ナレッジ 2025.12.26 最終更新 2026.09.13

MAツールの選び方10のポイント|比較基準と失敗しない選定手順

この記事を書いた人 武田 大 株式会社Sells up 代表取締役

「MAツールの導入が決まったものの、製品が多く、何を基準に比較すればよいのか分からない」

「一度導入すると簡単には入れ替えにくいため、選定で失敗したくない」

MAツールを比較するときは、機能の多さや知名度だけで判断するのではなく、「機能性」「操作性」「コスト・サポート」の3つの軸で、自社の目的や運用体制に合っているかを確認することが重要です。

なお、MAツールを導入する時期そのものを判断したい場合は、リードの規模・商材の特性・運用体制・コンテンツの保有量という4つの軸で見極める方法をMA導入のタイミングの判断軸で解説しています。

MAツールの選び方の3つの軸を示した図。機能性、操作性、コスト・サポートを三角形に配置している

※リンクをクリックすると該当の選び方の部分に移動します

ただし、この3つの軸だけを機械的に比較すればよいわけではありません。

MAツールは、何を実現したいのかによって必要な機能や運用体制が変わります。

たとえば、「見込み客へのメール配信を効率化したい」のか、「Web上の行動をもとに営業対応の優先順位を整理したい」のかでは、重視する機能や連携先も異なります。

そのため、ツールを比較する前に、自社がMAを使って何を実現したいのかを整理しておくことが重要です。

本記事では、MAツールを比較するときに確認したい10のポイントを、「機能性」「操作性」「コスト・サポート」の3つに分けて解説します。

あわせて、選定前に整理しておきたい目的やKPI、導入後の運用を見据えた考え方についても紹介します。

個別の製品名を挙げた比較は、BtoB向けMAツールのおすすめと比較で扱っています。本記事では、どの製品を検討するときにも使える比較・選定の基準を整理します。

【機能編】MAツールの選び方

MAツールの機能を比較するときは、「機能が多いか」ではなく、自社が実現したい運用に必要な機能がそろっているかを確認することが重要です。

特に、次の3点を確認します。

確認するポイント
チェックする内容
MAツールを活用する目的に合う機能がある

自社が実現したい施策に必要な機能があり、実際の運用までイメージできるか

自社の事業・販売方法に合う機能がある

顧客数、検討期間、利用チャネル、営業プロセスなどに合った運用ができるか

必要なツールやサービスと連携できる

CRM・SFAなどと連携できるだけでなく、必要なデータを必要な形で受け渡せるか

順番に見ていきましょう。

MAツールを活用する目的に合う機能がある

最初に確認したいのは、MAツールを導入する目的に合った機能があるかどうかです。

多機能なMAツールであっても、自社が実現したい施策に必要な機能がなければ、導入後に使い方が合わないことがあります。

MAツールには、一般的に次のような機能があります。

主な機能
できることの例
見込み客の情報管理

見込み客の一元管理、Web上の行動履歴の確認、CRM・SFAとの情報連携など

メール作成・配信

一斉配信、セグメント配信、ステップメール、配信日時の設定、ABテストなど

広告連携

広告チャネルとの連携、効果測定、オーディエンス連携など

LP・フォーム作成

LPや問い合わせフォームの作成、テンプレート利用、ABテストなど

スコアリング

属性や行動に応じたスコア付与、スコア更新、条件到達時の通知など

シナリオ・オートメーション

条件分岐、トリガー設定、メール配信や担当者通知などの自動化

分析・レポート

施策結果の集計、見込み客の行動分析、KPIの可視化、レポート作成など

※搭載されている機能や、各機能で実現できる範囲はMAツールによって異なります。

重要なのは、機能の有無だけではなく、その機能でどこまで実現できるかを見ることです。

たとえば、「スコアリング機能あり」と記載されていても、

  • 属性と行動を分けて設定できるか
  • 行動ごとに異なる配点を設定できるか
  • 配点や条件をあとから変更できるか
  • スコアが一定条件を満たしたときに営業へ通知できるか

など、実際に設定できる内容には違いがあります。

Sells upが支援で使用しているRFEスコアモデルでは、受注データをロジスティック回帰で分析し、Engagement 0.45/Recency 0.385/Frequency 0.165という配点を置いています。MQLは属性スコア20点以上かつ行動スコア40点以上、ホットリードはスコア0.75以上かつ直近7日以内に質の高い行動があることを条件にしています。

これは一般的な基準値ではなく、Sells upの支援で使用している設計例です。

このような設計を行うのであれば、「スコアリング機能があるか」だけでなく、必要なデータを取得できるか、属性と行動を分けて管理できるか、条件を柔軟に変更できるかまで確認する必要があります。

配点としきい値の考え方は、スコアリングの設計6ステップで解説しています。

同じことは、メール配信やLP作成などにも当てはまります。

たとえば、

「見込み客の検討状況に応じてメールを自動配信したい」

のであれば、単にメールを送れるだけではなく、行動や属性を条件に配信対象を分けたり、一定の条件で自動配信を開始したりできる必要があります。

また、

「マーケティング担当者自身でLPを継続的に作りたい」

のであれば、LP作成機能があることに加えて、テンプレートの使いやすさやフォームとの連携、公開・修正のしやすさなども確認します。

メール配信機能の例を示した図。メールの配信時間管理、ステップメール、セグメント配信、ABテストを挙げ、MAツール導入の目的を達成できる機能かを確認すると示している

このように、

「やりたいことを整理する → 必要な機能を決める → その機能でどこまで実現できるか確認する」

という順番で比較すると、導入後のミスマッチを減らしやすくなります。

製品サイトや資料だけでは分からない部分は、営業担当者への確認やデモを通じて、実際の設定画面や制約まで確認しておくとよいでしょう。

必要な機能を判断しにくい場合は外部の知見を利用する方法もある

MAツールの導入経験がない場合、「自社がやりたいことに対して、どの機能が必要なのか」を判断しにくいことがあります。

その場合は、要件整理やツール比較の段階だけ外部の支援を利用する方法もあります。

弊社「Sells up」は、スタートアップからプライム上場企業まで80社以上のBtoBマーケティングを支援してきました。ツールを導入すること自体を目的にせず、事業の課題や実現したい運用から必要な機能を整理しています。

