ナレッジ

SaaSリード獲得の成功法則!質と量を両立して売上増を実現する具体策

MAツールの導入・活用の相談はSells upへ。

MAツールの導入や、導入後の成果最大化に課題をお持ちでしたら、ぜひSells upにご相談ください。50社以上の導入・活用を支援してきた担当者が貴社の状況・目標に向き合い、最適なツールの導入プラン / 統計知識を用いた活用プラン描き、戦略策定から実装 / 実行 / 効果測定までをご支援いたします。

目次

「SaaSのリード獲得はどうやればいいのか?」
「施策を増やしても商談につながらず、営業から不満の声が上がる」

多くのSaaS企業が市場に参入し、見込み客の獲得競争は、日に日に激しくなっています。リード獲得のために奮闘している方も多いかと思いますが、注意したい点があります。

それは「とりあえず施策を始めてみる」という戦略なき行動が、結果的に予算と時間の浪費につながっているケースが非常に多く見られることです。

この記事では、SaaSビジネスの成功に欠かせないリード獲得について、戦略の立て方から実践的なノウハウまで解説します。

【この記事を読むと得られるメリット】

・自社に最適なリード獲得戦略を設計する方法がわかる

・各施策の特性を把握し、事業フェーズに応じて選択できる

・リードを効率的に商談化する仕組みを構築できる

成果の出るマーケティング体制を構築し、リード獲得を増やすために、本記事をお役立てください。

1.なぜ多くのSaaS企業がリード獲得で失敗するのか

SaaSビジネスにおいて、リード獲得が重要なのはいうまでもありません。しかし、多くの企業が「施策を実行しているのに成果が出ない」という壁にぶつかっています。

まずは、失敗の本質的な原因と、成功に必要な考え方を押さえましょう。

1. 「とりあえず施策」が招く3つの致命的な問題

2. リード獲得成功の鍵は「戦略ファースト」のアプローチ

1-1.「とりあえず施策」が招く3つの致命的な問題

多くのSaaS企業が陥る最大の失敗は、戦略なき施策の乱発です。

「競合がやっているから」「最新のツールだから」という理由で、場当たり的に施策を始めてしまうケースが後を絶ちません。この「とりあえず施策」が招く問題は深刻です。

【戦略不在が引き起こす3つの失敗パターン】

・リソースの分散と成果の希薄化:限られた予算と人員を複数の施策に分散させた結果、どの施策も中途半端になります。SEO・広告・ウェビナー・SNSなど、すべてに手を出しても、どれも十分な成果を出せずに終わってしまいます。

・質と量のバランス崩壊:「まずはリード数を増やそう」と量を追求した結果、商談につながらない低品質なリードばかりが集まります。営業部門は対応に追われるものの成約に至らず、マーケティングへの不信感が生まれてしまいます。

・施策の評価基準が不明確:何をもって成功とするのか、KPIが曖昧なまま施策を実行すれば、改善のサイクルも回りません。“とりあえずやってみた” 施策は、効果測定も不十分なまま放置され、投資対効果も不明なままズルズルと続けられます。

これらの問題の根本原因は、「How(どうやって)」から入ってしまうことにあります。戦略設計を飛ばして手段を先行させると、活動が目的を見失い、最終的な事業成果に結びつきません。

1-2.リード獲得成功の鍵は「戦略ファースト」のアプローチ

リード獲得で成果を出している企業に共通するのは、具体的な施策(How)を選ぶ前に、かならず戦略(Why・What・Who)を明確にしている点です。

「なぜリード獲得が必要か」「誰をターゲットにするか」「何を獲得すべきか」という問いの答えを出してから、「どうやって獲得するか」の手段選択に進みます。

戦略ファーストのアプローチでは、まずWhy(なぜ)を明確にします。自社の事業成長目標から逆算し、どれだけのリードが必要で、それがどう売上に貢献するかを定義するのです。

