Account Engagement(旧Pardot)の導入支援会社は、Salesforce側の作業範囲、社内に残る仕事、契約終了時の成果物をそろえて比べます。候補の2〜3社に同じ要件書を渡し、実際に担当する人の説明と、ライセンス費用を除いた1年間の支援費用で判断すると、契約後の認識のずれを避けやすくなります。
この記事は、Account Engagement の導入支援を行う株式会社Sells up が作成しています。表は Sells up を含め、各社の公式サイトの記載をもとに同じ基準で整理しました。
従業員数百名規模のBtoB企業では、マーケティング部門だけで導入を進められるとは限りません。Salesforceの管理者、営業部門、メールや記事を作る担当者にも、それぞれ依頼する仕事があります。支援会社に任せる範囲だけを決めても、社内側の担当が曖昧なままでは、設定後の配信や営業への引き渡しが進みません。
支援会社を探す前に、「何を発注するか」と「誰が受け取って運用するか」を一緒に整理する。この順序で考えると、公式サイトの支援メニューを、自社に必要な作業へ置き換えて読めるようになります。
正式名称はMarketing Cloud Account Engagement、旧称はPardotです。本記事ではAccount Engagementと表記します。製品自体の説明はAccount Engagement(旧Pardot)の機能・価格・エディション、導入後の支援を中心に探している場合はAccount Engagement(旧Pardot)活用支援の選び方も参照してください。
中堅のBtoB企業はAccount Engagementの導入支援会社をどう比較すればよいか?
マーケティング担当者が兼務している場合
兼務の担当者は、作業量だけでなく、判断に使う時間も見積もります。メール作成を外部に任せても、内容の承認や配信対象の判断、営業部門との調整まで任せるとは限らないためです。
提案書では「月に何を作るか」と併せて、「社内から何を渡すか」「誰の承認が必要か」を読みます。素材の用意や承認の担当者が置けないなら、代行する作業を増やすだけでは解決しません。社内の承認者と、その人が判断するために必要な資料まで決めておきます。
Salesforceの管理者と連携できる場合・できない場合
Salesforceの実装の手順書は、Account Engagementの管理者を決め、Salesforceのシステム管理者と両方で設定する体制を前提にしています。
社内のSalesforce管理者が参加できるなら、支援会社に依頼する設定と、社内で変更する項目を切り分けます。参加できないなら、Salesforce側の調査や改修まで依頼範囲に含むかを先に尋ねます。「Salesforce連携に対応」という説明だけでは、Salesforce側の項目追加や権限変更まで含むかは分かりません。
導入済みで、設定の内容が分からない場合
すでにAccount Engagementを使っている場合は、新規導入と同じ見積もり条件にしないようにします。既存の設定を調べる作業と、その設定を残すか変更するかの判断が必要になるためです。
現在のフォーム、メール、項目、シナリオの一覧を用意し、分からないものは「用途不明」と記載します。分からない部分を埋める作業も依頼に含めれば、契約後に調査費用が追加されるかどうかを比較できます。
初期設定の代行・伴走・運用代行はどう選べばよいか?
