ナレッジ 2025.12.28 最終更新 2026.09.13

SaaSのリード獲得|戦略設計4ステップと10の施策の選び方

この記事を書いた人 武田 大 株式会社Sells up 代表取締役

「SaaSのリード獲得は、何から始めればいいのか?」
「施策を増やしているのに商談につながらず、営業から不満の声が上がっている」

SaaS市場では多くの企業が新たに参入し、見込み客の獲得競争も激しくなっています。そのなかで注意したいのが、明確な戦略を持たないまま施策を増やしてしまうことです。

「まずは施策を始めてみる」という進め方では、限られた予算や人員が分散し、十分な成果につながらないことがあります。

戦略の有無でSaaSのリード獲得の結果が変わることを比較した図。戦略なしでは施策がばらばらに実行され、商談につながりにくいリードが増えるのに対し、戦略ありではリソースを集中して狙うリードを獲得し、売上につなげる流れを示している

この記事では、スタートアップからプライム上場企業まで80社以上のBtoBマーケティングを支援してきたSells upが、SaaSにおけるリード獲得の考え方を、戦略の立て方から具体的な施策まで順に解説します。

【この記事でわかること】

・自社に合ったリード獲得戦略の設計方法

・各施策の特徴と、事業フェーズに応じた選び方

・獲得したリードを商談につなげるための考え方

リード数を増やすことだけを目的にせず、商談や受注まで見据えたリード獲得の仕組みを考える際にお役立てください。

リードの獲得から育成、営業への引き渡しまでを含めた全体像は、デマンドジェネレーションの全体像で解説しています。

なぜ多くのSaaS企業がリード獲得で失敗するのか

SaaSの成長には、新たな見込み客との接点を継続的につくる必要があります。

一方で、「施策は実施しているのに、商談や受注につながらない」という状態に陥ることもあります。原因の一つが、目的やターゲットを十分に整理しないまま施策を先行させてしまうことです。

ここでは、リード獲得がうまくいかない主な原因と、施策を選ぶ前に押さえておきたい考え方を整理します。

1. 「とりあえず施策」が招く3つの問題

2. リード獲得を戦略から考えるアプローチ

「とりあえず施策」が招く3つの問題

SaaSのリード獲得では、SEOや広告、ウェビナー、SNSなど、さまざまな施策を選択できます。

選択肢が多いからこそ、「競合が取り組んでいるから」「新しい施策だから」といった理由だけで次々と手を広げると、それぞれの施策に十分なリソースを割けなくなることがあります。

戦略不在が引き起こす3つの失敗パターンを示した図。リソース分散でどれも中途半端、質量バランスの崩壊で営業の不信感、評価基準が不明瞭でROIが不明のまま

【戦略がないまま進めたときに起こりやすい3つの問題】

・リソースが分散する:限られた予算や人員を複数の施策に振り分けた結果、それぞれに十分な時間や予算を使えず、検証できるところまで実行できないことがあります。

・リードの量と質が合わなくなる:「まずはリード数を増やす」ことを優先しすぎると、営業が対応しても商談につながりにくいリードが増えることがあります。マーケティング側と営業側で「良いリード」の認識が異なる場合は、とくに注意が必要です。

・施策を評価できなくなる:何をもって成功とするのかを決めずに施策を始めると、成果を判断する基準がなくなります。リード数だけを見るのか、MQLや商談数まで追うのかによって、施策の評価も変わります。

こうした問題を避けるには、How(どうやって獲得するか)を考える前に、Why(なぜ)・Who(誰に)・What(何を)を整理することが重要です。

リード獲得を戦略から考えるアプローチ

リード獲得では、具体的な施策を選ぶ前に、「なぜ獲得するのか」「誰から獲得するのか」「どのようなリードを獲得したいのか」を整理します。

そのうえで、目的やターゲットに合ったチャネルを選択します。

戦略ファーストのアプローチを示した図。Why(なぜ)・Who(誰に)・What(何を)を定めたうえで、How(どうやって)で最適なチャネルと施策を選ぶ

まずはWhy(なぜ)です。

売上目標や新規契約数から逆算し、「何件の商談が必要なのか」「そのために何件のリードが必要なのか」を整理します。

次にWho(誰に)とWhat(何を)を考えます。

自社に合う企業や担当者の条件を整理したうえで、営業へ引き渡したいリードの基準を決めます。

最後にHow(どうやって)です。

ここまでの条件を踏まえて、SEO、広告、ウェビナー、展示会などの中から、目的に合う施策を選びます。

この順番で考えることで、施策そのものが目的になることを避け、事業目標から逆算してリード獲得を設計しやすくなります。

本記事でも、この流れに沿って戦略の立て方から解説していきます。

施策を増やす前に確認したいこと

新しいリード獲得施策を始める前に、すでに獲得しているリードを十分に活用できているかも確認しておきましょう。

とくに確認したいのは、次の4点です。

1つ目は、獲得したリードのうち、一度もフォローできていないものがどれくらいあるかです。

2つ目は、問い合わせを受けてから最初に連絡するまで、どの程度の時間がかかっているかです。

3つ目は、課題がリード数の不足にあるのか、それともMQLから商談へ進む段階にあるのかです。

4つ目は、獲得後に届けるコンテンツを継続して用意できるか、営業が対応できる件数とのバランスが取れているかです。

海外の調査では、BtoB企業2,241社のWebフォームへの問い合わせ対応を30日間追跡したところ、最初に連絡するまでの平均は約42時間で、23%の企業は30日間に一度も連絡していませんでした(MITとInsideSalesによるLead Response Managementの研究)。

