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MA導入支援とは?支援会社の選び方と失敗しない5基準を解説

ツールの設定よりも、「何をどう設計するか」で成果が変わります

HubSpot・Account Engagement・Marketoに精通した担当者が、 ツールの設定支援だけでなく、リード育成シナリオやスコアリング設計まで一貫してサポートします。 まずは現状のツール活用状況をお聞かせください。

目次

MA導入支援とは、MA(マーケティングオートメーション)ツールの選定・初期設定・運用設計・効果検証までの一連のプロセスを、外部の専門会社がサポートするサービスのことです。

ツールを導入しても、シナリオ設計・スコアリング・SLA(マーケと営業の引き継ぎルール)の三つが揃わなければ商談数は変わりません。

本記事では、80社以上のMA導入・活用支援を手がけてきた弊社の経験をもとに、支援会社の選び方・依頼前の準備・よくある失敗パターンを解説します。

MA導入支援とは何か?支援の定義と範囲を整理する

MA導入支援とは、MAツールの選定から運用定着までを外部の専門会社がサポートする取り組みのことです。

ポイントは、①ツール選定、②初期設定・データ連携、③シナリオ・スコアリング設計、④運用改善という四つのフェーズをカバーしているかどうかです。

なぜなら、これらのうち一つでも欠けると、ツールは動いていても商談数が増えないという状況に陥るからです。

「MAツールを導入したのに、商談数が変わらない」。そんな声を、マーケティング担当者の方から弊社にもよくお聞きします。その多くに共通するのが、ツールの設定や運用設計が導入後に放置されているという状況です。MAは入れるだけでは機能しません。設計があって初めて動くツールです。

MAそのものの導入ステップや失敗しない設計の全体像については、MA導入の実践ステップと失敗しない設計方法で詳しく解説しています。本記事では「支援会社をどう選ぶか」「依頼前に何を準備するか」という観点に絞って整理します。

MA導入支援が必要とされる背景

要点は、MAツールは「設定すれば動く」ツールではなく、「設計しなければ意味がない」ツールだという点です。

具体的には、MAが商談数に貢献するためには三つの設計が必要です。

  • シナリオ設計:どのリードに、いつ、何を送るかの自動化フロー
  • スコアリング設計:どのリードが営業に渡すべき状態かの判断基準
  • SLA設計:マーケと営業がどのタイミングでリードを引き継ぐかのルール

この三つを社内だけで設計できる企業は多くありません。その理由は、MAの運用経験を持つ人材が社内に育っていないケースがほとんどだからです。支援会社に依頼することで、この設計を外部の経験知から短期間で構築できます。

支援会社が担う業務範囲(フェーズ別)

MA導入支援会社が担う業務は、以下の5つのフェーズに整理できます。

  1. 戦略策定・要件定義:KGI・KPI設計、SLA仮設定、ターゲットリストの整理
  2. ツール選定・契約支援:自社の規模・予算・用途に合ったMAツールの選定
  3. 初期設定・データ連携:SFA(営業支援システム)・CRM(顧客管理)との連携設定
  4. シナリオ・スコアリング設計:商談化に直結するナーチャリングフローの設計
  5. 運用代行・改善提案:配信後のデータ分析・PDCAの継続実行

①挿入箇所(図表①)

MA導入支援の3つの支援タイプと違い

MA導入支援には、大きく三つの支援タイプがあります。ポイントは、自社の状況(社内のMA知識量・予算・求める支援範囲)によって最適なタイプが異なるという点です。なぜなら、過剰なタイプを選べばコストが無駄になり、不足したタイプを選べば導入後に設計が止まるからです。

②挿入箇所(図表②)

支援タイプ主な支援内容向いている企業費用感の目安
コンサルティング型戦略設計・要件定義・設計レビュー社内に実装できる担当者がいる企業月額20〜50万円程度
構築・実装型設定作業・SFA連携・シナリオ実装戦略はあるが技術的な作業が難しい企業初期費用50〜150万円程度
一貫支援型戦略〜設定〜シナリオ〜運用改善まで一貫MA専任担当者がおらず社内知見が少ない企業月額30〜80万円程度

コンサルティング型が向いている企業は?