支援の名称ではなく、社内で誰が何を担当できるかで選びます。同じ「伴走」でも、助言が中心なのか、設定作業まで含むのかは提案ごとに読み分ける必要があります。
以下は依頼範囲を整理するための例であり、各社共通のサービス定義ではありません。
| 支援の形 | 依頼する作業の例 | 社内に残す仕事 | 契約前にそろえるもの |
|---|---|---|---|
| 初期設定の代行 | 同期、フォーム、メールのテンプレート、スコアリングなどの設計と設定 | 配信、コンテンツ制作、営業との調整、設定変更の判断 | 運用責任者、設定一覧、運用手順書 |
| 伴走 | 設計や設定の相談、操作の共有、施策の振り返り | 日々の作業の一部、施策の判断 | 社内で作業する担当者、相談事項、内製化する範囲 |
| 運用代行 | メール作成・配信、リスト更新、レポート作成など、契約で定めた作業 | 配信の承認、営業に渡す条件の判断 | 承認者、素材の受け渡し方法、作業依頼の窓口 |
社内に運用責任者がいるなら、初期設定の代行も候補になる
初期設定だけの依頼でも、運用が続く場合はあります。条件は、社内に運用責任者がいて、コンテンツを作る担当と承認の流れがあり、営業がフォローするルールが用意されていることです。設定一覧と運用手順書の受け取りも含めて考えます。
責任者の名前だけでなく、初回配信までに誰が原稿を作り、誰が承認し、配信後に誰が営業へ情報を渡すかを書き出してください。作業の担当者が置けるなら、初期設定の代行に絞る選び方にも理由があります。
反対に、設定が完成しても原稿を作る人がいなければ、メールは配信されません。設定の発注と、施策を実行する体制の準備は別の仕事です。
将来は内製化したいなら、引き継ぐ作業を先に決める
「いずれ内製化したい」だけでは、操作説明を受けて契約が終わる可能性があります。メール配信、リスト作成、フォーム修正、レポート作成など、社内で扱いたい作業を具体的に挙げます。
そのうえで、支援会社の操作を見て学ぶだけでなく、社内担当者が手順書を使って作業し、支援会社が内容を見る機会を提案に含めてもらいます。担当者が自分で作業すると、手順書に不足している説明も見つけやすくなります。
社内に作業担当者を置けないなら、代行範囲と承認範囲を分ける
運用代行を選ぶ場合も、事業や顧客に関する判断をすべて外部へ移すわけではありません。配信内容の承認や、営業が追うべき見込み顧客の条件は、社内で判断する人を置きます。
定例では作業報告だけでなく、「社内で判断が必要な事項」「次の施策に必要な素材」「営業から受け取る反応」を扱う形にします。兼務の担当者が定例で何を決めるかは、支援会社との定例で決めることと、任せきりにしない進め方で整理しています。
Account Engagementの導入支援会社には、どのような候補があるか?
まずは公式サイトに書かれた支援範囲から候補を探し、その後に個別の提案で依頼内容をそろえます。公式サイトの表だけで発注先を選ぶのではなく、提案を依頼する会社を絞るために使います。
○は公式ページの本文に記載がある支援内容です。空欄は記載がないことを意味し、対応していないという意味ではありません。
まだ候補がない場合は、必要な支援メニューから探す
| 会社(公式ページ) | 戦略・KPI設計 | 初期設定・導入 | Salesforce連携 | シナリオ・スコアリング設計 | メール・コンテンツ制作 | 運用代行 | 伴走 | 内製化・操作の共有 | 他ツールからの移行 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Sells up | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| toBeマーケティング | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
| サンブリッジ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
| ハレフル | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
| Strh | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||
| アンダーワークス | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ||||
| ASUE | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |||
| ワンマーケティング | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
各社の公式サイトの記載をもとに整理(2026年11月3日確認)。最新の内容は各社にご確認ください。
○の数を足して選ぶ使い方は避けます。依頼しないメニューまで比較に含めると、自社に必要な作業が契約に入っているかを見落としやすくなるためです。
MA製品の選定も含めて依頼先を考える場合は、MA導入支援会社の選び方とBtoBマーケティングの選定基準も参考になります。
同じ条件で提案を受けるには、何を用意すればよいか?