すでに獲得しているリードへの対応が滞っている場合は、新しい施策を増やすよりも、まず営業へ引き渡す条件や対応期限を整理したほうがよいケースがあります。

引き渡しの条件と期限の決め方は、営業への引き渡しの設計で解説しています。

補足:最低限押さえておきたいリードの基礎知識

リード獲得戦略を設計するうえでは、MQL・SQL・PQLといった用語の意味も押さえておきましょう。

これらは、見込み客の状態や営業との連携基準を整理する際に使われます。

基本的なリード分類を示した図。MQL(マーケティング適格リード)・SQL(営業適格リード)・PQL(製品適格リード)の担当部署と定義、次のアクションを比較している

【基本的なリード分類】

・MQL(Marketing Qualified Lead:マーケティング適格リード):マーケティング活動で獲得した見込み客のうち、自社で定めた条件を満たしたリードです。企業属性や資料ダウンロード、Webサイト上の行動などを判断材料として、営業が確認する対象を絞り込みます。MQLの定義は企業によって異なり、スコアリングを使わず、条件による判定を行うこともあります。

・SQL(Sales Qualified Lead:営業適格リード):営業やインサイドセールスが接触し、課題や導入時期などを確認したうえで、営業活動を進める対象と判断したリードです。MQLからSQLへ進む条件も、自社の営業プロセスに合わせて定義します。

・PQL(Product Qualified Lead:製品適格リード):無料トライアルやフリーミアム版など、実際の製品利用データをもとに、営業アプローチの対象として判断するリードです。特定機能の利用や利用頻度など、プロダクト内での行動を条件として設定します。

MQL・SQL・PQLは、すべてのSaaS企業が同じ定義で使うものではありません。

重要なのは、名称そのものではなく、自社ではどの状態のリードを誰が確認し、次にどのような対応をするのかを明確にすることです。

この基準をマーケティングと営業で共有しておくことで、リード獲得から商談までの流れを管理しやすくなります。

SaaSのリード獲得戦略を立てる4ステップ

ここからは、SaaSのリード獲得戦略をどのように設計するのか、4つのステップに分けて解説します。

1. Step.1:Why(なぜ)-リード獲得の目的と目標を定義する

2. Step.2:Who(誰に)-理想の顧客像を定義する

3. Step.3:What(何を)-獲得すべきリードの基準を設計する

4. Step.4:How(どうやって)-戦略に基づき施策を選択する

Step.1:Why(なぜ)-リード獲得の目的と目標を定義する

最初に整理するのは、「なぜリード獲得が必要なのか」です。

単に「競合が取り組んでいるから」「新しい施策を試したいから」といった理由で始めるのではなく、事業目標から逆算して、必要なリード数や商談数を考えます。

Why(なぜ)を明確にするアプローチの例を示した図。現状の課題を特定し、事業目標から必要な契約数とMQL数を逆算し、売上から契約数・商談・SQL・MQLへとKPIツリーを設計する

【Why(なぜ)を明確にする方法】

・現在の課題を整理する:「リード数そのものが不足している」「リードは獲得できているが商談につながらない」「狙いたい業界からのリードが少ない」など、どの段階に課題があるのかを整理します。

・事業目標から必要件数を逆算する:「今期の売上目標を達成するには何件の新規契約が必要か」「そのために何件の商談が必要か」「商談をつくるために何件のMQLが必要か」と順番に逆算します。

たとえば、年間の新規契約目標が50社で、商談からの成約率を20%、MQLから商談までの転換率を40%と仮定すると、必要な商談数は250件、必要なMQL数は625件です。

・KPIツリーを設計する:売上目標から、契約数・商談数・SQL数・MQL数・リード数まで分解し、それぞれの転換率を設定します。実績と比較することで、どの段階に改善余地があるのかを確認しやすくなります。

Whyを明確にすることで、「とにかくリードを増やす」ではなく、事業目標の達成に必要なリード獲得へと考え方を切り替えられます。

Step.2:Who(誰に)-理想の顧客像を定義する

次に、「誰からリードを獲得したいのか」を明確にします。

SaaSでは、リード数が多くても、自社サービスとの相性が低い企業ばかりでは商談や受注につながりにくくなります。そのため、どのような企業・担当者を狙うのかを具体化しておくことが重要です。

企業側の条件はICP(Ideal Customer Profile)、担当者側の人物像はペルソナとして整理すると考えやすくなります。

ペルソナ作成の実践例を示した図。小売業(アパレル)のマーケティング部長という設定で、属性情報・抱えている問題・目指していること・情報収集方法を整理している

【理想の顧客像を定義する方法】

・企業・担当者の属性を整理する:業種、従業員規模、売上規模、利用しているシステム、部署、役職、職種など、自社サービスとの相性を判断する条件を洗い出します。

・既存顧客のデータを確認する:受注しやすい企業、契約単価が高い企業、継続率が高い企業などに共通する特徴を確認します。営業やカスタマーサクセスが把握している情報も参考になります。

