MAツールの導入を検討する際、社内から「具体的にどのような効果があるのか」を説明するよう求められることがあります。
MAツールは、見込み客の管理や育成、営業への引き渡しなどを効率化・自動化するためのツールです。一方で、機能の一覧を見ただけでは、自社の業務がどこまで変わるのかをイメージしにくいこともあります。
クラウドサーカス株式会社が実施した「マーケティングオートメーションに関するアンケート調査結果レポート」では、MAツールを導入している企業のうち72%が、何らかの効果を実感したと回答しています。この設問の回答者数は253人です。

MAツールで期待できる効果は、見込み客の管理から育成、商談化までの各フェーズに分けて考えると整理しやすくなります。
| MAツールの活用フェーズ | 期待できる効果 |
|---|---|
| 見込み客の管理 | ・保有している見込み客を把握しやすくなる ・チャネルを横断して顧客行動を確認できる |
| 見込み客の育成 | ・優先的に確認したい見込み客を整理できる ・継続的な接点づくりを効率化できる ・反応の変化を捉えて施策を見直せる ・施策ごとの反応をもとに改善しやすくなる |
| 見込み客の商談化 | ・営業へ引き渡す対象やタイミングを整理できる ・商談までの行動履歴を営業活動に活用できる |
Sells upが支援した企業でも、MAツールの導入や運用体制の整備を通じて、問い合わせ数の増加やリード獲得につながった事例があります。

ただし、MAツールは導入するだけで効果が出るものではありません。どの業務を改善したいのか、どの指標を追うのか、誰が運用するのかをあらかじめ整理しておくことが重要です。
導入の進め方については、MAツールの導入手順8ステップで詳しく解説しています。
本記事では、MAツールの導入によって期待できる効果を、見込み客の管理・育成・商談化のフェーズごとに整理します。
あわせて、調査結果を見る際の注意点や、MAツールを導入しても効果につながりにくいケース、導入を急がなくてもよいケースについても解説します。
MAツール導入企業の約7割が導入効果を実感している
クラウドサーカス株式会社が実施した「マーケティングオートメーションに関するアンケート調査結果レポート」によると、MAツールを導入している企業の72%が、何らかの導入効果を実感していると回答しています。内訳は「非常にある」が14%、「一定の効果はある」が58%です。

調査方法:インターネットアンケート
調査対象:BtoBマーケティング部門・営業部門の担当者
設問:MAツール導入後に効果があったと感じたか
この設問の回答者数:253人(調査全体の回答者数は629人)
調査期間:2021年10月
Cloud CIRCUS調べ
参考:クラウドサーカス株式会社「マーケティングオートメーションに関するアンケート調査結果レポート」
MAツールには、見込み客の管理から育成、営業への引き渡しまで、各フェーズの業務を効率化し、施策の判断に必要な情報を可視化する機能があります。