細かな設定をすべて決めてから相談する必要はありません。分かっていることと、提案してほしいことを分けた要件書があれば、各社の前提をそろえやすくなります。
Step.1:導入目的と現在の運用を一枚に整理する
最初に見るのは、既存の施策資料、営業が使う商談レポート、問い合わせ後の対応手順です。何を増やしたいかだけでなく、今どの作業に人手がかかっているかを拾います。
次の項目を一枚にまとめ、営業部門とSalesforce管理者にも内容を見てもらいます。マーケティング部門だけの認識で要件を作ると、営業への引き渡しやSalesforce側の変更が後から加わりやすいためです。
| 要件書の項目 | 記載する内容 |
|---|---|
| 導入の目的 | 問い合わせ後のフォロー、既存リードへの情報提供、営業への引き渡しなど |
| 現在の環境 | SalesforceとAccount Engagementの利用状況、契約中のプラン、他のMAツールの有無 |
| 対象となる事業 | 事業部、製品、地域、利用部門 |
| 現在のデータ | リード・取引先責任者・商談の扱い、項目一覧、重複や用途不明の項目 |
| 社内体制 | 運用責任者、Salesforce管理者、原稿作成者、承認者、営業側の窓口 |
| 依頼したい作業 | 設計、設定、移行、配信、分析、操作の共有 |
| 受け取りたい成果物 | 設定仕様書、項目一覧、同期の仕様、運用手順書など |
| 未決定の事項 | 営業に渡す条件、スコアリング、既存設定を残す範囲など |
| 希望する開始条件 | どの設定とテストが終われば、最初の施策を始めるか |
営業に渡す条件が未定なら、「未定のため、営業部門との整理を依頼したい」と書きます。条件を仮置きした提案と、条件を設計する作業を含む提案を、そのまま金額だけで比べないためです。
Step.2:同じ要件書を2〜3社へ渡す
候補には同じ版の要件書を送り、回答の形式もそろえます。「対応範囲」「対象外」「社内作業」「成果物」「費用」「提案の前提」を分けて回答してもらうと、読み比べやすくなります。
ある会社への回答によって依頼範囲を変えた場合は、ほかの候補にも変更点を共有します。一社だけ追加情報を持つ状態では、提案内容に差があっても、それが提案の違いなのか、受け取った情報の違いなのか判断できません。
見積もり時点で金額を出せない作業は、無理に一式へ含めず、金額を出すために必要な調査と、その調査後に何を判断するかを書いてもらいます。
送る相手は、自社が依頼したい作業を先に書き出し、公式サイトの表で該当する記載がある会社や、個別に相談したい会社から選びます。どの会社を比べる場合も、質問は同じにします。Salesforce側の改修が必要なら、その担当範囲を尋ねます。内製化を予定しているなら、操作の共有と成果物を尋ねます。
表の空欄について回答を得た場合は、「公式サイトの記載」と「今回の提案内容」を分けて記録すると、比較の根拠が混ざりません。
Step.3:比較表と採点表を分けて作る
比較表には事実と回答を書き、採点表には社内の判断を書きます。この二つを分けると、「説明が丁寧だった」といった印象だけで、作業範囲の不足を見過ごしにくくなります。
次は記入用の比較表です。A社・B社・C社は候補を記入するための仮の欄で、特定企業の評価ではありません。
| 評価項目 | 自社が必要とする条件 | A社の回答・根拠 | B社の回答・根拠 | C社の回答・根拠 |
|---|---|---|---|---|
| Salesforce側の作業 | 対象項目、権限、同期条件の担当が明記される | |||
| 社内に残る作業 | 原稿、承認、営業調整の担当が分かる | |||
| 実際の担当者 | 担当範囲と経験を直接聞ける | |||
| 引き継ぎ | 指定した成果物と説明の機会が含まれる | |||
| 導入後の対応 | 同期エラー、配信停止、重複の窓口が分かる | |||
| 費用 | 初期・月額・追加作業が分かれている | |||
| 対象外の作業 | 別途依頼が必要な作業が書かれている |
例えば、採点には「条件を満たす=2点」「追加の説明や条件調整が必要=1点」「今回の提案範囲では満たさない=0点」という仮の尺度を使えます。これは採点方法の例であり、各社に付けた点数ではありません。
回答がない項目は、0点ではなく「回答待ち」とします。また、Salesforce側の担当や社内承認者など、欠けたまま契約できない条件は合計点と別に扱います。ほかの項目の点数が高くても、作業の担当が曖昧な問題は残るためです。
Step.4:不足する回答をそろえてから契約案を読む
比較表の「回答待ち」と、提案書の「別途相談」を拾い、契約前の打ち合わせで扱います。口頭で回答を得た内容は、提案書や作業範囲の文書にも反映してもらいます。
その後、見積書と成果物一覧を突き合わせます。提案書にはあるのに見積もりの対象外になっている作業がないか、反対に、社内で担当する作業が重ねて計上されていないかを見ます。
Sales Cloud側の作業は、どこまで依頼に含めるべきか?