・課題やKPIを整理する:属性だけでなく、その担当者が何を改善したいのか、どのような指標を追っているのかまで仮説を立てます。たとえば「従業員300名規模の小売企業のマーケティング責任者」であれば、顧客データの活用や店舗・EC間の連携などが課題になっている可能性があります。

ただし、顧客像を最初から細かく決めすぎる必要はありません。

とくに創業初期など、どの顧客層との相性がよいのか十分なデータがない場合は、仮説としてICPやペルソナを設定し、商談・受注データを見ながら更新していきます。

Step.3:What(何を)-獲得すべきリードの基準を設計する

Who(誰に)が決まったら、次は「どのような状態のリードを獲得したいのか」を設計します。

同じターゲット企業でも、情報収集を始めたばかりの担当者と、具体的にサービスを比較している担当者では、その後の対応が異なります。

そのため、リード数だけではなく、企業属性や行動を含めて「自社にとって優先して確認したいリード」の条件を決めておきます。

What(何を)における質と量のバランス設計を示した図。良いリードの基準という質の定義と、必要なリード数やMQL・SQL転換率という量の目標を、スコアリングで自動化する

【獲得すべきリードの基準を設計する方法】

・優先したいリードの条件を決める:たとえば「従業員200名以上の製造業」「特定の部署に所属している」「料金ページを閲覧している」など、企業属性と行動の両面から条件を整理します。

・転換率を追う:リードからMQL、MQLからSQL、SQLから商談など、各段階の転換率を確認します。リード数が増えても商談数が伸びていなければ、獲得しているリードの条件や営業への引き渡し方法を見直す必要があります。

・必要に応じてスコアリングを活用する:MAツールを使い、企業属性や行動に応じてスコアを付け、営業が確認する対象を抽出する方法もあります。ただし、スコアリングは必須ではありません。「対象業種に該当し、直近で料金ページを複数回閲覧した」といった条件による判定でも運用できます。

また、スコアが高いことと購買意欲が高いことは同じではありません。スコアや行動条件は、営業が優先して確認する対象を整理するための材料として利用します。

リードの質と量は、どちらか一方だけを追えばよいものではありません。

ICPから大きく外れたリードを大量に集めても営業負荷が増える一方で、条件を狭めすぎると必要な件数を確保できなくなります。

とくに、自社に合う顧客像がまだ十分に分かっていない段階では、仮説として設定したICPの周辺まで含めて獲得し、商談・受注データを確認しながら条件を絞り込む方法もあります。

獲得したリードをどの条件で選別するかは、獲得したリードを選別する方法で詳しく解説しています。

マーケティングオートメーションの導入については、MAツールの導入手順で解説していますので、あわせてご覧ください。

Step.4:How(どうやって)-戦略に基づき施策を選択する

Why・Who・Whatを整理したら、最後に「どの施策でリードを獲得するか」を決めます。

施策は、事業フェーズや予算、社内の人員、これまでの実績などを踏まえて選択します。

How(どうやって)における事業フェーズ別の施策の例を示した図。創業期は重点チャネルの絞り込み、成長期は質と量の両立、成熟期はチャネル全体の効率管理

【事業フェーズ別の施策の考え方】

・創業期:利用できる予算や人員が限られている場合は、チャネルを絞って検証します。たとえば、すでに検索需要があるサービスならリスティング広告、社内にコンテンツ制作の知見があるならSEOなど、自社の状況に合う施策から始めます。

・成長期:一定の顧客像や勝ち筋が見えてきたら、成果が確認できたチャネルへの投資を増やしながら、別の施策にも広げます。リード数だけでなく、MQL・商談・受注までの転換率を見ながら配分を調整します。

・成熟期:複数のチャネルを運用している場合は、チャネル単体のCPAだけでなく、商談や受注まで含めて投資配分を見直します。リード獲得単価が高い施策であっても、受注率や契約単価まで含めて評価すると、投資する価値があるケースもあります。

重要なのは、施策の数を増やすことではなく、Why・Who・Whatに合った施策を選び、結果を見ながら投資配分を調整することです。

創業期から複数の施策に手を広げれば検証に必要なリソースが足りなくなることがあります。一方で、成長後も一つのチャネルだけに依存していると、そのチャネルの伸びが止まったときにリード獲得全体へ影響する可能性があります。

なお、「どの顧客を狙うべきか整理できていない」「どの施策に予算を配分すればよいか判断できない」といった場合は、Sells upでもリード獲得戦略の設計から支援しています。

Sells upに相談する「話を聞いてみる」ボタン

【インバウンド編】質の高いリードを継続的に集める施策

ここからは、SaaSのリード獲得で活用できる具体的な施策を紹介します。

まずは、見込み客が自ら情報を探し、自社サイトやコンテンツへ訪れるきっかけをつくるインバウンド施策です。

SaaSに限らないBtoB全般の施策は、BtoB全般のリード獲得施策で整理しています。

1. オウンドメディアとSEOで継続的な流入をつくる

2. ホワイトペーパーで関心のあるリードを獲得する

3. 導入事例で比較検討を後押しする

4. ウェビナーでリード獲得と育成につなげる

オウンドメディアとSEOで継続的な流入をつくる

自社ブログやオウンドメディアを運営し、検索エンジンから見込み客を集める方法です。

検索ニーズに合ったコンテンツを継続して蓄積することで、公開後も検索経由の流入が見込める点に特徴があります。

コンテンツSEOでリードを獲得する流れを示した図。課題解決記事が検索結果で上位表示され見込み客が流入すること、集客効果が長く続き成約率も高いことを挙げている

具体的には、ターゲットとなる企業や担当者が検索する課題・疑問に対して、解決に役立つ記事を作成します。

たとえば、医療機関向けの勤怠管理SaaSであれば、「医療機関 勤怠管理 課題」「病院 勤怠管理 システム 比較」など、顧客が情報収集する際に使うテーマからコンテンツを設計します。