こうした機能を自社の目的に合わせて活用することで、業務効率化だけでなく、営業への引き渡しや商談創出の改善につなげることができます。
次の章からは、見込み客の管理・育成・商談化の各フェーズに分けて、MAツールの導入によってどのような変化が期待できるのかを具体的に解説します。
「約7割が効果を実感」という数字の読み方
この調査結果は、「MAツールを導入すれば7割の企業で成果が出る」ことを示す数字ではありません。
調査対象となっているのは、すでにMAツールを導入している企業です。そのため、導入を見送った企業や、導入後に運用を停止した企業の状況までは含まれていません。
また、「効果があった」という回答は、必ずしも売上や受注件数の増加だけを意味するものではありません。顧客情報の可視化や業務効率化なども含めた、回答者による評価として捉える必要があります。
つまり、この調査から分かるのは、MAツールを導入している企業の中には効果を感じている企業が多い一方で、導入しただけで同じ成果が得られるわけではないということです。
実際に、MAツールを導入しても、メール配信を中心とした限定的な運用にとどまるケースがあります。MAツールの効果を広げるには、導入目的に合わせて、データの蓄積方法やシナリオ、営業連携などを継続的に整えていく必要があります。
運用が止まってしまう原因と立て直し方は、MAを使いこなせない原因と立て直しの手順で詳しく解説しています。
【見込み客の管理】におけるMAツールの導入効果
見込み客の管理フェーズでは、MAツールを活用することで、社内に点在している顧客情報をまとめ、行動履歴とあわせて確認しやすくなります。
主な効果は、次の2つです。
- 保有している見込み客を把握しやすくなる
- チャネルを横断して顧客行動を確認できる
MAツールが見込み客の管理にどのように役立つのか、順に解説します。
導入後にどのような業務が発生するのかは、MA運用の業務内容と5ステップで解説しています。
保有している見込み客を把握しやすくなる
MAツールでは、見込み客の情報をまとめて管理できます。
社内で顧客情報の管理方法が統一されていない場合、次のような課題が起こりやすくなります。
- 担当者ごとに見込み客の情報が分散している
- 見込み客の状況をタイムリーに確認できない
- 名刺など、データ化されていない顧客情報が残っている
担当者や部署ごとに異なる方法で管理していると、現在どのような見込み客をどれくらい保有しているのか把握しづらくなります。
その結果、過去に接点を持った顧客へのフォローが漏れたり、同じ顧客へ複数の担当者が重複して連絡したりすることもあります。
MAツールでは、たとえば次のような情報をまとめて管理できます。
- 企業・担当者の基本情報
- Webサイト訪問や資料ダウンロードなどの行動履歴
- メール配信やウェビナー参加などの接点
- 営業へ連携するためのスコアや判定情報
- CRM・SFAと連携している場合の商談情報
※管理できる情報や連携範囲はMAツールによって異なります。
こうした情報を一覧表示したり、条件に応じて絞り込んだりできるため、自社がどのような見込み客を保有しているのかを確認しやすくなります。
また、CRMやSFAと連携できるMAツールであれば、マーケティングと営業がそれぞれ保有している情報を紐づけて管理することもできます。
ただし、MAツールを導入すれば自動的に顧客情報が整理されるわけではありません。重複データの整理や入力ルールの統一など、運用前のデータ整備も必要です。
見込み客の情報を整理し、継続的に活用できる状態をつくれることが、管理フェーズにおけるMAツールの効果の一つです。
チャネルを横断して顧客行動を確認できる
MAツールでは、Webサイトやメールなどのオンライン上の行動と、展示会やセミナーなどで得た情報を、同じ見込み客のデータとして紐づけて管理できます。
たとえば、ある担当者が、
- Webサイトを訪問する
- メルマガに登録する
- 展示会に参加する
- その後、資料をダウンロードする
といった複数の接点を持っていたとします。
それぞれの情報が別々に管理されていると、一連の行動として把握するのが難しくなります。
MAツール上で同一人物として情報を紐づけることができれば、複数の接点をまとめて確認できます。

主な接点は、次のように整理できます。
| 情報を取得する環境 | 見込み客との接点の例 |
|---|---|
| オンライン | Webサイト、広告、メール、資料ダウンロード、問い合わせなど |
| オフライン | 展示会、セミナー、商談、名刺交換など |
オフラインで取得した情報は、CSVでの取り込みやフォーム入力などによってMAツールへ登録する方法があります。
こうした情報をまとめることで、
- 見込み客ごとに、これまでどのような接点があったのか確認する
- 特定の行動をした見込み客を抽出する
- 複数の接点を経て商談に至ったパターンを分析する
- 次にどのような施策を行うか検討する
といった活用ができます。
たとえば、Webサイト訪問後にメルマガへ登録し、その後に資料ダウンロードへ進む見込み客が多いことが分かれば、その導線を改善したり、資料ダウンロード後のフォローを見直したりできます。