Account EngagementとSalesforceは、Salesforceコネクタでつなぎます。リード・取引先責任者・商談、条件によってはカスタムオブジェクトを同期し、対象となるレコードはマーケティングデータ共有ルールやコネクタの設定などで扱います。
そのため、「Account Engagementの初期設定一式」だけでは、Sales Cloud側の変更を誰が担当するかが読み取れません。対象データと作業担当をセットで書く必要があります。
社内にSalesforce管理者がいる場合は、作業の境目を記載する
Salesforceのリード・取引先責任者・商談の項目と、営業が使っているレポートを、管理者と一緒に見ます。マーケティング部門が取得したい情報と、営業が入力・更新している情報を照らし合わせるためです。
そのうえで、次の分担表を作ります。担当欄には「双方」だけでなく、設計する人、設定する人、結果を承認する人を分けて記載します。
| 対象 | 決める内容 | 作業の担当を分ける観点 |
|---|---|---|
| リード・取引先責任者 | どちらを対象にし、既存のデータをどう扱うか | 営業の運用方針と同期設定 |
| 商談 | マーケティング施策と商談・受注をどう結び付けて見るか | 商談項目の設計とレポート |
| 項目の対応 | どの項目を対応させ、どちらの値を扱うか | 業務上の判断と設定作業 |
| 同期対象 | どのレコードを対象にするか | マーケティングデータ共有ルールとコネクタ設定 |
| 権限 | 誰が閲覧・編集・配信・設定変更を行うか | 社内の権限方針と設定 |
| Salesforce側の改修 | 項目追加や既存設定の変更が必要か | 調査、改修、テスト、社内承認 |
設定後は、営業へ渡す想定のレコードを使い、どの項目がどちらに反映されるかを見ます。想定と異なる結果が出たときに、誰が設定を調べるかまでテスト手順へ含めます。
初期設定と営業連携の考え方は、Account Engagement(旧Pardot)の使い方と初期設定・営業連携で扱っています。
Salesforce管理者を置けない場合は、変更作業と承認者を別々に確保する
外部に設定作業を頼めても、自社の営業運用をどう変えるかは社内で判断する必要があります。営業責任者など、項目や入力ルールの変更を承認する人を決め、その人が判断できる資料を支援会社に用意してもらいます。
支援会社には「Salesforceの調査」「変更案の作成」「設定」「テスト」「変更内容の記録」がそれぞれ依頼に含まれるかを尋ねます。別会社がSalesforceを管理しているなら、その会社との調整も作業範囲に入れるかを決めます。
複数事業部で利用する場合は、環境を分ける理由から整理する
ビジネスユニットは、一つのSalesforce組織の中で、Account Engagementの環境を地域・製品・事業部などで分ける単位です。
複数事業部で使う場合は、事業部の数だけで構成を決めず、配信対象、担当者の権限、営業への引き渡し先を整理してから構成案を依頼します。Salesforce公式の価格ページでは、ビジネスユニットはAdvanced+の項目に記載されています。構成の提案と契約中のプランを照らし合わせ、必要な契約条件は別途調べます。
提案の打ち合わせでは、何を聞けばよいか?
