マーケティングファネルとは?BtoBで商談を生む設計と実践ステップ
戦略は立てた。次は実行できる体制があるか、確認しませんか
戦略設計の手順はわかっても、実際に動かすリソースやノウハウが不足しているケースは少なくありません。Sells upはBtoBマーケティングの戦略設計から施策実行まで、80社以上の支援実績があります。現状の課題と何から始めるべきかをご提案します。
マーケティングファネル(BtoB)とは、見込み客が認知から受注に至るまでの購買プロセスを、漏斗(ファネル)の形で表したフレームワークのことです。
ファネルの上部で幅広く見込み客を集め、フェーズが進むにつれて数が絞られ、最終的に受注へとつながっていく流れを可視化します。
BtoBでは、意思決定に関わる人が複数おり、検討期間も長くなりがちです。そのため、このファネルをどう設計し、どう運用するかが商談数を大きく左右します。
本記事では、3種類のファネルの定義、デマンドジェネレーションとのつなげ方、MQL設計、MAツールを使った実践ステップまでを順を追って解説します。
マーケティングファネルとは?BtoBにおける定義
マーケティングファネルとは、顧客が商品・サービスを認知してから購入に至るまでの一連のプロセスを、漏斗(ファネル)の形で可視化したフレームワークです。
このフレームワークが意味を持つのは、次の3つを実現できるからです。
- プロセスの各フェーズを言葉で定義できる
- どこで離脱が起きているかを数字で把握できる
- フェーズごとに適切な施策を設計できる
この3つがそろって初めて、ファネルは単なる「管理の図」ではなく、「商談を生む仕組み」として機能します。
ファネル(funnel)は英語で「漏斗(じょうご)」という意味です。上の口から多くの見込み客が入り、フェーズが進むにつれて人数が絞られていく様子が漏斗に似ていることから、この名前が付けられました。
マーケティングファネルは、「どのタイミングで、何人が、どの状態にいるのか」を見える化するためのツールです。
見込み客を「認知・関心・検討・受注」といったフェーズに分類し、それぞれの転換率を追いかけます。転換率が低いフェーズがボトルネックになるため、その部分にテコ入れをすることで商談数の改善につなげていきます。
なぜBtoBではファネル設計が特に重要なのか?
BtoCに比べて、BtoBのファネルが複雑になりやすい理由は大きく2つあります。
1つ目は、意思決定者が複数存在することです。BtoBの購買では、現場担当者に加えて、部門長、経営層、情報システム部門など、社内のさまざまな立場の人が関与するケースが一般的です。現場の担当者が興味を持っても、社内稟議を通すまでに時間がかかることも少なくありません。
2つ目は、検討期間が長くなりやすいことです。BtoCでは比較的短い検討期間で購入まで進むことが多いのに対し、BtoBでは、複数回の商談やデモ、見積もりのやり取り、社内稟議を経て受注に至ります。
この長い検討期間のあいだに、見込み客との接点を維持する仕組みがなければ、関心が薄れ、離脱を招きます。だからこそ、フェーズをしっかり定義したファネルと、そのフェーズに応じた施策の設計が欠かせません。
マーケティングファネルとカスタマージャーニーマップの違い
マーケティングファネルは「量と流れを可視化するためのツール」、カスタマージャーニーマップは「顧客の心理と行動を可視化するためのツール」です。似た文脈で語られることが多いものの、目的が異なります。
マーケティングファネルは、「各フェーズに何人の見込み客がいて、どこで何人が離脱しているのか」といった「数」と「流れ」を把握するために使います。
一方、カスタマージャーニーマップは、顧客が各タッチポイントでどのような思考・感情を持ち、どんな行動を取っているのかという「体験の中身」を整理するためのツールです。
実際には、まずファネルで全体の流れと数字を押さえ、転換率が特に低いフェーズについて、カスタマージャーニーマップで顧客の心理や行動を深掘りする、という組み合わせで使われることが多くあります。役割を分けて考えることで、改善の優先順位も付けやすくなります。
マーケティングファネルの3つの種類
マーケティングファネルには、「パーチェスファネル」「インフルエンスファネル」「ダブルファネル」の3種類があります。
役割を整理すると、パーチェスファネルは新規顧客獲得の設計、インフルエンスファネルは継続やLTV向上の設計、ダブルファネルはその両方をひとつの流れとして捉える設計だと考えると分かりやすくなります。
BtoBでは、新規獲得だけでなく既存顧客の継続・拡大も重要な収益源になるため、この3種類を使い分けられると、施策設計の幅が広がります。
パーチェスファネル|認知・関心・検討・購入
パーチェスファネルとは、見込み客が「認知→関心→検討→購入」という4つの段階を進みながら購買意思決定をしていく様子を表したファネルです。
英語の purchase(購買)に由来する、もっとも一般的なファネルの型です。
- TOFU(Top of the Funnel:認知フェーズ)