ただし、複数の接点が確認できたからといって、「メルマガを見たから展示会に参加した」といった因果関係まで断定できるわけではありません。
MAツールでは、これまで点在していた顧客情報や行動履歴をつなげ、次の施策を考えるための材料として活用しやすくなると捉えるとよいでしょう。
【見込み客育成】におけるMAツールの導入効果
続いて、見込み客育成フェーズにおけるMAツールの導入効果を解説します。
見込み客育成では、MAツールを活用することで、接点の継続や優先度の整理、反応の変化に応じた施策の見直しを行いやすくなります。
主な効果は、次の4つです。
- 優先して確認したい見込み客を整理できる
- 手間を抑えながら接点を継続できる
- 反応の変化を捉えて施策を見直せる
- データをもとに施策を改善しやすくなる
優先して確認したい見込み客を整理できる
MAツールでは、見込み客の属性や行動をもとに、営業やマーケティングが優先して確認する対象を整理できます。
MAツールを使わずに見込み客を管理している場合、どのリードを優先するかの判断が担当者の経験や感覚に依存しやすくなります。
その結果、具体的な検討が進んでいる可能性のあるリードを見逃したり、すべての見込み客へ同じように対応したりすることがあります。
MAツールで利用できる方法の一つが、スコアリングです。
スコアリングでは、見込み客の属性や行動に対して、自社で決めたルールに沿って点数を付けます。
たとえば、
- メールをクリックした
- サービスページを閲覧した
- 資料をダウンロードした
- セミナーに参加した
といった行動ごとに点数を設定し、一定の条件を満たした見込み客を営業が確認する対象として抽出します。

ただし、スコアが高いことと、購買意欲が高いことは同じではありません。
スコアは、営業が優先して確認する対象を絞るための判断材料として利用し、実際の検討状況は営業との対話で確認します。
また、スコアリングは必須ではありません。
「対象業種に該当し、直近で料金ページを複数回閲覧している」など、属性と行動を組み合わせたルールでも優先度を整理できます。
配点や閾値を決める際は、自社の商談・受注データから逆算する方法もあります。
弊社では、受注したリードとそうでないリードの行動を比較し、ロジスティック回帰を用いて配点を検討するRFE(Recency・Frequency・Engagement)の考え方を取り入れることがあります。
複数の支援先のデータから算出した例では、重みは次のとおりでした。
- Engagement:0.45
- Recency:0.385
- Frequency:0.165
また、支援先によっては、
- 属性スコア20点以上かつ行動スコア40点以上
- RFEスコア0.75以上
- 直近7日以内に一定の行動がある
といった条件を営業連携の判断材料として設定しています。
これらはSells upの支援で使用している設計例であり、一般的な基準ではありません。
配点の決め方と運用方法は、リードスコアリングの設計6ステップで詳しく解説しています。
手間を抑えながら接点を継続できる
見込み客との接点を継続するには、メール配信や資料案内、セミナー告知などを継続的に行う必要があります。
対象となるリードが増えるほど、すべてを手作業で対応するのは難しくなります。
MAツールでは、あらかじめ条件や配信内容を設定しておくことで、こうした業務の一部を自動化できます。

主な機能は次のとおりです。
| 機能 | 概要・活用例 |
|---|---|
| メール配信 | 対象や日時を指定してメールを配信する |
| ステップメール | あらかじめ決めた順序や間隔でメールを配信する |
| シナリオ設計 | 行動や条件に応じて、次の配信や処理を切り替える |
| スコアリング | スコアを配信条件や営業通知の判断材料として利用する |
| コンテンツ作成支援 | メールやLPなどの作成をテンプレート等で効率化する |
※利用できる機能はMAツールや契約プランによって異なります。
たとえば、資料をダウンロードした見込み客には関連する事例を案内し、別の資料をクリックした場合は次のコンテンツを送るといったシナリオを設定できます。

