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設計したのに、成果が出ない|ナーチャリングが機能しない、よくある原因と対処法

「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために

施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。 こうした課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。 Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。

目次

「ちゃんとやっているはずなのに」という状況

セグメントを切った。シナリオも組んだ。指標も追っています。それでも商談が増えない、リードが温まっている実感がない。

「ナーチャリングを設計したのに成果が出ない」というケースは実際にあります。そういうとき、問題は設計の細部ではなく、もっと手前の「前提」にあることが多いです。

この記事では、ナーチャリングが機能しない原因としてよくあるパターンを4つ整理します。自分たちの状況に当てはまるものがないか、確認しながら読んでみてほしいと思います。

原因① リードの量と質の問題

ナーチャリングは「育てる」プロセスであって「生み出す」プロセスではない

ナーチャリングがうまく機能しないとき、そもそもの母数(ナーチャリングにかけるリードの量や質)に問題があるケースがあります。

ナーチャリングは、すでに存在するリードを育てる仕組みです。リードの獲得自体がうまくいっていない状況でナーチャリングを強化しても、入ってくる数が少なければ成果の総量は限られます。また、自社の商材と全くマッチしていないリードをいくら育てても、商談にはつながりません。

チェックポイント

確認すること

量の問題

ナーチャリングにかけているリードの数は、成果を出すのに十分か。母数が少なすぎると、設計が良くても商談数は増えにくい

質の問題

獲得したリードは、自社の商材が解決できる課題を持っているか。ターゲットとずれたリードを大量に育てても、商談化率は上がらない

もし「ナーチャリングはしているが、そもそもリードが少ない」という状況であれば、まずリード獲得の設計を見直す方が先です。ナーチャリングと獲得は別の課題として切り分けて考えることが重要になります。

原因② コンテンツとフェーズがずれている

「なんとなく選んだコンテンツ」を届けてしまっている

シナリオは組んだものの、各フェーズに届けるコンテンツが相手の状況と合っていないケースです。「このフェーズに使えるコンテンツがなかったから、とりあえず手元にあるものを入れた」という判断が積み重なると、シナリオとして設計しているつもりでも、実態は関係のない情報を順番に送っているだけになってしまいます。

よくあるずれの例

パターン

どういう状態か

全フェーズで同じトーン

認知段階も比較・選定段階も、同じ「サービス説明」的なコンテンツが並んでいます。フェーズが進んでも届くものが変わらない

入口から出口へのギャップが大きい

入口は「課題整理のコラム」なのに、次のメールでいきなり「デモのご案内」が来る。中盤のコンテンツが抜けている

検討段階に合わない情報を届けている

すでに自社の課題を理解しているリードに、入門的な説明コンテンツを送り続けている

対処法は、各フェーズのコンテンツを並べて「流れとして読んだとき、自然に理解が深まっていくか」を確認することです。コンテンツ単体ではなく、シナリオ全体を通して読み直してみると、ずれが見えやすくなります。

原因③ 設計して終わりになっている

「やりっぱなし」の施策は時間とともに精度が落ちる

シナリオを一度作ったら、あとは自動で回っているからいい、という状態になっていませんか?

市場の状況や顧客の関心事は変わりますし、コンテンツに掲載している情報が古くなることもあります。設計したままで検証・改善をしていないと、最初はそこそこ機能していた施策が、気づかないうちに精度が落ちていくことがあります。

検証のサイクルが回っていないサイン

こんな状況はないか

何が起きているか

開封率・クリック率しか見ていない

フェーズ移行率や商談化率を追えていないため、ナーチャリングが機能しているかどうかが分からない

シナリオを組んで以来、一度も見直していない

コンテンツの鮮度が落ちていたり、フェーズ定義がずれてきていても気づけない

改善したいが何を変えればいいか分からない

どこで詰まっているかを特定する指標が整っていないため、感覚で動かすしかない状態になっている

指標の整え方と改善サイクルの回し方については、「ナーチャリングの成果、どうやって測ればいいのか」で詳しく整理しているので、合わせて参照してほしいと思います。

まず「今のシナリオで、どこで一番リードが止まっているか」を確認するところから始めるのが、改善の入り口になります。

原因④ そもそもナーチャリングが向いていない状況かもしれない

ナーチャリングが効く条件を確認する

ナーチャリングはすべての商材・状況に向いているわけではありません。設計や改善を繰り返しても成果が出ない場合、そもそもナーチャリングが機能しにくい条件下にある可能性があります。

ナーチャリングが効きやすい状況

ナーチャリングがきにくい状況

検討期間が長い(数週間〜数ヶ月)

購買の意思決定が非常に速い(即日〜数日)

複数の関係者が検討に関わる

意思決定者が1人で、直接アプローチが有効

情報収集フェーズが長くある

ニーズが顕在化した時点でほぼ購買が決まる

リードが継続的に一定数獲得できている

リードが少なく、1件1件を丁寧に個別対応できる

たとえば、検討期間が非常に短い商材の場合、リードが発生した時点ですでに検討は終盤に入っているケースが多く、ナーチャリングで育てる時間的な余裕がありません。こういった状況では、ナーチャリングより営業による迅速な個別対応の方が成果につながりやすいといえます。

「ナーチャリングをやるべきかどうか」を改めて確認することは、後ろ向きな話ではありません。向いている部分に集中することで、リソースを有効に使えます。

かない部分があっても、使える部分はある

ただ、ナーチャリングが完全に効かない商材というものはありません。「購買は速いが、購買後のリピートや追加提案に使える」「意思決定者には直接営業するが、担当者への情報提供にナーチャリングを使う」といった形で、部分的に活用できる余地があることも多くあります。

全体でうまくいかないからやめる、ではなく、どこに使えてどこには使えないかを切り分けて考えることが大切です。

まとめ

ナーチャリングが機能しない原因として多いのは、リードの量・質の問題、コンテンツとフェーズのずれ、検証サイクルが回っていないこと、そしてそもそもナーチャリングが効きにくい状況であること、の4つです。

うまくいっていないとき、すぐに「設計が悪い」「コンテンツが足りない」という方向に向かいがちですが、まずこの4つに当てはまるものがないかを確認してみてください。原因が分かれば、対処の方向性も見えてきます。

ナーチャリングは「設計して動かして検証して改善する」サイクルの繰り返しです。完璧な状態でスタートする必要はないし、うまくいかない時期があるのも正直、普通のことです。小さく動かして、確認して、直す。この繰り返しが、成果につながっていきます。

今日からできること

  • ナーチャリングにかけているリードの量と質が十分かを確認する
  • シナリオのコンテンツを「流れ」として通して読み直し、フェーズとのずれがないか確認する
  • 直近の施策で「設計してから一度も見直していないもの」がないかチェックする
  • 自社の商材・状況がナーチャリングに向いているかを改めて整理してみる

「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために

施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。 こうした課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。 Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。

株式会社Sells up 代表取締役
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。ICP・ペルソナ策定から始まるBtoBマーケティングプロセスの全体設計、リードジェネレーション・ナーチャリング・クオリフィケーション・営業連携SLA構築・LTV最大化まで一気通貫での仕組み化支援を提供し、業界/企業規模を問わずこれまでに約80社以上の支援実績を持つ。Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement SpecialistおよびTableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。