どのような機能を持つMAツールが自社に合うのか判断しにくい場合は、ご相談ください。

Sells upに相談する「話を聞いてみる」ボタン

自社の事業・販売方法に合う機能がある

次に確認したいのは、自社の事業や販売方法に合った機能を備えているかです。

同じMAツールでも、扱う顧客数や商談までの期間、利用するチャネル、営業の関わり方によって必要な機能は変わります。

たとえば、次のような違いがあります。

確認する項目
確認したいことの例
管理するリード数

現在だけでなく、数年後のリード数まで問題なく管理できるか

顧客属性

個人単位だけでなく、企業・部署・役職など必要な単位で管理できるか

利用チャネル

メール、Web、広告、SNSなど、自社が利用するチャネルと連携できるか

検討期間

短期間の行動変化にも対応できるか、中長期の履歴を蓄積して再アプローチできるか

営業プロセス

マーケティングからインサイドセールス、営業へ必要な情報を引き渡せるか

BtoCでは大量の顧客データや複数チャネルを扱うケースがあり、処理できるデータ量やリアルタイム性が重要になることがあります。

一方、BtoBでは企業情報や担当者情報を紐づけて管理したり、営業との連携や長期間にわたる検討履歴を確認したりする必要があるケースがあります。

ただし、これはあくまで傾向です。

BtoBでも大量のリードを扱う事業はありますし、BtoCでも高額商材などでは検討期間が長くなることがあります。

そのため、「BtoB向け」「BtoC向け」という分類だけで選ぶのではなく、自社の顧客数・チャネル・検討期間・営業プロセスに合っているかを確認することが重要です。

同じ業種・事業モデルの導入事例も参考にする

導入後の利用イメージを確認するには、自社と近い業種や事業モデルの導入事例を見る方法もあります。

ただし、「同じ業種で導入されているから自社にも合う」とは限りません。

導入事例を見るときは、

  • どのような課題を解決するために導入したのか
  • どの機能をどのように使っているのか
  • CRMやSFAなど、どのシステムと連携しているのか
  • どのような運用体制で利用しているのか

まで確認すると、自社との違いを判断しやすくなります。

必要なツールやサービスと連携できる

3つ目は、既存または今後導入するツール・サービスと連携できることです。

MAツール単体ですべてのマーケティング・営業活動を管理するとは限りません。

BtoBでは特に、CRMやSFAなどとデータを受け渡しながら運用するケースがあります。

連携先
連携する目的の例
CRM

顧客情報や接点履歴を共有し、マーケティング・営業・CSで確認できるようにする

SFA

営業へ対応対象を引き渡し、その後の商談・受注情報をマーケティング側へ戻す

広告媒体

広告の効果測定やオーディエンス連携などに活用する

SNS・外部チャネル

顧客との接点や施策結果を確認する

Slackなどのコミュニケーションツール

条件を満たしたリードやフォーム送信などを担当者へ通知する

※対応する連携先や連携方法はMAツールによって異なります。

ここで注意したいのは、「連携可能」と記載されているだけでは十分ではないことです。

実際には、

  • どのデータを連携できるのか
  • 双方向で同期できるのか
  • どの程度の頻度で同期されるのか
  • 標準連携なのか、APIなどを使った開発が必要なのか
  • どちらのシステムを正としてデータを管理するのか
  • 重複データをどのように扱うのか

まで確認します。

たとえば、「Salesforceと連携可能」と記載されていても、自社が使いたいオブジェクトや項目を同期できるとは限りません。

また、MA側で更新した情報をSFAへ反映できても、SFA側の情報をMAへ戻せない場合もあります。

そのため、ツールを選定する前に、

「どのデータを、どちらからどちらへ、どのタイミングで連携したいのか」

を整理しておくことが重要です。

システム連携はマーケティング担当者だけでは判断しにくい部分もあるため、必要に応じて情報システム部門やシステム管理者と一緒に確認します。

【MAツールと他システムを連携するときに確認したいこと】

  • 必要な項目を連携できるか
  • 双方向連携が必要か
  • データが反映されるまでどの程度時間がかかるか
  • 標準機能だけで連携できるか
  • APIや追加ツールの費用が発生しないか
  • データの重複や上書きをどのように防ぐか

