カスタマーサクセスのKPIは、既存顧客の継続や売上の拡大を測る指標です。解約率・GRR・NRRなどの「結果指標」と、オンボーディングの完了や利用状況などの「先行指標」に分けて設定します。
カスタマーサクセスのKPIを一覧で並べるだけでは、計算の定義がそろっていないと、月ごとの数値を比べたり、他社の調査と見比べたりしにくくなります。解約率ひとつを取っても、顧客数で見るか売上で見るかで、同じ月でも数値は変わります。
本記事では、スタートアップからプライム上場企業まで100社以上のBtoBマーケティングを支援してきたSells upが、カスタマーサクセスの主なKPIの計算式と定義のそろえ方、立ち上げ期に追う指標の絞り方、先行指標をMAとCRMのデータで取る方法、国内調査の数値の読み方を解説します。
カスタマーサクセスの役割や立ち上げの判断、営業との連携については、BtoBカスタマーサクセスの立ち上げと進め方で解説しています。本記事では、KPIの定義と選び方に絞ります。
カスタマーサクセスのKPIとは|結果指標と先行指標
カスタマーサクセスのKPIは、成果が数字に表れた後に見る「結果指標」と、その成果が出る前に動く「先行指標」の2つに分けます。結果指標だけを追っていると、解約が起きてから原因を探すことになるため、先行指標を日々の行動の目安として置きます。
結果指標|解約率・GRR・NRR・LTV
結果指標は、既存顧客がどれだけ残り、売上がどれだけ維持・拡大したかを表します。代表的なものは次の4つです。
- 解約率(チャーンレート):期間中に解約した顧客、または失った売上の割合
- GRR(Gross Revenue Retention):既存顧客の売上のうち、解約と減額を差し引いて残った割合
- NRR(Net Revenue Retention):GRRに、既存顧客のアップセル・クロスセルによる増額を加えた割合
- LTV(顧客生涯価値):1社の顧客が取引期間全体でもたらす売上や利益
結果指標は月次や四半期で集計するため、数値が動いたときには、すでに更新や解約の判断が終わっています。そのため、結果指標は「CSの取り組みの方向が合っているか」を見る指標として使います。
LTVの計算式と、獲得費用と比べるLTV/CAC比率の読み方は、LTVの計算式とLTV/CAC比率の読み方で解説しています。
先行指標|オンボーディング・利用状況・問い合わせ
先行指標は、解約や増額の前に変化が現れる指標です。主なものは次のとおりです。
- オンボーディング完了率:導入初期に決めた設定や最初の利用を終えた顧客の割合
- 利用状況:ログインの頻度、主要な機能を使っているユーザーの数
- 問い合わせの件数と内容:未解決の問い合わせが増えていないか
- 接点:顧客の意思決定者や推進担当者と、定期的に話せているか
先行指標は、CSの担当者が今週何をするかを決める材料です。たとえ数値が良くても更新されるとは限らないため、結果指標と照らし合わせながら、どの先行指標が更新や解約と関係しているかを見直していきます。
NPS・CSATは顧客の声を拾う補助の指標
NPS(ネットプロモータースコア)は、「この製品を友人や同僚に薦める可能性はどのくらいありますか」という質問に0〜10の11段階で答えてもらい、9〜10をつけた推奨者の割合から、0〜6をつけた批判者の割合を引いた値です。CSAT(顧客満足度)は、問い合わせ対応などの直後に満足度を尋ね、「満足」と答えた人の割合で表します。何点以上を「満足」とするかは調査ごとに決めます。
NPSは継続と関係があるものの、それだけで更新や解約を予測できるわけではありません。オランダの93社・18業界の顧客6,649人を対象にしたde Haanらの研究では、2年後の継続との相関はNPSで0.17、満足度(上位2段階の割合)で0.18でした。BtoBでは、担当者が製品を評価していても、予算の削減や意思決定者の異動で解約することがあります。NPSとCSATは結果指標の代わりにせず、不満を持つ顧客を見つけ、自由記述から課題を拾う目的で使います。
主なKPIの計算式と、定義をそろえる4つの点
