ナレッジ

BtoBデジタルマーケティングとは?定義・BtoCとの違い・施策の全体像と始め方

BtoBマーケティングをどこから始めればいいか、一緒に整理します

「マーケティングに取り組みたいが、何から始めればいいかわからない」。 Sells upへのお問い合わせは、多くの場合このようなご相談です。 初回のお打ち合わせでは、現状のヒアリングと優先順位が高いと考えられる施策をお伝えします。

目次

BtoBデジタルマーケティングとは、企業向けビジネスにおいてWebサイト・広告・メール・MA(マーケティングオートメーション)などのデジタル手段を活用し、見込み顧客との接点創出から育成・商談化までを一貫して設計する取り組みのことです。単なる集客施策の総称ではなく、「デジタルを通じて商談を生む仕組みをつくること」が本質です。

本記事では、BtoBデジタルマーケティングの定義から始め方まで、体系的に解説するだけではなく、施策の羅列にとどまらず、BtoCとの根本的な違い・3フェーズの全体設計・よくある失敗パターンまで実務視点で解説します。

BtoBデジタルマーケティングとは?1分でわかる定義と本質

BtoBデジタルマーケティングの定義

BtoBデジタルマーケティングとは、企業間取引(BtoB)を対象に、デジタル技術を活用して見込み顧客の獲得・育成・商談化を体系的に設計する取り組みのことです。

ポイントは次の3点です。

  1. ツールや施策の導入ではなく、「商談を生む仕組みの設計」が目的です
  2. 購買前の情報収集段階から購買後の継続支援まで、デジタルが関与します
  3. 営業活動との連携設計まで含めて初めて機能します

なぜなら、現在のBtoBの購買プロセスでは、見込み顧客が営業担当者に会う前にWebサイト・ホワイトペーパー・事例記事等で情報収集を完了しているケースが増えているからです。この「営業の外」で行われる意思決定プロセスに対して、デジタルで先手を打つことが、BtoBデジタルマーケティングの本質的な役割です。

具体的には、SEOやコンテンツで検討前の潜在層に接触し、ホワイトペーパーやウェビナーでリードを獲得し、メールやMAで育成し、スコアリングで営業に渡すタイミングを判断する、という一連の流れがBtoBデジタルマーケティングの実体です。

デジタルマーケティング・Webマーケティング・コンテンツマーケティングの違い

「デジタルマーケティング」「Webマーケティング」「コンテンツマーケティング」は混同されがちですが、それぞれ範囲が異なります。

用語定義・範囲
デジタルマーケティングデジタル技術全般を活用したマーケティング。Web以外(スマートフォンアプリ・IoTデータ等)も含むWeb広告・SEO・MA・アプリ通知・行動データ分析
WebマーケティングWebの中で完結するマーケティング施策SEO・リスティング広告・ランディングページ最適化
コンテンツマーケティング価値あるコンテンツを通じて顧客獲得・育成を図る手法。デジタル・アナログ両方を含むブログ記事・ホワイトペーパー・動画・DM・FAX

本記事で扱う「BtoBデジタルマーケティング」は最も広義の概念です。Webマーケティングもコンテンツマーケティングもその一部として含まれます。

BtoBでデジタルマーケティングが必要な理由

BtoBにおけるデジタルマーケティングの必要性は、購買行動の根本的な変化にあります。

要点は次の2点です。

  1. 見込み顧客の情報収集は、営業担当者に会う前にデジタル上で完了しています
  2. 紹介・テレアポ・展示会だけでは、この「営業の外」の検討プロセスに入り込めません

購買プロセスはすでに「営業の外」で始まっています

現在のBtoBビジネスでは、購買担当者が営業担当者と初めて接触する時点で、すでに複数社の比較検討が終わっているケースが珍しくありません。担当者はWebサイト・事例資料・比較サイト・SNSなどを通じて、自社に合うかどうかの一次スクリーニングをデジタル上で行っています。

その理由は、組織における購買行動の変化にあります。BtoBでは意思決定に複数人が関与するため、各関与者が個別に情報収集を行います。そのため、Webに情報を整備していない企業は、比較検討の候補にすら入らないリスクがあります。

