ナレッジ 2026.08.29 最終更新 2026.09.06

インサイドセールスのトークスクリプトの作り方|4要素の型と例文

この記事を書いた人 武田 大 株式会社Sells up 代表取締役

インサイドセールスのトークスクリプトとは、見込み顧客への架電で使う会話の流れを、導入・ヒアリング・メリット訴求・クロージングの4つの要素で型にしたもののことです。架電の内容が担当者ごとに異なり、新人にどう教えればよいか分からないという企業は少なくありません。本記事では、トークスクリプトの作り方と実例、運用のコツ、そしてMA・AIエージェントを使った自動生成の考え方を解説します。

インサイドセールスのトークスクリプトとは|4つの構成要素

インサイドセールスのトークスクリプトとは、見込み顧客との架電やオンライン面談で使う会話の流れを整理した型のことです。

構成要素は次の4つです。

1つ目は導入で、連絡した理由を明確に伝える部分です。

2つ目はヒアリングで、相手の業務状況や課題を確認する部分です。

3つ目はメリット訴求で、機能ではなく相手が得られる効果を伝える部分です。

4つ目はクロージングで、次の日時を伝えアポイントを確定する部分です。

この4つに分ける理由は、要素ごとに目的が異なり、同じ話し方では機能しないためです。導入は警戒を解くことが目的で、ヒアリングは情報を集めることが目的です。目的を混同すると、ヒアリングの途中でメリットを話し始めるなど、会話の流れが崩れます。

具体的には、資料請求やセミナー参加など、相手がどの経路から接点を持ったかによって導入部分の言い回しを変え、ヒアリングで確認した課題に応じてメリット訴求の内容を選びます。担当者が同じ4要素の枠組みを共有していれば、経験の浅い担当者でも会話の抜け漏れを防ぎやすくなります。

トークスクリプトとテレアポマニュアルの違い

トークスクリプトは、会話の流れと各要素の目的を示す型であり、一言一句を読み上げるためのテレアポマニュアルとは役割が異なります。マニュアルのように一言一句を固定すると、相手の反応に応じた会話ができなくなり、不自然な受け答えにつながります。ただし、最初の名乗りや時間をいただく一言、断られたときの切り返しなど、初動や結果を左右する一部のフレーズについては、一言一句に近い形まで磨き込んで固定するチームもあります。全体は流れの型として運用し、成果への影響が大きい部分だけを個別に固定するという使い分けが、現場では一般的です。

トークスクリプトの作成手順|4ステップ

トークスクリプトの作成手順とは、ターゲットの整理からヒアリング項目の設計、トークの作成、運用後の改善までを順番に進める手順のことです。

作成は次の4つのステップで進めます。

Step.1:架電対象を整理する:資料請求・セミナー参加・問い合わせなど、流入経路ごとに対象を分けます。

Step.2:ヒアリング項目を設計する:業務状況や検討状況を把握するための質問をあらかじめ用意します。

Step.3:4要素に沿ってトークを作成する:導入・ヒアリング・メリット訴求・クロージングの順で会話の流れを組み立てます。

Step.4:架電結果をもとに改善する:コネクト率やアポ獲得率の変化を見ながら、トークの内容を見直します。

段階を飛ばしていきなりトークを作成すると、誰に何を話すかが整理されないまま架電することになり、担当者ごとに内容がばらつく状態が続きます。

弊社が支援した日本テレビアート様では、新規事業としてインサイドセールスチームを新設する際、トークスクリプトの作成と監修を武田が担当しました。専任の担当者がいない状態から立ち上げを進め、獲得したリードをWebや動画、LP、ロゴといったデザイン制作の案件の受注につなげられる体制が整いました。トークスクリプトが機能したことで、架電した相手を商談、そして受注へとつなげる流れができたことが、この取り組みの成果です。


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インサイドセールスの立ち上げでトークスクリプトの作成・監修を武田が支援し、獲得したリードを制作案件の受注につなげられるようになった、日本テレビアート様の事例です。

sellsup.co.jp

日テレアート(NIPPON TELEVISION ART)のロゴが掲げられた壁の前で、3人が笑顔で立ち話をしている写真

流入経路別に分けるべき理由

流入経路によってトークを分ける理由は、資料請求とセミナー参加では、相手が既に持っている情報量と関心の温度感が異なるためです。同じ導入トークを使うと、情報量の多い相手には物足りなく、少ない相手には唐突な印象を与えます。資料請求の相手には資料の内容に触れたうえで質問に入り、セミナー参加の相手にはセミナーで話した内容を振り返る一言から入ると、それぞれの文脈に沿った会話になります。