「連携できるか」ではなく、実際の運用に必要なデータフローを実現できるかまで確認することが、選定時のポイントです。

【AI機能は選定の主軸ではなく、必要性を確認する】

現在は、AIを活用した機能を備えるMAツールもあります。

たとえば、

  • リードの行動や過去データをもとに優先順位の判断を補助する
  • メールの件名や本文の下書きを作成する
  • レポートやデータ分析を補助する

といった用途があります。

ただし、「AI機能がある」という理由だけでMAツールを選ぶ必要はありません。

予測やスコアリングにAIを利用する場合は、どのようなデータを使って判断するのか、自社に十分なデータがあるのかを確認する必要があります。

生成AIによるメール作成なども、下書きには活用できますが、自社の表現や内容に合っているかを確認したうえで利用します。

生成AIをBtoBマーケティングのどの業務に使い、どこを人が担うかは、生成AIをBtoBマーケティングで使える場面と注意点で整理しています。

そのため、まずは顧客データを適切に管理できること、CRM・SFAと必要な情報を連携できること、実現したい運用を設定できることを確認します。

AI機能はそのうえで、自社の業務をどの程度補助できるかを見る追加の比較項目として考えるのがよいでしょう。

【操作編】MAツールの選び方

MAツールは、導入できるかどうかだけでなく、導入後に継続して運用できるかまで確認する必要があります。

機能が豊富でも、設定や日常的な操作に時間がかかりすぎると、一部の担当者しか使えなくなったり、施策そのものを実行できなくなったりすることがあります。

操作面では、次の4点を確認します。

確認するポイント
チェックする内容
初期設定がしやすい

データ移行や外部ツールとの連携、各種設定を自社の体制で進められるか

直感的に使える設計になっている

日常的に使用する担当者が、必要な操作を迷わず行えるか

操作工数が少なく運用負担が軽い

メール配信やリスト作成など、繰り返す業務に過度な工数がかからないか

複数人で運用しやすい

必要なアカウント数や権限管理、情報共有の仕組みがあるか

デモや無料トライアルを利用できる場合は、実際の業務を想定して操作してみると判断しやすくなります。

初期設定がしやすい

1つ目は、導入時の初期設定を自社の体制で進められるかどうかです。

MAツールは契約しただけで利用を開始できるわけではありません。

導入時には、たとえば次のような作業が発生します。

初期設定の項目
確認したいこと
既存データの移行

CSVなどから既存の見込み客データを取り込めるか、必要な項目を正しく引き継げるか

Webサイトとの接続

トラッキングタグやフォームなどを自社サイトへ設定できるか

CRM・SFAとの連携

必要なデータをどのように同期するか、初期設定に開発が必要か

メール・フォーム設定

配信ドメインや送信者情報、フォームなどを設定できるか

シナリオ・スコアリング

条件やルールを自社で設定・変更できるか

権限設定

利用者ごとに必要な閲覧・編集権限を設定できるか

導入支援

初期設定について相談できる窓口や支援サービスがあるか

ここで重要なのは、「設定画面が簡単そうか」だけを見ることではありません。

たとえば、CRMと連携する場合は、MAツール側の操作が簡単でも、

  • どの項目を同期するか
  • 既存データをどう扱うか
  • 重複した顧客情報をどう処理するか
  • どちらのシステムを正とするか

といった要件を決める必要があります。

そのため、マーケティング担当者だけで判断せず、必要に応じて情報システム部門やCRM・SFAの管理担当者も選定段階から参加してもらうとよいでしょう。

初期設定の詳細はWebサイトや資料だけでは分からない場合もあるため、ベンダーには、

  • 導入時にどのような設定が必要か
  • 自社で対応する作業はどこまでか
  • ベンダー側で支援してもらえる範囲はどこまでか
  • 外部システムとの連携に開発が必要か
  • 一般的にどの程度の期間で利用開始できるか

などを確認しておくと、導入後の想定外を減らせます。

直感的に使える設計になっている

2つ目は、日常的に使用する担当者が迷わず操作できるかどうかです。

MAツールでは、メール配信、リスト作成、フォーム編集、レポート確認などを繰り返し行います。

そのため、一部の担当者だけが使える状態ではなく、実際に運用するメンバーが必要な操作を行えるか確認します。

【操作性を確認するときのポイント】

  • 目的の機能へ迷わず移動できるか
  • メールやフォームなどを画面上で編集しやすいか
  • 条件設定やシナリオの内容を画面上で把握できるか
  • 操作時にヘルプやガイダンスを確認できるか
  • 設定ミスにつながりやすい操作には確認画面があるか
  • 日本語の管理画面やマニュアルが必要な場合、対応しているか
  • レポートやダッシュボードから必要な情報を確認しやすいか

たとえばメール配信では、メール作成、対象者の抽出、配信条件、配信日時の設定など複数の作業が発生します。

これらをどの画面で設定するのか分かりにくかったり、複数の画面を何度も移動する必要があったりすると、配信のたびに担当者へ負担がかかります。

操作性の違いを比較した図。直感的に使えない場合はメール設定・トリガー設定・配信予定が別画面でどこで何を設定できるか分からないのに対し、直感的に使える場合はメールの作成から配信設定までを同じ画面で実施でき導線が分かりやすいことを表している

操作性は、資料だけでは判断しにくい項目です。

可能であれば、デモや無料トライアルで、

「実際に自社で頻繁に行う操作」

を試してみましょう。

メールを1通作る、特定条件のリストを作る、フォームを修正する、レポートを見るなど、具体的な業務を試すと製品ごとの差を判断しやすくなります。

操作工数が少なく運用負担が軽い

3つ目は、日常的な運用にどの程度の工数が必要かです。

「操作できる」ことと、「継続して運用できる」ことは同じではありません。

一つひとつの設定は難しくなくても、毎回多くの手作業が必要であれば、リード数や施策数が増えたときに運用負荷が大きくなります。

たとえばメール配信であれば、

  • 配信対象の抽出
  • 除外対象の確認
  • メールの作成
  • テスト配信
  • 承認
  • 配信設定
  • 配信後のレポート作成

などの業務が発生します。

このうち、どこまで自動化でき、どこを人が確認する必要があるのかを確認します。

運用工数の違いを比較した図。工数がかかる場合はメール配信時の設定が複雑で継続利用が難しく作業が属人化しやすいのに対し、工数を削減できる場合はメール作成・配信をある程度自動化でき施策が継続しやすくなることを表している

比較するときは、単純なクリック数だけを見る必要はありません。

重要なのは、自社で頻繁に発生する業務にどの程度の時間と作業が必要なのかです。

たとえば月に数回しか使わない高度な分析機能より、毎週行うメール配信やリスト作成の操作性の方が、日常の運用負荷には大きく影響する場合があります。

そのためデモでは、自社が利用する頻度の高い業務を中心に確認するとよいでしょう。

導入後に誰がどの業務を担当するのかは、MA運用の業務内容と5ステップで整理しています。

【複数人で活用する場合は教育・引き継ぎの負担も確認する】

複数人でMAツールを運用する場合は、操作そのものの工数だけでなく、新しい担当者が使えるようになるまでの負担も考慮します。

たとえば、

  • 操作を覚えるために長期間の研修が必要
  • 社内マニュアルを大量に作る必要がある
  • 特定の担当者しか設定を変更できない
  • 担当者が変わるたびに外部支援が必要になる