質問は「対応できますか」で終えず、「誰が、何を使って、どこまで担当するか」まで聞きます。対応の可否だけでは、作業を代行するのか、助言にとどまるのかが分からないためです。
初めて外部へ依頼する場合は、回答の具体性を見る
| 質問 | 回答で見るところ |
|---|---|
| 自社の要件では、最初に何を調べますか? | 調べる画面・項目・資料と、調査後に判断する事項 |
| Salesforce側の作業はどこまで含みますか? | リード・取引先責任者・商談、項目、権限、同期条件の担当 |
| 社内担当者は何を用意しますか? | 原稿、データ、承認、営業調整などの作業 |
| 営業へ渡す条件が未定でも依頼できますか? | 条件を整理する場、参加者、成果物 |
| 初回配信前に何をテストしますか? | 対象リスト、配信停止の扱い、フォーム、同期などのテスト範囲 |
| 同期エラーや重複は誰が調べますか? | 一次窓口、原因の調査、設定変更、社内判断の分担 |
| 契約終了時に何を受け取れますか? | 成果物の名称、内容、形式、更新時期 |
| 追加費用はどんな作業で発生しますか? | 対象外の作業、見積もりと承認の手順 |
| 担当者が交代したらどう引き継ぎますか? | 記録の保管場所、後任への説明、未完了作業の扱い |
「必要に応じて対応します」という回答には、その判断を誰が行い、費用に含むかを追加で聞きます。判断の手順が分かれば、依頼後に社内で用意すべきものも見えてきます。
提案担当者と設定担当者が異なる場合は、契約前に同席を依頼する
商談を担当する人の説明だけでなく、実際に設計・設定・運用を担当する人と話す機会を設けます。契約前に担当が未定なら、いつ担当者を知らせるか、どの条件で担当者を選ぶかを聞きます。
担当予定者には、要件書から一つの課題を選び、「何を調べ、どの順に作業するか」を説明してもらいます。同じ目的の導入経験、Salesforce側の作業経験、納品物の作り方を具体的に聞くと、担当範囲を把握しやすくなります。
担当者個人の説明だけに頼らず、別の人が引き継げる記録をどう残すかも尋ねます。導入時の担当者が契約期間中ずっと同じとは限らないためです。
認定パートナーや資格を候補選びに使う場合は、案件の担当体制も見る
Salesforceの認定パートナーの区分や資格者の在籍は、候補を探す材料にはなります。ただし、それだけで個別の案件の成果が保証されるわけではありません。
資格者が今回の設計や設定に関わるのか、相談先として参加するのかを聞きます。そのうえで、同じ目的での導入経験、実際の担当者、成果物、責任の分け方を比べます。
導入事例を読む際も、成果の数値だけでなく、導入前の体制と支援範囲を見ます。Account Engagement(旧Pardot)の導入事例を整理した記事は、提案時に尋ねたい論点を探す資料として使えます。
契約終了時の成果物と、導入後の対応はどう決めればよいか?
成果物は「資料一式」ではなく、受け取った社内担当者が何に使うかまで決めます。設定値が残っていても、その設定を選んだ理由が分からなければ、変更してよい範囲を判断しにくいためです。
内製化する場合は、設定値と判断理由の両方を受け取る
| 成果物 | 含めてもらう内容 | 社内で使う場面 |
|---|---|---|
| 設定仕様書 | 設定値、設定した理由、対象範囲、変更時の注意点 | 設定変更や外部への再依頼 |
| 項目と命名規則の一覧 | 項目名、用途、入力・更新する人、命名のルール | 項目追加、リストや施策の管理 |
| 項目の対応表と同期の仕様 | 対応する項目、同期対象、値の扱い、除外条件 | 値が反映されない場合の調査 |
| 権限の一覧 | 利用者・役割ごとの操作範囲、管理権限の担当 | 入退社、担当変更、権限変更 |
| シナリオ設計書 | 対象者、開始・終了の条件、配信内容、営業へ渡す条件 | 施策の修正や終了 |
| 運用手順書 | 配信、リスト更新、テスト、エラー時の連絡先、承認手順 | 日々の作業と引き継ぎ |
納品の形式と保管場所も契約前に決めます。社内で閲覧・更新できる形式にし、契約が終わった後も参照できる場所へ保存します。支援会社の管理領域にしか資料がない状態では、担当変更の際に資料を探すところから始めることになります。
最終納品だけでなく、設定を変更した際に誰が資料を更新するかも記載します。導入時の資料と現在の設定が異なると、手順書どおりに作業しても想定した結果にならないためです。
運用代行を続ける場合も、日常の対応窓口を明文化する
