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フェーズ移行率の計算と読み方|MAデータから「どこで詰まっているか」を特定する

「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために

施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。 こうした課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。 Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。

目次

開封率・クリック率の先にある指標

ナーチャリングの成果を測る指標として、開封率とクリック率は多くのMA運用担当者が追っています。

ただ、これらは「メールへの反応」を測る指標であり、「リードが温まっているかどうか」を直接示す指標ではありません。

ナーチャリングの本質的な成果を測るには「フェーズ移行率」を観測することが重要です。

この記事では、フェーズ移行率の具体的な計算方法と、その数値からどう改善につなげるかを整理します。

フェーズ移行率とは何か

フェーズ移行率とは、「ある期間に特定のフェーズにいたリードのうち、次のフェーズに進んだ割合」です。ナーチャリングの各ステージがどれだけ機能しているかを数値で確認できます。

フェーズ移行率の計算式

フェーズ移行率 =(期間中に次フェーズに移行したリード数 ÷ 期間開始時点でそのフェーズにいたリード数)× 100

例:
・月初に「認知段階」にいたリードが200件
・そのうち月末までに「検討段階」に移行したリードが30件
→ 認知→検討のフェーズ移行率 = 30 ÷ 200 × 100 = 15%

フェーズ移行率を計算する手順

Step1:フェーズの定義を確認する

計算の前に、各フェーズの定義が明確になっているかを確認します。

「スコアが〇点以上になったら検討段階」のように、フェーズの境界条件が数値で定義されていることが前提です。定義が曖昧だと移行の判定ができません。

Step2:期間を決める

フェーズ移行率は月次で計算するのが最も実務的です。週次だと変動が大きすぎて傾向が読みにくく、四半期だと問題の発見が遅れます。

Step3:MAのデータを抽出する

MAの管理画面またはエクスポート機能を使って、以下のデータを取得します。

抽出するデータの項目

・リードID
・月初のフェーズ(スナップショット)
・月末のフェーズ(スナップショット)
・月中の主な行動(開封・クリック・ページ訪問など)
※多くのMAでは「フェーズ変更履歴」のログが取得できます。設定がない場合はスコアの変化で代替可能です

Step4:フェーズ移行率を計算する

取得したデータをExcelに貼り付け、フェーズごとに集計します。

フェーズ

月初のリード数

翌フェーズへの移行数

移行率

認知→検討

200件

30件

15%

検討→比較選定

85件

12件

14%

比較選定→MQL

35件

8件

23%

フェーズ移行率の読み方と改善への活かし方

計算したフェーズ移行率から、「どこで詰まっているか」を特定します。

状態

考えられる原因と対処

認知→検討の移行率が低い

認知段階のコンテンツが「課題に気づかせる」機能を果たしていない。チェックリスト・業界動向レポートなど、自分ごと化を促すコンテンツを追加する

検討→比較選定の移行率が低い

検討段階で「他社はどうしているか」という比較情報が届いていない。事例コンテンツ・専門家コラムを中盤シナリオに追加する

比較選定→MQLの移行率が低い

最後の一歩を踏み出せていない。ROI事例・サポート体制の説明など「失敗しない」安心感を与えるコンテンツを出口に追加する

全フェーズで移行率が低い

コンテンツとフェーズのズレが全体的にある可能性。カスタマージャーニーの記事を参照してフェーズ×心理×コンテンツの対応を見直す

業界別・属性別に分解して見る

全体のフェーズ移行率だけでなく、業種別・企業規模別・獲得経路別に分解して見ると、「特定のセグメントだけ詰まっている」という発見ができることがあります。

たとえば「製造業のリードは検討→比較選定の移行率が低いが、IT業界のリードは問題ない」という場合、製造業向けのコンテンツが不足しているか、そもそもアプローチが合っていない可能性があります。

まとめ

フェーズ移行率は「(移行したリード数 ÷ そのフェーズのリード数)× 100」で計算します。月次で計算し、移行率が特に低いフェーズを特定することで、「どこに改善投資すべきか」の優先順位が明確になります。

「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために

施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。 こうした課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。 Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。

株式会社Sells up 代表取締役
①スコアリング・KPI設計系
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。KGI逆算によるKPI設計・リードスコアリングの統計的設計・営業連携SLAの構築を含むMA活用支援を、業界・規模を問わず80社以上に提供してきた実績を持つ。Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement SpecialistおよびTableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。