インサイドセールストークスクリプトの例文

インサイドセールストークスクリプトの例文とは、4つの構成要素それぞれに対応する具体的な会話の型のことです。

以下の表は、要素ごとの会話例を整理したものです。

要素 トーク例
導入 「○○の資料をダウンロードいただいた件でご連絡いたしました、株式会社○○の○○と申します。1分ほどお時間をいただいてもよろしいでしょうか」
ヒアリング 「資料の中で、特にどのあたりに関心を持っていただきましたか」「現在、同様の課題に対してどのような対応をされていますか」
メリット訴求 「その場合ですと、○○の設定を見直すだけで、△△にかかっている時間を短縮できるケースが多いです」
クロージング 「もしよろしければ、来週のご都合のよい日時で30分ほどお時間をいただけますでしょうか」

この例文は特定の企業向けのものではなく、業種を問わず使える一般的な型です。メリット訴求の部分は、ヒアリングで確認した相手の課題に合わせて内容を差し替えます。導入部分の「1分ほどお時間をいただいてもよろしいでしょうか」という一言は、相手に電話を切る判断を委ねることで、その後の会話への協力を得やすくする効果があります。ヒアリングの質問は、オープンクエスチョン(自由に答えられる質問)から始め、相手の回答に応じて具体的な質問に絞り込んでいきます。

断られたときの切り返し例

断られたときの切り返しは、相手の断り方に応じて対応を変えることが重要です。「今は忙しい」という場合は、日時を変えて改めて連絡する提案に切り替え、「興味がない」という場合は、ヒアリングの質問に戻り、課題の有無を確認します。「他社のツールを既に使っている」という場合は、否定から入らず、現在使っているツールで解決できていない部分がないかを確認する質問に切り替えます。強引に食い下がると、今後の接点そのものを失うことになります。

トークスクリプトを機能させる運用のポイント

トークスクリプトを機能させる運用のポイントとは、内容を固定しすぎず、通話結果をもとに改善を続けることです。

運用のポイントは次の2つです。

1つ目は、大まかな流れを重視し、細部まで一言一句を固定しないことです。ただし、最初の名乗りや時間をいただく一言、断られたときの切り返しなど、成果への影響が大きい部分は、一言一句に近いレベルまで磨き込んで固定する企業もあります。

2つ目は、通話結果をもとに定期的に見直すことです。アポにつながった会話とつながらなかった会話を比較し、効果のある言い回しを反映します。

この理由は、トークスクリプトを一度作って終わりにすると、相手の反応や市場の変化に対応できなくなるためです。同じ言い回しを使い続けると、コネクト率やアポ獲得率が徐々に下がっていくケースがあります。

具体的には、週次または月次の定例で通話結果を振り返り、アポにつながらなかった原因が導入部分にあるのか、ヒアリングの質問にあるのかを確認したうえで、該当する部分だけを修正します。

改善の頻度の目安

改善の頻度は、週次で言い回しを微調整し、月1回を目安にトーク全体を見直す企業が多くなっています。架電数が少ない段階や、市場・商材の変化が小さい期間は、四半期ごとの見直しでも対応できます。

トークスクリプトの効果をKPIで検証する

トークスクリプトの効果を検証するとは、コネクト率やアポ獲得率の変化から、トークの内容が機能しているかを確認することです。

確認する指標は次の2つです。

1つ目はコネクト率で、電話がつながった件数の割合です。この数値はトークの内容よりも、架電対象やタイミングの影響を強く受けます。

2つ目はアポ獲得率で、コネクトした相手のうちアポイントにつながった割合です。トークスクリプトを見直した効果は、主にこの数値の変化に表れます。

この理由は、トークの内容が変わっても架電対象が同じであれば、コネクト率はほとんど動かないためです。トークスクリプトの改善効果を見るときは、アポ獲得率を中心に確認します。

具体的には、トークスクリプトを改訂した前後の期間でアポ獲得率を比較し、悪化していないかを確認します。KPIの設計方法や指標の考え方は、インサイドセールスKPIの決め方|活動量・転換率・成果を3層で設計するで解説しています。

効果が出ないときに疑うべき箇所

効果が出ないときは、まず架電対象のリストが適切かを確認します。トークの内容を改善しても、対象がずれていれば効果は出ません。対象が適切であれば、次にヒアリングとメリット訴求のつながりを確認します。ヒアリングで聞いた課題と、メリット訴求で伝える内容がずれていると、相手にとって唐突な提案に聞こえ、クロージングまで進みにくくなります。

トークスクリプトをMA・AIエージェントで自動生成する|流入経路別の出し分け

トークスクリプトをMA・AIエージェントで自動生成するとは、MAが持つ行動データをもとに、流入経路や検討状況に応じたトークをAIエージェントが組み立てる仕組みのことです。