代行契約中でも、問題を見つける人と、原因を調べる人、対応を承認する人が同じとは限りません。次の事項は、連絡先だけでなく対応の分担まで残します。
| 起きたこと | 先に決めておく分担 |
|---|---|
| 同期エラー | 誰がエラーを見るか、誰がSalesforce側とAccount Engagement側を調べるか |
| 配信停止の申し出 | 誰が受け付け、どの記録を見て、誰が配信対象への反映を調べるか |
| 重複データ | 誰が重複を判別し、どのレコードを残す判断をし、誰が処理するか |
| 社内担当者の退職・異動 | 誰が権限を変更し、承認者と連絡先を更新するか |
| 支援会社の担当交代 | 誰が後任へ説明し、未完了の作業と判断事項を引き継ぐか |
手順書には、問題が起きたときに見る画面や項目の名前、連絡時に渡す情報も記載してもらいます。画面の状態や対象レコードが分からないまま連絡すると、調査に必要な情報の受け渡しが増えるためです。
他のMAツールから移行する場合は、移せるものを対象ごとに整理する
移行では、リード、項目、リスト、フォーム、メールのテンプレート、シナリオ、ファイルや画像を分けて、移行対象と方法を書いてもらいます。行動データは引き継げない場合があるため、移せる前提で要件を作らないようにします。
乗り換え前に必要なログを分析するか、既存のステップメールをどの状態まで維持するかも依頼範囲に含めます。移行対象の一覧と、移行後に見るテスト結果をそろえることで、作業完了の判断がしやすくなります。
移行で引き継げないものは、MAツールの乗り換えで引き継げないものと移行の手順で解説しています。
導入支援の費用は、どのように比較すればよいか?
支援費用は、初期・月額・追加作業に分け、Account EngagementとSalesforceのライセンス費用とは別に、1年間の総額で比べます。初期費用だけでは、導入後の運用や引き継ぎまで含めた支出が分からないためです。
初期設定だけを依頼する場合は、対象外の作業を読む
見積書では、設定作業だけでなく、要件整理、Salesforce側の調査・改修、テスト、成果物、操作説明が含まれるかを見ます。
「初期設定一式」の場合は、対象となる設定と成果物を別紙で分けてもらいます。フォームやシナリオの追加が後から必要になった場合に、どこまでが契約内か判断するためです。
伴走・運用代行を含む場合は、支援費用と社内作業を並べる
費用比較表には、金額だけでなく社内に残る作業も記載します。月額費用の差が、外部に任せる作業の差によるものかを読むためです。
| 比較する区分 | 記載する内容 |
|---|---|
| 初期費用 | 調査、設計、設定、移行、テスト、初回の操作説明 |
| 月額費用 | 対象となる作業、定例、問い合わせ対応、資料更新 |
| 追加作業 | 新たな設定、想定外のデータ整理、Salesforce側の改修など |
| 終了・引き継ぎ | 資料の更新、説明、後任への引き継ぎに関する費用 |
| 社内の作業 | 原稿作成、承認、営業調整、日々の設定作業 |
| 1年間の支援費用 | 初期費用+対象期間の月額費用+条件をそろえた追加作業費用 |
追加作業の内容が未定なら、未定のまま明記します。金額を比較するために仮の作業量を置く場合は、各社へ同じ条件を渡し、仮定に基づく見積もりだと分かるようにします。
ライセンスも稟議に含める場合は、支援費用と別欄にする
Salesforce公式の価格ページに掲載されたAccount Engagementの価格は、次のとおりです。2026年11月3日時点、年間契約、組織あたりの月額です。
| エディション | 月額 |
|---|---|
| Growth+ | 150,000円 |
| Plus+ | 330,000円 |
| Advanced+ | 528,000円 |
| Premium+ | 1,800,000円 |
この価格は導入支援会社へ支払う費用ではありません。社内の稟議では、Account Engagementのライセンス、Salesforceのライセンス、導入支援、導入後の支援を分けて記載します。すでに契約している費用と、新たに必要な費用を区別できるためです。
契約期間、途中で支援範囲を変える場合の扱い、追加作業を承認する手順も見積書と併せて読みます。金額が同じでも、契約に含む仕事や変更条件が異なれば、社内の負担は同じになりません。
Sells upのAccount Engagementの支援では、何を頼めるか?
