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【保存版】教育業界のマーケティングがわかる!成約率が高まる戦略

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目次

「教育業界向けのマーケティング、どう進めれば選ばれるのかわからない」
「従来の営業手法では成約に至らず、新たな戦略が必要だ」

現在、教育サービスを提供する多くの企業は、厳しい競争に直面しているのではないでしょうか。

少子化による市場の変化や、競合の増加という課題があるなか成約率を高めるには、教育業界ならではの意思決定プロセスを深く理解した戦略的なアプローチが不可欠です。

本記事では、教育業界におけるマーケティングに焦点を当て、基本から実践まで、丁寧に解説します。

【この記事を読むと得られるメリット】

・教育機関向けの効果的なマーケティング戦略が立てられる

・オンラインとオフラインを組み合わせた具体的な施策の全体像がつかめる

・注意すべきポイントをあらかじめ把握できる

教育業界で「選ばれる企業」になるための実践的な知識を、ぜひ貴社のマーケティング活動に活かしてください。

1.なぜ教育業界のマーケティングが重要なのか?

教育業界を取り巻く環境は、この数年で大きく変化しました。学校や教育機関の行動様式が変わり、市場構造も転換期を迎えています。まずは、教育業界におけるマーケティングの重要性を押さえましょう。以下のポイントを解説します。

1. 顧客の情報収集がWeb中心に変化した

2. 意思決定プロセスが複雑化し長期化している

3. 少子化で競争が激化し差別化が必須になった

4. GIGAスクール構想でデジタル化が加速した

1-1.顧客の情報収集がWeb中心に変化した

まず、学校関係者の情報収集の手段が、インターネットによる自主的な情報収集へと変遷したことは、大きな変化です。

かつては、訪問営業や展示会を通じて製品情報を入手していました。現在は、営業担当者と対面する前に、Webサイト・オンライン広告・SNSなどを活用して比較検討が進んでいます。

近年では「商談前に購買判断の多くが完了している」ともいわれます。Web上の情報品質が、意思決定を左右しているということです。

教育機関から選ばれるには、自社サービスがオンライン上で発見しやすく、信頼に足る情報源となっている必要があります。

1-2.意思決定プロセスが複雑化し長期化している

教育機関への営業では、意思決定に複数のステークホルダーが関与します。

学校へのICT教材導入を例にとると、現場教員のみならず、ICT担当者・管理職・教育委員会など、多様な関係者が検討に加わります。

年度予算の確保や稟議など、独自の意思決定フローが存在します。計画変更が難しいため、慎重な検討が行われ、場合によっては、1年以上の検討期間を要するケースも珍しくありません。

さらに公立校では、民間企業を相手にした営業と比べて、一層プロセスが複雑化します。教育委員会や自治体の承認が加わるためです。

この複雑で長期的な購買プロセスに対応するには、マーケティングによる継続的な関係構築が重要となります。

1-3.少子化で競争が激化し差別化が必須になった

日本の少子化は、教育業界に直接的な影響を及ぼしています。15歳未満の子どもの数は減少を続けており、2025年4月1日現在で約1,366万人と44年連続で過去最少を更新しました。

学齢人口の減少により、学校向けサービスや教材の市場は大きな成長が期待しにくい成熟市場となっています。限られた市場を、複数企業が争う構図です。

選ばれる企業が限られていく時代において、自社ブランドの価値を高め、教育機関から「この分野ならこの会社」と認知される存在になることが生き残りの鍵となります。これを実現するのは、マーケティングの力といえます。

出典:統計局「No.145/我が国のこどもの数」

1-4.GIGAスクール構想でデジタル化が加速した

文部科学省が2019年に打ち出したGIGAスクール構想により、学校現場のデジタル環境は大きく進展しました。この構想は、小中学校等の児童生徒に1人1台の端末と高速ネットワークを整備し、個別最適化された学びを実現する国家プロジェクトです。

出典:文部科学省「GIGAスクール構想の推進」

2020〜2021年にかけて、コロナ禍の影響で前倒し実施された面もあり、短期間で全国の公立校へ急速にICT環境が導入されました。デジタル教材への置き換えや校務支援クラウドシステムなど、新規サービスの提案余地が広がっている点は、ビジネスチャンスといえます。