- MOFU(Middle of the Funnel:関心・検討フェーズ)
- BOFU(Bottom of the Funnel:購入フェーズ)
という3層に分けて整理することも多くあります。
BtoBで意識したいのは、各フェーズの滞在期間が長くなりやすい点です。
TOFUで出会った見込み客が、BOFUにたどり着くまでに数ヶ月かかることも珍しくありません。その間をつなぐために、フェーズごとに違うコンテンツや施策を用意し、検討が進むにつれて必要な情報を届けていくことが大切です。
インフルエンスファネル|継続・紹介・発信
インフルエンスファネルとは、購入後の顧客が「継続→紹介→発信」という流れを経て、ブランドの推薦者になっていくプロセスを表したファネルです。
パーチェスファネルが「購入に至るまで」を扱うのに対して、インフルエンスファネルは「購入したあと」のフェーズを扱います。具体的には、LTV(顧客生涯価値)の向上や口コミ・紹介の創出などを管理する枠組みです。
BtoBでは、契約後のオンボーディングや、定期的な価値提供、導入事例の取材依頼といったカスタマーサクセスの活動を、このインフルエンスファネルとして設計していくことで、既存顧客がそのまま新規獲得の原動力になっていきます。
ダブルファネル|新規獲得とリテンションを統合した設計
ダブルファネルとは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルをつなげ、新規獲得から継続利用・口コミ創出までを一体として設計するフレームワークです。
特にBtoBのSaaSやサブスクリプション型のビジネスでは、相性の良い考え方です。
新規契約を取って終わりではなく、既存顧客が使い続け、利用範囲を広げ、さらに周囲に勧めてくれる流れを意図的につくることで、獲得コストを抑えながら売上を伸ばすことができます。
ダブルファネルを組む際は、マーケティングとカスタマーサクセスの役割分担を、設計段階でしっかり話し合っておくと、運用フェーズでの齟齬が起きにくくなります。
BtoBのマーケティングファネルを構成する3つのプロセス
BtoBのマーケティングファネルは、「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」「リードクオリフィケーション」という3つのプロセスで構成されています。この3つをまとめて「デマンドジェネレーション」と呼びます。
3つのプロセスをファネルのどのフェーズに対応させるのかを決めること、プロセス間の引き継ぎ基準(MQL基準)を設計すること、そしてMAツール(マーケティングオートメーション)で自動化と可視化を実現すること。この3点が揃って初めて、ファネルは現場で回り始めます。
ファネルの種類や定義について触れた解説は多くありますが、この3プロセスを合わせて設計する、という視点は抜け落ちていることが少なくありません。概念の理解だけにとどまらず、3つのプロセスを前提に組み立てることが、商談数を増やすための実務的な一歩になります。
デマンドジェネレーションの全体像については、別記事で詳しく解説しています。
リードジェネレーション:ファネル上部(TOFU)の接点をつくる
リードジェネレーションとは、見込み客との最初の接点をつくるためのプロセスです。ファネルの最上部(TOFU)にあたります。
代表的な施策としては、SEOやコンテンツマーケティング、Web広告、展示会、ウェビナー、ホワイトペーパーのダウンロードなどがあります。
ポイントは、施策単体で考えるのではなく、「どのターゲット(ICP:Ideal Customer Profile)に、どのチャネルで、どんなコンテンツを届けるのか」をセットで設計しておくことです。ここが定まっているかどうかで、その後のフェーズの転換率も大きく変わってきます。
BtoBのリードジェネレーション施策については、別記事でより詳しく解説しています。
リードナーチャリング:ファネル中部(MOFU)の関係を育てる
リードナーチャリングとは、獲得した見込み客に対して継続的に情報を届け、購買意欲を高めていくプロセスです。ファネルの中部(MOFU)にあたります。
BtoBでは検討期間が長く、リード獲得の直後に商談化するのは一部の見込み客に限られます。残りの多くは、「今すぐではないが、将来的に検討するかもしれない」という状態です。
この層に対して、メールやセミナー、導入事例コンテンツなどを通じて継続的に接点を持ち、温度感が上がったタイミングで営業に引き渡す仕組みがナーチャリングです。
BtoBのリードナーチャリング手法は、別記事で具体的な設計例とあわせて紹介しています。
リードクオリフィケーション:ファネル下部(BOFU)の営業可否を見極める
リードクオリフィケーションとは、ナーチャリングを経た見込み客の中から、営業が優先的にアプローチすべき「ホットリード」を選び出すプロセスです。ファネルの下部(BOFU)にあたります。
