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「マーケティング戦略の設定にセグメンテーションを行おうとしたが上手くいかない」

「BtoBマーケティングにおいてもやる意味はあるのか?どうやればいいのか?」

自社のマーケティング戦略設計にセグメンテーションを活用しようとしているBtoB事業者の中には、こうした悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

セグメンテーションとは「市場の細分化」のことで、マーケティングの戦略を策定する「STP分析」の要素のひとつです。

BtoB事業者がセグメンテーションを行うことで、

  • 顧客となる企業のニーズを的確に捉える
  • 限られた経営資源を効率よく使える

といった、自社製品の販売戦略の土台固めの効果が期待できます。

ただし、顧客が個人ではなく企業であるBtoB事業においては、業種・職種・企業規模といった「BtoBならではの切り口」を設定することが重要です。

本記事では、BtoBマーケティングにおけるセグメンテーションについて知りたい方に向けて、以下の情報をわかりやすくお伝えします。

  • BtoBマーケティングにおけるセグメンテーションとは何か(定義・効果・BtoCとの違い)
  • BtoB事業におけるセグメンテーションのやり方
  • BtoB事業者がセグメンテーションを行う際の注意点

記事を読んだ後すぐに実践できるよう、具体例を交えながら再現性のあるノウハウをお伝えするので、ぜひ貴社のマーケティング戦略改善にお役立てください。

1.BtoBマーケティングにおけるセグメンテーションとは

まずは、BtoBマーケティングにおけるセグメンテーションがどのようなものかを、以下の順に解説します。

  • そもそもセグメンテーションとは市場を分類すること
  • BtoB事業者がセグメンテーションを行うことで期待できる効果
  • BtoCにおけるセグメンテーションとの違い

実際にセグメンテーションを始める前に、なぜ貴社にとってセグメンテーションが必要なのか・セグメンテーションを通して何を目指すのかを明確にし、その先の戦略や施策設計につながる「ぶれない軸」を定めましょう。

1-1.そもそもセグメンテーションとは市場を分類すること

そもそもセグメンテーションとは「市場を分類すること」であり、自社の対象となる市場を特定の切り口で細分化するマーケティング活動を指します。

BtoBマーケティングは一般的に、以下の3つのステップで進行します。

  • 環境分析
  • 戦略立案
  • 施策の実施

このうち、セグメンテーションは戦略立案フェーズで活用される手法「STP分析」の最初のプロセスです。

つまり、セグメンテーションは数多くあるBtoBマーケティングの工程の中でもごく一部のプロセスであり、「戦略を立てるための素材集め」のような役割を担います。

市場に存在する不特定多数の顧客を属性ごとに分類して「どの顧客層なら勝ち筋がありそうか」といったターゲットの候補を可視化するための作業、とイメージしておくと良いでしょう。

1-2.BtoB事業者がセグメンテーションを行うことで期待できる効果

BtoB事業者がセグメンテーションを行うことで期待できる効果には、次のようなものが挙げられます。

BtoB事業者がセグメンテーションを行うことで期待できる効果
短期的な効果
  • 今までノーマークだった新たな顧客層が見つかる
  • 多様化する企業のニーズが可視化される
    →市場を細分化することで、これまで見えていなかった顧客の属性が可視化され、販売戦略の基盤ができる
長期的な効果
  • 自社にとって有効なマーケティング施策を打ち出しやすくなる
  • 限られた経営資源を効率よく使える
    →セグメンテーション効果というよりは、STP分析やその後の施策実施によって間接的に効果が出る

今日のBtoBマーケティングは

  • 顧客のニーズが多様化している
  • ネットの普及により顧客との接点が増えている
  • 類似商品・サービスの増加により競合他社との差別化が難しくなっている

といった背景から難易度が上がっており、セグメンテーションはこのような課題への打開策として有効な手法です。

実際に、セグメンテーションの活用によってBtoB事業を成功させた企業も存在します。

セグメンテーションの活用によってBtoB事業を成功させた
パソコンメーカーA社の事例

【セグメンテーションの背景】
個人・法人を問わずスペック(品質)競争になっていたパソコン業界において、品質での競争に限界を感じたA社は、「使用する目的・シーン」という新たな切り口を設け、「外回り中にパソコンを使う営業職」というセグメントを新たに設定した