一方で、地域・学校間でICT活用度に差が生じていることや、導入後の教員研修・サポート不足といった課題も浮上しています。

「導入して終わり」にさせないフォロー体制の提案が重要です。マーケティング面では、導入後の運用支援まで見据えたサービス展開をアピールする必要があります。

参考:文部科学省「GIGAスクール構想について」

2.教育業界マーケティングを成功に導く4ステップ

教育業界のマーケティングを取り巻く背景が理解できたところで、ここからはマーケティング戦略立案から実行までのやり方を見ていきましょう。やみくもな施策ではなく筋道立った取り組みが、マーケティングでは非常に重要です。以下の4つのステップに分けて解説します。

1. ステップ1:ターゲット機関と担当者を具体的に定義する

2. ステップ2:年度予算など特有の導入プロセスを理解する

3. ステップ3:信頼を勝ち取るコンテンツ戦略を立案する

4. ステップ4:オンラインとオフラインの施策を組み合わせる

2-1.ステップ1:ターゲット機関と担当者を具体的に定義する

最初に取り組んだほうがいいのは、自社が攻略すべきターゲットの明確化です。

教育業界といっても対象は多岐にわたります。幼稚園・小中高校・大学・専門学校・学習塾など、それぞれでニーズや予算規模、意思決定者が異なります。

【ターゲット定義の重要性】

セグメントの具体化:公立と私立では予算の出所や稟議プロセスが異なるため、「誰に」提供するかの具体化が戦略の出発点となります。

ペルソナの設定:「首都圏の中規模私立中高一貫校でICT推進を担う40代教頭」など具体像を描けば、必要な情報提供の内容やタイミングが明確になります。

集中投下の効果:リソースが限られる中で全方位に手を広げると、どの層にも響かないメッセージになってしまいます。

ターゲット定義では、教育機関の種類・地域・規模・役職・抱える課題領域などの軸でセグメント化すると、整理しやすくなります。

自社の強みとマッチするセグメントに集中し、狙った層から「この分野ならこの企業」と認知されるように活動すると効率的です。

セグメンテーションに関しては、以下の記事もあわせてご覧ください。


BtoBセグメンテーションとは?切り口で悩まない実践方法まで解説

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2-2.ステップ2:年度予算など特有の導入プロセスを理解する

ターゲットが定まったら、教育業界特有の導入プロセスを把握します。とくに公的教育機関では、年間予算のサイクルや支出の仕組みが一般企業とは異なります。

多くの学校法人では会計年度ごとに予算が割り当てられ、設備投資や教材購入は年度初めから前半にかけて行われるケースが多く見られます

【予算サイクルへの対応ポイント】

・タイミングの重要性:公立校では前年度冬から年度末にかけて次年度予算が決まるため、このタイミングを逃すと最長で1年待ちとなる可能性があります。

・入札・稟議プロセス:一定金額以上の案件では入札公告が必要になり、競合各社が提案を行う公開プロセスとなるケースもあります。

・現場負担への配慮:学校現場は長期休暇や学期切替のタイミングでないと、新規ツール導入研修に時間を割きにくい事情があります。

年度予算のサイクルに合わせたキャンペーン展開、補助金情報の提供、柔軟な導入スケジュールの設定など、相手のカレンダーに合わせてマーケティング活動をデザインすることが鍵となります。

参考:東京都教育委員会「契約・入札|組織情報」

2-3.ステップ3:信頼を勝ち取るコンテンツ戦略を立案する

教育業界で成功するには、顧客からの信頼獲得が不可欠です。

その信頼構築に有効なのが、Web上で展開するコンテンツマーケティング戦略です。情報収集中の見込み客に対して売り込むのではなく、役立つ情報提供を通じて「この会社は教育現場を理解している」と感じてもらいます。

【効果的なコンテンツ施策の例】

課題解決型の記事:ターゲットが直面する課題について解説し、その中で自社ソリューションの知見も織り交ぜます。

研究データの提供:教育効果に関するデータや最新トレンドをまとめた資料をダウンロード形式で提供し、リード獲得につなげます。

導入事例の記事化:既存顧客の協力を得て導入背景や効果を記事化します。客観的な成功事例が、強い信頼材料となります。

定期的なメールマガジン:最新の教育ICT施策や他校の事例を継続的に届け、教育業界に貢献したいという真摯な姿勢を伝えます。

重要なのは、コンテンツ作成時に売り込み色を前面に出しすぎないことです。良質なコンテンツは、売り込むことなく自然と顧客の心境や認識に変化をもたらし、信頼関係を醸成します。