次にWho(誰に)とWhat(何を)を設計します。理想の顧客像を具体化し、その顧客から「どのような条件を満たすリード」を獲得すべきかを明確にします。

最後にHow(どうやって)の手段を選択します。戦略が明確になって初めて、その戦略を実現するための最適なチャネルや施策を選べるのです。

この順序を守ることで、限られたリソースを効果的に活用でき、PDCAサイクルを適切に回せます。「戦略なき施策」から「施策を支える戦略」へのシフトこそが、SaaSリード獲得成功の第一歩です。

本記事では、この戦略の立て方から解説していきます。

1-3.補足:最低限押さえたほうがいいリードの基礎知識

戦略を設計する前提として、リードに関する基本的な用語と概念を理解しておく必要があります。

SaaSビジネスでは、リードを成熟度によって段階的に分類し、それぞれに適したアプローチを取ることが一般的です。

基本的なリード分類

・MQL(Marketing Qualified Lead:マーケティング適格リード):マーケティング部門が創出した見込み客のうち、一定基準で商談化の可能性が高いと判断されたリードです。資料請求・セミナー参加などで購買意欲を評価し、スコアリングでしきい値を超えた段階で営業フォローに回されます。

・SQL(Sales Qualified Lead:営業適格リード):MQLの中でもインサイドセールスや直接営業で接触し、受注見込みが高いと認められたリードです。営業部門にとって注力したほうがいい対象であり、具体的な商談フェーズへ進みます。

・PQL(Product Qualified Lead:製品適格リード):近年、注目されている指標で、製品利用を通じて価値を実感したリードを指します。無料トライアルやフリーミアム版を使い込み、プロダクトの有用性を理解したうえで購買意欲が高まっている状態です。

これらの各段階には明確な役割があります。マーケティング部門は母集団からMQLを育成・選別し、営業部門はMQLを引き継いでSQLへ磨き上げます。

自社でこれらの定義と基準を明確にしておくことが、戦略設計と部門間連携において重要となります。

2.SaaSのリード獲得戦略を立てる4ステップ

続いて、具体的にどのように戦略を立てていくのか、詳しく見ていきましょう。

1. ステップ1:Why(なぜ)-リード獲得の目的と目標を定義する

2. ステップ2:Who(誰に)-理想の顧客像を定義する

3. ステップ3:What(何を)-獲得すべきリードの基準を設計する

4. ステップ4:How(どうやって)-戦略に基づき施策を選択する

2-1.ステップ1:Why(なぜ)-リード獲得の目的と目標を定義する

戦略の第一歩は、「なぜリード獲得が必要なのか」という目的を明確にすることです。単に「競合がやっているから」「流行っているから」という理由で施策を始めても、成果には結びつきません。

【Why(なぜ)を明確にする実践例】

・現状の課題を特定する:「リード数は十分だが質が低い」「質は高いが量が足りない」「特定の業界からのリードが少ない」など、現在のリード獲得における具体的な課題を洗い出します。課題が明確になれば、それを解決するための戦略も自ずと見えてきます。

・事業成長目標から逆算する:「今期の売上目標を達成するには、何件の新規契約が必要か」「そのためには何件の商談が必要か」「その商談を創出するには何件のMQLが必要か」と逆算し、必要なリード数の根拠を明確にします。たとえば「年間売上5億円達成には新規契約50社が必要(商談からの成約率20%)←250件のSQL(MQLからのSQL転換率40%)←625件のMQLが必要」といった具合です。

・KPIツリーを設計する:最終的な売上目標から、契約数・商談数・SQL数・MQL数・リード数へと分解し、各段階の転換率目標を設定します。このKPIツリーがあれば、どの段階に問題があるのか、どこを改善すべきかが一目瞭然です。

Why(なぜ)が明確になると、「とりあえず施策」から脱却でき、目的達成に必要な戦略を組み立てられます。この土台がなければ、後のステップもあやふやなものとなってしまいます。