【セグメンテーションの効果】
顧客が移動中にパソコンを使用することを想定し、「長時間駆動」と「軽量化」をテーマに商品開発したところ、新規顧客の獲得に成功した

上記の事例を見てわかるように、セグメンテーションは中長期的な販促効果が期待できるマーケティング手法です。

新規顧客の獲得や売上の向上といったわかりやすい効果が出るまでには時間がかかりますが、戦略を立てずに広告やSNSで手当たり次第にマーケティング活動を行うよりも、効果的かつコスト面のリスクが低いアプローチだと言えるでしょう。

1-3.BtoCにおけるセグメンテーションとの違い

BtoBとBtoCでのセグメンテーションの違いは、一言で言えば「切り口と難易度」です。

BtoCのセグメンテーションが「個人の属性・価値観・行動」を分類するのに対し、BtoBのセグメンテーションでは「企業の構造・課題・意思決定」を軸に分類します。

そのため、個人単位の消費者よりも企業・業界のセグメンテーションはより広範囲かつ複雑になります。

BtoBとBtoCのセグメンテーションの違い
BtoBBtoC

組織の「構造・課題・意思決定」が軸

【例】
・企業規模(売上高・従業員数)
・業種・業界
・社風
・事業内容
・役職(決裁権) 
・業務上の課題
・予算 など

→対象が企業(共通の目標・課題を持つ個人の集合体)であるため、切り口は多岐に渡り構造も複雑

個人の「属性・価値観・行動」が軸

【例】
・年齢
・性別
・ライフスタイル
・価値観
・居住地
・生活の悩み など

→対象が個人(1人の消費者)なので、切り口の各項目の内容は詳細だが分析の構造はシンプル

このような性質の違いから、BtoCと同じやり方でBtoBのセグメンテーションを行うと、意味のないセグメントを量産してしまうなどの失敗を招く恐れがあります。

一般的に広く流通しているセグメンテーションのノウハウはBtoC事業に向けて発信されているものが多いため、失敗を回避するためには「BtoBに特化したセグメンテーションのやり方」を個別に学ぶことが重要です。

※詳しいやり方については、次章「2.BtoB事業におけるセグメンテーションのやり方3ステップ」で解説します。

2.BtoB事業におけるセグメンテーションのやり方3ステップ

ここからは、BtoB事業におけるセグメンテーションのやり方を、3つのステップで解説します。

  • STEP1.市場の切り口を洗い出す
  • STEP2.切り口を評価して絞り込む
  • STEP3.切り口を組み合わせて勝ち筋がありそうな市場セグメントを作成する

できるだけ具体例を交えながら実践的な内容をお伝えしますので、実際にセグメンテーションを行う際のガイドラインとしてご活用ください。

2-1.STEP1.市場の切り口を洗い出す

まずは、市場を分類するための切り口(軸)を思いつく限り洗い出します。

ただし、多くのBtoB事業者がこのステップで行き詰まり

「そもそもどうやって切り口を見つければ良いのかわからない」

「企業の規模や業種以外にどんな切り口を設定すれば良いのか、アイデアが湧かない」

といった状態に陥るケースも珍しくはありません。

そこで、セグメンテーションの切り口を洗い出すヒントとなるのが、「セグメント変数」の4つの分類軸です。

【セグメント変数とは?】

市場を細分化する際に用いる切り口のこと。
・地理的変数
・人口動態変数
・心理的変数
・行動変数
の4つの要素を分類軸として用いるのが一般的

セグメント変数の4要素をBtoBマーケティングに用いると、以下のような切り口を洗い出すことができます。

セグメント変数を用いた、BtoBマーケティングにおける
市場の切り口(一例)
地理的変数

地理的な条件・要素を基準とする市場の切り口

例)
・企業の所在地(国・地方・都道府県)
・気候
・人口密度
・都市化の進展度 など

人口動態変数

客観的な属性を基準とする市場の切り口

例)
・資本金
・売上高
・従業員数
・業界
・業種
・設立年数
・上場/非上場
・経営フェーズ(創業期・成長期・成熟期など)
・事業内容 など

心理的変数

心理的な要素を基準とする市場の切り口

例)
・社風
・経営方針(攻め・守りなど)
・意思決定のスピード感
・新しい商品・サービスの導入に対する価値観(コスト重視・品質重視など)
・決裁権限の有無
・抱えている課題の深刻度 など