教育現場の課題解決に寄り添う情報提供を続けていれば、購買検討の段階で声がかかるようになります。

2-4.ステップ4:オンラインとオフラインの施策を組み合わせる

マーケティング施策は、オンラインだけでもオフラインだけでもなく、両者を組み合わせて相乗効果を狙います。

教育業界においても、Web上での情報提供やリード獲得と、対面での関係構築をバランスよく活用してください。

【ハイブリッド戦略の設計】

オンラインの強み:Web広告なら年齢層・地域・興味関心で詳細条件を絞り込むことができます。無駄な広告費を抑え、効率的に見込み客へ訴求できます。

オフラインの価値:最終的な信頼醸成や契約の詰めは、対面コミュニケーションが決め手になるケースが少なくありません。顔が見える関係を重視する傾向があります。

連携の効果:Webサイトで興味を引き、オフラインで確信に変えてもらう流れや、展示会で顧客の声を聞き、その後ウェビナー招待につなげる連携が効果的です。

「情報収集はオンライン、最終判断はオフライン」の顧客行動パターンに合わせて、アプローチを設計しましょう。オンライン施策で効率よくリード(見込み客)を育成しつつ、要所でオフラインの人的な働きかけを組み合わせれば、成約率の最大化につながります。

3.【オンライン編】教育関係者の信頼を得るWebマーケティング施策

ここからは具体的な施策を見ていきましょう。まずオンラインマーケティング編を解説します。

1. 導入事例で具体的な活用イメージを提示する

2. オウンドメディアで課題解決に貢献する

3. ウェビナーで最新の教育動向や活用法を解説する

4. Web広告で特定の役職者やエリアに絞り訴求する

5. MAツールでリードナーチャリングを自動化する

3-1.導入事例で具体的な活用イメージを提示する

導入事例の公開は、教育業界マーケティングで最も効果的な施策のひとつです。他校での活用実績を示せば、見込み顧客に具体的な導入後のイメージと安心感を持ってもらえます。

【効果的な事例提示のポイント】

実名での紹介:学校名(塾名)・担当者名を出せば信頼性が高まり、談話があればリアリティが増します。可能な限り具体的な情報を掲載してください。

ストーリー構成:導入前の課題、解決策、導入後の成果という流れで示すと、読者が自校の状況と照らし合わせやすくなります。共感を生む構成を意識してください。

定量データの活用:「残業時間が30%削減」「理解度テストの平均点が15点向上」など、数字で語れる成果は担当者に響きます。客観的なエビデンスを示しましょう。

現場の声:担当教員や管理職からのコメントを掲載し、「操作が簡単で好評」「保護者からも評価された」などの生の評価を伝えます。第三者の声は強い説得力を持ちます。


とくに教育業界では客観的エビデンスを重視するため、他校の導入実績による安心感は、導入ハードルを下げる効果があります。導入事例は、製品パンフレットでは語れない「信頼の見える化」の役割があります。

3-2.オウンドメディアで課題解決に貢献する

教育業界向けのオウンドメディアの活用は、潜在顧客との接点を増やし、信頼を醸成するために有益です。教育者の課題解決に役立つコンテンツを発信し、「このサイトはブックマークしておこう」と思ってもらえる存在を目指しましょう。

【価値あるコンテンツ企画の例】

最新動向コラム:プログラミング教育必修化やGIGAスクール後の課題など、教育ICT分野のトレンドをわかりやすく解説します。タイムリーな情報提供が重要です。

現場の疑問に回答:「成績管理を効率化するには?」「オンライン授業で双方向性を高める3つの工夫」など、具体的なノウハウを提供します。実践的な内容であるほど、人気のコンテンツとなります。

専門家インタビュー:教育評論家やICT活用先進校の先生へのインタビューを掲載し、自社メディアの権威性を高めます。外部の視点が信頼を生みます。

自社製品の宣伝だけに偏らず、教育者に純粋に役立つ情報になっていることが重要です。教育関係者が検索しそうなキーワードを意識すれば、SEOを通じて新たなリードを獲得できます。

3-3.ウェビナーで最新の教育動向や活用法を解説する

ウェビナー(オンラインセミナー)の開催は、教育業界マーケティングで大きな効果が期待できます。地理的な制約がないため、全国の教育関係者とつながることができ、自社の専門性を直接アピールできます。

実際にどのようなウェビナーが行われているか知りたい場合は、Xで[教育 ウェビナー]のような語句で検索してみるのがおすすめです。

【魅力的なウェビナーテーマの例】

最新トレンド紹介:「GIGAスクール構想後のICT活用動向」や「海外における教育DX最前線」など、専門家が解説するセミナーです。タイムリーなテーマが集客力を高めます。

