び方に着目して、MAツールを選定することはおすすめできません。

押さえておきたいのは、自社に本当に合うMAツールを選ぶには「なぜMAツールを使うのか」という戦略設計が非常に重要だということです。

MAツールの導入は目的ではなくて、あくまでも自社の課題、目的を達成するための手段です。

だからこそ、どのような目的でMAツールを使うのか曖昧だと、どれだけ高価、高性能なMAツールを導入したとしても成果が出にくくなります。

例えば、周囲に急がされてMAツールを導入したものの「見込み客を育成するために欲しかった機能がない」「必要なツールと連携できなかった」などは、よくある失敗です。

こうならないためにも、下記の3つの要素に着目して自社はMAツールを導入して何を実現したいのか言語化しておきましょう。

戦略設計を立てるときの要素概要/例
現状の課題

自社の現状の課題を明確にする

例:社内のマーケティング施策では商談化につながる見込み客をあまり創出できていない

MAツールを活用する目的

なぜMAツールを活用するのか明確にする

例:現在の施策の状況を可視化して商談化できる見込み客を増やしたい

MAツールのKPI

MAツールを活用して達成したいKPIを設定する

例:1年以内に商談化率を10%アップする

一例として、商談化につながる見込み客が少なく、商談化率を上げられるように見込み客の管理、育成がしたいと明確な目的があれば、それに沿って必要な機能、工数などを検討できます。

このように、目的が曖昧な状態でMAツールを選定するのではなく、まずはしっかりと戦略設計をしたうえで、MAツールの選び方に沿って確認していきましょう。

5.戦略設計に沿ったMAツール選定は豊富な知識のある専門家に相談しよう

MAツールの選び方や戦略設計の必要性を理解したところで「本当に自社でMAツールを選定できるのか」不安になった担当者もいるでしょう。

今まで見てきたように、MAツールは選定時に確認する項目の専門性が高いので、運用時のイメージを具体的に持てていないと最適なツール選びが難しい傾向があります。

また、MAツールごとに機能や使い方、初期設定の方法などに違いがあります。戦略設計や負担感を加味して選ぶには、MAツールごとの特徴を理解して比較検討できる知識も必要なのです。

無理に自社で選定すると下記のような選定ミスが起こり、短期間で入れ替え、終了などにつながるリスクがあります。

【知識のない状態でMAツールを選定すると起こるミス】

・必要ない機能が多く使いにくくなってしまった

・自社の戦略設計に沿ってどの機能を使えばいいのか判断できなかった

・特定の担当者のみが使いやすい状態で運用が属人化してしまった

・どのような状態が使いやすいのか基準がなく判断ができなかった

そこで、MAツールの選定に不安がある場合は、知識のある外部業者とともに進めることがおすすめです。

戦略設計からツール選定まで一貫した支援を受けることができれば、社内にノウハウや知識がなくてもMAツールを的確に選定できます。

私たち「Sells up」は、MAツールの戦略設計からツール選定、体制構築まで伴走支援をしています。

多様なMAツールに関する知見が豊富なので、企業様の目的や課題、環境に応じて、どのMAツールが最適なのか的確なアドバイスが可能です。

また、単にMAツールを導入するのではなく、企業様の成果を最優先にして本質的なアドバイスをしている点が特徴です。

実際にマーケティングの戦略設計からMAツール導入、体制構築などを実施して、下記のような成果を出しています。

Sells upの支援実績の一例

・初年度から多い月で100件以上のリードを獲得して、広告費を10万円程度に抑えられるようになった

・BtoBマーケティングに知見や実績を持つメンバーが不在の状態からMAツールの運用方法の見直しなどを行い目標のリード件数を達成

▼各事例は下記よりご覧ください


新規事業の舞台裏。広告予算10万円で毎月100件のリードを創出し、顧客に“デザインの力”を届けるまで

新規事業立ち上げの一環として立ち上げられた株式会社日本テレビアートのビジネスプロデュース室では、新しいサービスの企画から新規顧客との接点創出と販路の拡大に悩みを抱えていました。こうした課題解決を目的とした弊社との取組みでは、サービス企画から広告の運用、MAの導入まで幅広い支援サービスをご提供させていただきました。

sellsup.co.jp

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BtoCマーケの“コピー&ペースト”から脱却。戦略設計と広告・LP・MAなどの全方位施策で得た成果とは

株式会社ブリューアスはBtoB事業に注力する一環として、チームを立ち上げてBtoBマーケティングに取り組んでいたものの、社内に経験者が不在だったことから全体戦略の立案や施策の実行に課題を抱えていました。そこでマーケティング戦略の立案から広告運用やMAツールの運用などの施策の実行まで、幅広い支援サービスをご提供させていただきました。

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「自社ではノウハウ不足でMAツール選定が難しい」「戦略設計から成果の出るMAツール導入がしたい」という場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

6.まとめ

本記事では、MAツールの選び方をまとめて解説しました。最後に、この記事の内容を簡単に振り返ってみましょう。

〇MAツールの選び方一覧は下記のとおり

MAツールの選び方の項目選び方のポイント
機能性

・MAツールを活用する目的に合う機能がある

・自社の業種に合う機能がある

・必要なツールやサービスと連携できる

操作性

・初期設定がしやすい

・直感的に使える設計になっている

・操作工数が少なく運用負担が軽い

・アカウント・情報共有がしやすい

コスト・サポート

・中長期的な運用ができるコストになっている

・アフターフォローが充実している

・セキュリティを強化している

〇自社に本当に合うMAツールを選ぶには戦略設計をしっかりと行い、戦略設計に基づいた選定が必要

MAツールを選ぶには、幅広い知識、ノウハウが必要になります。社内に知見のある人材がおらず、MAツールの選定に不安が残る場合は、MAツールの導入実績が豊富な「Sells up」にお気軽にお問い合わせください。