SEOではアクセス数だけでなく、どのテーマの記事から資料請求や問い合わせにつながっているかまで確認することが重要です。

検索流入が増えていても、自社のターゲットと離れたユーザーばかりであれば、商談にはつながりません。Who・Whatで定めた条件に沿って、狙うテーマやキーワードを選びます。

ホワイトペーパーで関心のあるリードを獲得する

ホワイトペーパーは、特定の課題やテーマについてまとめた資料をダウンロードしてもらい、見込み客の情報を取得する施策です。

Webサイトの記事を読んだだけでは連絡先が分からないユーザーとも、資料ダウンロードをきっかけに継続的な接点を持てるようになります。

ホワイトペーパーのダウンロードと引き換えに顧客情報を入力してもらう流れを示した図。資料の例として「人事・労務のDX最新動向と成功事例12選」を挙げている

テーマは、ターゲットが情報収集したい内容と、自社が提供できる知見が重なる領域から考えます。

たとえば、

  • 業界の最新動向
  • 課題別の解決方法
  • サービス選定時の比較ポイント
  • 独自調査の結果
  • 実務で利用できるチェックリストやテンプレート

などが考えられます。

ただし、ホワイトペーパーをダウンロードしたことだけで、商談意向が高いと判断することはできません。

情報収集の初期段階でダウンロードするケースもあるため、テーマや企業属性、その後の行動なども見ながら、営業フォローするのか、継続して情報提供するのかを判断します。

導入事例で比較検討を後押しする

導入事例は、既存顧客が自社サービスを導入した背景や取り組み、導入後の変化を紹介するコンテンツです。

Sells upの支援事例ページのイメージ。ブリューアス様・CLUE様・日本テレビアート様の事例カードが並んでいる

※導入事例がどのようなものか確認したい方は、Sells upの「お役立ちコンテンツ紹介>事例」のページをご覧ください。

SaaSを比較検討している担当者にとって、「自社と近い企業がどのように利用しているのか」は判断材料の一つになります。

そのため、単に「導入して成果が出た」と紹介するのではなく、

  • 導入前にどのような課題があったのか
  • なぜそのサービスを選んだのか
  • 導入後にどのように運用したのか
  • どのような変化や成果があったのか

まで具体的に伝えることが重要です。

業務時間の削減率や問い合わせ数など、実際に確認できる数値がある場合は、定量的な成果も掲載すると導入後をイメージしやすくなります。

導入事例はWebサイトに掲載するだけでなく、商談時の説明資料やホワイトペーパー、メール配信などでも活用できます。

ウェビナーでリード獲得と育成につなげる

ウェビナーは、オンラインでセミナーを開催し、参加登録を通じてリードを獲得する施策です。

地域を問わず参加してもらいやすく、業界動向や実務ノウハウなど、文章だけでは伝えにくい内容をまとまった時間で届けられます。

ウェビナーでは、参加者数だけを追うのではなく、Whoで定めたターゲットが集まっているかを確認することが重要です。

テーマも自社製品の紹介だけに寄せるのではなく、ターゲットが抱えている課題や知りたい情報を起点に設計します。

たとえば、

  • 法改正や業界動向の解説
  • 特定業務の改善方法
  • 導入事例の紹介
  • 専門家や顧客との対談

などが考えられます。

また、ウェビナーは開催して終わりではありません。

参加者には関連資料や次回コンテンツを案内し、欠席者には録画を送るなど、その後のフォローまで含めて設計します。

録画した内容をオンデマンド配信や記事、短尺動画などに再利用すれば、一度作成したコンテンツを別のリード獲得施策にも活用できます。

【アウトバウンド編】即効性をもってターゲットに届ける施策

続いて、企業側から見込み客へ働きかけるアウトバウンド施策を紹介します。

インバウンド施策と比べると、狙いたい層へ短期間でリーチしやすい点が特徴です。一方で、媒体やターゲティングによって成果が大きく変わるため、誰に届けたいのかを明確にしたうえで使い分ける必要があります。

1. リスティング広告で顕在層にアプローチする

2. SNS広告で潜在層へ認知を広げる

3. 外部メディアの記事広告で新たな接点をつくる

リスティング広告で顕在層にアプローチする

リスティング広告は、Googleなどの検索エンジンで特定のキーワードを検索したユーザーに対して、検索結果に広告を表示する手法です。

検索行動からニーズを捉えやすく、比較や情報収集を始めている見込み客へアプローチしやすい点に特徴があります。

たとえば、

  • 「プロジェクト管理ツール 比較」
  • 「給与計算システム 価格」
  • 「勤怠管理 SaaS おすすめ」

といった、自社サービスに関連するキーワードへ広告を出稿します。

SEOと比べて出稿後すぐに掲載を始められるため、検索需要があるテーマであれば、短期間で流入を増やしやすい施策です。

一方で、検索数の多いキーワードを広く狙うだけでは、クリック数は増えても商談につながらないことがあります。

広告文やLPだけでなく、

  • どのキーワードから流入したのか
  • どの企業・担当者から問い合わせがあったのか
  • 商談や受注につながっているのか

まで確認しながら、対象キーワードや予算配分を見直すことが重要です。

なお、リスティング広告の始め方は、Google公式の「Google 広告を始める 10 のステップ」が参考になります。

SNS広告で潜在層へ認知を広げる

SNS広告は、X・Facebook・InstagramなどのSNS上に広告を配信する手法です。

検索広告とは異なり、ユーザーが自社サービスに関連するキーワードを検索していない段階でも広告を届けられるため、まだ課題やサービスを明確に認識していない層との接点づくりに向いています。