弊社が支援した株式会社CLUE様のケースでは、2019年時点でマーケティング経験者が社内に一人もいない状態でした。営業活動自体はできていましたが、「デジタル上での存在感がない=検討候補に入れない」という構造的な課題を抱えていました。5年間の支援を経て、現在は組織的なマーケティング施策でリードを獲得できる体制を構築し、インサイドセールスチームの立ち上げまで実現しています。

紹介・テレアポ頼みの体制が頭打ちになる構造的な理由

紹介営業とテレアポが有効な手段であることは変わりません。ただし、これらのチャネルだけに依存する体制には、構造的な限界があります。

具体的には、紹介は既存顧客の関係性に依存するため拡張性に上限があり、テレアポは担当者の時間リソースと架電数に比例する線形成長しか期待できません。一方、BtoBデジタルマーケティングで構築した資産(コンテンツ・LP・MAシナリオ等)は、運用次第で複利的に機能します。

弊社への相談で最も多いのは「紹介とテレアポは続けているが、それ以外の新規リード獲得手段がない」という状態です。この状態から脱するための最初の一手として、BtoBデジタルマーケティングの設計が機能します。

BtoBとBtoCデジタルマーケティングの5つの違い

BtoBとBtoCのデジタルマーケティングは、表面的な施策は似ていても、設計思想が根本的に異なります。

ポイントは次の5点です。

  1. 意思決定者が複数人存在し、合理性・ROIの説明可能性が求められます
  2. 検討期間が数週間〜数ヶ月単位と長く、継続的な接触が必要です
  3. 取引単価が高く、1件の受注インパクトが大きいです
  4. 情報収集手段がWebサイト・事例・ホワイトペーパー中心です
  5. 感情訴求より論理・数値・事例による説得が効きます

意思決定の構造が根本的に異なります

BtoCでは個人が短期間で購買を判断しますが、BtoBでは担当者・上長・経営層・情報システム部門・法務・経理など、複数の関与者が段階的に検討を進めます。そのため、「欲しい」と思わせる感情訴求よりも、「社内で承認を通せる論拠を提供すること」がデジタルマーケティングの役割になります。

具体的には、比較資料・ROI試算・導入事例・実績数値などを、検討段階に応じてデジタルで届ける設計が必要です。競合との差別化は「機能の優位性」だけでなく「意思決定プロセスのサポート」によって生まれます。

BtoC施策をBtoBに転用すると失敗する理由

弊社の支援事例では、BtoC事業のマーケティング手法をそのままBtoBに転用したことで成果が出なかったケースを多数見てきました。

具体的には、実際に弊社が支援した株式会社ブリューアス様では、プログラミングスクール(BtoC)で機能していた広告運用・LPの設計をBtoBにそのまま適用していたことが最大の課題でした。BtoCでは有効だったGoogle広告の一本集中という戦略も、BtoBの法人担当者へのリーチには適していませんでした。

弊社では、BtoBマーケティング経験者が不在の状態から支援を開始し、Meta広告・Microsoft広告を追加した多媒体戦略への転換と、論理的なコミュニケーション視点でのLP再設計を実施しました。その結果、取り組み前と比べてCPAを約3分の1に削減し、目標のリード件数も達成しています。BtoCとBtoBでは「誰が・どう意思決定するか」が根本的に異なるため、施策の設計思想から見直すことが必要です。

BtoBデジタルマーケティングの全体像(3フェーズの設計思想)

BtoBデジタルマーケティングの全体像とは、リードジェネレーション・リードナーチャリング・リードクオリフィケーションの3フェーズを通じて、見込み顧客を商談化する仕組みのことです。

要点は次の3点です。

  1. 3フェーズは独立した施策ではなく、連続した「商談を生む流れ」として設計します
  2. 各フェーズに適した施策が存在し、役割を混同すると成果が出にくくなります
  3. フェーズ3の後には「マーケから営業へのトスアップ設計」が必要です

3フェーズの設計はBtoBデジタルマーケティングの一部です。受注までの全体プロセスを理解したい方は、BtoBマーケティング全体のプロセス設計も合わせてご確認ください。

フェーズ1:リードジェネレーション(接点をつくる)

リードジェネレーションとは、自社をまだ知らない見込み顧客との初回接点をつくり、連絡先情報を取得する活動のことです。

このフェーズで使う主な施策は、SEO・コンテンツマーケティング・Web広告・展示会・ウェビナー・ホワイトペーパーです。「量より質」の観点が重要で、ターゲット企業の属性・役職・課題に合致するリードを獲得することが優先されます。