Sells upのAccount Engagement(旧Pardot)導入・活用支援では、Account EngagementとSalesforceの設定、同期の状態、商談と受注のデータを洗い出し、商談と受注の目標から逆算して、追うKPIと施策の方針を決めるところから始めます。社内に担当者がいない場合は日々の運用を代行し、HubSpotなど、ほかのMAツールからの移行も支援しています。
Account Engagementに載せ替えた後に、社内で使い方が分からなくなることを防ぐため、ドキュメントでの操作マニュアルや動画マニュアルも作成します。担当者が替わっても、マニュアルを見ながら運用を続けられるようにするためです。
公開している事例では、SmartHR様で、社内に運用経験を持つマーケターがいない状態から初期設定を始め、約1か月で最初のメルマガを配信し、行動データをもとにしたトリガーメールと問い合わせフォームを構築しました。CLUE様ではAccount EngagementとSalesforceの選定・初期設定・活用を支援し、ブリューアス様ではアカウントの移行の後もステップメールが配信できるように設定しました。



「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために
施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。こうした課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。
相談してみる →まとめ
Account Engagementの導入支援会社を選ぶ際は、会社名を並べる前に、Salesforce側の作業、社内に残す仕事、受け取る成果物を整理します。その条件を同じ要件書にまとめ、候補の2〜3社へ渡します。
比較表には回答と根拠を残し、未回答の項目を埋めてから費用を比べます。実際の担当者との打ち合わせでは、作業の進め方だけでなく、同期エラーや配信停止、重複、担当交代への対応も聞いておきます。
契約の判断は、設定を終えられるかだけでは足りません。導入後に誰が配信し、営業へ情報を渡し、設定を変更するのか。その担当者が使える資料まで契約に含まれているかが、選定時に見るべき範囲です。
よくある質問
要件がまだ曖昧なのですが、会社へ相談するのは早いですか?
相談して構いません。ただし、曖昧な部分を埋める作業も依頼したいと伝えます。要件整理を含む提案と、設定だけの提案を分けて受け取るためです。
導入目的、現在の環境、社内体制、困っている作業が書ければ、最初の相談資料になります。項目や同期の仕様を、マーケティング担当者だけで先に決める必要はありません。
取引先との約束もあり、早く契約したいときは何を先に聞けばよいですか?
Salesforce側の担当、社内の承認者、初回施策の開始条件、納品物、追加費用が発生する条件を先に聞きます。これらが曖昧だと、契約後に作業を進めるための判断が増えます。
詳細なシナリオは後から設計する場合でも、「誰が設計し、誰が承認するか」は先に書面へ残します。
営業部門がまだ協力的ではありません。マーケティング部門だけで導入してもよいですか?
マーケティング部門で進める範囲と、営業の判断が必要な範囲を分けて相談します。メール配信の準備と、リード・取引先責任者・商談の扱いを一緒に変更することは、同じ話ではありません。
営業に渡す情報、渡した後の対応、Salesforceの入力ルールを変える場合は、営業側の窓口を置きます。営業の判断が必要な事項を、支援会社とマーケティング部門だけで決めないためです。
Salesforceの管理会社と、Account Engagementの支援会社を分けてもよいですか?
分ける場合は、会社間の作業分担と調整窓口を文書にします。項目や権限を変更する際に、どちらへ依頼するか分かる状態にするためです。
テストでは、両社の作業を別々に見るだけでなく、フォームで取得した情報が想定どおり扱われるかまで見ます。原因を切り分ける際の窓口も決めておきます。
契約前に、実際の担当者を出してもらえない場合はどうすればよいですか?
担当者が未定なのか、打ち合わせへの参加が難しいだけなのかを尋ねます。未定なら、決定時期、必要な経験、設計を担当する人と設定する人の分担を書いてもらいます。
担当者との会話ができない段階では、その人の経験を判断材料にできません。担当体制が示されるまで、比較表には未回答として残します。
まず短い契約で試し、後から依頼を広げてもよいですか?
調査や要件整理など、区切れる作業から依頼する進め方もあります。その場合は、最初の契約で何を受け取り、次の契約を何に基づいて判断するかを決めます。
受け取った調査結果や要件書を別の会社への依頼にも使えるか、設定作業へ進まない場合にどの資料が残るかも、契約前に尋ねておきます。