製品活用方法の指南:自社ソリューションの具体的な活用法や導入校の事例発表で、実際の顧客に話してもらうのも効果的です。リアルな声が説得力を生みます。

課題解決の議論:「学力格差をどう埋めるか」「生徒の主体性を育む指導法」など、教育者が直面する課題について専門家が語るパネルディスカッションも、人気の出やすいテーマです。

ライブで質問を受け付けたり、投票機能を使ったりして双方向性を持たせれば、参加者のエンゲージメントが高まります。内容は「有益な情報提供8割・自社紹介2割」程度を目安にして、宣伝色が強くならないように配慮しましょう。

3-4.Web広告で特定の役職者やエリアに絞り訴求する

Web広告のターゲティング機能を活用すると、伝えたい相手を絞り込んでメッセージを届けられます。限られた広告予算でも、高い費用対効果を実現可能です。

【有効なWeb広告チャネルの例】

検索連動型広告(リスティング広告):学校関係者が検索しそうなキーワードに対して自社広告を表示し、すでに課題意識を持つ層に直接アプローチします。顕在層への効率的な訴求が可能です。

SNS広告:年齢・地域・興味関心や職業など、詳細にターゲット設定が可能です。精緻なターゲティングが強みです。

リターゲティング広告:自社サイトを訪れたが問い合わせに至らなかったユーザーに、その後も追跡広告を表示して再訪を促します。接触回数を増やすために効果的です。


Web広告は効果測定も容易で、表示回数・クリック率・コンバージョン率などデータを取得し、改善を重ねやすい利点があります。ターゲットに合わせて配信を最適化できることがWeb広告の強みです。

3-5.MAツールでリードナーチャリングを自動化する

教育機関向けの営業では検討期間が長いため、見込み顧客との継続的な関係構築が重要です。

マーケティングオートメーション(MA)ツールを導入すれば、見込み顧客の行動に応じたフォローアップやスコアリングを自動化できます。

※MAツールの効果について詳しくは以下にて解説しています。


【フェーズ別】MAツールの7つの効果と効果を実感するためのポイント

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【MAツールの主要機能】

リード情報の一元管理:学校名・担当者・役職だけでなく、資料ダウンロードやメール開封、ウェビナー参加などの行動履歴を蓄積できます。顧客理解が深まります。

スコアリング機能:特定の行動に点数を付け、自社サービスへの関心度をスコア化し、一定スコア以上の「ホットリード」を営業に引き渡します。優先順位が明確になります。

メール配信の自動化:リードの行動や属性に応じてパーソナライズされたメールを自動送信し、興味に応じたコンテンツ提供を自動化します。効率的な育成が可能です。

MAツールを使えば、長期間にわたって定期的に接点を持ち続けられます。手間のかかる作業が自動化されるため、担当者は価値の高いコンテンツ作成や有望顧客との個別対応にリソースを割けます。

「ツールの活用には興味があるが、どう選べばいいかわからない」という場合には、ぜひSells upにご相談ください。貴社のマーケティング効果を最大化する最適なツールの導入から戦略設計までサポートします。

4.【オフライン編】キーパーソンに直接届けるマーケティング施策

オンライン施策と並行して、オフラインでのアプローチも重要です。以下の施策を解説します。

1. 教育総合展(EDIX)などの大型展示会へ出展する

2. 業界専門誌への広告掲載で権威性を高める

3. 自社セミナーやユーザー会でロイヤルティを向上させる

4. 教材やICT機器の販売代理店と連携する

4-1.教育総合展(EDIX)などの大型展示会へ出展する

教育総合展(EDIX)をはじめとする展示会への出展は、教育業界マーケティングで高い効果を持つ施策といえます。短期間にターゲットとする教育関係者と直接対話できる、貴重な機会となるからです。

【展示会出展のメリット】

新規リードの大量獲得:ブースに立ち寄った学校教員や担当者と名刺交換を行い、一度に大人数のリード情報を収集できます。ビジネスチャンスを広げる絶好の機会です。

製品の実体験提供:大画面モニターでデモを見せたり実機に触れてもらうなど、Webサイトでは伝わりにくい魅力を訴求できます。リアルな体験が、購買意欲を高めます。

市場ニーズの収集:来場者との会話を通じて、現場の課題や要望を直接ヒアリングできます。競合他社への評価なども含め、貴重な情報を得られます。生の声は、マーケティング戦略を立てるうえで重要な情報となります。