といった状態では、長期的な運用負荷が高くなります。

担当者の変更も想定し、一定の引き継ぎで他のメンバーも運用できるかという視点で確認することが重要です。

複数人で運用しやすい

4つ目は、複数人でMAツールを利用するときのアカウントや権限管理です。

MAツールは、マーケティング担当者だけでなく、営業、管理者、外部パートナーなど複数の関係者が利用することがあります。

選定時には、現在の利用人数だけではなく、今後利用する可能性のあるメンバーまで考えて確認します。

確認する項目
チェックする内容
アカウント数

標準プランで何人まで利用できるか、追加ユーザーに費用がかかるか

権限管理

管理者、編集者、閲覧者など、担当者ごとに操作範囲を分けられるか

承認フロー

メール配信やコンテンツ公開などで承認プロセスを設定できるか

変更履歴

誰がいつ設定を変更したのか確認できるか

レポート共有

関係者が必要なレポートやダッシュボードを閲覧できるか

外部ユーザー

支援会社や制作会社などへ必要な範囲だけアクセス権限を付与できるか

特に確認したいのが、権限管理です。

たとえば営業担当者には顧客情報や行動履歴だけを確認してもらい、メール配信設定やシステム設定は変更できないようにする、といった運用が必要になる場合があります。

単に「アカウントを何人作れるか」だけではなく、利用者ごとに必要な情報と操作範囲を分けられるかまで確認します。

また、担当者の退職や異動が発生したときに、アカウントを停止したり、所有している設定やデータを他の担当者へ引き継いだりできるかも確認しておくとよいでしょう。

複数人で運用する場合は、操作性だけでなく、誰が何を変更できるのかを管理できることもMAツール選定の重要なポイントです。

【コスト・サポート編】MAツールの選び方

MAツールは、導入時の費用だけでなく、運用を続けるためのコストやサポート体制、セキュリティまで含めて比較する必要があります。

特に確認したいのは、次の3点です。

確認するポイント
チェックする内容
中長期的に運用できるコストになっている

初期費用だけでなく、月額・年額費用、追加アカウント、データ量、外部支援などを含めた総コストを確認する

必要なサポートを受けられる

導入時・運用時に必要な支援内容と、その費用・対応方法を確認する

自社のセキュリティ要件を満たしている

認証の有無だけでなく、権限管理、ログ、認証範囲、インシデント対応などを確認する

順番に見ていきましょう。

中長期的に運用できるコストになっている

1つ目は、中長期的に運用を続けられるコストかどうかです。

MAツールの費用を比較するときは、初期費用や月額料金だけではなく、実際に運用したときに発生する総コストで確認します。

MAツールのコストの考え方を示した図。導入費にあたる初期費用と、ランニングコストにあたる月額費・年会費および人件費(外注費)を合わせて考えることを表している

たとえば、次のような費用があります。

  • 初期導入費
  • 月額・年額のライセンス費
  • 登録リード数やデータ量に応じた追加費用
  • 追加アカウント費用
  • 外部ツールとの連携費用
  • 初期設定や運用支援の費用
  • 社内の運用工数や外注費
  • 将来的なプラン変更や機能追加の費用

月額料金だけを見ると安くても、リード数の増加やアカウント追加によって費用が大きくなる場合があります。

そのため、現在の利用規模だけではなく、1〜3年後にリード数や利用者数が増えた場合に、どの程度の費用になるかも試算しておくと比較しやすくなります。

参考として、クラウドサーカス株式会社が2021年に実施した「マーケティングオートメーションに関するアンケート調査結果レポート」では、この設問に回答した190名の所属先のうち、MA関連の年間コスト(人件費を除く)が500万円未満だった企業は65%でした。

「MAツール関連の年間コストは」の回答比率を示す円グラフ。50万円未満14%、50〜200万円未満28%、200〜500万円未満23%、500〜1,000万円未満14%、1,000万円以上21%※人件費を除く 
調査方法:インターネットアンケート 
調査対象:BtoBマーケティング部門、営業部門の担当者 
この設問の回答者数:190人(調査全体の回答者数は629人) 
調査期間:2021年10月 
Cloud CIRCUS調べ 
参考:クラウドサーカス株式会社「マーケティングオートメーションに関するアンケート調査結果レポート」

この調査は2021年時点のデータなので、現在の費用水準そのものを示すものではありませんが、MAツールの費用が企業によって大きく異なることを理解する参考にはなります。

選定時には、ベンダーへ

  • 料金は何を基準に増えるのか
  • 登録リード数が増えた場合はいくらになるのか
  • アカウント追加に費用がかかるか
  • API連携や高度な機能は別プランか
  • サポートや初期設定支援は料金に含まれるか
  • 契約期間や途中解約の条件はどうなっているか

などを確認しておくとよいでしょう。

【MAツールのコストはROIだけでなく回収可能性を見る】

MAツールの導入コストを判断するときは、単に「高い・安い」で比較するのではなく、導入によってどの業務や成果が改善するのかを考えます。

ROI(Return On Investment)は、投じたコストに対して得られた利益を確認する指標です。

ただし、導入前の段階でMAツール単体の利益貢献を正確に予測することは難しい場合があります。

そのため選定時は、

  • 手作業をどの程度減らせるか
  • これまで対応できていなかった見込み客へアプローチできるか
  • 営業への引き渡しを改善できるか
  • 施策ごとの効果を把握しやすくなるか