2-2.ステップ2:Who(誰に)-理想の顧客像を定義する

Why(なぜ)が明確になったら、次は「誰から」リードを獲得すべきかを定義します。狙うべき顧客像が明確であることが、良質なリード獲得の前提条件です。

自社サービスの典型的なターゲットが誰なのかをペルソナとして具体化し、その人物の課題・ニーズを深く理解しましょう。

【ペルソナ定義の実践ステップ】

・属性情報を洗い出す:どの業界・規模の企業の、どんな職務の人が自社サービスに最もマッチするかを洗い出します。たとえば「従業員300名規模の小売業のマーケティング責任者」といった具合に、業種・企業規模・役職・職種などで理想的・典型的な顧客像を定義してください。

・既存顧客の分析を反映する:現在の優良顧客の共通点(業界・会社規模・導入の決め手となった課題など)を洗い出し、それを顧客像に反映します。営業やカスタマーサクセス部門とも連携し、売上の貢献度が高い顧客像や解約率が低い顧客の特徴など、現場感覚も取り入れましょう。

・抱えている課題やKPIまで想像する:単に属性情報だけでなく、そのペルソナが抱える課題やKPI・成功要因まで想像します。「小売業のマーケティング責任者」の例なら、「オムニチャネル化が課題で、限られた予算内で顧客の体験向上を求めている」といった背景まで捉えてください。

このペルソナ設定が曖昧だと、幅広い層へ発信して効率が下がったり、訴求メッセージがぼやけて競合に負けてしまったりします。ペルソナを明確にして、限られた予算・人的リソースを、そのペルソナに響くチャネルとコンテンツに集中投下できるようにしていきましょう。

2-3.ステップ3:What(何を)-獲得すべきリードの基準を設計する

Who(誰に)が明確になったら、次はWhat(何を獲得するか)を設計します。獲得するリードの質と量のバランスをどう取るかを定義し、自社にとっての良質なリードの基準を明確にすることが重要です。

【質と量のバランス設計方法】

・良いリードを定義する:自社にとっての良質なリードを定義します。たとえば「従業員200名以上の製造業の決裁者からの問い合わせ」など、具体的な条件を想定して検討しましょう。

・転換率の指標を設定する:MQL転換率(リード→MQLの比率)やSQL転換率(MQL→SQLの比率)などを指標化し、量と質の両面で目標達成を目指します。質の高いリード獲得が、売上成長の鍵となります。

・スコアリングで自動化する:マーケティングオートメーション(MA)ツールで各リードの行動履歴にスコアを付与し、一定点数を超えたものをMQLとする仕組みを導入します。「スコア80点以上=MQL」のように設定し、達しないリードはさらなる育成に回すようにすれば、営業に渡すリードの質を担保できるようになります。

質と量はトレードオフの関係にありますが、まずある程度の数の母集団を集め、その中から質を向上させていくアプローチが現実的です。What(何を獲得するか)の基準を、戦略に含めて設計しておきましょう。

マーケティングオートメーションの導入については、「ma ツール 導入」の記事で解説していますので、あわせてご覧ください。

2-4.ステップ4:How(どうやって)-戦略に基づき施策を選択する

ここまでのステップ1〜3を経て、Why(なぜ)・Who(誰に)・What(何を)という戦略が明確になったら、How(どうやって)の手段選択に進みましょう。

【事業フェーズ別の施策の例】

・創業期:この段階では知名度も予算も限られるため、重点チャネルを1〜2個に絞り込み、集中的に実行するのがおすすめです。たとえばSEOに強い創業メンバーがいればコンテンツマーケティングに注力する、あるいは顕在ニーズを逃さないためリスティング広告に投資するといった具合です。

・成長期:プロダクトが市場に受け入れられ始めたら、リードの量と質を両立する施策に投資していきます。MQLやSQLの定義づけやKPI設定をブラッシュアップしながら、商談・成約につながりやすい質の高いリードを増やす方向にシフトします。

・成熟期:ビジネスが大きくなった段階では、チャネル全体の効率管理が必要です。また、事業規模が拡大するとリード獲得1件あたりの許容コストが上がり、高コストでも効果の高い施策へ投資できるケースもあります。