コンサルティング型は、社内にMAの設定や実装を担当できるエンジニアやマーケターが既にいる企業に向いています。設計の方向性や優先順位を外部の知見で補完しつつ、実装は社内で進めたい場合に選ぶ支援タイプです。

ツール選定自体を支援範囲に含めるかどうかも確認が必要です。各ツールの特徴についてはBtoB向けMAツールの選び方と比較でまとめています。

MA導入支援会社の選び方|失敗しない5つの基準

MA導入支援会社の選び方とは、商談数・売上への貢献にコミットできるかを軸に、5つの基準で評価するプロセスのことです。ポイントは①商談貢献へのコミット、②ツール対応範囲、③一貫支援の可否、④数値での実績提示、⑤社内実装への志向性です。

弊社では、80社以上の支援実績から、この5基準を満たさない支援会社への依頼が後になって課題を起こすケースを複数確認しています。以下に各基準を詳しく整理します。

③挿入箇所(図表③)

基準①:商談数・売上への貢献にコミットしているか

支援会社の提案を聞く際に最初に確認すべきは、「商談数が増えること」を成果として定義しているかどうかです。ツールの設定完了や配信開始をゴールにしている会社は、その後の運用改善に関与しない傾向があります。具体的には、初回提案の段階でKGI(最終目標)から逆算したKPIツリーを提示できるかどうかが判断の目安になります。

基準②:自社のMAツールに対応しているか

既にHubSpot・Account Engagement・Marketoのいずれかを使っている、または導入予定のツールがある場合は、そのツールの認定資格保有者や実績があるかを必ず確認してください。ツールごとにシナリオの設計思想や連携方法が異なるため、経験のない会社に依頼すると設計の精度が落ちます。

HubSpotを導入予定の場合は、認定パートナーかどうかの確認が特に重要です。詳細はHubSpot導入支援の選定ポイントで解説しています。

基準③:戦略設計から運用まで一貫して対応できるか

「設定だけ」「コンサルだけ」という分断した支援は、フェーズ間の引き継ぎで設計意図が失われるリスクがあります。戦略を設計したチームが運用にも関わる一貫体制を持つ会社を優先してください。なぜなら、シナリオ設計の背景を知らないメンバーが運用を担当すると、PDCAの判断精度が下がるからです。

基準④:実績・事例を数値で示せるか

「導入実績多数」という表現は、根拠として機能しません。弊社が推奨するのは、「〇〇業界・〇〇規模の企業で商談数が〇件増加した」という具体的な数値と業種・規模を組み合わせた実績提示ができる会社への依頼です。自社と近い業種・規模の事例があるかどうかも確認の対象にしてください。

基準⑤:依存を生まず、社内に仕組みを実装できるか

支援会社に依存し続ける構造は、長期的なコスト増と担当者変更リスクを生みます。弊社が支援の設計で一貫して意識しているのは、「判断の根拠ごと組織に実装する」という方針です。具体的には、支援を重ねるなかでスコアリングのロジックや改善の判断軸が社内に蓄積される状態を目指します。

依頼前に自社で整えておくべき3つの準備

MA導入支援の依頼前の準備とは、ハウスリストの把握・KGI・KPIの言語化・SLAの仮設定という三つを自社内で整えておくことです。要点は、これらが未整備のまま支援会社と話し始めると、最初の数回のセッションが「現状把握」で終わり、設計着手が遅れるという点です。

支援会社に依頼さえすれば解決するわけではありません。まず自社側で整えておくべきことがあります。弊社の支援では、準備が整っている企業とそうでない企業とでは、最初の商談アポ獲得までにかかる期間が2〜3ヶ月ほど変わるケースが複数あります。

準備①:ハウスリストの件数と質を把握する

MAは既に保有しているリストに対してアプローチするツールです。リストが500件未満、または情報が古く活用できない状態では、シナリオを設計しても対象者がいないという状況が生まれます。件数・更新日・重複・フリーメール比率の四つを事前に整理しておいてください。

