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SalesforceリードスコアリングとAccount Engagement設定|MQL閾値・スコア減衰・営業連携SLA設計まで解説

SalesforceリードスコアリングのMQL閾値設計とAccount Engagement営業連携SLA構築

ツールの設定よりも、「何をどう設計するか」で成果が変わります

HubSpot・Account Engagement・Marketoに精通した担当者が、 ツールの設定支援だけでなく、リード育成シナリオやスコアリング設計まで一貫してサポートします。 まずは現状のツール活用状況をお聞かせください。

目次

Salesforceのリードスコアリングとは、Account Engagement(旧Pardot)やEinstein(AI型)を使って見込み客の行動スコアと属性スコアに点数を付け、そのスコアをもとに営業の優先順位を判断する仕組みを指します。

弊社にご相談いただく企業では、スコアリングそのものの設計はされているものの、「何点になったら営業に渡すのか」という閾値や、SLA(マーケと営業の引き継ぎルール)が決まっておらず、その段階で運用が止まってしまっているケースが大半です。

本記事では、EinsteinとAccount Engagementの違い、MQL閾値の考え方、スコア減衰の設計、SLAの作り方まで、現場でそのまま使える具体的な手順をご紹介します。

SalesforceのリードスコアリングがMAに不可欠な理由

リードスコアリングとは、見込み客の行動履歴や属性情報に点数を付けて購買確度を数値化し、営業が優先的にアプローチすべきホットリードを見極めるための仕組みです。中でも大事なのは、

  1. 行動スコア
  2. 属性スコア
  3. その2つを合わせた総合スコア

の3層で管理することです。

スコアリングをきちんと設計すると、マーケティングと営業のあいだに共通のものさしができ、「誰に・いつ・どのタイミングでアプローチするか」といった判断が担当者の勘や経験だけに頼らなくなります。一方でスコアリングがないと、営業はハウスリストの上から順番に電話するしかなく、温度感の低いリードに時間を割いてしまい、本来優先すべきリードへの連絡が後回しになりがちです。

リードスコアリング全体の考え方については、リードスコアリングの全体設計も併せてご覧ください。

行動スコアと属性スコアの2軸とは何か

行動スコアは、見込み客がWebサイトやメール、フォームなどで取った行動に対して付ける点数です。たとえば、価格ページの閲覧、資料ダウンロード、問い合わせフォームの送信などが代表的な対象です。

属性スコアは、役職や企業規模、業種といった静的な情報にもとづく点数です。BtoBマーケティングでは、部長以上の役職、ターゲット業種、従業員数100名以上といった条件を満たす場合に加点するケースが多く見られます。

2つの軸を分けて管理するのは、行動スコアだけだと「採用候補者」や「競合の調査目的のアクセス」を取りこぼしやすく、逆に属性スコアだけだと「検討意欲は高いが失注リスクも高い相手」を見抜きにくいからです。属性と行動の両方を満たした場合にMQL(マーケティング・クオリファイド・リード)とみなすことで、より精度の高い判定ができます。

スコアリングが活用されない組織に共通する課題とは

スコアリングを作ったのに使われない状態に陥る理由は、おおまかに次の3つに分けられます。

  1. 行動スコアの設計が感覚頼みで、メール開封のような購買シグナルの弱い行動に点数を盛りすぎている
  2. MQLの閾値が決まっておらず、「何点になったら営業に渡すのか」が曖昧なままになっている
  3. 営業側にスコアの意味がきちんと伝わっておらず、SLAもないため、せっかくのスコアが日々の活動に活かされていない

弊社がご支援している企業では、③のパターンが目立ちます。細かくスコアを設計しても、営業が「このスコアは何を示しているのか」を理解できていなければ、結局ハウスリストの上から順に電話するスタイルに戻ってしまいます。スコアリングの見直しとSLAの設計は、セットで進めることが前提だと考えてください。