主な結果指標の計算式は次のとおりです。MRR(月次経常収益)は、ARR(年間経常収益)で計算しても同じ形になります。
| 指標 | 計算式 | 分母 | 取り違えやすい点 |
|---|---|---|---|
| 解約率(顧客数) | 期間中に解約した顧客数÷期首の顧客数×100 | 期首の顧客数 | 大口の解約が1社あっても1社として数える |
| 解約率(売上) | 期間中に解約・減額で失ったMRR÷期首のMRR×100 | 期首の既存顧客のMRR | 顧客数の解約率と同じ「解約率」と呼ばれる |
| GRR | (期首のMRR−解約MRR−減額MRR)÷期首のMRR×100 | 期首の既存顧客のMRR | 増額を含めないため100%を超えない |
| NRR | (期首のMRR−解約MRR−減額MRR+増額MRR)÷期首のMRR×100 | 期首の既存顧客のMRR | 期間中に獲得した新規顧客の売上は含めない |
期首のMRRが1,000万円で、1か月の間に解約で30万円、減額で20万円を失い、既存顧客のアップセルで80万円増えた場合、GRRは(1,000−30−20)÷1,000で95%、NRRは(1,000−30−20+80)÷1,000で103%です。NRRが100%を超えていても、売上の5%は失われています。
定義をそろえるときは、次の4つの点を社内の定義書に書いておきます。
顧客数の解約率と売上の解約率を分ける
顧客数の解約率(ロゴチャーン)と売上の解約率(レベニューチャーン)は、同じ月でも大きく違う値になります。期首に100社・MRR1,000万円の企業で、小口の顧客10社がMRR50万円分解約すると、顧客数では10%、売上では5%です。反対に大口の顧客1社がMRR200万円分解約すると、顧客数では1%、売上では20%になります。どちらを追うのかを指標名に書き分け、報告のたびに混ざらないようにします。
GRRには増額を含めない
GRRは、既存顧客の売上をどれだけ守れたかを表す指標です。アップセルやクロスセル、値上げによる増額を含めると、解約で失った売上が増額で隠れてしまいます。GRRは増額を除いて計算し、増額を含めた値はNRRとして別に見ます。
月次の解約率を年次へは12倍で換算しない
毎月同じ割合で解約が起きる場合、年次の解約率は「1−(1−月次の解約率)の12乗」で求めます。解約した顧客の分だけ翌月の対象が減るため、12倍した値とは一致しません。
| 月次の解約率 | 12倍した値 | 年次の解約率(複利で換算) |
|---|---|---|
| 1% | 12% | 約11.4% |
| 2% | 24% | 約21.5% |
| 3% | 36% | 約30.6% |
| 5% | 60% | 約46.0% |
この換算は、毎月の解約率が一定で、新規顧客の加入を考えない場合の理論値です。年次契約が中心で更新月に解約が集中する場合は、月次の値から換算するより、期首の顧客を1年間追って実績で数えるほうが正確です。
分母は期首の同じ顧客群にする
GRRとNRRは、期首の時点で契約していた顧客だけを対象にします。期間中に契約した新規顧客の売上を分子に入れると、既存顧客の維持と拡大を測れなくなります。期首の全社MRRと期末の全社MRRを比べる計算は、売上の成長率であってNRRではありません。
立ち上げ期に追うKPIは2〜3個に絞る
カスタマーサクセスを立ち上げたばかりの段階では、追うKPIを結果指標1〜2個と先行指標1個、合わせて2〜3個に絞ります。指標を増やすと、データの集計や報告に時間を取られ、顧客と話す時間が減ってしまうためです。どの指標を残すかは、顧客の数と契約の形によって変わります。
| 状況 | 結果指標 | 先行指標 |
|---|---|---|
| 顧客が少なく、年次契約で更新が年1回 | 更新率(その期に更新を迎えた顧客のうち更新した割合)と更新金額 | 更新の数か月前までに意思決定者と話せたか |
| 月次契約が多く、毎月解約が起きうる | 顧客数の解約率と、売上の解約率またはGRR | オンボーディング完了率 |
| アップセルや追加購入がある | GRRとNRR | 主要な機能の利用状況、または利用・問い合わせ・接点を合わせたヘルススコア |