準備②:商談化に関わるKGI・KPIを言語化する

「MAを導入して効率化したい」という目的では、支援会社との議論が抽象的なまま進んでしまいます。「月に商談数を〇件増やす」「商談化率を〇%から〇%に引き上げる」という具体的な数値目標を事前に持っておくことで、支援範囲の絞り込みと優先順位の設定がスムーズになります。

シナリオ設計の全体像を先に理解しておくと、支援会社への要件定義がスムーズになります。MAシナリオ設計の全手順と事例も合わせてご参照ください。

準備③:マーケと営業の役割分担(SLA)を仮設定する

SLA(マーケと営業の引き継ぎルール)が設定されていないと、スコアが高いリードを営業に渡しても「まだ早い」「温度感が足りない」という摩擦が生まれます。完璧である必要はなく、「スコア〇点以上かつ〇〇行動をしたリードをインサイドセールスに渡す」という仮の基準を持っておくだけで、支援開始後の議論が格段に具体的になります。

スコアリングの基本設計を理解した状態で支援会社と話すと、議論の質が大きく変わります。リードスコアリングの仕組みとSLA設計で仕組みを確認しておくことをおすすめします。

MA導入支援でよくある失敗パターン3選

MA導入支援の失敗パターンとは、設定完了で支援終了・ツール依存の設計・社内への知見蓄積がないという三つの状況のことです。ポイントは、これらはいずれも「支援会社を選ぶ段階」で回避できる課題だという点です。

弊社の支援では、前任の支援会社からの引き継ぎ案件を複数経験しています。その多くでこの三つの失敗パターンが確認されており、引き継ぎ後に設計を一から組み直す事例も少なくありません。

失敗①:設定が完了した時点で支援が終わる

「初期設定まで」を支援範囲とする会社に依頼した場合、シナリオが動き始めた後のデータ分析・改善提案は自社対応が必要になります。MAの効果は運用開始後3〜6ヶ月の改善サイクルで生まれるため、設定完了で支援が終わる構造では商談数への貢献が実現しにくいです。

導入後の運用まで一貫して依頼したい場合は、運用代行会社の選び方も合わせて確認してください。MA運用代行会社の選び方と比較で詳しく解説しています。

失敗②:ツールに依存した設計でMAが変わると全て作り直しになる

特定のツールの仕様を前提とした設計では、将来ツールを変更した際にシナリオ・スコアリング・連携設定をすべて組み直す必要が生じます。弊社が推奨するのは、ツールに依存しない設計思想を持つ会社への依頼です。その理由は、「どのセグメントに・いつ・何を届けるか」という設計ロジックは、ツールが変わっても再利用できる資産になるからです。

失敗③:社内に知見が残らず、担当者が変わるたびに振り出しに戻る

支援会社に全て委託した結果、担当者が退職・異動するたびにMAの設計背景を誰も把握していない状態が生まれます。この状態では次の支援会社への引き継ぎコストが大きく、改善サイクルが機能しません。具体的には、「なぜこのスコアリング設計にしたか」「このシナリオで何を仮説にしているか」という判断軸を社内に残す仕組みを、支援開始時に合意しておく必要があります。

Sells upのMA導入支援:何が違うのか

弊社Sells upのMA導入支援の特徴は、受注データの統計解析によるスコアリング設計・架電音声分析からの商談化コンテンツ設計・Salesforce認定資格者による技術的精度という三つの軸にあります。要点は、「感覚値ではなくデータで設計する」という方針を全フェーズで一貫させている点です。

受注データの統計解析によるスコアリング設計

多くの支援会社がスコアリングを「ページビュー数×点数」という経験則で設計するのに対し、弊社では受注データと非受注データを統計的に比較分析し、商談化と相関が高い行動パターンを特定してからスコア設計を行います。数量化2類・アソシエーション分析・RFM分析などの統計手法を活用することで、スコアが高いのに商談につながらないという状況を構造的に回避します。

架電音声分析から商談化コンテンツを設計する

ナーチャリングメールのコンテンツ設計において、弊社が重視するのは「過去の架電音声から、どの言葉・どの課題感が商談化につながったか」の分析です。インサイドセールスの架電録音を分析し、反応が良かったトークのトピックをコンテンツに転換することで、マーケ施策と営業現場の乖離を縮めます。