具体的な施策の例はこの後で詳しく紹介しますが、重要なのは、手段ありきではなく戦略ありきで施策を選ぶことです。創業初期にあれもこれも手を出すとリソースが分散し成果が出ませんし、逆に成長期以降に単一チャネル依存だと伸び悩むことがあります。

なお、「戦略の立て方がよくわからない」「これで合っているのか不安」というときには、ぜひSells upにご相談ください。Why・What・Whoを明確にするところから伴走し、SaaSのリード獲得戦略の構築をサポートします。

3.【インバウンド編】質の高いリードを継続的に集める施策

ここからは、戦略に基づいて選択してほしい施策の具体例を紹介していきます。まずは、見込み客が自ら情報を求めて訪れる仕組みを構築するインバウンドマーケティングの施策を4つ、見ていきましょう。

1. オウンドメディアとSEOで資産となる流入を作る

2. ホワイトペーパーで課題解決意欲の高いリードを獲得する

3. 導入事例で比較検討層の意思決定を後押しする

4. ウェビナー開催で効率的にリードを獲得し育成する

3-1.オウンドメディアとSEOで資産となる流入を作る

自社ブログやナレッジサイトによるコンテンツ発信とSEO対策は、長期的に大きな成果を生む王道施策です。

良質なコンテンツは一度公開すれば蓄積され、見込み客を集め続けるデジタル資産となるからです。

具体的には、ターゲット層が抱える課題や関心事について役立つ記事を作成し、検索エンジン経由での流入を増やします。たとえば、「医療機関向け勤怠管理の課題と解決策」などの記事を用意して、該当テーマで検索した見込み客を惹きつけることが狙いです。

自ら情報収集してコンテンツを読んだ顧客のほうが課題認識や購買意欲が高まりやすいため、成約率も高い傾向があります。

3-2.ホワイトペーパーで課題解決意欲の高いリードを獲得する

ホワイトペーパーは、特定の課題やテーマについて詳しく解説した資料のことです。

見込み客にダウンロードしてもらうことで連絡先情報を取得し、課題を解決したい意欲が高い層のリードを効率的に獲得できる利点があります。

ホワイトペーパーの施策では、ダウンロードする価値があると見込み客に思わせるだけの質を担保することが重要です。たとえば、「人事・労務のDX最新動向と成功事例12選」といった内容で、自社が蓄積したノウハウや独自調査データを盛り込みましょう。

ダウンロードしたリードはニーズがある程度顕在化しているため、すみやかにフォローアップを行い、商談につなげましょう。

3-3.導入事例で比較検討層の意思決定を後押しする

導入事例は、既存顧客が自社サービスを導入して得られた成果やプロセスを紹介するコンテンツです。

※導入事例がどのようなものか確認したい方は、Sells upの「お役立ちコンテンツ紹介>事例」のページをご覧ください。

見込み客が最も知りたい情報のひとつが、他社の成功事例です。検討後期のリードの背中を押す決定打となることも、多く見られます。

事例記事を読んだ見込み客は、自社と近い企業がどのように課題を解決したかを具体的にイメージできるようになります。「導入後に業務時間が40%削減」「初年度ROIが3.5倍に向上」といった定量効果を示せば、投資対効果をより現実的に捉えられるでしょう。

営業トークでいくら「効果的です」と伝えても限界がありますが、お客様の声なら信じてもらいやすいものです。

導入事例ページを自社サイトに設けて公開するのはもちろん、営業の現場でも事例資料を活用したり、事例集ホワイトペーパーを作ったりする方法も有効です。

3-4.ウェビナー開催で効率的にリードを獲得し育成する

ウェビナー(オンラインセミナー)は、見込み客を集めて自社や業界の有益な情報を発信するイベント施策です。

物理的な会場を必要とせずオンラインで実施できるため、低コストで全国からリードを集められる効率性が魅力です。

内容にもよりますが、数十〜数百名規模の参加登録が集まることも珍しくありません。開催したウェビナーは録画コンテンツとして二次活用でき、後日オンデマンド配信してリード獲得に使うこともできます。