SalesforceにおけるリードスコアリングのEinsteinとAccount Engagementの違い

Salesforceでリードスコアリングを行う方法としては、大きくEinstein(AI型)とAccount Engagement(ルールベース型)の2つがあります。どちらが優れているかではなく、自社のデータ蓄積の状況に応じて使い分けることが大切です。ここを混同したまま設計を進めると、「スコアの意味」があいまいになり、営業との連携がうまく回らなくなります。

比較項目Einstein リードスコアリング(AI型)Account Engagementスコアリング(ルールベース型)
スコア付与方法機械学習で過去の成約パターンを自動分析担当者が行動・属性ごとにルールを設計し、手動で設定
モデルの更新モデルは10日ごとに再学習。スコアは少なくとも数時間ごとに更新ルールの変更時にのみ更新(手動)
設定の主体AIが自動で学習し、人的な設計は最小限マーケティング担当者がロジックを考え、設定する
向いている企業フェーズ過去200日以内に1,000件以上のリードと120件以上の成約実績がある成熟フェーズ顧客データを蓄積している途中の成長期・立ち上げ期
利用可能なエディションSales Cloud EinsteinとしてEnterprise・Performance・Unlimitedで利用可能。Performance/Unlimitedには一部Einstein機能が標準で含まれるAccount Engagementの各プランで利用可能
ロジックの透明性スコアに影響した要因は表示されるが、AIの判断プロセスすべてを追うことは難しいどの行動に何点付くかをすべて明示できる

Einstein リードスコアリングの仕組みとはどのようなものか

Einstein リードスコアリングは、Salesforce上で過去の取引開始・失注データを学習し、今のリードが「成約しやすいパターン」にどの程度当てはまるかをスコアとして表示する機能です。各リードの画面には、スコアにプラス・マイナスの影響を与えている要因も表示されるため、営業担当者は「なぜこのスコアなのか」をその場で確認できます。

Einsteinのモデルは10日ごとに再学習され、スコア自体も数時間おきに更新されます。そのため、市場環境の変化や新しい成約パターンが出てきても、自動的にモデルが追随します。一方で、自社のデータがまだ少ない段階では、Salesforceが複数の顧客から集めた匿名データをもとにしたグローバルモデルが使われます。自社固有の傾向を反映させるには、一定量の成約データが蓄積されていることが前提です。

Account Engagementのスコアリングモデルとはどのようなものか

Account Engagementのスコアリングモデルは、マーケティング担当者が行動ルールを定義し、行動や属性ごとに点数を割り振ることで購買確度を数値化する仕組みです。メールのクリック、Webページの閲覧、フォームの送信など、一つひとつの行動に対してスコアを設定できます。

スコアは「スコアリングルール」でまとめて設定できるほか、「オートメーションルール」や「完了アクション」を使えば、条件を組み合わせた加点も可能です。さらに複数の製品ラインや事業部を持つ企業の場合、「スコアリングカテゴリ」を使って、製品Aと製品Bへの関心度をそれぞれ別のスコアとして管理することができます。

どちらをいつ使うべきか:フェーズ別の判断軸

弊社のこれまでの支援経験からおすすめしているのは、データが十分にたまっていない段階ではまずAccount Engagementのルールベース型で仮説を立て、ある程度の成約実績がたまってきたらEinsteinを追加・併用していく、という進め方です。

Account Engagementで作り込んだスコアリングルールは、いわばEinsteinに学習させる前段階の「仮説モデル」として機能します。どのツールを使うにしても、「どの行動を購買シグナルとして重視するか」が曖昧なままでは、スコアリングはすぐに形骸化します。最後にものを言うのはツールそのものではなく、設計の質です。

Account Engagementのリードスコアリング設定の実践手順

Account Engagementでスコアリングを設計する際は、Step.1〜Step.3の順番で進めるとスムーズです。特に意識していただきたいのは、

  1. 先に購買プロセスを可視化してから行動を定義すること
  2. 高・中・低の3段階でスコアにメリハリをつけること
  3. スコアリングカテゴリを使って複数製品に対応できる設計にすること

の3点です。

この順番を飛ばして、いきなりスコアリングルールだけ設定してしまうと、営業との共通認識が取れず、「スコアはあるのに誰も見ていない」という状態になりやすいので注意が必要です。