など、自社が改善したい指標や業務とコストが見合うかを確認する方が現実的です。

必要なサポートを受けられる

2つ目は、自社に必要なサポートを受けられるかどうかです。

MAツールは、導入時だけでなく、運用を始めてから設定や使い方について確認が必要になることがあります。

ただし、サポートは「充実しているか」だけでは判断できません。

自社でどこまで対応でき、どの部分で支援が必要なのかを整理したうえで比較します。

【確認したいサポート内容】

  • 初期設定の支援
  • データ移行やCRM・SFA連携の相談
  • メール・フォームなど基本機能の操作サポート
  • 電話・メール・チャットでの問い合わせ
  • 日本語での問い合わせ対応
  • ヘルプページや動画、学習コンテンツ
  • 定期的な勉強会やセミナー
  • 個別相談や運用支援

特に確認したいのは、どこまでが通常料金に含まれているのかです。

たとえば、「サポートあり」と記載されていても、

  • 問い合わせ窓口だけ利用できる
  • 初期設定までは支援してもらえる
  • 運用相談まで対応してもらえる
  • 上位プランや別契約でないと個別支援を受けられない

など、範囲は製品によって異なります。

また、海外製のMAツールを検討する場合は、日本語対応の有無だけでなく、対応時間や問い合わせ先も確認します。

日本語のヘルプはあっても、技術的な問い合わせは海外窓口のみという場合もあるためです。

選定時には、

「困ったときに相談できるか」ではなく、「自社が必要になる支援を、必要なタイミングで受けられるか」

という視点で比較するとよいでしょう。

自社のセキュリティ要件を満たしている

3つ目は、MAツールが自社のセキュリティ要件を満たしているかどうかです。

MAツールでは、氏名やメールアドレス、企業情報、Web上の行動履歴など、さまざまな顧客データを扱います。

そのため、認証の取得状況だけでなく、実際の運用で必要なセキュリティ機能まで確認します。

【MAツール選定時に確認したいセキュリティ項目】

  • ISO/IEC 27001、ISO/IEC 27017、Pマーク、SOC 2などの取得状況
  • 認証や監査の対象範囲
  • 多要素認証の有無
  • IPアドレス制限やSSOへの対応
  • ユーザーごとの権限管理
  • 操作ログや監査ログを確認できるか
  • データの暗号化
  • バックアップや障害時の復旧体制
  • データの保管場所
  • インシデント発生時の連絡・対応体制
  • 契約終了時のデータ削除方法

認証については、取得しているかどうかだけでなく、検討しているサービスがその認証の対象範囲に含まれているかまで確認します。

同じ「ISMS取得済み」でも、会社全体が対象の場合もあれば、一部の事業や拠点だけが対象の場合もあります。

また、SOC 2についても、単に「対応している」と書かれているだけでなく、必要に応じて監査報告書の確認方法をベンダーへ問い合わせます。

自社に情報システム部門やセキュリティ担当者がいる場合は、マーケティング部門だけで判断せず、選定段階から確認を依頼するとよいでしょう。

社内にクラウドサービス導入時のセキュリティチェックシートがある場合は、その項目をベンダーへ提示し、回答をもらう方法もあります。

セキュリティでは、認証の数を比較することよりも、自社が必要とする管理・運用を実現できるかを確認することが重要です。

自社に本当に合うMAツールを選定するには「なぜMAツールを使うのか」という戦略設計が重要

ここまで、MAツールを比較するときに確認したい機能性・操作性・コスト・サポートについて解説してきました。

ただし、これらの項目を比較する前に整理しておきたいことがあります。

それが、「MAツールを使って何を実現したいのか」です。

MAツールの導入そのものが目的ではありません。自社が抱えているマーケティングや営業上の課題を解決するための手段の一つです。

そのため、目的が曖昧なまま製品を比較すると、

  • 必要な機能が足りない
  • 使わない機能が多くコストがかかる
  • CRMやSFAと必要なデータを連携できない
  • 導入したものの、どのように運用すればよいか決められない

といったミスマッチが起こる可能性があります。

MAツール選定の土台を示した図。MAツール活用の土台となる戦略設計の上に、導線目的・KPIを含むMAツールの戦略設定、その上にMAツールの選定を置く順序を三角形で表している

そのため、ツールを比較する前に、少なくとも次の内容を整理しておきましょう。

整理する項目
考え方の例
現状の課題

現在どこに問題があるのかを整理する

MAを活用する目的

MAを使って何を改善したいのかを決める

KPI

改善したかどうかを判断する指標を決める

実現したい運用

誰に、どのような条件で、何を行いたいのかを整理する

必要な機能・連携

実現したい運用に必要な機能や外部システムとの連携を洗い出す

たとえば、

現状の課題

獲得しているリードの中から、営業が優先して対応すべき企業を判断できていない

MAを活用する目的

Web上の行動や企業属性をもとに、営業が確認するリードを絞り込みたい

KPI

営業へ引き渡したリードの商談化率を改善する

という目的を設定したとします。

この場合、必要になるのは単なるメール配信機能ではありません。

たとえば、

  • Web上の行動履歴を取得できる
  • 企業属性と行動データを組み合わせて条件を設定できる
  • 営業対応の対象となったリードを抽出できる
  • CRMやSFAへ必要な情報を連携できる
  • 営業対応後の商談結果を確認できる

といった機能やデータ連携が必要になります。

このように、課題から必要な運用を考え、その運用に必要な機能を逆算することで、MAツールを比較するときの基準が具体的になります。

なお、KPIは「1年以内に商談化率を10%上げる」といった数値を最初から固定する必要はありません。

既存の商談化率やリード数などの実績を確認し、現在の数値をもとに目標を設定します。

株式会社CLUE様の支援でも、最初からMAツールの比較を行ったわけではありません。

過去の顧客データやWebサイトのアクセスログを確認し、施策ごとの目標を整理したうえで、MA(Account Engagement)とSFA(Salesforce)を導入しました。