媒体によっては、職種や役職、興味関心などの条件を使って配信対象を絞り込めます。

たとえば、BtoB SaaSであれば、

  • 特定業界の担当者
  • 管理職や意思決定に関わる層
  • 自社サービスと関連するテーマに関心を持つ層

などを想定して配信します。

SNS広告は、サービスそのものを直接訴求するだけでなく、ホワイトペーパーやウェビナーなどのコンテンツへ誘導する方法とも相性があります。

一方で、SNS広告から流入したユーザーは、必ずしも具体的なサービス比較を始めているとは限りません。

そのため、広告経由のリードをすべてすぐに営業へ渡すのではなく、その後の行動や企業属性を確認しながら、情報提供を続ける設計も必要です。

外部メディアの記事広告で新たな接点をつくる

記事広告は、外部メディア上に記事形式の広告コンテンツを掲載する手法です。

自社だけでは接点を持ちにくい読者層へ情報を届けられることに加え、媒体の読者層や編集力を活用できる点に特徴があります。

内容としては、

  • 業界の課題やトレンドを解説する
  • 顧客事例を紹介する
  • 専門家との対談を掲載する
  • 調査データをもとに課題を提示する

といった形が考えられます。

記事内から自社サイトやホワイトペーパー、ウェビナーなどへ誘導することで、その後のリード獲得につなげます。

ただし、媒体へ掲載しただけでリードが増えるとは限りません。

記事広告を実施する際は、媒体の知名度だけではなく、

  • 自社が狙う企業や担当者が読んでいるか
  • 記事のテーマがターゲットの課題と合っているか
  • 読了後にどのコンテンツへ誘導するか

まで確認したうえで媒体を選ぶことが重要です。

具体的には、日経BPなどが記事広告を提供しています。詳しくは「日経BPの雑誌広告・ウェブ広告(日経BPマーケティング)」をご確認ください。

【その他】SaaSのリード獲得を加速させる応用施策

最後に、展示会や他社との共催、プレスリリースなど、インバウンド・アウトバウンド以外で活用できる施策を紹介します。

1. 展示会やイベントでオフラインの接点をつくる

2. 他社との共催ウェビナーでリーチを広げる

3. プレスリリースで認知や接点を増やす

展示会やイベントでオフラインの接点をつくる

展示会やカンファレンスへの出展、自社イベントの開催は、見込み客と直接会話できる施策です。

オンライン施策と異なり、その場で相手の課題や関心を聞けるため、名刺情報だけでは分からない情報を得やすい点に特徴があります。

展示会では、ブース来訪者との名刺交換やアンケートを通じてリードを獲得します。

一方で、名刺を集めること自体を目的にすると、その後の商談につながりにくくなります。

そのため、

  • どのような企業・担当者を狙うのか
  • 当日どの情報を確認するのか
  • どの条件なら営業が早期にフォローするのか
  • それ以外のリードをどのように継続フォローするのか

まで事前に決めておくことが重要です。

展示会後は、獲得した情報をできるだけ早くCRMやMAなどへ登録し、その後の対応につなげます。

たとえば、具体的な相談や導入時期の話が出たリードは営業が確認し、それ以外のリードにはメールやウェビナーなどで継続的に情報を届けるといった運用が考えられます。

展示会は出展料だけでなく、ブース制作や人員、準備などにもコストがかかります。名刺獲得数だけではなく、商談数や受注数まで追い、投資対効果を確認しましょう。

具体的にどのような展示会があるのかについては、「日本の見本市・展示会(ジェトロ)」のページで確認できます。

他社との共催ウェビナーでリーチを広げる

共催ウェビナーは、他社と合同でオンラインセミナーを開催する施策です。

それぞれの企業が自社の顧客や見込み客へ告知できるため、単独開催では接点を持ちにくかった層へ情報を届けられる可能性があります。

ただし、共催相手を選ぶ際は、単に集客力があるかだけでなく、自社とのターゲットの重なりを確認することが重要です。

たとえば、

  • 対象としている企業規模が近い
  • 同じ部署や職種をターゲットとしている
  • 顧客の課題は近いが、競合関係にはない
  • 両社の知見を組み合わせることでテーマに厚みが出る

といった企業は、共催相手として検討しやすいでしょう。

また、参加者情報をどちらの企業が取得するのか、開催後にどこまでフォローできるのかについても、事前にルールを決めておく必要があります。

共催ウェビナーは、単純に「互いの顧客リストを共有する」施策ではありません。各社のプライバシーポリシーや申込時の同意内容に沿って、参加者情報の取得・利用範囲を明確にしたうえで運用します。