Step.1:スコアリングルールのカスタマイズ|ベースライン設計

Account Engagementには、メールのクリックやフォーム送信、Webページ閲覧といった行動に対して、あらかじめデフォルトのスコアリングルールが用意されています。現在のデフォルトでは、メール開封にはスコアが0点となっていますが、多くの企業が独自に5点・10点といった点数を上乗せしてしまい、開封だけでスコアが積み上がりすぎる、という状況がよく起こります。

メール開封は、あくまで「受信ボックスで目に入った」程度のシグナルでしかありません。弊社がBtoB SaaSを中心とした支援先で行動スコアと受注確度の関係を分析したところ、価格ページやサービス詳細ページへの訪問は購買との関連が強く、資料ダウンロードもそれに次ぐ傾向が見られました。一方で、メール開封単体の関連性は低く、1〜2点程度に抑えるのが現実的だと考えています。

以下は、弊社の支援先データをもとにした行動別スコアの一例です。あくまで参考値なので、自社の成約リードの行動履歴と照らし合わせながら調整してください。

行動カテゴリ具体的な行動例設計例(参考値)設計の考え方
購買シグナル(高)問い合わせフォーム送信・製品デモ申込・見積依頼+50〜100点明確な導入検討のサイン。スコア閾値を一気に超えるイメージ
購買シグナル(高)価格ページ・サービス詳細ページへの訪問+15点成約リードに共通して見られる行動パターン
購買シグナル(中)資料ダウンロード・ホワイトペーパー取得+20点比較検討段階への移行がうかがえる行動
購買シグナル(中)導入事例ページ閲覧・課題解決ウェビナー参加+10点情報収集段階。ナーチャリング継続の対象
購買シグナル(低)メールのクリック(CTR)+5点関心の入り口にいる状態。単独では判断材料としては弱い
購買シグナル(低)メール開封+1〜2点過剰に点数を乗せるとスコアインフレの主因になりやすい

Step.2:オートメーションルールと完了アクションによるスコア調整

基本的なスコアリングルールに加えて、「この条件がそろったら追加でスコアを足したい」といった複合的な条件には、オートメーションルールを使うのが便利です。たとえば、「フォームを送信していて、なおかつホワイトペーパーもダウンロードしている」といった条件を満たしたときに、追加で50点加算する、といった設定ができます。

Account Engagementのオートメーションルールでは、「すべてに一致」で複数条件を組み合わせ、「プロスペクトのスコアを 50 点加算」のようにアクションを指定します。完了アクションはフォームやランディングページ単位で個別に設定するのに向いており、特定の製品デモ申込フォームだけ追加加点したい、といったケースで重宝します。

展示会やセミナーの参加者リストをインポートする際には、CSVに「スコアに追加」という列を用意しておけば、一括でスコアを加算することも可能です。弊社がご支援したCLUE様では、この仕組みを活かして、行動トリガーにもとづいてインサイドセールスへ自動連携されるフローを細かく設計しました。


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Step.3:スコアリングカテゴリの設定|複数製品・複数事業対応

スコアリングカテゴリは、複数の製品ラインや事業部を持つ企業が、製品ごと・事業ごとに独立したスコアを管理するためのAccount Engagementならではの機能です。コンテンツをフォルダーごとに整理し、そのフォルダー単位でスコアリングカテゴリと紐づけていきます。カテゴリごとのスコアは、全体スコアとは別枠で記録されます。

具体的な設定手順については、スコアリングカテゴリの具体的な設定手順で詳しく解説しています。

たとえば、多数のアプリケーションを展開するSmartHR Plusのようなサービスでは、アプリごとにコンテンツフォルダーを分け、それぞれにスコアリングカテゴリを設定することで、「どのアプリに関心が集まっているか」をスコアとして把握できます。弊社がSmartHR様をご支援した際は、Account Engagementの初期設定からスタートし、約1ヶ月で初回のメルマガ配信を実現。その後1年間で問い合わせ数が約10倍に増える結果につながりました。