なぜなら、質の低いリードをいくら獲得しても、その後の育成・商談化に無駄なリソースがかかるからです。弊社の支援では、まずKPI設計から着手し「ターゲット属性に合致するリード数」と「商談獲得数」の2指標を設定することを推奨しています。

フェーズ2:リードナーチャリング(関係を育てる)

リードナーチャリングとは、獲得したリードに対して継続的に価値ある情報を提供し、購買意欲と信頼を高めていく活動のことです。

BtoBの検討期間は数週間〜数ヶ月に及ぶため、リード獲得後に何もしなければ、見込み顧客の関心は他社に移ります。メールマーケティング・ステップメール・コンテンツ配信・ウェビナーフォローなどを組み合わせ、検討段階に応じた情報を届ける設計が必要です。

具体的には、弊社が支援した株式会社CLUE様では、セミナー後のアンケートから参加者ごとの関心トピックを分析し、最適なフォローアップメールを配信する仕組みを構築しました。「一律配信」ではなく「関心に応じた個別最適化」がナーチャリングの精度を高めます。

フェーズ3:リードクオリフィケーション(営業に渡せる状態を見極める)

リードクオリフィケーションとは、育成したリードの中から「今すぐ営業が追うべき状態」にあるリードを識別し、営業部門に引き渡す活動のことです。

スコアリング(リードの行動・属性に点数を付与する仕組み)が代表的な手法です。「価格ページを3回訪問した」「資料を2種類ダウンロードした」「役職が部長以上」などの条件をスコアに変換し、一定スコアを超えたリードを営業に連携します。

クオリフィケーション後の営業連携体制の設計については、リード管理の全体設計と実践ステップをご参照ください。

3フェーズをさらに体系的に理解したい方は、デマンドジェネレーションの3プロセス構造も参照されることをお勧めします。

見落とされがちな点:マーケから営業へのトスアップ設計(SLAの重要性)

多くのBtoBデジタルマーケティングの解説では触れられていませんが、フェーズ3の後に「トスアップ設計」が必要です。トスアップとは、マーケティング部門が育てたリードを営業部門に引き渡すタイミングと条件を定めた設計のことです。

SLA(Service Level Agreement)は、「どのスコアのリードを・何時間以内に・どう対応するか」をマーケと営業が合意した取り決めです。このSLAが存在しないと、マーケが渡したリードを営業が追わない、または質の低いリードが大量に営業に渡るという状態が生まれます。

弊社の80社以上の支援経験から見えてきた共通の課題として、「マーケと営業のホットリード定義がズレたままデジタルマーケティングを進めている」というケースが多くあります。SLAの設計はツールの導入より先に行うことを推奨しています。

トスアップ設計の具体的な手順については、マーケから営業へのトスアップ設計で詳しく解説しています。

BtoBデジタルマーケティングの主要施策8選(フェーズ別の役割整理)

BtoBデジタルマーケティングで活用する主要施策とは、各フェーズ(獲得・育成・選別)に役割を持たせて組み合わせる8つの手法のことです。

要点は次の3点です。

  1. 施策はフェーズへの適合性で選ぶことが重要です。全施策を同時に始める必要はありません
  2. リソースが限られる場合は「SEO・コンテンツ→MA」の順番が最も再現性が高いです
  3. 体制が整っていない段階でのMA導入は推奨しません。コストだけがかかる状態になりやすいです

SEO・コンテンツマーケティング(認知〜リード獲得)

SEO(検索エンジン最適化)とコンテンツマーケティングは、検討前の潜在層から検討中の顕在層まで幅広くカバーできる施策です。資産として蓄積されるため、長期的なROIが高い点が特徴です。

BtoBでは「業種×課題」のロングテールキーワードで競合の少ない領域を取る戦略が有効です。ただし、成果が出るまでに3〜6ヶ月程度かかるため、即時のリード獲得には広告との組み合わせが必要です。

具体的な施策の選び方と優先順位については、BtoBリード獲得施策の選び方をご参照ください。

Web広告(リスティング・SNS広告)(短期的なリード補完)