行動変数

顧客の行動パターンを基準とする市場の切り口

※BtoBにおいては、業務上の行動や購買までのプロセスが「行動」に該当する

例)
・現状の業務フロー
・利用しているサービス・ツール
・解決しようとしている課題
・商流(メーカー→卸/卸→小売など)
・担当部署 など

BtoB事業者が切り口の洗い出しに行き詰まる原因として考えられるのが、「性別」「年齢」といったBtoC向けのセグメント変数を用いてしまうことです。

BtoBのセグメンテーションでは、上記の表の例に挙げたような「企業の構造・課題・意思決定」を軸とする切り口で分類しましょう。

2-2.切り口を評価して絞り込む

続いては、切り口の評価と絞り込みを行います。

STEP1で洗い出した切り口をすべて採用すると、セグメントが増えすぎてターゲットの絞り込みや戦略の策定が難しくなるため、自社にとって有効な切り口のみに絞り込みましょう。

市場の切り口を評価するには、「4R」と呼ばれる基準が有効です。

【4Rとは?】

セグメンテーションの有効性を評価する4つの基準
・Rank(優先順位):分類した切り口に優先順位をつける
・Realistic(規模の有効性):市場規模が小さすぎる切り口は排除する
・Reach(到達可能性):各切り口に対して商品・サービスを届ける手段の有無を判断する
・Response(測定可能性):効果測定の可否を検討する

実際にSTEP1の表で洗い出した切り口を4Rの基準で評価するとどうなるか、以下の例をご覧ください。

4Rを活用した市場の切り口の評価例
※自社商品が「業務効率化システム」の場合
Rank
(優先順位)
Realistic
(規模の有効性)
Reach
(到達可能性)
Response
(測定可能性)
総合評価
所在地


都心よりも地方がアナログ傾向にあるが、特定の地域への有用性はない

気候××××

×
商品との関連性が極めて低い

資本金


予算の目安にはなるが、実際のニーズは推測の域を出ない

売上高


導入予算・効果測定の指標になりやすい

従業員数


効率化システムとの関連性が高い
省人化等の効果測定がしやすい

業界


業界によって業務フロー・ニーズの特性が大きく異なるため分類の有効性が高い

業種


業務の具体的課題との関連性が高い

設立年数×


「新規」「老舗」という軸では業務効率化のニーズは測れない

上場/非上場


意思決定プロセスや導入余力に関係する

経営フェーズ


新システムの導入タイミングに関係する

事業内容


効率化の対象となる業務が明確になる

社風


新システムの定着率に影響するが、総合的に関連性は低い

意思決定のスピード感


導入の意思決定速度に直接影響する

新しい商品・サービスの導入に対する価値観


導入成功の精度に直接影響する

抱えている課題の深刻度


顧客ニーズに直結する重要な指標だが、測定が難しい

現状の業務フロー


改善できる可能性・ROIの算出がしやすい

利用しているサービス・ツール


自社商品との親和性が図れるが、細分化しすぎる

解決しようとしている課題


導入効果が測定しやすい

担当部署


導入する部署が明確になることで、効果測定がしやすい

上記の例の場合、評価が非常に高い切り口は

  • 売上高
  • 業界
  • 業種
  • 事業内容
  • 担当部署

の5つ、評価が比較的高い切り口は

  • 経営フェーズ
  • 意思決定のスピード感
  • 解決しようとしている課題
  • 抱えている課題の深刻度
  • 新しい商品・サービスの導入に対する価値観
  • 現状の業務フロー