ポイントは次の2つです。

1つ目は、資料請求・セミナー参加・Web再訪問など、流入経路のデータをMAで一元管理することです。

2つ目は、そのデータをもとにAIエージェントが、架電の直前にどのトークで話すべきかを示すことです。

この理由は、担当者が架電のたびに相手の流入経路や過去の行動を調べ直していると、確認に時間がかかり、架電数そのものが減ってしまうためです。特に架電対象が多い組織では、確認作業だけで1日の稼働時間の相当な部分が費やされることになります。

具体的には、行動データと属性データをもとにしたスコアリングでリードの状況を可視化し、スコアや流入経路に応じて推奨トークを自動的に切り替えます。トスアップと連動させると、架電の優先順位とあわせてトークの型まで引き継げます。日次のトスアップに反映させる具体的な設計は、営業への引き継ぎを仕組みとして運用する考え方で解説しています。スコアの設計方法は、統計的な視点によるスコアリング設計の考え方で扱っています。

こうしたトークスクリプトの運用は、リード管理の全体像とBtoBで機能させる実践ステップの一部として位置づけると、KPIやスコアリングと合わせて一貫して設計できます。


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まとめ

インサイドセールスのトークスクリプトとは、見込み顧客との会話の流れを、導入・ヒアリング・メリット訴求・クロージングの4要素で型にしたものです。要素ごとに目的が異なるため、流入経路や相手の状況に応じて内容を使い分けます。

作成は、架電対象の整理からヒアリング項目の設計、トーク作成、改善までの4ステップで進めます。全体は流れの型として運用しつつ、初動や切り返しなど成果への影響が大きい部分だけを固定し、通話結果をもとに定期的に見直すことが、トークスクリプトを機能させ続けるうえで欠かせません。

トークスクリプトの効果は、コネクト率よりもアポ獲得率の変化に表れます。弊社にご相談いただく企業では、トークの型を整えたうえで、流入経路やスコアに応じてMAやAIエージェントで出し分ける仕組みまで進める企業が増えています。

よくある質問

トークスクリプトとは何ですか?

トークスクリプトとは、見込み顧客との会話の流れを、導入・ヒアリング・メリット訴求・クロージングの4つの要素で整理した型のことです。一言一句を固定するテレアポマニュアルとは異なり、大まかな流れを示すものです。

インサイドセールスとテレアポは同じですか?

同じではありません。テレアポは新規のリストへ架電し接点を作る活動全般を指すのに対し、インサイドセールスは資料請求やセミナー参加などで既に接点を持ったリードへの対応も含む、より広い役割を指します。

トークスクリプトのテンプレートはありますか?

導入・ヒアリング・メリット訴求・クロージングの4要素に沿った型を用意すると、業種を問わず応用できます。具体的な例文は本記事の「インサイドセールストークスクリプトの例文」で紹介しています。

一言一句スクリプトどおりに話すべきですか?

一言一句どおりに話す必要はありません。大まかな流れと各要素の目的を押さえたうえで、相手の反応に応じて言葉を選ぶ方が、自然な会話になります。ただし、名乗りや断りへの切り返しなど、成果に直結する一部のフレーズは、あらかじめ磨き込んだ言い回しに近い形で使うチームもあります。

トークスクリプトの効果はどう測ればよいですか?

コネクト率とアポ獲得率の変化で確認します。トークの内容を見直した効果は、主にアポ獲得率に表れます。KPIの設計方法は、インサイドセールスKPIの決め方で詳しく解説しています。

トークスクリプトをAIで自動生成できますか?

MAが持つ行動データと連携すれば、流入経路やリードの状況に応じたトークをAIエージェントが自動的に組み立てることができます。行動データと属性データにもとづくスコアリングと組み合わせると、架電の優先順位とトークの型をあわせて引き継げます。

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株式会社Sells up 代表取締役
武田 大
株式会社AOKIにて接客業、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。デジタルマーケティングエージェンシーを経て2023年に株式会社Sells upを設立。戦略設計・KPI設計を起点に、リードジェネレーション、ナーチャリング、MA/SFA活用、営業連携までBtoBマーケティングを一気通貫で支援。KGI逆算のKPI設計やリードスコアリングの統計的設計、営業連携SLAの構築を強みとし、業界・規模を問わず80社以上に提供。Account Engagement SpecialistおよびTableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。
保有資格Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialist/Tableau Desktop Specialist
専門領域BtoBマーケティング/リードジェネレーション/リードナーチャリング/マーケティングオートメーション/HubSpot導入活用支援/Account Engagement導入活用支援/Marketo活用支援/インサイドセールス/統計解析によるスコアリング設計/商談化率向上/マーケティングROI改善