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MQL閾値とSLAの設計方法|スコアは何点で営業に渡すか

MQL(マーケティング・クオリファイド・リード)は、マーケティング部門が定めた基準を満たし、「営業がアプローチすべき」と判断されたリードを指します。押さえておきたいポイントは、

  1. 行動スコアか属性スコアの片方だけで判定しないこと
  2. スコアの閾値にきちんと根拠を持たせること
  3. SLAで引き継ぎ方法を文書化しておくこと

の3つです。

この設計がないと、スコアは「ただの数字の一覧」になってしまい、営業との連携も絵に描いた餅になりがちです。

MQL判定の2軸設計とは何か|属性スコア×行動スコアのAND条件

MQLの2軸設計とは、属性スコアと行動スコアの両方が一定の基準を超えたときに初めてMQLとみなす、という考え方です。たとえば、属性スコアだけが高い場合(ターゲット企業からのアクセスだが、まだ検討意欲は低いケース)や、行動スコアだけが高い場合(自社の採用候補者など関係者のアクセスが混ざっているケース)は、片方だけでは誤判定につながりやすくなります。

弊社が支援してきたBtoB SaaSを中心とする80社以上での分析結果の一例として、属性スコア20点以上かつ行動スコア40点以上というAND条件は、MQLの誤検知を抑えながら、商談化率を維持しやすい設計値として機能しました。ただし、最適なラインは業種や商材、検討期間によって変わります。自社の成約リードの属性と行動履歴をもとに初期値を設定し、四半期ごとに商談化率を見ながら見直していく運用をおすすめします。

MQL判定の設計や運用の詳細は、MQL判定基準の設計と運用も参考にしてください。

SLAをリードスコアリングに組み込む方法とは

SLA(Service Level Agreement)は、マーケと営業のあいだで取り決める「リードの定義」「引き渡しの条件」「フォローの仕方」などのルールをまとめた合意文書です。最低限、次の5点は盛り込んでおくとよいでしょう。

  1. MQLの定義:「業種が製造業かつ役職が部長以上、かつ価格ページ閲覧済み、かつ行動スコア40点以上」など、誰が読んでも解釈がぶれないレベルまで具体的に定義する
  2. リード引き渡しのプロセス:Salesforce上のリードステータスの変え方や担当者アサインの方法、共有すべき情報を決めておく
  3. 初回フォローアップのルール:引き渡し後、何時間以内に、どの手段で初回コンタクトするかを決める(弊社が支援した企業では「10分以内」を目安にしてアポ獲得率が改善した例が多くあります)
  4. フィードバックの方法:成約・失注・不適合などの結果をマーケティング側にどう返すかを取り決める(スコアリングの改善に直結します)
  5. 定期レビューの場:月次または四半期に一度、マーケと営業の責任者が集まり、SLAの運用状況を一緒に振り返る定例会を設ける

SLAの真価は、立派なドキュメントが完成することではなく、その作成プロセスを通じてマーケと営業が同じテーブルで議論し、「何を良いリードとみなすのか」の認識をすり合わせられる点にあります。弊社の支援先でも、SLAをきっかけに部門間の信頼関係が改善し、スコアリングの活用度合いが高まった例が数多くあります。

スコア減衰とスコアリセットの設計

スコア減衰とは、一定期間行動が見られないリードのスコアを自動的に下げる仕組みです。「時間がたつにつれて、過去の行動の価値は薄れていく」という前提をルールに落とし込むことで、同じスコアでも「最近動いているリード」をきちんと優先できるようになります。

スコア減衰の設定がないと、過去に高いスコアを持っていたものの、その後は関心が薄れているリードがいつまでも営業の優先リストに残ってしまいます。「半年前に資料DLだけして、その後一切動きのないリード」に何度も電話してしまう、といった状況は、多くの現場でよく見られるパターンです。