Salesforce認定資格者による技術的精度

弊社の担当者はSalesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialist(旧Pardot Specialist)の認定資格を保有しており、Account Engagementの設定・スコアリング設計・SFA連携において技術的な精度を担保しています。HubSpot・Marketoについても実装実績があり、ツールの仕様に起因する設計の限界と可能性を把握した状態で支援にあたります。

まとめ:MA導入支援会社を選ぶ前に確認すべきこと

  • MA導入支援は、ツール選定・初期設定・シナリオ設計・運用改善までを外部会社がサポートするサービスです。設計がなければ、ツールは商談数に貢献しません。
  • 支援タイプは、コンサルティング型・構築実装型・一貫支援型の三つがあります。社内のMA知識量と求める支援範囲によって最適なタイプは異なります。
  • 支援会社の選定基準は、商談数貢献へのコミット・ツール対応・一貫支援・数値実績・内製化志向の五つで評価することが重要です。
  • 依頼前の準備は、ハウスリストの把握・KGI・KPI言語化・SLA仮設定の三つを自社で整えておくと、支援開始後の設計着手が早くなります。
  • よくある失敗は、設定完了で終わる・ツール依存の設計・社内への知見蓄積がないという三つのパターンであり、支援会社を選ぶ段階で確認することで回避できます。

弊社Sells upでは、BtoBマーケティング支援・MA活用支援・インサイドセールス立ち上げ支援を一貫して提供しています。まずは現状の課題と求める支援の範囲をお聞かせください。

よくある質問(FAQ)

MA導入支援の費用はどのくらいかかりますか?

支援タイプと範囲によって大きく異なります。コンサルティング型で月額20〜50万円程度、構築・実装型で初期費用50〜150万円程度、戦略から運用まで一貫した支援で月額30〜80万円程度が一般的な目安です。ツールのライセンス費用は別途必要になります。

MAツールを持っていない状態から依頼できますか?

ツール未保有の状態からでも依頼できます。ツール選定自体を支援範囲に含む会社を選ぶことで、KGI・KPIに合ったツールの選定から一貫してサポートを受けられます。ツール選定だけ外部に任せ、その後は内製するという依頼方法も可能です。

HubSpot・Account Engagement・Marketo、どのツールでも対応できますか?

支援会社によって対応ツールは異なります。複数ツールの認定資格保有者が在籍しているか、過去に自社が使うツールの支援実績があるかを必ず確認してください。ツールの仕様を深く理解していない会社は、設計の精度と速度の両面で劣ります。

社内にマーケティング担当者がいない場合でも支援を受けられますか?

受けられます。むしろ専任担当者がいない企業ほど、戦略から運用まで一貫した支援タイプが向いています。支援会社が実質的にマーケ機能を担いながら、社内への知見移管を並行して進める形が一般的です。

支援会社に依頼するタイミングの目安はいつですか?

ハウスリストが500件以上存在し、「リードはあるが商談につながっていない」という状況が明確になった段階が依頼の目安です。リストがない、または商談の仕組みそのものがないという場合は、MA導入より先にリード獲得の仕組みを整えることを優先することをおすすめします。

MA導入支援を依頼したのに商談が増えない場合、どう対処すべきですか?

商談が増えない原因は、大きく「スコアリングの精度」「シナリオのコンテンツ品質」「SLAの運用定着」の三つのいずれかにあることがほとんどです。弊社の経験では、支援開始後3ヶ月以内に最初の商談アポを1件でも取れた企業は、その後の継続率が構造的に高まる傾向があります。成果が出ない場合は、この三つの観点で現状を確認することをおすすめします。

ツールの設定よりも、「何をどう設計するか」で成果が変わります

HubSpot・Account Engagement・Marketoに精通した担当者が、 ツールの設定支援だけでなく、リード育成シナリオやスコアリング設計まで一貫してサポートします。 まずは現状のツール活用状況をお聞かせください。

株式会社Sells up
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。BtoBマーケティングの戦略設計/KPI設計はもちろん、リードジェネレーション施策やナーチャリング、MA/SFA活用を支援し、業界/企業規模を問わずこれまでに約80社以上の支援実績を持つ。Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialist/Tableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。