具体的な事例を確認したい場合は、Xで[共催ウェビナー]と検索すると、現在募集されている共催セミナーを確認できます。

プレスリリースで認知や接点を増やす

プレスリリースは、新サービスの提供開始や機能追加、調査結果、導入事例など、ニュース性のある情報を外部へ発信する施策です。

直接リードを獲得する施策というより、メディア掲載や検索、SNSなどを通じて認知を広げ、自社サイトへの流入や問い合わせにつなげる役割があります。

たとえば、

  • 新サービスや新機能の発表
  • 独自調査や市場データの公開
  • 大手企業への導入事例
  • 他社との提携
  • イベントやウェビナーの開催

などは、プレスリリースの題材として活用できます。

ただし、配信しただけでメディアに取り上げられたり、リードが増えたりするわけではありません。

誰にとってどのようなニュースなのかを明確にし、単なる自社サービスの紹介ではなく、業界動向や社会的な背景とあわせて伝えることが重要です。

また、プレスリリースからサービスページや調査資料、ウェビナーなどへ導線を設けておけば、その後の接点づくりにもつなげられます。

プレスリリース配信サービスとしては、PR TIMESなどがあります。詳しくは「PR TIMES サービス紹介(PR TIMES)」をご覧ください。

獲得したリードを商談につなげる戦略

リードは獲得して終わりではありません。商談につなげるには、獲得後の情報提供や優先順位づけ、営業への引き渡しまで設計しておく必要があります。

ここでは、代表的な3つの方法を紹介します。

1. MAツールを活用して継続的なフォローを効率化する

2. リードスコアリングで確認する対象を整理する

3. メールマーケティングで継続的な接点をつくる

MAツールを活用して継続的なフォローを効率化する

MA(マーケティングオートメーション)ツールは、見込み客の情報や行動履歴を管理し、メール配信や営業への通知などを自動化するためのツールです。

リード獲得後のフォローを効率化し、行動や属性に応じて異なる情報を届ける際に活用できます。

ただし、MAツールを導入するだけで商談が増えるわけではありません。誰に、どのタイミングで、どの情報を届けるのかを先に設計しておく必要があります。

MAツールで自動化とパーソナライズを行う流れを示した図。リードの行動をMAツールが自動化・可視化し、適切なタイミングでアプローチする

たとえば、資料をダウンロードした見込み客に関連する事例を案内し、その後ウェビナーに参加した場合は別のコンテンツを送るなど、行動に応じてフォロー内容を切り替えられます。

また、MAツールによっては、一定の条件を満たしたリードを営業へ通知する仕組みをつくり、マーケティングから営業への連携に活用できます。

なお、「どのMAツールを選べばよいか分からない」「導入後の運用まで設計したい」という場合は、Sells upでもツール選定や運用体制の構築を支援しています。

Sells upに相談する「話を聞いてみる」ボタン

リードスコアリングで確認する対象を整理する

リードスコアリングは、見込み客の属性や行動に対して点数を付け、営業やマーケティングが優先して確認する対象を整理する方法です。

たとえば、

  • 従業員500人以上:+20点
  • 問い合わせ:+50点
  • 製品ページを閲覧:+10点

といったルールを設定し、一定の条件を満たしたリードを抽出します。

リードスコアリングで優先度を可視化する例を示した図。従業員500人以上+20点、問い合わせ経由+50点、製品ページ閲覧+10点、メール開封+10点で合計90点となり、しきい値80点でMQLと判定する

ただし、スコアリングは商談化に必須の仕組みではありません。

「対象業種に該当し、料金ページを複数回閲覧した」「資料をダウンロードした後に問い合わせがあった」など、属性と行動を組み合わせたルールでも営業へ連携する対象を整理できます。

また、スコアが高いことと購買意欲が高いことは同じではありません。 スコアは営業が確認する対象を絞るための材料として使い、実際の検討状況は営業との対話で確認します。

配点を設定する場合は、自社の商談・受注データをもとに見直していくことが重要です。

弊社では、受注したリードとそうでないリードの行動を比較し、ロジスティック回帰を用いて配点を検討することがあります。RFE(Recency・Frequency・Engagement)の設計例では、Engagement 0.45/Recency 0.385/Frequency 0.165という重みを使用しています。

支援先によっては、

  • 属性スコア20点以上かつ行動スコア40点以上
  • RFEスコア0.75以上
  • 直近7日以内に一定の行動がある

といった条件を営業連携の判断材料としています。

これらはSells upの支援で使用している設計例であり、一般的な基準ではありません。実際には、自社の顧客データや営業プロセスに合わせて調整します。

株式会社CLUE様の支援では、3日連続でサービスページを訪問しているユーザーを検知し、インサイドセールスへ自動的に連携する仕組みを構築しました。


スタートアップのマーケ立ち上げ。商談・受注を創出するリードが安定獲得できる仕組みを構築

顧客データで目標設定し、運用型広告を媒体選定から刷新。営業インサイトを反映したLP改修とセミナー・オウンドメディア改善により、商談・受注を創出するリードの安定獲得を実現。

sellsup.co.jp

打ち合わせスペースの木製テーブルを挟んで、2人が向かい合って笑顔で話している写真

スコアリングの設計方法については、以下の記事で詳しく解説しています。


リードスコアリングとは?設計6ステップと失敗を防ぐ運用の進め方

リードスコアリングとは、属性スコアと行動スコアで見込み客の優先度を数値化する仕組みです。評価軸の設計、6ステップのモデル構築、MQL・SQLの判定基準、よくある失敗と対策までを、80社の支援知見をもとに解説します。

sellsup.co.jp

リードスコアリングとは?設計6ステップと失敗を防ぐ運用の進め方のサムネイル

メールマーケティングで継続的な接点をつくる

メールマーケティングは、獲得したリードと継続的に接点を持つための代表的な方法です。

SaaSでは、リードを獲得した時点で具体的な導入を検討しているとは限りません。そのため、すぐに商談化しないリードに対しても、継続して情報を届けられる仕組みを整えておくことが重要です。