Web広告は、SEOの立ち上がりを待つ間の短期的なリード獲得や、特定のターゲット企業・役職へのピンポイント訴求に有効です。

BtoBで注意が必要なのは、BtoCで機能した広告設計をそのまま転用することです。弊社の支援経験では、Microsoft広告(法人向けPCユーザーへのリーチが強み)はBtoCの視点では選択肢に入りにくいチャネルですが、BtoBでは有効なケースが多くあります。チャネル選定はターゲットの行動属性から逆算することが重要です。

ホワイトペーパー・ウェビナー(中間フェーズのナーチャリング)

ホワイトペーパーとウェビナーは、「情報収集中だが今すぐ商談はしたくない」層に対して価値を提供しながら関係を深める施策です。

ホワイトペーパーは資料ダウンロードという行動を通じてリードの関心を可視化できるため、スコアリングとの相性が良い施策です。ウェビナーは参加者の関心トピックを直接確認できる場として機能し、フォローアップメールの精度を高めます。

メールマーケティング・ステップメール(育成・再活性)

メールマーケティングとステップメールは、獲得済みリストに対して継続的に価値を届けながら購買タイミングを逃さない施策です。

弊社が支援した株式会社ブリューアス様では、MA運用の改善によりステップメールから継続的な受注を獲得し、一度失注した休眠顧客への掘り起こしメール配信で大型案件の受注につながっています。「今すぐ客」だけでなく「将来の客」を育て続けるメール設計が、BtoBでは特に重要です。

MA(マーケティングオートメーション)(全フェーズの自動化・スコアリング)

MA(マーケティングオートメーション)とは、見込み顧客の行動データ管理・スコアリング・シナリオメール配信等を自動化するツールの総称です。

MAは全フェーズに横断的に機能しますが、「導入すれば成果が出る」ツールではありません。シナリオ設計・スコアリングルール・営業とのSLAが整っていない状態で導入しても、データが溜まるだけになります。弊社が推奨するのは、戦略とシナリオを先に設計してからツールを選定するアプローチです。

MAのシナリオ設計の具体的な進め方については、MAシナリオ設計の具体的な手順で解説しています。

自社に合った施策の優先順位の決め方(体制・フェーズ・課題から逆算する)

施策の優先順位は、「今の体制で継続できるか」「最も解決したい課題は何か」「売上貢献までのリードタイムをどう設計するか」の3軸で決めます。

弊社が支援する際は、まず現状のリード獲得数・商談化率・体制から課題を整理し、着手すべき施策を1〜2つに絞り込むことから始めます。よくある優先順位の考え方は次のとおりです。

  • マーケ担当が1名の場合:コンテンツSEO+ホワイトペーパーから着手し、リード獲得の仕組みをまず作ります
  • リストはあるが商談化しない場合:メールナーチャリングとスコアリング設計から着手します
  • 短期でリードを増やしたい場合:Web広告とLP設計から着手し、SEOと並走させます

体制が整っていない段階でMAを導入することには注意が必要です。運用設計なきMA導入はコストだけがかかる状態になりやすく、弊社ではツール選定の前に戦略・シナリオ設計を行うことを一貫して推奨しています。

BtoBデジタルマーケティングでよくある失敗パターン3選と対処法

BtoBデジタルマーケティングにおけるよくある失敗パターンとは、成果が出ない原因として弊社の支援経験で繰り返し確認されている3つの構造的な問題のことです。

要点として、次の3パターンが最も多く見られます。

  1. 施策ありきで戦略がない
  2. MAツールを導入して終わり(運用設計の不在)
  3. マーケと営業のリード定義がズレたまま施策を走らせる

失敗①:施策ありきで戦略がない

「SEOをやってみた」「Web広告を出してみた」という施策先行型は、多くのBtoBデジタルマーケティングの失敗に共通する出発点です。

その理由は、施策の選定基準が「流行っているから」「他社がやっているから」になっているためです。BtoBデジタルマーケティングの施策は「誰に・何を・どのフェーズで届けるか」という戦略設計が先にあって初めて機能します。施策から入ると、効果測定の指標も曖昧になり、PDCAが回せない状態が続きます。

具体的には、まずターゲット企業の属性・意思決定プロセス・情報収集行動を整理し、そこから逆算して施策とKPIを決める順番が重要です。

失敗②:MAツールを導入して終わり(運用設計の不在)