顧客が少ない段階で月次の解約率を追うと、数値が大きく振れます。顧客30社のうち1社が解約すれば月次の解約率は約3.3%、解約がない月は0%になり、顧客の状態変化よりも「その月に更新日が来たかどうか」が数値に表れます。この段階では、更新を迎える顧客ごとに、意思決定者・導入の目的・未解決の課題を記録するほうが役に立ちます。
指標を絞る考え方は、マーケティングのKPIでも同じです。弊社が支援した株式会社CLUE様では、社内にマーケティング経験者がいない状態からKPIの設計に着手し、ターゲットの属性に合うリード数と商談獲得数の2つを指標にしました。これは受注前のマーケティングの事例で、カスタマーサクセスの事例ではありませんが、少ない指標から始め、結果を見ながら施策を見直していく進め方はCSの立ち上げにも当てはまります。

営業の前段を担うインサイドセールスの指標の絞り方は、インサイドセールスのKPIを3層で決める方法で解説しています。
KPIツリーで結果指標とCSの行動をつなぐ
KPIツリーは、最終的な目標であるKGIを結果指標に分け、さらにCS担当者が動かせる先行指標と行動まで落とし込んだ図です。ツリーにしておくと、先行指標を動かす理由や、どの結果指標に効くと考えているのかを社内で共有しやすくなります。
KGIを「既存顧客からの年間の売上」とする場合、分け方の一例は次のとおりです。
- KGI:既存顧客からの年間の売上(ARR)
- 結果指標:GRR(解約と減額をどれだけ防げたか)とNRR(増額を含めてどれだけ伸ばせたか)
- 先行指標:オンボーディング完了率、主要な機能の利用状況、更新前の面談の実施率、追加の提案につながる相談の件数
- CSの行動:導入初期の設定支援、利用が下がった顧客への連絡、更新の3か月前の面談、活用事例の紹介
目標値は、外部調査の平均値から先に置くより、自社の直近の実績と、CSの行動で動かせる範囲から逆算します。まず期首のMRRを、その期に更新を迎える顧客とそれ以外に分け、過去1年の解約と減額の内訳を出します。次に、解約を防ぐ取り組みで減らせる分と、追加の提案で見込める分を分け、GRRとNRRの目標に置き換えます。担当者の週ごとの目標は、更新前の面談、オンボーディングの完了、利用が下がった顧客への連絡のように、行動の数で置きます。
ツリーは一度作って終わりではありません。半年ほど運用し、先行指標が良かった顧客が実際に更新したか、悪かった顧客が解約したかを照らし合わせます。関係が見られない先行指標は入れ替えます。
KGIから逆算してKPIツリーを作る方法は、MAの指標を例にKGIから逆算するKPIツリーの作り方で解説しています。
先行指標をMAとCRMのデータで取る
先行指標は、新しい仕組みを作らなくても、すでにあるMAとCRMのデータから取れるものが多くあります。どのデータで何を見られるかは、次のとおりです。
| データの置き場所 | 取れる先行指標 | 注意する点 |
|---|---|---|
| 製品の利用ログ | ログインの頻度、主要な機能の利用、利用ユーザー数 | ログインが多くても、目的の業務に使われているとは限らない |
| MA | メールのクリック、ウェビナーや活用セミナーへの参加、ヘルプページの閲覧 | メールの開封は端末の設定によって実際の閲覧と一致しないことがあるため、クリックや参加を優先する |
| サポートツール | 問い合わせの件数、未解決の件数、同じ内容の問い合わせが続いているか | 件数が多いことは、熱心に使っている表れの場合もある |
| CRM | 契約金額、更新日、担当者と意思決定者、面談の記録 | 担当者の異動や退職を記録しておかないと、関係が切れたことに気づけない |
これらを顧客ごとに一つの画面で見るには、利用データや契約情報を、MAとCRMで同じ顧客に結び付けておく必要があります。弊社が支援した株式会社SmartHR様(2024年9月のインタビュー)は、CRMにSalesforceを使っており、商談中・契約済みを含む全情報がCRMにあることから、「データの連携性っていう意味で」MAにAccount Engagementを選んでいます。今後の展望としては、商談データやプロダクトの利用データをMAに入れる必要があると話しています。