スコア減衰の設計方法とは何か

スコア減衰は、時間の経過に応じてスコアを自動で引き下げることで、購買シグナルの鮮度を管理するための設計です。以下は、弊社支援先での実績をもとにした一例です。

経過期間参考スコア変動運用上の考え方
30日間Webサイト訪問なし−5点関心がやや落ち始めた段階。ナーチャリングは継続しつつ様子を見る
60日間Webサイト訪問なし−15点休眠に近づきつつある状態。ナーチャリング専用リストへの移行を検討
180日間非活動(Web訪問・メールクリックなし)−30点完全な休眠に近い状態。再活性化キャンペーンへの投入候補
採用ページ閲覧−10点求職者の可能性が高いため、営業対象からは一段下げる
メール配信停止(オプトアウト)−50点明確な関心喪失のサイン

このような減衰を取り入れた結果、ホットリードの取りこぼしが減り、営業のアプローチ効率が改善したケースが複数あります。弊社では、スコアが高くても最後の行動から90日以上空いているリードは優先度を下げて扱う、といった運用を推奨しています。

スコアリセットが必要なケースとはどのような場合か

スコアリセットは、特定の条件を満たしたプロスペクトのスコアをゼロに戻す設計です。主な対象としては、

  1. 競合他社の担当者
  2. 自社の社員やインターン
  3. 学生・求職者
  4. 一定期間、特定の行動条件をまったく満たさない非活性リード

などが挙げられます。

Account Engagementでは、オートメーションルールでリセットできます。ただし、スコアリングカテゴリのスコアは手作業で個別に修正できないため、リセットはオートメーションルールや完了アクション経由で行う必要があります。条件があいまいなままだと、有望なリードまでリセットしてしまうおそれがあるので、営業ともすり合わせたうえでしっかり定義してください。

弊社支援事例に見るリードスコアリング活用の実際

ここからは、弊社の支援事例の中から、リードスコアリングがうまく機能した2つのケースをご紹介します。どちらの企業も、「スコアリング設計」と「営業連携(SLA)」を同時並行で進めたことが成果につながった共通点があります。

事例①:SmartHR様|1年間で問い合わせ数約10倍

株式会社SmartHR様が展開する「SmartHR Plus」は、2023年12月に正式リリースされたBtoB向けアプリストアサービスです。Account Engagement(旧Pardot)は導入済みだったものの、運用経験のあるマーケターが社内におらず、初期設定の段階で悩まれていました。弊社が2023年7月から初期設定の支援に入り、およそ1ヶ月で最初のメルマガ配信までこぎつけました。

40以上のアプリを展開するサービスという性質上、毎週、性質の異なる各アプリについて、ターゲット像の定義やタグ設計、メール文面の作成までを一気通貫で対応しました。2024年1月からはSmartHRユーザーの行動データをもとにしたトリガーメール配信を開始し、2024年3月にはAccount Engagement上に全アプリ向けの問い合わせフォームを整備。結果として、マーケティングチーム全体で掲げていた問い合わせ数の目標が、この1年間で約10倍まで伸びました。


1年間で約10倍の問い合わせ数を獲得!急成長のマーケチームを支えたMA活用支援の裏側に迫る

SmartHR Plusのプラットフォーム事業部が、Account Engagement導入初期にSells upのMA活用支援を活用した事例。社内知見ゼロの状態からトリガーメール・スコアリング設計・40超のフォーム構築まで一貫支援し、1年で問い合わせ数約10倍を達成。マーケチーム立ち上げ期にMA成果を最速で出す支援の全貌を公開。

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事例②:CLUE様|行動スコアを活用したインサイドセールスへの自動連携

株式会社CLUE様は、2019年時点では社内にマーケティングの専任者がいない状態からのスタートでした。弊社は、Account EngagementとSalesforceの選定から導入、初期設定、活用の定着まで、約5年間継続してご支援しました。

スコアリング設計では、「3日連続でサービスページに訪問しているユーザー」を行動スコアで検知し、その情報をインサイドセールスに自動で引き渡す仕組みを構築しました。「訪問が続いている=購買シグナルが強い」という判断を、担当者の勘に頼らず即時に反映できるようになったことが、営業の動きを変える大きなきっかけになりました。