配信する内容は、サービスの宣伝だけではなく、

  • 課題解決に役立つ記事
  • 導入事例
  • ホワイトペーパー
  • ウェビナーの案内
  • 業界動向や調査結果

など、相手の情報収集に役立つものを中心にします。

また、すべてのリードへ同じメールを送るのではなく、業種や役職、過去に閲覧・ダウンロードしたコンテンツなどに応じて内容を分ける方法もあります。

株式会社SmartHR様の支援では、MAツールの運用経験を持つマーケティング担当者がいない状態から支援を開始し、メールを1〜2パターンから20〜30パターンまで拡充しました。

MAツールの活用を含むマーケティングチーム全体の取り組みを進めた結果、問い合わせ数は約1年間でおよそ10倍に増加しました。


1年間で約10倍の問い合わせを獲得。メールを1〜2から20〜30パターンへ拡充

Account Engagementの初期設定からメール文面作成まで一貫支援。メールラインナップを20〜30パターンに拡充し、行動データを基にしたトリガーメールと30以上のフォームを展開。

sellsup.co.jp

SmartHRのロゴが光る壁の前で、3人が並んで談笑している写真

ステップメールの組み立て方は、ステップメールのシナリオ設計で解説しています。

「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために

リード獲得施策を続けても商談につながらない場合は、施策そのものだけでなく、ターゲットや獲得基準、獲得後のフォロー、営業への引き渡しまで含めて見直す必要があります。Sells upでは、現在の施策やデータを確認したうえで、改善する箇所と優先順位を整理し、リード獲得から商談化までを支援します。

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まとめ

本記事では、SaaSにおけるリード獲得について、戦略の立て方から具体的な施策、獲得後の商談化までを解説しました。

リード獲得戦略は、次の4つのステップで整理できます。

1. Why(なぜ)-リード獲得の目的と目標を定義する

2. Who(誰に)-理想の顧客像を定義する

3. What(何を)-獲得すべきリードの基準を設計する

4. How(どうやって)-戦略に基づき施策を選択する

具体的な施策としては、オウンドメディアやSEO、ホワイトペーパー、導入事例、ウェビナーといったインバウンド施策に加え、リスティング広告やSNS広告、記事広告などがあります。

さらに、展示会や共催ウェビナー、プレスリリースなども、ターゲットや事業フェーズによっては有効な選択肢です。

重要なのは、施策の数を増やすことではありません。自社の事業目標から逆算して、誰から、どのようなリードを、どの施策で獲得するのかを整理し、その後の育成や営業への引き渡しまで含めて設計することです。

リード数だけでなく、MQL・商談・受注までの転換を確認しながら、成果に応じて施策や予算配分を見直していきましょう。

リード獲得の前後を含めたSaaSマーケティング全体の進め方は、SaaSマーケティングの全体像で解説しています。

よくある質問

SaaSビジネスにおけるリード獲得とは何ですか?

SaaSビジネスにおけるリード獲得とは、自社のサービスに関心を持つ可能性のある企業・担当者の情報(会社名・メールアドレス・氏名など)を取得し、将来的な商談・契約につながる見込み客を作り出すことです。

SaaSでは一般的に、獲得したリードを成熟度によって以下の3段階に分類し、それぞれに適したアプローチを取ります。

分類 定義 主な担当
MQL(マーケティング適格リード) マーケティング部門が創出・育成し、一定基準で商談化の可能性が高いと判断されたリード マーケティング部門
SQL(営業適格リード) MQLの中でも接触・確認を経て、受注見込みが高いと認められたリード インサイドセールス・営業部門
PQL(製品適格リード) 無料トライアルやフリーミアムの実際の利用を通じてプロダクト価値を実感し、購買意欲が高まっているリード プロダクト・CS部門

SaaSリード獲得で成果を出すために重要なのは、「とりあえず施策を始める」のではなく、Why(なぜ)→Who(誰に)→What(何を)→How(どうやって)の順で戦略を設計してから施策を選ぶことです。この順序を守ることで、限られたリソースを効果的に活用できます。

リード獲得とは何ですか?

リード獲得(リードジェネレーション)とは、自社の商品・サービスに興味を持つ可能性がある見込み客の情報を収集し、営業・マーケティング活動の対象となる母集団を作るプロセスのことです。

具体的には、Webサイトのお問い合わせフォームへの入力・ホワイトペーパーのダウンロード・ウェビナーへの参加登録・展示会での名刺交換などを通じて、氏名・会社名・メールアドレスといった連絡先情報を取得することを指します。

リード獲得はマーケティングファネルの入口にあたり、以下のような流れで事業成長に貢献します。

  • リード獲得(Webフォーム・ダウンロード・展示会など)
  • リードナーチャリング(メール・コンテンツなどで育成)
  • MQL選別(スコアリングなどで商談適格リードを特定)
  • 営業フォロー・商談化
  • 成約・契約

リード獲得において重要なのは、単に数(量)を集めることではなく、自社の目的・ターゲット・獲得すべきリードの基準(What)を明確にしたうえで、質と量のバランスを取ることです。大量のリードを集めても商談化率が低い場合、獲得するリードの基準設計やスコアリング運用を見直すことが有効です。

SaaSのリード獲得でよく使われる施策にはどんなものがありますか?