EDIXの場合、年に2回、東京・大阪で開催されています。最新情報は「EDIX(エディックス)|教育分野の展示会・イベント」のサイトにてご確認ください。

出展にあたっては、ブースの場所選定や目立つ装飾、スタッフのトレーニングなど周到な計画が必要です。出展後のフォローも重要で、獲得した名刺に対しすみやかにお礼メールや資料送付を行い、商談につなげていきます。

4-2.業界専門誌への広告掲載で権威性を高める

教育専門紙・専門誌への広告掲載は、権威ある場で自社の露出を図り、ブランドの格を上げる効果があります。

教育関係者が定期的に読む媒体としては、「日本教育新聞」「教育家庭新聞」などが挙げられます。

【専門誌広告のメリット】

明確な読者セグメント:全国の幼稚園・小中高・特別支援学校の教職員や教育委員会の関係者にピンポイントでリーチできます。無駄のない訴求が可能です。

権威性の獲得:専門誌に広告を出稿している事実自体が「教育業界で実績のある会社」のイメージにつながります。先生方は専門媒体の情報を信頼する傾向があります。

二次利用の価値:記事紙面をPDFや抜き刷りにして、営業資料やWeb掲載に二次利用することや、プレスリリースとしての活用も検討しましょう(可否は事前に媒体社へ要確認)。

たとえば、展示会と連動させて「EDIX当社ブースにご来場ください」と告知することも、相乗効果が期待できます。タイアップ記事広告や連続寄稿企画などさまざまな形式がありますので、媒体社と相談してみましょう。

4-3.自社セミナーやユーザー会でロイヤルティを向上させる

自社主催のセミナーやユーザー会は、既存顧客との関係強化および見込み顧客の信頼醸成に有効です。教育業界では、導入後のフォローやコミュニティ形成が、導入継続や口コミ紹介につながります。

【自社セミナーやユーザー会の効果】

エンゲージメント向上:ユーザーが自社イベントに参加すれば、自社製品への愛着や理解が深まります。ほかの参加者から新たな活用ヒントを得られる機会にもなります。

継続利用の促進:ロイヤルユーザー(自社に愛着を持つ顧客)ほど離反しにくく、次年度以降も契約を更新し追加導入します。長期的な収益基盤を築くために、ロイヤルティ(信頼や愛着)を高めることは重要です。

口コミ効果:熱心なユーザーは、周囲へ製品を勧めてくれる可能性が高くなります。自然な口コミや紹介が、新規顧客の獲得につながります。

たとえば、基調講演と懇親交流会を組み合わせ、参加者同士や参加者と自社スタッフが直接会話できる時間を設けるのも、良い方法です。オフラインでの関係深化を目指しましょう。

4-4.教材やICT機器の販売代理店と連携する

販売代理店や流通パートナーを活用する戦略も、教育機関向けビジネスでは重要です。全国の学校と取引実績を持つ教材会社やICT機器ディーラーと連携すれば、市場浸透を図れます。

【販売代理店戦略のポイント】

広範なリーチ:学校教材を扱う老舗企業が持つ営業ルートを活用すれば、自社単独ではリーチしづらかった地域や小規模校にも効率よくアプローチできます。販売網の拡大が可能です。

地域に根ざした信頼の強み:教育委員会や自治体と強固な関係を築いている地元業者との協働では、自治体単位の大口案件の獲得も見えてきます。

参入障壁の低減:代理店が売りやすい環境を整えることも大切です。卸値やノルマなどの諸条件で、双方にメリットがある状態を作りましょう。

教材会社やICT機器商社のほか、塾フランチャイズ本部なども連携先として考えられます。

5.教育業界マーケティングで失敗しないための3つの注意点

ここまでさまざまなマーケティング施策をご紹介しましたが、これらが成果を生むかは「戦略設計」の質で決まります。

「施策を実行しても効果がない」という壁にぶつかるのは、「How(やり方)」から着手し、「Why(なぜやるのか)」の戦略設計をおろそかにしたことが原因です。失敗を避けるためには、以下の注意点を押さえましょう。

1. 施策やツールありきではなく「Why」から戦略を設計する

2. 短期的な成果ではなく中長期的な関係構築を戦略の軸にする

3. 信頼獲得の要素を戦略に組み込む

5-1.施策やツールありきではなく「Why」から戦略を設計する

マーケティング施策で成果を出すには、ツールや戦術ではなく戦略から設計する必要があります。どれほど高機能なツールも、戦略が曖昧なまま導入すれば、事業成果に結びつきません。

