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ナーチャリングの成果はどうやって測ればいいのか|指標の選び方と、改善サイクルの回し方

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目次

「やってみたけど、うまくいっているのかよく分からない」

セグメントを切って、シナリオを組んで、配信を始めてみた。開封率も悪くないし、クリックもある。でも、それが本当に成果につながっているのかどうかが分からない。

これは、ナーチャリングを設計・実行した後に、多くのナーチャリング担当者が悩むことです。

原因のひとつとして考えられるのは、「何を見れば成果が分かるのか」という基準が決まっていないことにあります。測る指標が曖昧なまま動かし続けても、改善のしようがなく、社内への説明もしにくくなります。

この記事では、ナーチャリングの成果をどう測るか、指標の整理の仕方と改善サイクルの回し方を順番に見ていきます。

開封率・クリック率だけ見ていると、何が起きるか

多くのナーチャリングチームが日常的に確認しているのが開封率とクリック率です。これ自体は悪くありません。ただ、この2つだけを追っていると「メールが読まれているかどうか」は分かっても、「ナーチャリングが機能しているかどうか」は分かりません。

具体的に言うと、こんなことが起きやすいです。

よくある状況

実際に起きていること

開封率は高いが商談が増えない

コンテンツは読まれているが、次のアクションにつながっていない

クリック率は良いが失注が多い

興味はあるが、検討を深めるコンテンツが届いていない可能性がある

指標は安定しているが売上に変化がない

ナーチャリングが機能しているように見えて、実は配信し続けているだけになっている

開封率・クリック率は「施策が動いているかどうか」の確認には使えますが、それだけではナーチャリングの全体像は見えません。もう少し広い視点で指標を整理する必要があります。 

追うべき指標を3つの層で整理する

ナーチャリングで追う指標は、大きく3つの層に分けて考えると整理しやすくなります。

何を見るか

指標の例

① 活動指標

施策がちゃんと動いているか

配信数、開封率、クリック率、配信停止率

② 変化指標

リードが育っているか

フェーズ移行率、スコアの変化、コンテンツ消費数

③ 成果指標

ビジネスへの貢献につながっているか

商談化率、パイプライン貢献額、受注率

多くのチームが①の活動指標しか見ていません。活動指標はあくまで「作業が動いているかどうか」の確認であって、ナーチャリングの効果を測るものではありません。②の変化指標と③の成果指標をセットで持つことで、はじめて「ナーチャリングが機能しているかどうか」が見えてきます。

各層の指標、実務での使い方

① 活動指標:ベースラインを持つことが大事

開封率やクリック率は、単体の数字を眺めるのではなく、「比較」をしてはじめて意味が出ます。見るべきポイントは主に2つです。

ひとつは自社の過去データとの比較。先月より上がっているか下がっているか、という変化を追うことで異常に気づけます。

もうひとつはセグメント間の比較。同じ内容を送っても、フェーズや属性によって反応が異なるため、その差を見ることで「どのセグメントのコンテンツが刺さっていないか」が分かります。

業界平均との比較も参考になるものの、あくまでも参考程度にするのが良いです。業種やリストの質によって大きく変わるため、活動指標の判断材料として活用するのであれば、自社の過去データを基準にすることをお奨めします。

② 変化指標:リードが前に進んでいるかを確認する

変化指標の中で、まず押さえておきたいのがフェーズ移行率です。これは「認知段階から検討段階に移ったリードが、ひと月で何件あったか」というシンプルな数字で良いです。

フェーズの移行は行動で定義します。たとえば「料金ページを初めて閲覧したら検討段階へ移行」「事例ページを2回以上見たら比較・選定段階へ移行」のように、行動の変化をフェーズの移行条件として設定しておきます。

スコアリングを導入している場合は、スコアの分布の変化も見やすい指標になります。全体的にスコアが上がっているなら育成が機能している兆候と考えられますし、特定の段階でスコアが止まっていればそこでコンテンツが詰まっている可能性が高いと考えられます。