その後、Web上の行動データを活用し、3日連続でサービスページを訪問したユーザーをインサイドセールスへ連携するシナリオなどを構築しています。

この事例でも、先に

「どの数値を改善したいのか」「そのためにどのような運用をしたいのか」

を整理したことで、必要なツールや機能を判断できる状態をつくっています。


スタートアップのマーケ立ち上げ。商談・受注を創出するリードが安定獲得できる仕組みを構築

顧客データで目標設定し、運用型広告を媒体選定から刷新。営業インサイトを反映したLP改修とセミナー・オウンドメディア改善により、商談・受注を創出するリードの安定獲得を実現。

sellsup.co.jp

打ち合わせスペースの木製テーブルを挟んで、2人が向かい合って笑顔で話している写真

MAツールは「一度選んだら変えられない」わけではない

MAツールは、導入後にデータや設定、他システムとの連携が蓄積されていくため、簡単に入れ替えられるものではありません。

そのため、選定時に慎重になることは重要です。

一方で、一度導入したMAツールを使い続けなければならないわけでもありません。

MarTechが実施した「MarTech Replacement Survey 2025」では、直近1年間にマーケティングテクノロジーを入れ替えた回答者のうち、マーケティングオートメーションを入れ替えた割合は19.4%でした。2024年の31.1%からは低下していますが、実際にMAツールを変更している企業が一定数いることが分かります。

参考:MarTech「MarTech Replacement Survey 2025」

つまり、「一度選んだら変更できない」と考える必要はありません。

ただし、MAツールを変更すると、データ移行やフォーム・メール・シナリオの再構築、CRM・SFAとの再連携などが必要になる場合があります。

そのため、重要なのは最初から完璧なツールを選ぼうとすることではなく、必要になったときに見直せる状態で運用しておくことです。

実際に運用する中で、MAツールの見直しを検討する要因としては、次のようなものが考えられます。

見直しを検討する要因
具体的な状態の例
日常的な操作に負担がかかっている

メールやフォームの作成、リスト抽出、レポート作成などに時間がかかり、施策の実行に支障が出ている

事業規模の変化に対応しにくい

リード数や配信量、利用者数の増加によって、現在の料金体系や機能では運用しにくくなっている

他システムとの連携が複雑になっている

CRMやSFAなどとの連携に個別対応が増え、データ管理や保守の負担が大きくなっている

コストと利用状況が見合わない

契約している機能の一部しか利用しておらず、より自社に合う製品を検討する余地がある

必要な機能が変わった

導入当初には必要なかった機能や連携が、事業や運用体制の変化によって必要になった

これらは、選定時にすべて予測できるとは限りません。

事業規模や営業体制、利用するシステムが変われば、MAツールに求める条件も変わります。

そのため、「変えられないから最初にすべてを決める」と考えるよりも、将来の見直しを妨げない形で運用することも意識しておきましょう。

【あとから見直しやすくするために意識したいこと】

作り込みすぎない
特殊なカスタマイズや個別開発を増やすほど、別のMAツールへ移行するときに再構築する範囲も広がります。

データの項目や定義を整理しておく
MA、CRM、SFAで同じ情報を異なる定義で管理していると、移行時のデータ整理が複雑になります。どのシステムで、どのデータを管理するのかを決めておきます。

設定内容を記録しておく
スコアリング、シナリオ、リスト条件、外部ツールとの連携などについて、何のためにどのような設定をしているのかを残しておきます。

利用する機能を段階的に広げる
導入直後からすべての機能を使うのではなく、必要性が明確な領域から始め、運用しながら利用範囲を広げます。

特に、スコアリングの配点や営業への引き渡し条件、レポートで確認する指標などは、実際の商談・受注結果を見ながら変更することがあります。

そのため、最初から複雑な設定を作り込むよりも、一定のルールで運用を始め、実績を確認しながら調整できる状態にしておく方が運用しやすくなります。

ただし、これは目的やKPIを決めずに「とりあえず導入する」という意味ではありません。

前述したように、

「MAを使って何を改善したいのか」

という目的と、改善を判断する指標はあらかじめ整理します。

そのうえで、実際の運用結果を確認しながら設定や必要な機能を見直していく、という進め方が現実的です。

戦略設計に沿ってMAツールを選ぶ進め方

MAツールを選定するときは、複数の製品を見比べるところから始めるのではなく、まず自社の目的や要件を整理し、その条件に合う製品へ候補を絞っていきます。

基本的には、次のような順番で進めます。

  • 現状の課題とMAを導入する目的を整理する
  • 実現したい運用を整理する
  • 必要な機能・連携・運用条件を洗い出す
  • 候補となるMAツールを比較する
  • デモやトライアルで実際の運用を確認する
  • コストやサポート、セキュリティも含めて最終判断する

たとえば、「獲得したリードの中から営業が優先して対応する対象を判断したい」という目的であれば、

  • Web上の行動履歴を取得できるか
  • 企業属性と行動を組み合わせて条件を設定できるか
  • 営業へ通知・連携できるか
  • CRMやSFAへ必要な情報を渡せるか
  • 商談・受注結果をMA側でも確認できるか

といった要件が考えられます。

この状態まで整理してから各製品を見ることで、「機能が多いから」「有名だから」といった理由ではなく、自社が実現したい運用に必要な条件を満たしているかで比較できます。

一方で、MAツールは機能だけでなく、データ構造やCRM・SFAとの連携、初期設定、運用負荷なども確認する必要があります。

そのため、社内にMAやCRMの運用経験がない場合は、要件そのものを整理する段階で判断が難しくなることがあります。

【MAツール選定で起こり得るミスマッチ】

  • 必要のない機能が多く、費用や操作負担が増える
  • 実現したい施策に必要な機能が不足している
  • CRMやSFAと必要なデータを連携できない
  • 一部の担当者しか設定・運用できない
  • 導入後に、どの機能をどのように使うのか決められない