ウェビナーを成功させるポイントは、単なる自社製品PRではなく、ターゲットの課題解決に役立つテーマ設定をすることにあります。また、実施後の参加者へのフォローアップも重要です。

4.【アウトバウンド編】即効性をもってターゲットに届ける施策

続いて、企業側から積極的に見込み客にアプローチするアウトバウンドマーケティングの施策を見ていきましょう。ここでは、即効性が高くターゲット層へ直接リーチできる3つの施策を解説します。

1. リスティング広告で顕在層に直接アプローチする

2. SNS広告で潜在層の認知を獲得し掘り起こす

3. 外部メディアへの記事広告で第三者の信頼を得る

4-1.リスティング広告で顕在層に直接アプローチする

リスティング広告は、Googleなどの検索エンジンで特定のキーワードを検索したユーザーに対して、検索結果ページ上部などにテキスト広告を表示する手法です。

検索エンジンで情報収集する見込み客に、ピンポイントでリーチできるチャネルとして、非常に重要です。

リスティング広告は出稿後、スピーディーに検索結果に表示され、見込み客を自社サイトに誘導できます。たとえば、[プロジェクト管理ツール 比較][給与計算システム 価格]など、自社サービスに関連するキーワードで広告を出せば、具体的なニーズを持つ人のクリックが期待できます。

なお、リスティング広告の始め方は、Google公式の「Google 広告を始める 10 のステップ」が参考になります。

4-2.SNS広告で潜在層の認知を獲得し掘り起こす

SNS広告は、X・Facebook・Instagramなどのソーシャルプラットフォーム上で配信する広告です。自社サービスをまだ認知していない潜在層にリーチし、興味を喚起する手段として有用です。

SNSによっては、業種・職種・役職といった属性で精緻にターゲティングできます。たとえば「製造業のITマネジャー」へ広告を表示するといったことが可能です。

SNS広告は、潜在顧客層の掘り起こしと、自社コンテンツへの誘導に強みを発揮するチャネルです。

一方、SNS広告からはすぐ商談・契約まで至らないケースも多くあります。ほかの施策と組み合わせてエンゲージメントを高め、じっくり育成する視点が必要です。

4-3.外部メディアへの記事広告で第三者の信頼を得る

記事広告とは、外部の権威あるメディアにおいて、通常の記事のような体裁で掲載される広告コンテンツのことです。第三者メディアの編集力・発信力を借りて、自社サービスを読者に訴求できます。

一見するとその媒体の通常記事のように読めるため、読者は広告と気づいても拒否反応を起こしにくいのが特徴です。第三者視点で書かれたストーリーの中で、自社製品の紹介や導入事例が語られるため、直接の宣伝よりも信頼度・説得力が増します。

知名度の高い媒体に露出すれば、「あの○○誌に載っていた会社だ」と覚えてもらいやすくなります。さらに、記事内にホワイトペーパーやセミナー案内のリンクを設置しておけば、リード獲得につながります。

具体的には、たとえば日経BPが提供する広告が挙げられます。詳しくは「日経BPの雑誌広告・ウェブ広告(日経BPマーケティング)」にてご確認ください。

5.【その他】SaaSのリード獲得を加速させる応用施策

最後にその他として、オフラインや連携の施策を紹介します。

1. 展示会やイベントでオフラインの接点を創出する

2. 他社との共催ウェビナーでリーチを拡大する

3. プレスリリースでメディアからの注目を集める

5-1.展示会やイベントでオフラインの接点を創出する

展示会やカンファレンスへの出展、あるいは自社主催イベントの開催は、オフラインで見込み客と直接出会える貴重な機会です。

顔を合わせて話せる場で得られる信頼感や熱量は格別です。

たとえば展示会では、ブース来訪者と名刺交換やアンケート収集を行い、リード情報を獲得します。一度の展示会で100件以上の名刺を集めることも珍しくなく、短期的なリード数確保という点ではトップクラスに即効性があります。