MAツールを導入したが活用できていないという状態は、BtoBデジタルマーケティングにおける最も多い課題のひとつです。

なぜなら、MAはツールを入れた瞬間に価値を発揮するのではなく、シナリオ設計・スコアリングルール・営業との引き継ぎルール(SLA)が整備されて初めて機能するからです。「とりあえずMAを入れれば見込み客が育つ」という期待は、多くの場合裏切られます。

MA活用が進まない具体的な原因については、MAツール活用が定着しない7つの原因で詳しく解説しています。

失敗③:マーケと営業の定義がズレたまま施策を走らせる

「マーケが渡したリードを営業が追わない」「営業から『使えないリードばかり来る』と言われる」。これはマーケと営業の間で「ホットリードの定義」が揃っていないことが原因です。

弊社の80社以上の支援経験から見えてきた共通の課題として、SLAが存在しないままデジタルマーケティングを推進している企業が多くあります。マーケがいくら良いリードを育てても、営業が動かなければ商談は生まれません。SLAの設計は、ツール導入よりも先に行うべき最優先事項です。

弊社支援事例から学ぶ:BtoBデジタルマーケティングで成果を出した2社の実例

Sells upがBtoBデジタルマーケティングの支援で実際に経験した2つの事例を紹介します。いずれも「ゼロから始めた」ケースです。

事例1:BtoC発想からの脱却でCPA約3分の1を実現(株式会社ブリューアス様)

株式会社ブリューアス様は、IT研修をはじめとしたプログラミングスクール・BtoB事業を展開しています。

課題:BtoC(プログラミングスクール)のマーケティング手法をそのままBtoBに転用していたことが最大の課題でした。BtoBマーケティング経験者が社内に不在の状態で、Google広告のみに集中していた運用体制でした。

取り組み:弊社では、Google広告に加えてMeta広告・Microsoft広告を追加した多媒体戦略に転換しました。BtoC発想では選択肢に入りにくいMicrosoft広告を、法人向けPCユーザーへのリーチチャネルとして活用しました。同時に、LPの構成を論理的なお客さまとのコミュニケーション視点で再設計し、Account Engagement(旧Pardot)の移行時には重要なアクティビティデータの消去リスクを回避してステップメールの継続配信を維持しました。

成果:広告運用の改善により取り組み前と比べてCPAを約3分の1に削減し、コンテンツマーケティングの立て直しにより目標のリード件数を達成しました。さらに、MA運用の改善によりステップメールから継続的な受注を獲得し、一度失注した休眠顧客への掘り起こしメール配信で大型案件の受注にもつながりました。取り組み開始から約1年で、担当者が「個別施策と戦略的視点のバランスを意識できる」レベルまで成長しています。

事例2:マーケ経験者ゼロから組織的リード獲得体制を構築(株式会社CLUE様)

株式会社CLUE様は、建設業界向けドローンSaaS「DroneRoofer」を提供しています。

課題:2019年時点でマーケティング経験者が社内に一人もいない状態でした。営業活動自体はできていましたが、マーケティング施策への投資方法が不明で、デジタル上での存在感がない状態でした。

取り組み:弊社では、KPI設計から着手し「ターゲット属性に合致するリード数」と「商談獲得数」の2指標を設定しました。建設業界は検索行動が活発でないという業界特性を踏まえ、Meta広告・ディスプレイ広告などプッシュ型施策の方が獲得効率が高いという知見を実務の中で得て、チャネル戦略を最適化しました。LPをサービス機能中心の構成から課題解決に焦点を当てた構成に再設計し、Account Engagement(MA)とSalesforce(SFA)の選定・導入・活用まで一貫して支援しました。さらに、3日連続でサービスページに訪問しているユーザーを検知してインサイドセールスに自動連携される仕組みを構築しています。

成果:5年間の支援を経て、「営業が自分の足で獲得する状態」から「組織的なマーケティング施策でリードを獲得できる状態」への変革を実現しました。インサイドセールスチームの立ち上げも実現し、オウンドメディア「MOTTOBE」を通じた安定したCV獲得体制も構築しています。