こうした仕組みを利用すれば、担当者が毎回対象者を抽出して個別に配信する必要がなくなり、接点を継続しやすくなります。
ただし、自動化すること自体が目的ではありません。
誰に、どのタイミングで、どの情報を届けるかをあらかじめ設計したうえで、その運用を効率化する手段としてMAツールを活用します。
反応の変化を捉えて施策を見直せる
MAツールでは、見込み客の反応が変化したときに、その変化を確認しやすくなります。
たとえば、
- 以前はメールをクリックしていたが、最近は反応がない
- 継続してWebサイトを閲覧していたが、訪問が途絶えた
- 特定の資料をダウンロードした後、次の行動がない
といった状態です。
こうした変化を確認できれば、配信内容を変えたり、一定期間を空けたり、別のコンテンツを案内したりする判断材料になります。

また、過去に商談したものの受注に至らなかったリードや、一定期間反応のないリードを抽出し、再度アプローチすることもできます。
弊社が支援した株式会社CLUE様では、3日連続でサービスページを訪問しているユーザーを検知し、インサイドセールスへ自動的に連携する仕組みを構築しました。
行動の変化を捉え、次の対応につなげた運用例です。

データをもとに施策を改善しやすくなる
MAツールでは、メールやWebサイト、資料ダウンロードなど、見込み客との接点ごとの反応を確認できます。
そのため、「どこで反応が落ちているのか」「どのコンテンツに反応が集まっているのか」を確認しながら、施策を見直しやすくなります。

たとえば、次のような改善が考えられます。
- 配信するコンテンツの順序を変更する
- 特定のメールでクリックが少ない場合に内容を見直す
- ステップメールの途中で反応が落ちている場合に、配信間隔や内容を調整する
- A/Bテストを行い、件名やCTAの違いを比較する
重要なのは、反応率が低いという結果だけを見るのではなく、どの接点で、どのような変化が起きているのかを確認することです。
MAツールを活用することで、見込み客との接点を増やすだけでなく、その結果をもとに施策を継続的に見直しやすくなります。
【商談化】におけるMAツールの導入効果
見込み客の育成に続いて、商談化フェーズにおけるMAツールの導入効果を解説します。
商談化の段階では、見込み客の行動や関心を営業へ共有することで、対応の優先順位を整理しやすくなり、商談前の情報収集にも活用できます。
主な効果は、次の2つです。
- 営業へ引き渡す対象とタイミングを整理しやすくなる
- 商談までの行動履歴を提案内容に活用できる
営業へ引き渡す対象とタイミングを整理しやすくなる
MAツールでは、見込み客の属性や行動をもとに、営業が優先して確認する対象を整理できます。
MAツールを使わずにリードを営業へ渡している場合、どの見込み客を優先するかの判断基準が明確でなく、マーケティングと営業の間で認識がずれることがあります。
たとえば、マーケティング側では「営業に渡すべきリード」と考えていても、営業側では「まだ情報が足りない」と判断するケースです。
MAツールでは、スコアリングや行動条件を使って営業連携の基準を設定できます。
たとえば、
- 一定のスコアに達した
- 料金ページを複数回閲覧した
- 特定の資料をダウンロードした
- 問い合わせフォームを送信した
といった条件をもとに、営業が確認する対象を抽出できます。
ただし、スコアが高いことと購買意欲が高いことは同じではありません。
スコアリングは営業へ引き渡す対象を整理する方法の一つであり、属性と行動を組み合わせたルールベースの条件でも設計できます。
MAツールによっては、設定した条件に該当したリードが発生した際に、営業担当者へ通知したり、SFA・CRMへ情報を連携したりすることもできます。

株式会社ベーシックが実施した「BtoBマーケティング調査レポート2025 MAツール編」では、MAツール導入後に効果が出たと感じる点として、「営業との連携で商談率が向上した」と回答した割合が63.4%でした。
また、「ホットリードへの対応スピードが向上した」と回答した割合は49.1%となっています。