接点を得た後は、すぐにリード情報をデータベース化して対応することが重要です。温度感の高いリードにはすぐ営業がコンタクト、温度感が低いリードにはメールなどで継続育成といったフォローアップ体制を構築しましょう。

とくに、展示会出展はコストや準備工数も大きいため、ROI(投資収益率)を意識した目標設定が必要です。

具体的にどのような展示会があるのかについては、「日本の見本市・展示会(ジェトロ)」のページにて確認できます。

5-2.他社との共催ウェビナーでリーチを拡大する

共催ウェビナーは、相性の良い他企業と合同でオンラインセミナーを開催する施策です。単独開催よりも集客力・コンテンツ力が高まり、自社ではリーチできなかった層にアプローチできる利点があります。

それぞれの企業が自社の見込み客リストに告知するため、互いの顧客基盤を共有し合う形で集客範囲を倍増できます。また、共催パートナーが信頼できる企業であれば、その企業と肩を並べている事実自体が、自社への信用につながります。

近年、共催ウェビナーは広がりを見せていて、多くのSaaS企業が取り入れています。信頼できるパートナーと組んで、積極的に実施するとよいでしょう。

具体的な事例を見たいときには、たとえばXで[共催ウェビナー]と検索すると、参加者募集中の共催セミナーが見つかります。

5-3.プレスリリースでメディアからの注目を集める

プレスリリース配信は、新サービスのリリースや機能追加・顧客の導入事例など、ニュース性のある情報を報道機関向けに発信する施策です。メディア露出やSEO効果・信頼性向上などを通じて、間接的にリード獲得に効果があります。

プレスリリースを配信するとWebニュース媒体に掲載されたり、業界誌に取り上げられたりする可能性があります。とくにユニークな調査データや市場トレンドを絡めた内容だと目に留まりやすく、結果的に自社サイトへのアクセス増加につながります。

展示会出展やセミナー開催の告知にもプレスリリースは有効です。プレスリリース配信自体は比較的低コストででき、内容さえしっかりしていれば費用対効果の高いPR手段です。

プレスリリースの配信サービスとしては、PR TIMESが有名です。詳しくは「PR TIMES サービス紹介(PR TIMES)」のページをご覧ください。

6.獲得したリードを商談につなげる戦略

最後に、獲得したリードを商談へとつなげる戦略についても、確認しておきましょう。

1. MAツールを活用して自動化とパーソナライズを進める

2. リードスコアリングで優先度を可視化する

3. メールマーケティングでの段階的な関係構築を進める

6-1.MAツールを活用して自動化とパーソナライズを進める

MA(マーケティングオートメーション)ツールは、リードジェネレーション(リード獲得)からナーチャリング(育成)・スコアリングまで、マーケティングプロセスを自動化・可視化するソフトウェアです。

SaaS企業のマーケティングでは必須ともいえる存在で、適切に活用すれば、リード対応の自動化と最適化を大きく前進できます。

たとえば、あらかじめ設定したシナリオに従って、「問い合わせ直後にサンクスメール送信→3日後に関連ブログ記事を案内→1週間後にホワイトペーパーをレコメンド」といった一連のコミュニケーションを自動実行します。

各リードの興味関心やステージに応じて、送るメッセージ内容やタイミングを変え、適切なタイミングで適切な情報を届けましょう。

なお、「ツールの選び方に迷う」「どれを選べばよいのかわからない」というときには、ぜひSells upにご相談ください。戦略を土台として最適なツール選定と運用体制の構築をサポートします。

6-2.リードスコアリングで優先度を可視化する

リードスコアリングは、見込み客一人ひとりの温度感や成熟度を数値(スコア)で表し、可視化する手法です。

リードの質を高め、営業効率を上げるうえで非常に有用な考え方で、多くのMAツールに標準機能として組み込まれています。

具体的には、リードの属性情報(企業規模や業種・役職など)や行動情報(メール開封・資料ダウンロード・サイト訪問頻度など)に点数を割り振り、合計点で有望度をスコアリングします。たとえば「フォーム経由で問い合わせしたら+50点」「製品ページを閲覧したら+10点」「従業員500人以上の会社なら+20点」といったルールを作り、自動加点していくのです。

