スコアリングを設計しても営業が使わない本当の理由|使われる状態にする4ステップ
「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために
施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。 こうした課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。 Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。
スコアリングを設計し、MA(マーケティングオートメーション)で点数も付くようにした。
それなのに営業はスコアを見ず、自分の勘でハウスリストの上から電話している。
多くのマーケティング担当者が、この状態に心当たりを持っています。
原因はツールの設定でも配点の粗さでもなく、営業がスコアを信用していない点にあります。
なぜ営業はスコアを信用しないのか
営業がスコアを信用しない理由は、突き詰めると1つに集約されます。スコアの根拠が営業に見えていないことです。
マーケティング側から営業に渡るのは、多くの場合「このリードは80点です」という数値だけです。何を見て80点なのか、直近1週間で何が起きて点数が動いたのかは渡されません。営業からすれば、根拠のわからない数字を優先順位の判断には使えません。だから受け取った営業は、自分がこれまで受注してきた勘に基づいて、リストを上から並べ直します。スコアは横に置かれ、設計に費やした工数だけが残ります。
実際に、BtoBマーケティングでは、営業に渡す情報を単一のスコアから、温度帯・直近の行動・次に取るべきアクションをセットにした形へ変える流れが強まっています。
営業に使われるスコアにする4ステップ
スコアを営業に使わせるためのポイントは、配点を作り直すことではありません。営業とスコアの意味を合意し、点数の中身を渡し、受注データで補正し、営業の声を回収する。この4ステップで、スコアは「見てもよい情報」から「見ないと“アポが取れない”/“失注につながる”情報」に変わります。
Step.1:営業とスコアの意味を合意する
最初にやるべきは、配点の見直しではなく営業との合意です。何点で誰が何をするのかを、営業と一緒に決めます。この合意がないまま数字だけ渡しても、営業には行動の指示として届きません。
弊社では、リードの状態をMQL(マーケティングが商談化の見込みありと判断したリード)とSQL(営業が商談化候補と認めたリード)の2段階で線引きします。
目安は、MQLが属性スコア20点以上かつ行動スコア40点以上、SQLがデモや相談の申込、またはスコア70点以上かつ直近7日以内に費用ページや導入事例などの購買直前の行動があることです。
この線引きを営業と合意し、下の表のように誰がいつ動くかまで決めます。
| スコアの状態 | 誰が動くか | いつ | 何をするか |
|---|---|---|---|
| MQL到達(属性20点・行動40点以上) | インサイドセールス | 到達当日 | 架電しヒアリング |
| SQL到達(スコア70点以上+直近7日の購買直前行動) | フィールドセールス | 翌営業日まで | 商談設定 |
| ホット(RFEスコア0.75以上+7日以内の質の高い行動) | フィールドセールス | 当日 | 優先架電 |
重要なのは、この表を運用ルールとして固定することです。「スコアが高ければ見てもよい」ではなく「MQLに到達したら当日必ず架電する」と決めない限り、内訳をいくら丁寧に渡しても営業の行動は変わりません。営業へのリードの渡し方は、 営業へのトスアップの記事でも詳しく整理しています。
Step.2:スコアの内訳を渡す
次に、営業に渡す情報を数値から行動の文脈へ変えます。弊社のスコアリングは、リードの行動をEngagement(エンゲージメント:反応の濃さ)0.45、Recency(リーセンシー:直近性)0.385、Frequency(フリークエンシー:頻度)0.165の重みで合成し、0から1のRFEスコアを出します。フェーズはコールドが0.2未満、ニュートラルが0.2から0.75、ホットが0.75以上です。
営業に渡すのは0.78という数字ではありません。「直近7日で費用ページを2回見て、導入事例をダウンロードした。だからホットに上がった」という、点数の中身です。何を見てその温度になったのかが渡って初めて、営業は最初の一言をスクリプトにできます。数字の裏にある行動を言葉で添えるだけで、スコアがスクリプトに変わります。
スコアリング設計そのものの手順は、 スコアリング設計の手順で詳しく解説しています。
Step.3:受注データで配点を補正する
配点は一度決めて終わりではありません。弊社が使うEngagement0.45、Recency0.385、Frequency0.165という重みは、複数クライアントの6か月分のデータをロジスティック回帰で分析して出した実測値です。感覚で置いた点数ではなく、受注と相関する行動に重みを寄せています。
ここを外すと、内訳を渡すことがかえって逆効果になります。スコアが受注と相関していなければ、点数の中身を見せるほど「高得点なのに受注できない」という食い違いが営業に見えてしまいます。
だから3か月に一度、直近で受注した案件とスコアの動きを突き合わせ、効いていない行動の点を下げ、効いている行動の点を上げます。内訳の透明化は、配点の補正とセットで初めて効きます。
Step.4:営業のフィードバックを回収する仕組みを作る
最後に、営業からの反証を回収する導線を作ります。「スコアは高いが的外れだった」「低いのに大型で決まった」という声が、次の配点補正の材料です。この声がないと、スコアは営業の成功体験から離れていきます。
弊社では、スコアの上下動にもこの反証を反映させます。行動でスコアが上がるときは緩やかに(1アクションで1ステージ上昇)、無活動が続くときは厳しく(14日動きがなければステージ1へリセット)設計します。放置されたリードが高得点のまま残る状態をなくし、いま動くべきリードだけが上位に並ぶようにするためです。営業の肌感とスコアが合ってくると、営業は自分の勘の代わりにスコアを使い始めます。
弊社の支援事例で見る営業連携|CLUE様
弊社が支援したCLUE様は、2019年時点で社内にマーケティング経験者が一人もいない状態からのスタートでした。
KPI設計から着手し、ターゲット属性に合致するリード数と商談獲得数の2つを指標に置きました。建設業界は検索行動が活発でないため、Meta広告やディスプレイ広告などプッシュ型のほうが獲得効率が高いという知見を、支援の中で見つけています。そのうえでAccount Engagement(旧Pardot)とSalesforceの選定から導入初期設定、活用までを支援しました。
この事例で営業連携の核になったのが、3日連続でサービスページに訪問しているユーザーを検知し、インサイドセールスに自動で連携される仕組みです。営業に渡していたのは点数ではなく「3日続けてサービスページを見ている」という行動の文脈そのものでした。営業は、なぜこの相手に今アプローチするのかを迷わず判断できます。
5年間の支援を通じて、CLUE様は「営業が自分の足で獲得する状態」から「全社の仕組みでリードを獲得できる状態」へと変わりました。スコアを営業に使わせる出発点は、点数ではなく行動の文脈を渡すことにあります。
「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために
施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。これらの課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。
「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために
施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。 こうした課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。 Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。
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