調査方法:Webアンケート
調査対象:BtoBマーケティング業務に関わる方
有効回答数:330
調査期間:2025年5月30日〜6月3日
参考:株式会社ベーシック「BtoBマーケティング調査レポート2025 MAツール編」
こうした調査結果からも、MAツールはマーケティングから営業への情報連携や、対応対象の整理に活用されていることが分かります。
ただし、MAツールを導入するだけで営業連携がスムーズになるわけではありません。
どの条件で営業へ渡すのか、誰が確認するのか、いつまでに対応するのかまで決めておくことが重要です。
どのリードをどの条件で営業へ渡すかは、営業へ引き渡す条件と対応ルールの決め方で詳しく解説しています。
商談までの行動履歴を提案内容に活用できる
MAツールでは、見込み客が商談に至るまでにどのような情報へ接触してきたのかを確認できます。
営業担当者がこうした情報を把握していない場合、すでに閲覧済みの資料をあらためて案内したり、相手の関心とは異なる内容から商談を始めたりすることがあります。
一方で、商談前の行動履歴を確認できれば、
- どの資料をダウンロードしたのか
- どのメールをクリックしたのか
- どのページを閲覧したのか
- どのウェビナーやイベントに参加したのか
といった情報をもとに、商談の進め方を検討できます。
たとえば、メルマガ登録後に特定の資料をダウンロードし、その後ウェビナーへ参加している見込み客であれば、営業担当者はそのテーマに関心を持っている可能性を踏まえて会話を始めることができます。

ただし、閲覧履歴やダウンロード履歴だけで顧客の課題や検討状況を断定することはできません。
行動履歴は、商談前に仮説を持つための材料として利用し、実際の状況は対話の中で確認することが重要です。
このように、MAツールを活用することで、マーケティングで蓄積した情報を営業活動へつなげやすくなります。
ここまでの効果を数値で確認する方法は、MAツールの効果測定とKPI設計で解説しています。
MAツール導入で成果が出た事例
ここまで、MAツールの導入によって期待できる効果をフェーズごとに解説してきました。
ここでは、Sells upが支援した企業の中から、MAツールの導入や活用体制の整備を通じて成果につながった2つの事例を紹介します。
| 企業 | 主な課題 | 主な成果 |
|---|---|---|
| 株式会社SmartHRさま | MAツールを導入したものの、設定や機能活用の経験が不足していた | マーケティング全体の問い合わせ数が約1年間でおよそ10倍に増加 |
| 株式会社日本テレビアートさま | 営業・マーケティングに相当する部署がなく、顧客接点の創出や販路拡大に課題があった | 初年度から多い月で100件以上のリードを獲得 |
株式会社SmartHRさま|1年間で問い合わせ数が約10倍に増加
株式会社SmartHRさまのプラットフォーム事業部では、クラウド人事労務ソフト「SmartHR」のユーザーとアプリパートナーをつなぐプラットフォーム「SmartHR Plus」を運営しています。
SmartHR Plusでは、ユーザーからの問い合わせ獲得を目的に、行動や関心に応じて情報を届けるための仕組みとしてMAツールを導入しました。
一方で、導入当初は社内にMAツールの運用経験を持つマーケティング担当者がおらず、次のような点に課題がありました。
- 条件に合致したユーザーへ適切なタイミングで情報を届けるトリガー配信
- ユーザーの行動や関心の変化を捉える仕組み
- スコアリングの活用
そこでSells upでは、MAツールの初期設定から配信設計までを支援しました。
取り組みの一例は次のとおりです。
- MAツールの初期設定
- SmartHRユーザーの行動データをもとにしたトリガーメールの配信設定
- アプリごとに最適化した問い合わせフォームやサンクスメールの作成
メール文面も最初から大量に用意したのではなく、1〜2パターンから始め、運用しながら20〜30パターンまで増やしていきました。
その結果、マーケティングチーム全体の問い合わせ数は、約1年間でおよそ10倍に増加しました。
また、MAツールの導入支援と並行してマーケティングチームの立ち上げも進めることで、継続して運用できる体制を整えています。
MAツールを導入するだけではなく、どのデータを使い、どの条件で、どのようなコミュニケーションを行うのかまで設計した事例です。
▼株式会社SmartHRさまの事例は、下記で詳しく解説しています。