ここでよく使われるのが「スコアリング」です。資料ダウンロードやページ閲覧、メールの開封・クリックといった行動データと、業種・役職・企業規模などの属性データに点数を付与し、一定のスコアを超えた段階でMQL(Marketing Qualified Lead:マーケティングが商談化候補と判断したリード)として営業に引き渡します。
BtoBのファネルを機能させる分業体制の設計
ファネルを機能させるには、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスそれぞれの役割と、リードの引き継ぎ基準を明確にしておく必要があります。
なかでも重要なのは、MQLとSQLの定義をマーケと営業でそろえること、SLA(Service Level Agreement:マーケと営業の引き継ぎルール)を文書化すること、各フェーズのKPIを設計し、ボトルネックを数字で見つけられるようにすることの3点です。
弊社では、Salesforce認定資格を保有し、これまで80社以上のBtoBマーケティング支援の中で、分業体制の設計を何度も伴走支援してきました。
その経験から感じるのは、ファネルがうまく回っていない企業ほど、「定義の合意」を後回しにしてしまっているということです。営業側から「どのリストから当たればいいのか分からない」という声が出ていたケースの多くは、MQLの基準がきちんと言語化されていなかったことが原因でした。
MQLとSQLの定義:マーケと営業の共通言語をつくる
MQL(Marketing Qualified Lead)は、マーケティング部門がスコアリングなどの基準にもとづき、「営業が対応すべき状態になった」と判断したリードを指します。SQL(Sales Qualified Lead)は、営業部門が「商談に進めてもよい」と判断したリードです。
この2つの定義がマーケと営業の間でずれていると、マーケは「良いリードを渡しているつもり」、営業は「商談にならないリードばかり渡される」と感じる状態になりがちです。
このギャップを埋める枠組みがSLAです。SLAでは、「どのスコアに達したらMQLとするのか」「MQLを受け取った営業は何日以内に初回コンタクトを取るのか」「結果やフィードバックをどう返すのか」といったルールを、両部門で合意します。
MQLの定義をあいまいなままにした状態でファネルを設計しても、運用を続けるうちに形だけの仕組みになりがちです。この合意形成を後ろ倒しにするのはおすすめできません。まずSLA設計から着手することを、弊社では一貫してお伝えしています。
ファネルのボトルネックを特定するKPIの設計方法
ファネルのKPIとは、各フェーズでの転換率(コンバージョンレート)を測るための指標です。どのフェーズで見込み客が離脱しているのかを数字で特定し、その部分の施策に集中投下することで、商談数を効率的に増やすことができます。
設計しておきたい主なKPIは、次の通りです。
- TOFU転換率:訪問者数に対するリード獲得数の割合
- MOFU転換率:獲得リード数に対するMQL数の割合
- BOFU転換率:MQL数に対する商談化数の割合
- 受注転換率:商談化数に対する受注数の割合
月次のレビューでこれらの数値を確認し、転換率が低いフェーズについてコンテンツや施策、引き継ぎ基準を見直していく。このサイクルを回すことが、ファネル改善の基本動作になります。
BtoBのマーケティングファネルを実践に落とし込む4ステップ
BtoBのマーケティングファネルを「実際に動く仕組み」として取り入れるためには、
Step.1:ターゲット定義
Step.2:フェーズごとの顧客状態の言語化
Step.3:MAツールによる自動化・可視化
Step.4:データを見ながらPDCAを回す
という4ステップで進める必要があります。
ファネルの種類や定義を理解するだけでは、商談数は変わりません。成果を出すには、自社の状況に合わせてファネルを実装していくプロセスが欠かせません。ここでは、弊社が80社以上の支援の中で繰り返し実践してきたステップを整理して紹介します。
Step.1:自社のターゲットとICPを定義する
ICP(Ideal Customer Profile)とは、自社の製品・サービスで特に高い価値を提供できる顧客の特徴を言語化したものです。
ターゲット像があいまいなままファネルを設計すると、集まるリードの質がまちまちになり、スコアリングの精度も上がりません。
「業種」「企業規模」「担当者の役職」「抱えている課題」「現在使っているツール」などの軸でICPを定義しておくことが、ファネル設計に入る前の大事な下準備になります。
Step.2:フェーズごとの顧客状態を言語化する
フェーズごとの顧客状態を言語化するとは、「このフェーズにいる見込み客は、今どんな課題を認識し、何を知りたがっているのか」を具体的な言葉で表すことです。
たとえば、TOFUは「まだ課題をはっきり認識していない、あるいは漠然とした不安を抱えている状態」、MOFUは「課題を認識し、解決策を探している状態」、BOFUは「複数の選択肢を比較し、そろそろ意思決定に向かおうとしている状態」というイメージです。