フェーズ移行率の計算例

先月末時点で「認知段階」にいたリードが100件あり、今月末時点で20件が「検討段階」に移行していた場合、フェーズ移行率は20%。この数字を月次で追うことで、ナーチャリングの育成速度が見えてきます。

③ 成果指標:ナーチャリングの貢献をどう切り出すか

最終的に見たいのは「ナーチャリング経由で商談がどれだけ生まれているか」です。これは、商談化したリードの獲得経路やナーチャリングの接触履歴を確認することで、貢献度を大まかに把握できます。

ただ、ナーチャリングの貢献を正確に測るのは難しいです。商談化にはさまざまな要因が絡んでいて、「ナーチャリングメールのおかげで決まった」と断言できるケースは少ないです。あまり厳密さを求めすぎると、測定自体が目的になってしまうため注意が必要です。

まずは「ナーチャリングに触れたリードとそうでないリードで、商談化率にどれくらい差があるか」という粗い比較から始めることがお奨めです。差があれば機能している証拠といえますし、差がなければ設計や内容を見直すきっかけになります。

改善サイクルをどう回すか

まず「どこで詰まっているか」を特定する

指標を見たら、次は「どこに問題があるか」を絞り込みます。ナーチャリングの流れは入口・中盤・出口の順番になっているので、どの段階で止まっているかを確認するのが最初のステップです。

詰まっている場所

考えられる原因と対応

入口(開封・クリックが低い)

件名やコンテンツが相手の関心と合っていない。
セグメントの見直しや件名のテストを検討する

中盤(フェーズが移行しない)

コンテンツの順番や内容がフェーズに合っていない可能性がある。
中盤のコンテンツを差し替えて反応を見る

出口(商談化につながらない)

CTAのタイミングや誘導先が適切ではない。
アクションのハードルを下げるか、出口コンテンツを見直す

一度に全部変えない

改善しようとすると、あれもこれも変えたくなります。ただ、一度に複数の要素を変えると何が効いたのか分からなくなってしまいます。

変えるのは一度にひとつにすることがお奨めです。たとえば「件名だけ変えて2週間様子を見る」「中盤の事例コンテンツを差し替えて翌月の移行率を比較する」というように、変数を絞って検証しましょう。地味に見えますが、この積み重ねが精度を上げていく一番の近道です。

改善の頻度と優先順位

どのくらいの頻度で改善を回すかは、リードの数や配信量によって変わります。ただ目安として、活動指標は週次か隔週で確認し、変化指標と成果指標は月次で振り返るくらいのサイクルが多くのチームには合いやすいと考えています。

改善の優先順位は、影響が大きいところから手をつけるのが基本です。一番入口に近い部分(件名・1通目のコンテンツ)は、そこが改善するだけで全体に波及するので、まずは優先的にそこを改善すると効率的です。

まとめ

ナーチャリングの成果を測るには、開封率・クリック率だけでなく、フェーズ移行率や商談化率まで含めた3つの層で指標を持つことが必要です。

最初から全部を完璧に測ろうとしなくて良く、まずは「今の自分たちは何を見ているか」を確認して、変化指標と成果指標が抜けているなら、そこを一つずつ追加していきます。測る仕組みができてくると、改善のサイクルも回しやすくなります。

設計して終わり、配信して終わり、ではなく、測って改善するところまでがナーチャリングです。

すぐに取り組めるお奨めアクション

  • ナーチャリングチームで追っている指標が3つの層のどこにあたるかを確認する
  • フェーズ移行の条件を行動ベースで定義してみる
  • ナーチャリングに触れたリードと触れていないリードで商談化率を比べてみる
  • 直近の配信で「入口・中盤・出口」のどこで反応が落ちているかを確認する

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株式会社Sells up
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。BtoBマーケティングの戦略設計/KPI設計はもちろん、リードジェネレーション施策やナーチャリング、MA/SFA活用を支援し、業界/企業規模を問わずこれまでに約80社以上の支援実績を持つ。Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialist/Tableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。