たとえば、「競合がMAツールを使っているから」という安易な発想で施策を開始すると、目的が不明確なまま活動だけが先行して失敗します。

まずは、「Why(なぜこの施策が必要か)」「Who(誰をターゲットにするか)」「What(何を伝えるべきか)」を明確にする戦略設計が必要です。

「戦略をどう立てればいいのかわからない」というときには、ぜひSells upにご相談ください。Why・What・Whoを明確にするところから伴走し、教育業界のマーケティング戦略の構築をサポートします。

5-2.短期的な成果ではなく中長期的な関係構築を戦略の軸にする

教育機関向けマーケティングでは、中長期的な関係構築を戦略の軸に据える必要があります。短期的な成果ばかりを追い求めると、無理な売り込みで信頼を損ね、長期的な関係構築の機会を失ってしまうからです。

教育業界では意思決定プロセスが複雑化・長期化しており、初回接触から成約まで1年以上を要することが珍しくありません。

認知から導入決定まで各段階で必要な情報提供を整理し、半年から1年のスパンで複数のタッチポイント(顧客接点)を計画的に設計してください。焦らず、営業活動の適切なタイミングを見極めましょう。

他社が短期で追ってフェードアウトするなか、粘り強く寄り添い続ける戦略こそが教育業界で勝つための王道です。

5-3.信頼獲得の要素を戦略に組み込む

教育業界マーケティングでは、信頼獲得の要素をしっかり組み込む必要があります。個人情報保護やアフターサポートを後回しにすれば、成約に至りません。

学校現場は児童生徒の個人情報を扱うため、ベンダーのセキュリティ体制にきわめて厳しい目を向けます。また、「導入後のサポートは本当に充実しているのか」は、意思決定の重要な要素です。

個人情報保護法への遵守やISMS認証取得状況などを明示し、マーケティング段階から「安心して任せられる企業」と印象づけてください。導入時の操作研修や問い合わせ窓口の対応時間など、アフターサポートの詳細も、積極的に伝えましょう。

6.まとめ

本記事では「教育業界におけるマーケティング」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

なぜ教育業界のマーケティングが重要なのか、最初に基本的な背景を確認しました。

1. 顧客の情報収集がWeb中心に変化した

2. 意思決定プロセスが複雑化し長期化している

3. 少子化で競争が激化し差別化が必須になった

4. GIGAスクール構想でデジタル化が加速した

教育業界マーケティングを成功に導く4ステップを解説しました。

1. ターゲット機関と担当者を具体的に定義する

2. 年度予算など特有の導入プロセスを理解する

3. 信頼を勝ち取るコンテンツ戦略を立案する

4. オンラインとオフラインの施策を組み合わせる

オンラインで教育関係者の信頼を得るWebマーケティング施策として、以下を解説しました。

1. 導入事例で具体的な活用イメージを提示する

2. オウンドメディアで課題解決に貢献する

3. ウェビナーで最新の教育動向や活用法を解説する

4. Web広告で特定の役職者やエリアに絞り訴求する

5. MAツールでリードナーチャリングを自動化する

オフライン編でキーパーソンに直接届けるマーケティング施策として、以下を解説しました。

1. 教育総合展(EDIX)などの大型展示会へ出展する

2. 業界専門誌への広告掲載で権威性を高める

3. 自社セミナーやユーザー会でロイヤルティを向上させる

4. 教材やICT機器の販売代理店と連携する

教育業界マーケティングで失敗しないための3つの注意点は以下のとおりです。

1. 施策やツールありきではなく「Why」から戦略を設計する

2. 短期的な成果ではなく中長期的な関係構築を戦略の軸にする

3. 信頼獲得の要素を戦略に組み込む

総じて、教育機関向けマーケティングの核心にあるのは「相手の立場に立った信頼づくり」です。短期的な売り込みではなく、価値ある情報提供と伴走支援によって「頼れるパートナー」と認めてもらうことが、成約へとつながっていきます。

BtoBマーケティングのご相談はSells upへ

Sells upはデータに裏打ちされたマーケティング活動を通じて売上成長を実現するBtoBマーケティング専門のエージェンシーです。 まずはお気軽にご連絡ください。

株式会社Sells up
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。BtoBマーケティングの戦略設計/KPI設計はもちろん、リードジェネレーション施策やナーチャリング、MA/SFA活用を支援し、業界/企業規模を問わずこれまでに約80社以上の支援実績を持つ。Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialist/Tableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。