の6つとなりました。

大まかなセグメントに分けたい場合は上の5つのみを切り口に採用し、より細かいセグメントに分けたい場合は下の6つも加えて採用すると良いでしょう。

2-3.STEP3.切り口を組み合わせて勝ち筋がありそうな市場セグメントを作成する

最後は、STEP2で絞り込んだ切り口を組み合わせ、勝ち筋がありそうな市場セグメントを作成しましょう。

セグメント(特定の属性で分けられたグループ)は、複数の切り口を組み合わせて具体化することで作成できます。

例えば、切り口が「部署」であれば「経理・総務・経営層」、切り口が「企業規模」であれば「大企業・中堅企業・中小企業」といったような組み合わせです。


さらに多くの切り口を組み合わせると、以下のようなより細分化されたセグメントが作成できます。

セグメント作成例

創業期の従業員数30人程度のIT中小企業・人手不足に悩んでいる
(経営フェーズ×業界×企業規模×課題)

店舗展開を推進中のサービス業・顧客情報の管理の属人化に悩んでいる
(経営フェーズ×業種×課題)

既存システムに限界を感じている老舗中堅企業
(課題×設立年数×企業規模)

このとき注意しなければならないのが、セグメント作成は切り口が多いほど自由度が高く、意味のないセグメントを量産してしまう等の失敗リスクがあるという点です。

そこで、顧客ピラミッドを活用して「勝ち筋がありそうな市場セグメント」を作成しましょう。

顧客ピラミッドを用いた勝ち筋がありそうな
市場セグメントの作成方法
1.既存顧客のセグメントを作成する

・上顧客
・継続顧客
・新規顧客
・休眠顧客
の顧客情報・購買データを分析し、「自社商品を購入してくれた企業」の属性を洗い出しセグメント化する

2.未来の顧客のセグメントを作成する

どんな属性を持つセグメントが
・見込み顧客
・潜在顧客
となりえるかを、営業部門・マーケティング部門など現場の声を集めながら洗い出す

これでセグメンテーションに必要な作業が全て完了となり、この先はどのセグメントをターゲットにするか選定する「ターゲティング」の作業へと移行します。

※セグメンテーションと併せてターゲティング・ポジショニングも行いたい場合は、STP分析について網羅的に解説した以下の記事をご覧ください。

>>「stp 分析 btob」

3.BtoB事業者がセグメンテーションを行う際の注意点

ここからは、BtoB企業がセグメンテーションを行う際の注意点を3つ紹介します。

  • 「自社にとって都合が良いセグメント」を設定しない
  • 切り口の正しさを追求しすぎない
  • 分ける価値がないセグメントは切り捨てる

BtoB事業者がセグメンテーションを行う際、一般的なBtoC向けのノウハウをそのまま流用すると、意味のないセグメントを量産してしまうなどの失敗リスクがあります。

失敗を回避するためにどのようなことに気を付ければ良いのか、本章で詳しく解説するので、ぜひ実践前にご一読ください。

3-1.「自社にとって都合が良いセグメント」を設定しない

BtoB企業がセグメンテーションを行う際にまず注意しておきたいのが、「自社にとって都合が良いセグメント」を設定しないという点です。

企業規模や業界を切り口にセグメントを作成する際、将来の利益を最大化させようと

「この業界は今後成長するから売りたい」

「単価の高い大企業と契約したい」

といった「希望ベース」で要素を洗い出してしまいがちですが、「自社が売りたい相手」と「実際に商品・サービスを買いたいと思ってくれる相手」が一致するとは限りません。

例えば「今後成長しそうだから」という理由だけで「IT業界×スタートアップ企業」を主要セグメントに据えた場合、実際には組織体制が未整備で導入に慎重な企業が多く顧客獲得につながらないケースがあります。