この定義がクリアになると、フェーズごとにどんなコンテンツを届ければよいかが見えてきます。
Step.3:MAツールでファネルの自動化と可視化を実装する
MAツール(マーケティングオートメーション)でファネルを実装するとは、スコアリングやシナリオ、自動通知の仕組みを組み込み、各フェーズを自動で管理できるようにすることです。
弊社の支援事例では、株式会社CLUE様において、Account Engagement(MA)とSalesforce(SFA)を連携させ、「3日連続でサービスページを訪問したユーザー」をシステムが自動で検知し、インサイドセールスに通知する仕組みを構築しました。
マーケ担当者が毎日アクセスログを目視で追う必要がなくなり、購買意欲の高い見込み客にタイムリーにアプローチできる体制を整えた事例です。
また、株式会社ブリューアス様では、もともとBtoC向けに設計されていたファネルをBtoB向けに作り直し、Account Engagement(旧Pardot)のステップメールシナリオを組み立て直しました。その結果、一度失注して休眠していた顧客へのメール配信から、大型の案件受注につながっています。ファネルとMAを連動させることで、どのような変化が起きるかを示す一例です。
Step.4:ファネルのデータを見てPDCAを回す体制を構築する
ファネルのPDCAとは、各フェーズの転換率を定期的に確認し、改善を繰り返していくサイクルのことです。
弊社では、月1回のレビューとして、マーケと営業が同じダッシュボードを見ながら「今月のMQL数」「商談化率」「失注理由」などを共有する場を持つことをおすすめしています。
この場で、MQL基準の見直しや、新たに必要なコンテンツの追加などをその場で決めていくことで、ファネルが静的な設計図ではなく、「動き続ける仕組み」として育っていきます。
ファネル設計も含めたBtoBマーケティングの全体像は、BtoBマーケティングプロセスの全体設計で詳しく紹介しています。
マーケティングファネル設計でよくある2つの失敗パターン
マーケティングファネルをつくってみたものの、商談数が思うように増えないという企業に共通して見られる失敗パターンが2つあります。
1つは「ファネルを設計したものの、誰も日常的に使っていない」状態。もう1つは「マーケと営業でファネルの定義が合っていない」状態です。どちらか一方、あるいは両方が当てはまっているケースが多く見られます。
失敗パターン①:ファネルを設計したが誰も使わない
ファネルの図は作成したものの、日々の業務の中でKPIを確認する場がなく、施策の判断も「なんとなくの手応え」に頼っている、という状態です。この場合、どのフェーズに課題があるのかが見えないため、改善も属人的になってしまいます。
対策として有効なのは、「月次レビューの場を設計すること」と「MAのダッシュボードにファネルを落とし込むこと」です。ファネルの設計図と、実際の数字が紐づいた瞬間から、ようやく「生きた仕組み」として回り始めます。
失敗パターン②:マーケと営業でファネルの定義がズレている
弊社の支援先でも、MQLの定義がマーケと営業で共有されていないために、マーケ側は「良質なリードを渡しているつもり」、営業側は「とても商談にならないリードばかり来る」と感じているケースが何度もありました。どちらかが間違っているというより、前提条件がそろわないまま運用を続けてしまった結果と言えます。
この課題は、SLAを言語化しないままMAツールだけを導入しても解決しません。ツールに投資する前に、まず「どの状態のリードを営業に渡すのか」を双方で話し合い、合意しておくことが先決です。
株式会社ブリューアス様で、BtoC発想のファネルをBtoB向けに再設計した際も、最初に着手したのはMQL基準の整理でした。
まとめ:ファネルは「仕組みとして設計する」ものです
ここまでの内容を、あらためて整理します。
- マーケティングファネルとは、認知から受注までのプロセスを漏斗の形で可視化したフレームワークです。
- BtoBのファネルが重要な理由は、関与する意思決定者が多く、検討期間も長くなりやすいという構造的な特性にあります。
- ファネルの3種類には、パーチェスファネル(新規獲得)、インフルエンスファネル(リテンション)、ダブルファネル(統合設計)があります。
- BtoBファネルを機能させる3つのプロセスは、リードジェネレーション・ナーチャリング・クオリフィケーションであり、これらをまとめてデマンドジェネレーションと呼びます。
- ファネルを「仕組み」にするために必要な要素は、MQL定義の合意、SLA設計、MAツールとの連動、月次でのPDCAの4つです。
ファネルの概念を理解するだけでは、商談数は変わりません。ICPの定義→フェーズごとの状態の言語化→MAを使った実装→PDCAのサイクル、という4つのステップで「自社に合った動く仕組み」として落とし込んでいくことが、BtoBで継続的に商談を生み出すうえで、再現性の高いアプローチになります。