ヘルススコアは重みを過去の結果で見直す
ヘルススコアは、利用状況・問い合わせ・接点などを一つの点数にまとめ、解約の兆しがある顧客を早く見つけるための指標です。
最初のヘルススコアは、点数を細かく出すより、見る項目をそろえる目的で作ります。項目は、利用(主要な機能を使っているか)、成果(導入時に決めた目的に近づいているか)、関係(意思決定者や推進担当者と話せているか)、問い合わせ(未解決のものが残っていないか)の4つに分けると扱いやすくなります。各項目は高・中・低の3段階で評価し、更新や解約の結果と照らしながら、見分けに使えなかった項目を外していきます。
各要素の重みに、業界で共通の値はありません。最初は「利用状況を重く、問い合わせと接点をそれより軽く」のような仮の配分で始め、過去に更新した顧客と解約した顧客を比べながら重みを見直します。
Sells upがリードスコアリングで配点を決めるときも、複数の支援先のデータからロジスティック回帰で重みを算出し、商談の結果と照らして見直しています。ヘルススコアも同じで、更新や解約のデータが少ないうちは、点数は予測ではなく「次に話を聞きに行く顧客」を並べる目安として扱います。スコアが高いことと、その顧客が継続するつもりであることは同じではありません。
点数の付け方と見直しの手順はスコアリングの設計と見直しの手順、行動データと取引データを組み合わせた分析は顧客データ分析の手法で解説しています。
国内のベンチマークの読み方
国内の調査の数値は、自社の目標を考える参考にはなりますが、そのまま合否の基準には使えません。主な調査の数値と、読むときに気をつけたい点は次のとおりです。
クラウドサーカス株式会社の「カスタマーサクセス実態調査 第2弾(2025年版)」は、BtoBの情報通信業でカスタマーサクセス・サポートを担当する200名に、2025年8月15日〜18日にインターネットで聞いた調査です。平均の月次解約率(カスタマーチャーンレート)は3.01%、平均のNRRは102.1%でした。一方で、月次解約率は1%未満が45%、5%以上が17%と回答に開きがあり、NRRは100%未満の回答が約38%ありました。
出典:クラウドサーカス「カスタマーサクセス実態調査 第2弾(2025年版)」
一般社団法人日本カスタマーサクセス協会の「カスタマーサクセス白書2025」は、国内でカスタマーサクセスに携わる人を対象に、2024年12月にインターネットで実施した調査で、有効回答は781件です。SaaSでは年間NRRの中央値が90〜100%で、継続率をカスタマーサクセスのKPIにしているケースが多いとまとめています。同協会は2026年9月に、908名が回答した「カスタマーサクセス白書2026」を公開しています。
出典:日本カスタマーサクセス協会「カスタマーサクセス白書2026」公開のお知らせ
これらの数値を自社と比べるときは、次の3点を見ます。
- どちらも担当者への調査で、計算の定義まではそろっていない
- クラウドサーカスの調査では、解約率は顧客数、NRRは売上をもとにした値で、分母が違う
- 平均値は一部の高い解約率に引っ張られるため、分布の中で自社がどこにあるかを見る
海外では、SaaS Capitalが2025年第1四半期に非上場のBtoB SaaS企業1,000社超を対象に行った調査で、NRRの中央値は年間契約額の帯ごとに98〜106%、GRRの中央値は年間契約額25万ドル未満の帯でおよそ91%、25万ドル超で95%でした。海外の非上場企業を対象にした調査なので、自社の目標を置くときは、他社平均よりも先に前年同期や前四半期の値と比べます。
出典:SaaS Capital「2025 B2B SaaS Retention Benchmarks」
KPIを増やしすぎなくてよい場合
次のような段階では、KPIの数を増やしたり、ヘルススコアを作り込んだりする前に、更新を迎える顧客の情報を一件ずつ記録することを優先します。
- 顧客がまだ少なく、毎月の解約率が1社の解約で大きく動く