株式会社日本テレビアートさま|初年度から多い月で100件以上のリードを獲得
株式会社日本テレビアートさまでは、テレビ業界を取り巻く市場環境の変化を受けて、新規事業の立ち上げに取り組んでいました。
一方で、それまで番組制作を中心に事業を展開してきたため、一般的な企業における営業やマーケティングに相当する部署がなく、新たな顧客接点の創出や販路拡大に課題がありました。
そこでSells upでは、サービスそのものの整理からマーケティング施策、リード管理の仕組みづくりまでを段階的に支援しました。
主な取り組みは、次の2つのフェーズに分かれています。
| 支援フェーズ | 主な取り組み |
|---|---|
| フェーズ1(10か月) | ビジネスプロデュース室が提供するサービス内容を整理し、言語化 |
| フェーズ2(14か月) | Meta広告によるリード獲得、サービス資料・LPの作成、コーポレートサイトの改修、コンテンツマーケティングの立ち上げ、リード情報のCRM・MA・SFAへの移行 |
その結果、初年度から多い月で100件以上のリードを獲得しました。
また、リード情報を分析できる環境を整えたことで、それまで接点のなかった顧客が日本テレビアートに何を求めているのかを考える材料も得られるようになりました。
この事例では、MAツール単体の導入によって成果が出たというよりも、サービス設計やリード獲得施策、顧客情報を管理・分析する仕組みをあわせて整備したことが成果につながっています。
MAツールを導入する目的を明確にし、その前後の施策や運用体制まで含めて整える重要性が分かる事例です。
▼株式会社日本テレビアートさまの事例は、下記でも解説しています。

【注意】MAツールは戦略設計と活用できる体制がないと効果が出にくい
MAツールは、見込み客の管理や育成、営業への引き渡しなど、さまざまな業務に活用できます。
一方で、MAツールを導入しただけで効果が出るわけではありません。どのような目的で使うのかを明確にし、その目的に沿って継続的に運用できる体制を整えることが重要です。

MAツールを導入する前に、少なくとも次の項目を整理しておきます。
| 項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 戦略設計 | MAツールを導入する目的が明確になっているか MAツールを使って改善したいKPIが決まっているか |
| 運用体制 | 自社の目的とMAツールの機能を紐づけて考えられるか 活用するデータが揃っているか 継続して運用する担当者が決まっているか マーケティングと営業の連携方法が決まっているか |
MAツールを導入しても効果につながりにくいケースでは、ツールの導入自体が目的になっていることがあります。
たとえば、
- MAツールを導入した後に活用方法を考えようとしている
- 具体的なKPIを決めずに導入している
- マーケティング組織の立ち上げにあわせて、必要性を十分に整理せずツールだけを導入している
- 導入後に誰が運用するのか決まっていない
といった状態です。
MAツールは、「営業へ引き渡すリードを整理したい」「継続的なナーチャリングを効率化したい」「マーケティングと営業の情報共有を改善したい」といった目的を実現するための手段です。
そのため、まずは自社がどの業務を改善したいのかを整理し、そのうえで必要な機能や運用方法を決めます。
また、目的が明確でも、継続して運用できる体制がなければ活用は進みません。
たとえば、
- シナリオやメールを誰が作成するのか
- スコアや営業連携の条件を誰が見直すのか
- データを誰が管理するのか
- 営業からマーケティングへ結果をどのように戻すのか
といった役割をあらかじめ決めておく必要があります。
自社に合うツールの選び方は、BtoB向けMAツールの比較と選び方で解説しています。
MAツールの導入を急がなくてよい場合
MAツールは、すべての企業が早い段階から導入すべきものではありません。
次のような場合は、MAツールの導入よりも先に整えておいた方がよいものがあります。
- 保有リードが少なく、営業が一件ずつ確認して対応できる
- 見込み客へ案内できるコンテンツが十分になく、継続して用意する体制もない
- 運用担当者が決まっていない
- どの業務を改善したいのか、KPIが決まっていない
- マーケティングから営業へリードを渡す基準が決まっていない
このような状態でMAツールを導入しても、メール配信など一部の機能だけを使う運用になりやすく、導入効果を判断しにくくなります。
まずは、リードの獲得方法やコンテンツ、営業への引き渡し条件、担当者などを整理し、その運用を効率化する必要が出てきた段階でMAツールを検討する方法もあります。
導入時期の判断については、MA導入のタイミングの判断軸でも解説しています。
成果につながるMAツール運用を目指すならSells upにご相談ください