このように、自社にとって都合が良いセグメントばかりを設定してしまうと、実際の市場ニーズとズレが生じて「誰にも刺さらないマーケティング戦略」になる恐れがあります。

切り口の設定・セグメントの作成を行う際は、市場にどんな属性が存在するかを「希望ベース」ではなく「推測ベース」で考えるよう注意しましょう。

3-2.切り口の正しさを追求しすぎない

切り口の正しさを追求しすぎないというのも、BtoB企業がセグメンテーションを行う際の注意点です。

セグメンテーションは、マーケティングのフレームワークの中のごく一部のプロセスであり、「戦略を立てるための素材集め」のような役割を担います。

そのため、「この切り口は的外れではないか」「正しく評価できていないのではないか」といった心配をするよりも、広い視野で多角的にアイデアを出すことの方が重要です。

はじめから「正解」を出そうとすると、発想が凝り固まり、かえってアイデアが出づらくなる恐れがあります。

例えば、部署別のセグメントを作る際に「自社商品を利用するのは経理部に違いない」と決めつけてしまうと、それ以外の部署に眠っている未開拓の顧客を見逃してしまうかもしれません。

顧客像の精度を高める作業は次の工程のターゲティングで行うので、セグメンテーションではあくまで顧客像を掴むための手がかり集めに集中し、正しさを追求しすぎないようにしましょう。

3-3.分ける価値がないセグメントは切り捨てる

BtoB事業者がセグメンテーションを行う際の注意点、最後は「分ける価値がないセグメントは切り捨てる」です。

2つめの注意点では正しさを追求しすぎないことの重要性をお伝えしましたが、一方であまりにも不正解(=価値の低い)セグメントを設定すると、どれだけ細かく分けても意味がなく、非効率になってしまいます。

分ける価値がないセグメントとは一体どのようなものなのか、以下の例をご覧ください。

分ける価値がないセグメントの例

類似セグメントと差がほとんどない

「人手不足に悩む企業」と「業務の効率化を目指す企業」など

そもそも自社が価値提供できない

自社商品が「小ロット向け自動化装置」であるにもかかわらず、大規模工場や物流センターをセグメントに入れるなど

市場規模が小さすぎる・不透明(リサーチできない)

日本全国に数社しか存在しない業界など

こういった分ける価値がないセグメントの発生は、前章「2-2.切り口を評価して絞り込む」の4Rで正しく評価できればある程度防ぐことができますが、セグメント作成後にも改めてチェックするようにしましょう。

4.セグメントの設定にお悩みなら「Sells up」にご相談ください

セグメンテーションはマーケティング戦略の見直しに有効な手法ではありますが、BtoBマーケティングを根本から改善し成果を出すには、環境分析・戦略立案・施策の実施といったやらなければならないことが膨大にあります。

ここまで記事を読んで

「セグメンテーションを実践したところで、設定したセグメントの切り口が適切かどうか判断できない」

「洗い出したセグメントが的外れではないか、第三者の意見が聞きたい」

と感じた場合は、データ分析でBtoBマーケティングの支援を行う「Sells up」にご相談ください。

Sells up社の強みは、マーケティングのあらゆる課題を解決できる「客観的なデータに基づいた戦略立案」と「多角的なマーケティング施策」です。

顧客の事業ステージや課題に合わせて、広告運用、コンテンツマーケティング、MA活用などを組み合わせ、リード獲得から顧客化までを一気通貫で支援します。

Sells upが解決できる課題(一例)

・「勝ち筋がありそうな市場」がわからず、顧客セグメントを特定できない
→K-means法によるクラスタリングやRFE分析により、行動データに基づいた統計的に意味のある顧客セグメントを特定

・どの顧客に、どのコンテンツが、どのタイミングで響くのかが不明確で、施策が手探り状態になっている
→眠っている顧客データや商談履歴を分析し、「勝てる」戦略のロードマップを策定

・施策を試しては成果が出ず別の施策を試す、といった「手あたり次第の改善」に効果が出ない
→各施策の成果をデータで可視化しPDCAサイクルを回すことで、無駄なコストを削減

・実施している施策が多岐にわたり、それぞれの投資対効果が正確に評価できない
→施策ごとのROIを算出し、マーケティングに投資したコストが最終的にどのように売上に貢献したかを客観的に証明

このように、Sells upのマーケティング支援は、多くのBtoB企業が陥っている「勘や感覚に頼った成果の出ないマーケティング活動」を「勝てる仕組み」へと変革します。