- 年次契約が中心で、更新と解約の判断が年に1回しか起きない
- カスタマーサクセスの専任者がおらず、営業や経営者が兼務している
- 過去の更新と解約のデータが少なく、ヘルススコアの重みを検証できない
この段階で記録しておきたいのは、次回の更新日、意思決定者、導入目的と得られている成果、未解決の課題、更新の見込み(継続・不透明・懸念の3段階)です。記録がたまり、更新や解約の結果と照らせるようになってから、先行指標とヘルススコアを足していきます。
顧客の数が増えてきたら、契約金額や業種で顧客を分け、セグメントごとに指標を見ると、平均では見えない解約の偏りが分かります。分け方は顧客をセグメントに分ける手順で解説しています。
「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために
施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。こうした課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。
相談してみる →まとめ
カスタマーサクセスのKPIは、解約率・GRR・NRRなどの結果指標と、オンボーディングや利用状況などの先行指標に分けて設定します。結果指標で取り組みの方向が合っているかを見て、先行指標で今週の行動を決めます。
結果指標は、計算の定義をそろえないと比べられません。顧客数と売上の解約率を分け、GRRには増額を含めず、月次から年次へは12倍ではなく複利で換算し、分母は期首の同じ顧客群にします。
立ち上げ期は、指標を2〜3個に絞り、顧客の数と契約の形に合わせて選びます。先行指標はMAとCRMのデータで取れるものから始め、ヘルススコアの重みは過去の更新と解約の結果で見直します。国内の調査の数値は定義がそろっていないこともあるため、目標は自社の過去の値と比べて決めます。
よくある質問
カスタマーサクセスのKPIとKGIはどう違いますか?
KGIは最終的に達成したい目標で、カスタマーサクセスでは既存顧客からの年間売上やNRRが該当します。KPIはKGIに向けた途中の進み具合を見る指標で、解約率、オンボーディング完了率、主要機能の利用状況などが当たります。KGIを決めてから、それを分解してKPIを置くと、指標同士の関係が分かりやすくなります。
GRRとNRRはどう違いますか?
どちらも期首の既存顧客の売上を分母にしますが、GRRは解約と減額だけを差し引き、増額は含めません。NRRはそこにアップセル・クロスセルによる増額を加えます。GRRは100%を超えず、NRRは100%を超える場合があります。NRRが高くても解約が少ないとは限らないため、2つを並べて見ます。
解約率はどのくらいが目安ですか?
一律の目安はありません。国内の調査では、平均の月次解約率は3.01%でしたが、回答の45%は1%未満で、企業による差が大きい結果でした。顧客の規模、契約金額、月次契約か年次契約かによって解約の起き方は変わります。まずは自社の前年同期と比べ、定義をそろえたうえで改善の幅を目標にします。
NPSはKPIとして追うべきですか?
NPSは顧客の推奨意向を測る指標で、不満を持つ顧客を見つけたり、自由記述から課題を拾ったりするのに役立ちます。ただし、継続との相関は強くないとする研究があり、NPSだけで更新や解約を予測することはできません。結果指標の代わりにはせず、補助の指標として扱います。
KPIはいくつに絞ればよいですか?
立ち上げ期は、結果指標1〜2個と先行指標1個の、合わせて2〜3個が目安です。どれを残すかは、顧客の数と契約の形で決めます。年次契約が中心なら更新率と更新前の面談の有無、月次契約が多いなら解約率とオンボーディング完了率から始めます。
カスタマーサクセスの専任者がいない場合は何から始めればよいですか?
KPIを増やす前に、更新を迎える顧客ごとに、次回の更新日、意思決定者、導入の目的と成果、未解決の課題を記録することから始めます。営業や経営者が兼務している段階では、この記録が先行指標の代わりになります。記録がたまり、更新と解約の結果と照らせるようになってから、指標を足していきます。