BtoBデジタルマーケティングのまとめ

  • BtoBデジタルマーケティングとは、デジタルを活用して見込み顧客との接点創出・育成・商談化を設計する仕組みです。ツール導入が目的ではなく、商談を生む仕組みの構築が本質です
  • BtoBとBtoCの根本的な違いは、意思決定者が複数存在し、検討期間が長く、合理性・ROIの説明可能性が求められる点にあります。BtoC施策のそのままの転用は多くの場合失敗します
  • BtoBデジタルマーケティングの全体像は、リードジェネレーション・リードナーチャリング・リードクオリフィケーションの3フェーズで構成され、最後にマーケから営業へのトスアップ設計(SLA)が必要です
  • 施策の優先順位は、体制・課題・リードタイムから逆算して決めます。体制が整っていない段階でのMA導入は推奨しません
  • 最も多い失敗パターンは、施策先行・MA導入後の放置・マーケと営業のリード定義のズレの3つです。いずれも「戦略設計とSLA設計を先に行う」ことで回避できます

Sells upは、Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialistの認定資格を持つ担当者が、BtoBマーケティングの戦略設計から施策実行・MA活用支援まで80社以上の支援実績をもとに一貫してサポートしています。「何から始めればいいかわからない」という状態からのご相談も受け付けております。

よくある質問(FAQ)

Q. BtoBデジタルマーケティングとは何ですか?

BtoBデジタルマーケティングとは、企業間取引を対象に、WebサイトやSNS・MA・広告などのデジタル手段を活用して、見込み顧客の獲得・育成・商談化を体系的に設計する取り組みのことです。単なる集客施策の総称ではなく、「商談を生む仕組みをデジタルで構築すること」が本質です。

Q. BtoBとBtoCのデジタルマーケティングはどちらが難しいですか?

どちらが難しいかはビジネスモデルによりますが、BtoBは意思決定者が複数存在し検討期間が長い点で、継続的な育成設計と営業連携設計が必要なため、仕組みの構築難易度は高い傾向にあります。BtoCのように即時購買を促す施策設計とは根本的に異なります。

Q. BtoB to C(BtoBtoC)ビジネスモデルとは何ですか?

BtoB to C(BtoBtoC)とは、企業(B)が別の企業(B)を通じて最終消費者(C)に価値を届けるビジネスモデルのことです。例えば、メーカーが小売企業経由で消費者に商品を届ける形態が該当します。マーケティングでは、中間の企業向けと最終消費者向けの両方の施策設計が必要になる点が特徴です。

Q. BtoB営業に向いている人はどんな人ですか?

BtoB営業に向いているのは、顧客の課題を論理的に整理し、社内承認を通すための根拠を提供できる人です。即時の感情訴求よりも、長期的な関係構築と複数の意思決定者への対応が求められます。デジタルマーケティングが整備されている環境では、リードの行動データを活用して商談前から顧客理解を深められる点が強みになります。

Q. BtoBデジタルマーケティングはどこから始めればいいですか?

まずターゲット企業の属性・意思決定プロセスを整理し、「誰に・何を・どのフェーズで届けるか」を設計することから始めます。その上で、現在最も不足しているフェーズ(リード獲得か育成か商談化か)を特定し、1〜2施策に絞って着手することを推奨しています。

Q. MAツールはBtoBデジタルマーケティングに必須ですか?

MAツールは必須ではありませんが、リード数が月50件を超え始める段階では導入の検討が有効です。ただし、シナリオ設計・スコアリングルール・営業とのSLAが整っていない状態での導入は推奨しません。まず戦略と設計を固めてからツールを選定することが重要です。

Q. BtoBデジタルマーケティングの成果が出るまでどのくらいかかりますか?

施策によって異なります。Web広告は最短で数週間でリード獲得の効果が見えますが、SEO・コンテンツマーケティングは3〜6ヶ月程度が目安です。MA活用を含めた仕組み全体が機能し始めるまでには、6〜12ヶ月程度を見込むことが多いです。

BtoBマーケティングをどこから始めればいいか、一緒に整理します

「マーケティングに取り組みたいが、何から始めればいいかわからない」。 Sells upへのお問い合わせは、多くの場合このようなご相談です。 初回のお打ち合わせでは、現状のヒアリングと優先順位が高いと考えられる施策をお伝えします。

株式会社Sells up 代表取締役
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。BtoBマーケティングの戦略設計から施策実行まで一貫して支援した実務経験を持つ。 業界/企業規模を問わずこれまでに約80社以上の支援実績を持つ。Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement SpecialistおよびTableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。