支援を受けることで、根拠のある顧客セグメントの特定はもちろん、STP分析以外の貴社に合ったマーケティング戦略の提案も受けられます。

以下は、実際にSells upが手掛けたBtoBマーケティング支援の事例です。

Sells upが手掛けたBtoBマーケティング支援事例
1.株式会社CLUEさま

数名の営業担当者を中心に営業活動はできており、プロダクトのPMFも達成はできていたものの、社内にマーケティングの知識がなかった株式会社CLUEさま。

まずは、過去に蓄積していたお客さまのデータやサービスサイトへのアクセスログなどを参考に、各施策ごとの目標数値・マーケティングKPIを設計。

並行して、過去の配信データやユーザーからのリアクションをもとに運用型広告のコミュニケーションやアカウントを設計し、どの媒体のどの広告枠に、入札単価をいくらで設定し、どのようなクリエイティブで配信するかといった運用を実施。

広告のランディング先となるLPは、インサイドセールスやフィールドセールスがお客さまとコミュニケーションする中で得られたインサイトや課題感をLPのクリエイティブに落とし込み、お客さまの課題解決に焦点を当てたLPになり、安定してリードを獲得できています。

関連記事:「戦略立案、施策の実行、そして人材育成。非連続な成長を続けるスタートアップのマーケ立ち上げとその裏側

2.株式会社日本テレビアートさま

テレビ業界全体の市場変化から、事業と収益源の多角化を模索していた日本テレビアートさま。強みである“デザインの力”を活かした新規事業を立ち上げるにあたり、新しいお客さまとの接点の創出と販路の拡大をSells upが支援しました。

まずは施策を検討する期間として約10ヶ月を割き、どんなサービスを展開していくのか言語化していく作業に着手。日本テレビアートさまが得意としていること、過去に手掛けてきた実績を見直し、そこから新規サービスのフックを見つけていきました。

その後はMeta広告(Facebook広告)でリードを獲得していきつつ、並行してサービス資料やLPの作成、長期的な成果が見込めるWebサイトの改修とコンテンツマーケティングの立ち上げを進めました。

施策開始直後は、Webや動画、LP、ロゴといったデザイン制作といったサービスを展開していたものの、現在ではもっと上流の工程である企業のCIやブランディングのご相談も少しずつ増えてきており、デザインによる幅広い課題解決サービスに成長しています。

関連記事:新規事業の舞台裏。広告予算10万円で毎月100件のリードを創出し、顧客に“デザインの力”を届けるまで

セグメンテーションをはじめとしたマーケティング戦略の設計にお悩みの場合や、客観的な視点からサポートを受けたいとお考えであれば、まずは一度お問い合わせください。

5.まとめ

最後に、本記事の重要ポイントをおさらいします。

▼BtoBマーケティングにおけるセグメンテーションとは

【そもそもセグメンテーションとは?】
自社の対象となる市場を特定の切り口で細分化するマーケティング活動のこと
→市場に存在する不特定多数の顧客を属性ごとに分類して「どの顧客層なら勝ち筋がありそうか」といったターゲットの候補を可視化するための作業

【BtoB事業者がセグメンテーションを行うことで期待できる効果】
・今までノーマークだった新たな顧客層が見つかる
・多様化する企業のニーズが可視化される
・自社にとって有効なマーケティング施策を打ち出しやすくなる
・限られた経営資源を効率よく使える

【BtoCにおけるセグメンテーションとの違い】
BtoB:組織の「構造・課題・意思決定」が軸
BtoC:個人の「属性・価値観・行動」が軸

▼BtoB事業におけるセグメンテーションのやり方3ステップ

・STEP1.市場の切り口を洗い出す
・STEP2.切り口を評価して絞り込む
・STEP3.切り口を組み合わせて勝ち筋がありそうな市場セグメントを作成する

▼BtoB事業者がセグメンテーションを行う際の注意点

・「自社にとって都合が良いセグメント」を設定しない
・切り口の正しさを追求しすぎない
・分ける価値がないセグメントは切り捨てる
→顧客のターゲットを無理に絞り込もうとせず、部署を超えて自由にセグメントを洗い出すことで、これまで見落としていた新たな顧客層の開拓に繋がる

本記事の内容が、貴社のマーケティング戦略の参考になりましたら幸いです。