スコアが一定値を超えたらMQLとみなす運用をすれば、どのリードを営業に渡すべきか明確な基準ができます。自社の顧客データや営業経験をもとに、どの要素が受注に寄与したかを洗い出し、スコア配分に反映することが重要です。

スコアリングについては、以下の記事もあわせてご覧ください。


スコアリングとは?BtoBマーケティングの成果を最大化するモデル設計と運用方法

スコアリングとは、見込み客(リード)の購買意欲を点数で可視化するマーケティング手法です。本記事では、BtoBビジネスの成果を最大化するための具体的なスコアリングモデル設計、失敗しないためのデータ整備とSLA締結、営業連携の運用プロセス、そして高度な分析手法までを専門家の視点で徹底解説します。

sellsup.co.jp

og_img

6-3.メールマーケティングでの段階的な関係構築を進める

メールマーケティング(メールマガジンやステップメール配信)は、リードナーチャリングの基本となる手法です。SaaSにおいても、見込み客と段階的に関係性を深め、信頼を築くためにメールは未だに最強のチャネルのひとつです。

具体的には、MAツールなどを活用し、リードの属性や興味に応じて、メールの内容を出し分けます。

送りつけ型の一方的な宣伝ではなく、相手にとって役立つ情報提供を軸に据えることがポイントです。「この会社からのメールは読む価値がある」と思ってもらえれば、開封率・クリック率が向上します。

メールマーケティングについては、以下の記事もあわせてご覧ください。

BtoB向けステップメールで商談化率UP!自動でリード育成する設計術

7.まとめ

本記事では「SaaSのリード獲得」をテーマに解説しました。要点をまとめておきましょう。

SaaSのリード獲得戦略を立てる流れを4つのステップで解説しました。

1. Why(なぜ)-リード獲得の目的と目標を定義する

2. Who(誰に)-理想の顧客像を定義する

3. What(何を)-獲得すべきリードの基準を設計する

4. How(どうやって)-戦略に基づき施策を選択する

質の高いリードを継続的に集めるインバウンド施策として、以下を解説しました。

1. オウンドメディアとSEOで資産となる流入を作る

2. ホワイトペーパーで課題解決意欲の高いリードを獲得する

3. 導入事例で比較検討層の意思決定を後押しする

4. ウェビナー開催で効率的にリードを獲得し育成する

即効性をもってターゲットに届けるアウトバウンド施策として、以下を解説しました。

1. リスティング広告で顕在層に直接アプローチする

2. SNS広告で潜在層の認知を獲得し掘り起こす

3. 外部メディアへの記事広告で第三者の信頼を得る1. リスティング広告で顕在層に直接アプローチする

SaaSのリード獲得を加速させる応用施策として、以下を解説しました。

1. 展示会やイベントでオフラインの接点を創出する

2. 他社との共催ウェビナーでリーチを拡大する

3. プレスリリースでメディアからの注目を集める

本記事を参考に、質と量を両立させたリード獲得の仕組みを整えていきましょう。営業・マーケティング・その他部門とも協力して取り組み事業の安定成長を支える、強力な基盤を築いてください。

MAツールの導入・活用の相談はSells upへ。

MAツールの導入や、導入後の成果最大化に課題をお持ちでしたら、ぜひSells upにご相談ください。50社以上の導入・活用を支援してきた担当者が貴社の状況・目標に向き合い、最適なツールの導入プラン / 統計知識を用いた活用プラン描き、戦略策定から実装 / 実行 / 効果測定までをご支援いたします。

株式会社Sells up
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。BtoBマーケティングの戦略設計/KPI設計はもちろん、リードジェネレーション施策やナーチャリング、MA/SFA活用を支援し、業界/企業規模を問わずこれまでに約80社以上の支援実績を持つ。Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialist/Tableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。