よくある質問
Q. BtoBのマーケティングファネルとBtoCのファネルは何が違いますか?
BtoBでは、担当者・部門長・経営層など複数の関係者が意思決定に関わるため、認知から受注までに時間がかかりやすく、数ヶ月単位の検討になることも少なくありません。比較的短期間で購買が完結することが多いBtoCとは、この点が大きく異なります。そのため、BtoBではフェーズごとに顧客の状態を細かく言語化し、それぞれに合わせたコンテンツや施策を設計することが求められます。結果として、ファネル設計とナーチャリングの仕組みづくりが商談数に直結しやすくなります。
Q. MQLとSQLはどう違い、なぜ定義を合意する必要があるのですか?
MQL(Marketing Qualified Lead)は、マーケティング部門がスコアや行動履歴などにもとづき「営業に渡す段階に来た」と判断したリードを指します。SQL(Sales Qualified Lead)は、営業部門が「商談として進めてもよい」と判断したリードです。この2つの定義がチーム間で揃っていないと、マーケが渡したリードを営業が「使えない」と感じる状況が続き、ファネルそのものが形だけの仕組みになってしまいます。SLA(マーケと営業の引き継ぎルール)として両者の定義と対応ルールを文書化し、共通言語にしておくことが、ファネルを機能させる前提条件と言えます。
Q. マーケティングファネルはMAツールがないと運用できませんか?
MAツールがなくても、スプレッドシートとメール配信ツールを組み合わせれば、一定の範囲まではファネルを運用できます。ただ、リードの数が増えてくると、スコアリングや行動履歴の追跡を手作業で行うのは現実的ではなくなります。そのため、一定の規模を超えた段階ではMAツールの導入を検討した方が、運用の精度とスピードを保ちやすくなります。いずれにしても、先にMQL基準とファネルの設計を固め、その上でツール選定を行う順番を取ることをおすすめしています。
Q. パーチェスファネル・インフルエンスファネル・ダブルファネルのどれから始めるべきですか?
新規顧客の獲得が最優先の課題であれば、まずはパーチェスファネルの設計から着手するのが現実的です。そのうえで、新規獲得の動きが安定してきたタイミングで、契約後の継続や紹介を整理するインフルエンスファネルを追加していく流れが取り組みやすいでしょう。ダブルファネルはこの2つを統合した設計になるため、いきなりすべてをまとめて設計するよりも、どちらか一方を先に整え、その後統合していくステップを踏むことを、弊社としてはおすすめしています。
Q. ファネルのどのフェーズを最初に改善すれば商談数が増えやすいですか?
まずは、TOFU・MOFU・BOFUそれぞれの転換率を把握し、どこで特に落ち込みが大きいかを数字で確認するところから始めてください。弊社の支援経験では、MOFU(ナーチャリング)の転換率が低いケースが目立ちます。獲得したリードが「いつか検討する層」として放置され、温度が下がってしまっているパターンです。この層に対して、ステップメールやフォローアップセミナーなどのナーチャリング施策をしっかり設計するだけで、商談化率が改善することも少なくありません。
戦略は立てた。次は実行できる体制があるか、確認しませんか
戦略設計の手順はわかっても、実際に動かすリソースやノウハウが不足しているケースは少なくありません。Sells upはBtoBマーケティングの戦略設計から施策実行まで、80社以上の支援実績があります。現状の課題と何から始めるべきかをご提案します。
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