MAツールを事業成果につなげるには、ツールの設定だけでなく、導入目的やKPI、データ活用、営業連携まで含めて設計する必要があります。
実際には、
- シナリオやスコアリングを設定したものの、何を基準に改善すればよいか分からない
- MAツールの機能をどの業務に使えばよいか整理できていない
- マーケティングと営業の間で、リードを引き渡す条件が定まっていない
- MAツールを導入したものの、継続して運用できる体制が整っていない
といった課題が起こることがあります。
Sells upでは、MAツールの導入そのものを目的とせず、事業やマーケティングの目的から逆算して、必要な運用や仕組みを設計します。
【Sells upのMAツール導入支援の特徴】
- 統計解析を活用しながら見込み客育成の設計を支援
- MAツールを活用する前提となる戦略設計から支援
- 導入目的や運用体制を踏まえたMAツール選定を支援
- スタートアップからプライム上場企業まで、80社以上のBtoBマーケティングを支援
「MAツールを導入したいが、自社で活用できるか分からない」「すでに導入しているものの、期待した効果につながっていない」という場合は、お気軽にご相談ください。
「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために
施策を続けていても商談につながらない場合は、個々の施策だけでなく、目的やKPI、データの使い方、営業への引き渡しまで含めて見直す必要があります。Sells upでは、現在の施策やデータを確認しながら、どこに改善余地があるのかを整理し、優先順位をつけて支援します。
相談してみる →まとめ
本記事では、MAツールの導入によって期待できる効果を、見込み客の管理・育成・商談化の3つのフェーズに分けて解説しました。
主な効果は、次のように整理できます。
| MAツールの活用フェーズ | 期待できる効果 |
|---|---|
| 見込み客の管理 | 保有している見込み客を把握しやすくなる チャネルを横断して顧客行動を確認できる |
| 見込み客の育成 | 優先して確認したい見込み客を整理できる 手間を抑えながら接点を継続できる 反応の変化を捉えて施策を見直せる データをもとに施策を改善しやすくなる |
| 見込み客の商談化 | 営業へ引き渡す対象とタイミングを整理しやすくなる 商談までの行動履歴を提案内容に活用できる |
ただし、MAツールは導入するだけでこれらの効果が得られるものではありません。
どの業務を改善したいのか、どのKPIを追うのか、誰が運用するのか、営業へどのように情報を渡すのかまで整理したうえで活用することが重要です。
また、保有リードが少ない、運用担当者が決まっていない、活用できるコンテンツがないといった場合は、MAツールの導入を急がず、先に運用の土台を整える方が適していることもあります。
MAツールの導入や運用に課題がある場合は、Sells upまでお気軽にご相談ください。
よくある質問
MAツールを使うメリットは何ですか?
MAツール(マーケティングオートメーションツール)を使う主なメリットは、見込み客の管理・育成・商談化の3フェーズ全体にわたって業務を効率化し、成果を高められる点です。
| フェーズ | 主なメリット |
|---|---|
| 見込み客の管理 | オンライン・オフライン問わず見込み客を一元管理できる。担当者ごとに情報が散らばる課題を解消できる |
| 見込み客の育成 | メール配信やシナリオ設計の自動化で、手間をかけずに見込み客との接点を継続できる。スコアリングで優先度の高い見込み客を可視化できる |
| 見込み客の商談化 | 温度の高い見込み客(ホットリード)だけを営業に引き継げる。見込み客の行動履歴をもとにした個別提案が可能になる |
クラウドサーカス株式会社の調査では、MAツール導入企業の72%が何らかの効果を実感しており、業務効率化や商談化率の向上が主な成果として挙げられています。
MAツールを導入するとどんな効果がありますか?
MAツールを導入すると、マーケティングと営業の両面で具体的な効果が期待できます。