選定時には、「その製品に何ができるか」だけではなく、自社で実際に運用できるかまで確認することが重要です。

外部に頼らず自社で選定できる条件

MAツールの選定で、必ず外部の支援会社を利用する必要があるわけではありません。

次のような条件がそろっていれば、自社を中心に選定を進めることもできます。

  • MAやCRMについて一定の知識を持つ担当者がいる
    リード管理、メール配信、スコアリング、営業連携などの基本的な考え方を理解している
  • 自社のマーケティング・営業プロセスが整理されている
    リードをどのように獲得し、どの条件で営業へ渡し、その後どのようにフォローするのかが社内で共有されている
  • MAで実現したいことが決まっている
    導入目的やKPI、実現したい運用を言語化できている
  • 比較基準を自社で決められる
    機能、連携、コスト、操作性、サポートなどの中で、何を優先するのか整理できている
  • デモやトライアルを評価できる担当者がいる
    実際の業務を想定して操作し、自社で運用できるかを判断できる

このような状態であれば、ベンダーから必要な情報を集めながら、自社で比較表を作成して選定を進めることができます。

一方で、外部支援を利用する場合も、選定そのものをすべて任せる必要はありません。

要件の整理、候補製品の比較、特定機能の仕様確認、CRM・SFA連携の確認、初期設定など、必要な部分だけ支援を受ける方法もあります。

重要なのは、MAを導入する目的と最終的な判断基準は自社で持つことです。

外部の支援会社によっては、特定のMAベンダーとの提携関係を持っている場合もあります。支援を依頼するときは、どの製品を扱っているのか、比較時に特定製品へ偏らないかも確認しておくとよいでしょう。

自社だけで判断しにくい場合は外部支援を活用する方法もある

MAツールの選定経験がない場合や、CRM・SFAとの連携を含めて要件を整理する必要がある場合は、外部の知見を利用する方法もあります。

弊社「Sells up」では、MAツールの導入そのものを目的にするのではなく、事業上の課題やマーケティング・営業プロセスを確認したうえで、必要な運用や機能を整理しています。

そのうえで、ツール選定から初期設定、運用体制の構築まで、必要な範囲に応じて支援しています。

Sells upの支援内容を3つ並べた図。現状分析・戦略設計、MA活用・仕組み化、計測・改善・高度化について、それぞれの取り組み内容を説明している

実際の支援では、MAツールだけを切り出して導入するのではなく、広告やLP、営業連携などを含めてマーケティング全体を整理しています。

【Sells upの支援事例】

  • 新規事業のマーケティング基盤構築を支援し、多い月で100件以上のリードを獲得
  • BtoBマーケティングの経験者がいない状態から、戦略や施策、MA運用を見直し、目標としていたリード件数の達成を支援

▼各事例は下記よりご覧ください


新規事業の舞台裏。広告予算10万円で毎月100件のリードを創出し、顧客に“デザインの力”を届けるまで

サービスの言語化とフック抽出を経て、Meta広告・LP・Web改修・コンテンツを同時進行。HubSpot導入でリード管理とメール施策を効率化し、提供範囲をブランディング領域まで拡大。

sellsup.co.jp

広告予算10万円で毎月100件のリードを創出。新規事業のマーケティング基盤を構築のサムネイル


BtoCマーケの“コピー&ペースト”から脱却。戦略設計と広告・LP・MAなどの全方位施策で得た成果とは

中長期のマーケティング戦略を策定し、広告の多角化とLPOを実施。Account Engagementのデータ移行とステップメール施策により、広告CPAを約3分の1に削減し、月間リード数・商談数の増加を通じた売上向上を実現。

sellsup.co.jp

BtoCマーケのコピー&ペーストから脱却。全方位施策で広告CPAを支援前の約3分の1に削減のサムネイル

「自社だけではMAツールの要件を整理しにくい」「CRM・SFAとの連携まで含めて選定したい」といった場合は、ご相談ください。

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「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために

施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。こうした状態では、MAツールだけでなく、ターゲットや施策、営業への引き渡し条件、運用体制など複数の観点から確認する必要があります。Sells upでは、現在の施策やデータを確認しながら、課題となっている箇所を整理し、改善する順番を検討します。

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まとめ

本記事では、MAツールを選ぶときの比較ポイントと、選定前に整理しておきたい考え方について解説しました。

MAツールを比較するときは、主に次の3つの軸で確認します。

比較する軸
確認するポイント
機能性

MAを活用する目的に合う機能がある/自社の事業・販売方法に合っている/必要なツールやサービスと連携できる

操作性

初期設定がしやすい/直感的に操作できる/日常的な運用工数が大きすぎない/複数人で運用しやすい

コスト・サポート

中長期的に運用できるコストか/必要なサポートを受けられるか/自社のセキュリティ要件を満たしているか

ただし、これらの項目をそのまま比較するだけでは、自社に合うMAツールを判断できるとは限りません。

最初に、

現状の課題 → MAを導入する目的 → KPI → 実現したい運用 → 必要な機能・連携

の順番で整理し、その条件を満たす製品を比較することが重要です。

また、製品サイトや資料だけで判断せず、可能であればデモやトライアルを利用し、自社で頻繁に行う操作やCRM・SFAとの連携方法まで確認しておきましょう。

MAツールは一度導入したら変更できないものではありませんが、移行にはデータ整理や設定の再構築などが必要になります。そのため、導入時から必要以上に作り込まず、設定やデータの定義を整理しながら運用することも大切です。

社内だけでは目的や要件の整理、製品比較が難しい場合は、必要な範囲で外部の知見を利用する方法もあります。

弊社「Sells up」では、MAツールの導入そのものを目的にするのではなく、事業上の課題やマーケティング・営業プロセスを確認したうえで、必要な運用や機能の整理から支援しています。

ツールを決めたあとの進め方は、MAツールの導入手順8ステップで解説しています。

よくある質問

MAツールを選ぶときに最初に確認すべきことは何ですか?