5年間の取り組みの中で、「営業が自分の足でリードを獲得する」状態から、「マーケの施策でリードを安定的に創出し、インサイドセールスがフォローする」状態へと変革し、インサイドセールスチームの立ち上げにもつながりました。


戦略立案、施策の実行、そして人材育成。非連続な成長を続けるスタートアップのマーケ立ち上げとその裏側

取り組みがスタートした2019年当時、株式会社CLUEでは営業活動は進められていたものの、社内にマーケターが不在だったことからマーケティング施策に取り組めないという課題を抱えていました。そこでマーケティング戦略の立案から施策の実行、インサイドセールスチームの立ち上げまで幅広い支援サービスをご提供させていただきました。

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リードスコアリングが形骸化する3つの原因と対処法

リードスコアリングが形骸化している状態とは、「スコアリングを作ったものの、営業シーンでほとんど参照されていない」「スコアを見ても行動が変わらない」といった状況を指します。背景には、大きく分けて次の3つの要因があります。

原因①:行動スコアの設計が感覚値に依存している

スコアリングがうまく機能しない理由としてよくあるのが、「どの行動をどれくらいの購買シグナルとみなすか」が、担当者の感覚だけで決まっているケースです。「とりあえずメール開封にもスコアをつけておこう」と軽い気持ちで設定した結果、数ヶ月後には開封スコアが積み重なりすぎて、営業から「スコアが高いのにまったく案件化しない」と言われてしまう、というのはよくあるケースです。

これを避けるには、過去の受注リードと失注リードの行動履歴を比べて、「どの行動が受注に効いているか」をデータから見にいくことが重要です。弊社の支援先でも、価格ページの閲覧や資料ダウンロードといった「能動的な関心行動」と、メール開封のような「受動的な反応」をスコア設計の段階で意図的に分けることで、MQL判定の精度が上がった例が複数あります。

原因②:営業側にスコアの意味が伝わっていない

どれだけ丁寧にスコア設計をしても、営業が「このスコアが何を意味しているのか」を理解していなければ、スコアは見られません。「スコア60点だから連絡してと言われても、なぜこの人なのかが分からない」と感じてしまう状況は、スコアの読み方が共有されていないときに起こります。

対策としては、SLAの策定とセットで「スコアをどう読み解くか」を営業に共有する場を持つことです。たとえば「スコア40点以上は、直近で価格ページを見ている可能性が高い」「スコア80点以上は、問い合わせフォームまでのアクセスが確認できる水準」といった形で、スコアと具体的な行動を紐づけて説明すると、現場の納得感が高まります。ナーチャリングとスコアリングの連携については、ナーチャリングとスコアリングの連携設計も参考にしてみてください。

原因③:PDCAが回っていない|スコア設計の固定化

スコアリングルールは、一度作って終わりではなく、市場環境や自社の営業プロセスの変化に合わせてアップデートしていく前提で考える必要があります。少なくとも四半期に一度は、「スコアが一定値以上のリードの商談化率」と「失注リードに共通するスコアや行動」を、マーケと営業で一緒に振り返る機会を持つとよいでしょう。

こうしたレビューの場がないと、最初の仮説で決めたスコアリングがそのまま固定化されてしまいます。「スコアリングは仮説であり、運用を通じて磨いていくもの」という前提を組織全体で共有し、改善のサイクルを回し続けることが、形骸化を防ぐための一番のポイントです。

まとめ

本記事では、SalesforceにおけるEinstein(AI型)とAccount Engagement(ルールベース型)という2つのリードスコアリングの違いと、企業のデータ蓄積フェーズに応じた使い分けの考え方をご紹介しました。EinsteinはSales Cloud EinsteinとしてEnterprise・Performance・Unlimitedで利用でき、一定の成約実績データがたまった企業に向いています。一方、Account Engagementは、成長期の企業が仮説を立てながらスコアリングを組み立てていくフェーズに適しています。いずれの場合も、「どの行動を購買シグナルとして定義するか」という設計の質が、スコアリングの成果を大きく左右します。