- 商談化率・成約率の向上:スコアリングで購買意欲の高い見込み客を特定し、ベストなタイミングで営業に引き継ぐことで商談化率が上がる
- 業務効率化(工数削減):メール配信やシナリオ設計の自動化により、担当者が手作業で対応する時間を大幅に削減できる
- 売上拡大:休眠顧客・失注顧客の掘り起こしや継続的なナーチャリングによって、新規商談と再受注の両方が増える
- マーケティングと営業の連携改善:株式会社ベーシックの2025年調査では、63.4%の企業が「営業との連携がスムーズになり商談率が向上した」と回答している
- 施策精度の向上:接点ごとの開封率・反応率を可視化してPDCAを回せるため、メールや施策の改善が継続的にできる
ただし、これらの効果は戦略設計と運用体制が整って初めて実現します。ツールを導入するだけでは効果は出にくいため、目的に沿った活用設計が重要です。
MAツールの目的は何ですか?
MAツールの目的は、見込み客の獲得から育成・商談化までのマーケティングプロセスを自動化・効率化し、最終的に売上や商談数の増加につなげることです。
より具体的には、以下の3つが主な目的として挙げられます。
- 見込み客の一元管理:担当者・部署・チャネルをまたいで分散していた見込み客情報を統合し、現状を即座に把握できる状態を作る
- 育成の自動化・継続化:人手をかけずにメール配信やシナリオ接触を継続し、見込み客の検討度合いを高め続ける
- 営業へのホットリード供給:スコアリングによって購買意欲の高い見込み客を特定し、最適なタイミングで営業部門へ引き継ぐ
MAツールはあくまでも「目標を達成するための手段」であり、導入すること自体が目的にならないよう注意が必要です。「ホットリードを月〇件増やす」「商談化率を〇%改善する」など、具体的なKPIと紐づけて活用することが、効果を得るための前提条件です。
MAツールの効果はどれくらいで出ますか?
MAツールを導入してから効果が見えるまでの期間は、扱う商材の検討期間や保有リードの件数によって変わります。メール配信やフォームの整備といった業務の効率化は比較的早く実感しやすい一方、商談数や受注への影響は、リードが検討を進める期間を経てから確認できるようになります。
そのため、導入直後は配信数や開封率といった動かせる指標から確認し、商談化率や受注への貢献は一定期間が経ってから評価するのが現実に即した進め方です。
MAツールを導入しないほうがよい場合はありますか?
保有リードが少なく営業が一件ずつ対応できる規模の場合や、案内に使えるコンテンツが揃っていない場合、運用を担当する人が決まっていない場合は、MAツールより先に取り組むべきことがあります。
リードの母数を増やす、コンテンツを用意する、営業へ引き渡す条件を決めるといった土台が整ってから導入するほうが、機能を使える範囲が広がります。
MAツールの費用はいくらですか?
MAツールの費用はツールの種類・プラン・リード数などによって大きく異なります。無料から月額数十万円まで幅広い価格帯があります。
| ツール名 | 費用の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| HubSpot Marketing Hub | 無料〜月額432,000円 | 無料プランから始められ段階的に拡張可能 |
| SATORI | 初期30万円+月額148,000円〜 | 国産ツール。手厚いサポート体制が特徴 |
| Marketing Cloud Account Engagement | 月額150,000円〜 | Salesforce連携・AIスコアリングに強み |
| Adobe Marketo Engage | 要問い合わせ | 高機能・高カスタマイズ性。大企業向け |
費用だけでツールを選ぶと、導入後に機能不足や活用できないといった失敗につながりやすいです。自社のマーケティングの目的・フェーズ・リソースに合ったツールを選ぶことが、費用対効果を高めるうえで重要なポイントです。ツール選定に迷う場合は、80社以上のBtoBマーケティング支援実績を持つSells upにご相談ください。