MAツールを選ぶ前に最初に確認すべきことは、「なぜMAツールを導入するのか」という戦略設計を明確にすることです。機能やコストを比較する前に、以下の3つの要素を言語化しておきましょう。

  • 現状の課題:自社のマーケティング活動でどこに課題があるか(例:商談化できる見込み客が少ない)
  • MAツールを活用する目的:MAツールで何を実現したいか(例:見込み客の管理と育成を自動化して商談数を増やしたい)
  • KPI:達成したい指標を数値で設定する(例:1年以内に商談化率を10%アップ)

この戦略設計がないままMAツールを選ぶと、「必要な機能がなかった」「導入したけれど何に使えばいいか分からない」という失敗につながります。戦略設計を土台にしたうえで、機能性・操作性・コスト・サポートの3軸で比較検討することが、適切なMAツール選定の手順です。

BtoBとBtoCではMAツールの選び方に違いはありますか?

BtoBとBtoCではMAツールに求める機能の特性が異なります。主な違いは以下のとおりです。

比較項目 BtoB向けの選び方のポイント BtoC向けの選び方のポイント
リード管理 属性・会社情報を細かく管理できるか 数万〜数十万件単位のリードを管理できるか
チャネル対応 メール・Webサイト中心の機能が充実しているか SNS・EC・広告など幅広いマルチチャネルに対応しているか
育成機能 中長期的なナーチャリングや再アプローチ機能があるか リアルタイム分析・自動化でスピード感のある施策を回せるか
CRM・SFA連携 営業部門との連携・ホットリード引き継ぎを想定した連携が必要 ECプラットフォームや広告配信との連携が重要

自社の業種に対応した導入事例が豊富なMAツールを選ぶと、運用後のイメージが持ちやすくなります。

MAツールを選ぶときにやってしまいがちな失敗は何ですか?

MAツール選定でよくある失敗は、主に以下の3パターンです。

  • 機能の多さだけで選んでしまう:多機能なツールが優れているわけではなく、自社の目的に必要な機能の粒度(ステップメール・セグメント配信など細かい機能)まで確認しないと、導入後に「使えない機能ばかり」という状態になる
  • 他ツールとの連携を事前確認しない:「連携できる」と確認しても、必要なデータが共有できない・タイムラグがあるなどのトラブルが起こりやすい。CRMやSFAとのデータ構造まで細かく確認することが必要
  • 戦略設計なしに導入する:「とりあえず導入」した場合、どの機能を何のために使うのか軸がなく、MAツールが形骸化してしまう。KPIと目的を定めてから選定に入ることが重要

MAツールの入れ替えには一定の手間がかかるため、選定前に戦略設計を固め、デモンストレーションや無料体験を通じて実際の操作感まで確認することが失敗を防ぐ近道です。ただし、入れ替えができないわけではありません。

MAツールの選定を外部に相談するメリットは何ですか?

MAツールの選定を外部の専門家に相談するメリットは、主に以下の3点です。

  • 自社の目的に合ったツールを的確に選定できる:各MAツールの機能の差異・得意不得意を熟知した専門家が、自社の課題・KPIに沿った最適なツールを提案できる。社内にMAツール経験者がいない場合は特に有効
  • 選定ミスによる入れ替えリスクを回避できる:MAツールの入れ替えは、データ移行・再設定・担当者への再教育など大きなコストを伴う。初回から正しい選定ができれば、これらの無駄なコストを削減できる
  • 戦略設計からツール導入・体制構築まで一貫して進められる:ツール選定だけでなく、シナリオ設計・スコアリング・社内の運用体制整備まで伴走支援を受けることで、導入後に成果を出せる状態を早期に整えられる

Sells upはスタートアップからプライム上場企業まで80社以上のBtoBマーケティング支援実績を持ち、戦略設計からツール選定・体制構築まで一貫した伴走支援を行っています。MAツール選定に不安がある場合は、お気軽にご相談ください。

MAツールを入れ替えることになった場合、どのくらいの期間がかかりますか?

規模によりますが、3〜6ヶ月程度を見込む例が多く報告されています。要件の整理とツール選定、リードや属性・スコア・履歴のデータ移行、シナリオやワークフローの作り直し、テストと段階的な切り替えという工程を踏むためです。

メール配信と簡単なスコアリング程度の使い方であれば、もっと短い期間で移行した例もあります。移行の負担は、導入時にどれだけ個別の作り込みをしたかと、データ構造をどれだけ整理できているかで大きく変わります。

無料プランや無料トライアルから始める選び方はどう考えればよいですか?

実際に触らないと分からない操作性や運用工数を確認できるため、有効な進め方です。最小限の目的とKPIを置いたうえで、メール配信やフォームなど影響範囲の限られた用途から試すと、必要な機能の条件がはっきりしてきます。

ただし、無料プランは機能や連携が制限されていることが多いため、その範囲だけで要件を固めると、有料プランに移ったときにずれが出ます。試す段階でも、将来使いたい機能が有料プランでどこまでできるのかは確認しておきます。

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株式会社Sells up 代表取締役
武田 大
株式会社AOKIにて接客業、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。デジタルマーケティングエージェンシーを経て2023年に株式会社Sells upを設立。戦略設計・KPI設計を起点に、リードジェネレーション、ナーチャリング、MA/SFA活用、営業連携までBtoBマーケティングを一気通貫で支援。KGI逆算のKPI設計やリードスコアリングの統計的設計、営業連携SLAの構築を強みとし、業界・規模を問わず80社以上に提供。Account Engagement SpecialistおよびTableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。
保有資格Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialist/Tableau Desktop Specialist
専門領域BtoBマーケティング/リードジェネレーション/リードナーチャリング/マーケティングオートメーション/HubSpot導入活用支援/Account Engagement導入活用支援/Marketo活用支援/インサイドセールス/統計解析によるスコアリング設計/商談化率向上/マーケティングROI改善