SaaSのリード獲得施策は、大きくインバウンド(見込み客が自ら訪れる仕組み)とアウトバウンド(企業側から積極的にアプローチする手法)の2種類に分類できます。

種別 施策 主な特徴
インバウンド オウンドメディア・SEO 長期的に資産となる流入を作れる。成約率が高い傾向
インバウンド ホワイトペーパー 課題解決意欲の高いリードを効率的に獲得できる
インバウンド 導入事例コンテンツ 比較検討層の意思決定を後押しする
インバウンド ウェビナー開催 低コストで全国から集客でき、録画コンテンツとして再利用可能
アウトバウンド リスティング広告 顕在ニーズを持つ検索ユーザーへ即効性高くアプローチできる
アウトバウンド SNS広告 業種・役職などでセグメントし、潜在層の認知獲得に有効
アウトバウンド 記事広告 第三者メディアの信頼性を活用して説得力を高められる
その他 展示会・イベント 短期間で大量の名刺獲得が可能。対面でリードと信頼関係を構築できる
その他 共催ウェビナー パートナー企業の顧客基盤を活用して自社ではリーチできない層へアプローチできる

施策を選ぶ際のポイントは、流行している施策を模倣するのではなく、自社の事業フェーズ(創業期・成長期・成熟期)とターゲット像に合った施策を戦略ベースで選択することです。創業期はチャネルを絞って集中投下し、成長期以降に段階的に広げる進め方が取りやすいです。

SaaSの40%ルールとは何ですか?リード獲得とどう関係しますか?

SaaSの40%ルール(Rule of 40)とは、SaaS企業の健全性を測る代表的な指標で、「売上成長率(%)+利益率(%)の合計が40%以上であれば優良なSaaS企業」とされるフレームワークです。

たとえば、成長率が50%で利益率が▲10%(赤字)なら合計40%となり、Rule of 40を満たしていると判断されます。逆に、成長率が20%で利益率が10%なら合計30%となり、改善が求められる状態です。

リード獲得との関係は以下のとおりです。

  • 成長率を押し上げるにはリード獲得が欠かせない:SaaSの売上成長率を高めるには新規契約の継続的な積み上げが必要であり、そのための母集団を作るリード獲得は事業成長の根幹を担います
  • CAC(顧客獲得コスト)の最適化が収益性に直結:リード獲得コストを抑えつつ質の高いリードを確保することで、CAC(1顧客を獲得するためのコスト)が低下し、利益率の改善につながります
  • リード品質がLTV(顧客生涯価値)に影響:自社のICP(理想の顧客像)に合致したリードを獲得することで解約率が下がり、長期的なLTVが向上します

つまり、Rule of 40を達成・維持するためには、リード獲得の量を増やすだけでなく、本記事で解説した「Why→Who→What→How」の戦略設計に基づいて質と費用対効果の両面を最適化することが重要です。

リード獲得の施策は何から始めればよいですか?

施策を選ぶ前に、Why(なぜ)・Who(誰に)・What(何を)を決めることが先になります。そのうえで、創業期は重点チャネルを1〜2個に絞り、成長期以降に段階的に広げる進め方が取りやすいです。

なお、獲得したリードのうち連絡できていないものが多い、最初の連絡までに時間がかかっている、MQLから商談へ進む段階で止まっている、という状態であれば、施策を増やすより先に営業へ引き渡す条件と対応の期限を決めるほうが効果的です。

リード獲得単価(CPL)の目安はありますか?

チャネル別のリード獲得単価を横並びで示した国内BtoBの公開調査は、確認できていません。海外のベンチマークはありますが、商材の単価・検討期間・ターゲット企業の規模で大きく変わるため、そのまま当てはめることはできません。

自社のチャネル別に、費用とリード数、そこから先の商談化率までをそろえて記録し、自社の基準値を作るほうが判断に使えます。リード獲得単価だけで比較すると、単価は安いが商談につながらないチャネルを選んでしまうことがあります。

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株式会社Sells up 代表取締役
武田 大
株式会社AOKIにて接客業、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。デジタルマーケティングエージェンシーを経て2023年に株式会社Sells upを設立。戦略設計・KPI設計を起点に、リードジェネレーション、ナーチャリング、MA/SFA活用、営業連携までBtoBマーケティングを一気通貫で支援。KGI逆算のKPI設計やリードスコアリングの統計的設計、営業連携SLAの構築を強みとし、業界・規模を問わず80社以上に提供。Account Engagement SpecialistおよびTableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。
保有資格Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialist/Tableau Desktop Specialist
専門領域BtoBマーケティング/リードジェネレーション/リードナーチャリング/マーケティングオートメーション/HubSpot導入活用支援/Account Engagement導入活用支援/Marketo活用支援/インサイドセールス/統計解析によるスコアリング設計/商談化率向上/マーケティングROI改善