MQL判定では、行動スコアと属性スコアをAND条件で組み合わせることが精度向上のカギになります。弊社の支援先データの一例では、属性スコア20点以上かつ行動スコア40点以上という組み合わせが、MQL誤検知を抑えつつ商談化率を維持しやすい設計として機能しました。加えてスコア減衰を取り入れることで、同じスコアの中でも「最近動いているリード」をしっかり優先できるようになります。

ただし、どれだけ精巧なスコアリングを作っても、SLAが整備されていなければ営業との連携はうまく回りません。MQLの定義、引き渡しプロセス、初回フォローのルール、フィードバックの仕組み、定期レビューの場という5つの要素を盛り込んだSLAを、マーケと営業が一緒になってつくり上げていく。そのプロセスこそが、スコアリングを形骸化させず、組織全体の成果につなげるためのポイントになります。

よくある質問

スコアリングとは何ですか?

スコアリングとは、見込み客(リード)が取った行動や持っている属性に点数を付け、購買確度を数値として表す仕組みです。行動スコア(ページ閲覧、フォーム送信、資料ダウンロードなど)と属性スコア(役職、業種、企業規模など)の2軸で構成するのが一般的です。

SalesforceのEinsteinリードスコアリングとAccount Engagementのスコアリングはどう違いますか?

Einsteinは、過去の成約データをAIが機械学習で分析し、自動でスコアを付けるタイプの機能です。一方、Account Engagementは、マーケティング担当者がルールを決めてスコアを付けるルールベース型です。データが少ない成長期にはAccount Engagementで仮説ベースの設計を行い、成約実績がたまってきたタイミングでEinsteinを追加・併用する流れをおすすめしています。

Account Engagement(旧Pardot)のスコアリングカテゴリとは何ですか?

スコアリングカテゴリは、製品ラインや事業部ごとに別々のスコアを持たせるための機能です。コンテンツをフォルダー単位で整理し、そのフォルダーにカテゴリを紐づけることで、「どの製品・サービスへの関心が高いか」をカテゴリ別のスコアで把握できます。全体スコアとは別に管理されるため、優先すべき領域が見えやすくなります。

MQL閾値はどのように設計すればよいですか?

行動スコアだけ、属性スコアだけといった単独の判定では誤検知が増えやすいため、AND条件で組み合わせて判断するのがおすすめです。弊社の支援先データの一例では、「属性スコア20点以上かつ行動スコア40点以上」がうまく機能しましたが、業種や商材によって最適値は変わります。四半期ごとに商談化率を確認しながら微調整していくのが現実的です。

Salesforceでリードを管理するメリットは何ですか?

Account EngagementやEinsteinで蓄積した行動スコア・属性スコアと、Salesforceの商談データを同じ基盤で管理できる点が大きなメリットです。スコアが閾値を超えたリードを自動で営業にアサインし、その後の活動履歴や商談化率、失注理由までをマーケティング側にフィードバックできるため、ひとつのプラットフォームの中でPDCAを回せます。

既存のAccount Engagementスコアリング設定からEinsteinに移行する際の注意点は何ですか?

EinsteinはAccount Engagementのスコアリングルールとは別のAIモデルとして動くため、同じリードにルールベースのスコアとEinsteinスコアが併存します。移行時には、「どちらのスコアを優先して見るのか」「どう組み合わせて判断するのか」を営業とすり合わせ、SLAに明記しておくことが重要です。また、Einsteinのモデルが安定した精度を出すまでには一定期間が必要な点も踏まえ、しばらくは両方のスコアを併用しながら運用する前提で設計しておくと安心です。

ツールの設定よりも、「何をどう設計するか」で成果が変わります

HubSpot・Account Engagement・Marketoに精通した担当者が、 ツールの設定支援だけでなく、リード育成シナリオやスコアリング設計まで一貫してサポートします。 まずは現状のツール活用状況をお聞かせください。

株式会社Sells up 代表取締役
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。KGI逆算によるKPI設計・リードスコアリングの統計的設計・営業連携SLAの構築を含むMA活用支援を、業界・規模を問わず80社以上に提供してきた実績を持つ。Account Engagement SpecialistおよびTableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。