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マーケティングオートメーション戦略の設計手順|80社の支援経験から解説する失敗原因と立て直しプロセス

マーケティングオートメーション戦略の設計手順:KPI逆算・スコアリング・SLA構築の全体像

戦略は立てた。次は実行できる体制があるか、確認しませんか

戦略設計の手順はわかっても、実際に動かすリソースやノウハウが不足しているケースは少なくありません。Sells upはBtoBマーケティングの戦略設計から施策実行まで、80社以上の支援実績があります。現状の課題と何から始めるべきかをご提案します。

目次

マーケティングオートメーション戦略とは、MA(マーケティングオートメーション)ツールを活用して、見込み顧客の獲得から育成・商談化までを仕組みとして動かすための設計思想と実行手順のことです。

弊社にいただいたご相談でも、MAを導入してから半年以上が経過しても商談数が変わらないケースが多くあります。その大半は、戦略設計が固まらないまま運用がスタートしていることが原因です。

本記事では、MA戦略が動かない原因の診断から、KPI設計・スコアリング・SLA構築までの手順、リスト規模に応じた施策の優先順位を解説します。

マーケティングオートメーション戦略とは何か

マーケティングオートメーション(MA)戦略とは、MAツールをメール配信の道具として使うのではなく、見込み顧客の獲得から育成・商談化・営業連携までを一本の設計でつなぐことです。整えるべき要素は次の4つです。

①目的とKPIの定義
②リードジャーニーの設計
③スコアリングとMQL定義
④営業との引き渡しルール(SLA)

この4つを順番に積み上げて初めて、MAは「商談を生む仕組み」として動き始めます。

マーケティングオートメーション(MA)の定義

MA(マーケティングオートメーション)とは、見込み顧客の行動データ・属性データをもとにメール配信・スコアリング・シナリオ実行を自動化し、商談化の確率が高いリードを営業部門へ供給するためのプラットフォームです。BtoBマーケティング領域では、初回接触から受注まで数ヶ月単位に及ぶ購買プロセスを効率化するために導入されます。

なぜMA「戦略」が必要なのか

ツールを導入することと、戦略を設計することは、まったく別の話です。MAを入れただけでは、データが溜まるだけで商談は増えません。MAが自動化できるのはあくまで「設計された手順の実行」であり、何を自動化すべきかを決めるのはツールではなく、人間の仕事です。

「誰に・何を・いつ届けるか」と「何点になったら営業に渡すか」を先に設計しておかないと、MAはただのメール一斉配信ツールになります。弊社に寄せられるご相談の中には、MAを導入してから1年以上経過しているにもかかわらず、いまだに「とりあえずメルマガを送っている」状態から抜け出せていない企業が少なくありません。戦略が整っていないまま施策を回しても、何を改善すべきかが見えてこないのです。

MA戦略が機能しない企業に共通する3つの原因

MA戦略がうまく動かない原因を掘り下げると、ツールよりも設計と体制の問題に行き着くことがほとんどです。共通して見られるのは、次の3点です。

①目的とKPIが設定されていない
②マーケティングと営業の間にSLA(引き渡しルール)がない
③自社の状況に合わない施策から始めている

原因①:目的とKPIが設定されていない

MAを入れること自体が目的になってしまうと、「何を改善すれば成果が出るのか」が誰にもわからなくなります。KGI(重要目標達成指標)からKPIを逆算する設計がなければ、日々の施策がどこに向かっているのか、チーム全体で共有できません。

たとえば「MA経由で月間MQL(マーケティング・クオリファイド・リード)を何件創出し、そのうち何件を商談化させるか」という数値目標がないと、スコアリングをどう設計すればいいかも決まりません。目的とKPIを固めることが、MA戦略を動かすための起点になります。

原因②:マーケティングと営業の間にSLAがない

スコアリングを作り込んでも、「何点になったら誰が何をするか」が合意されていなければ、スコアは誰にも使われません。SLA(Service Level Agreement)とは、マーケティングと営業の間で交わす引き渡しルールのことです。「マーケティングはスコア〇〇点以上のリードを月〇件、営業へ渡す」「営業は渡されたリードに〇営業日以内にアプローチする」という双方向の約束事がそれにあたります。

弊社の支援でも、「スコアリングの設定は完了しているが、SLAが合意されていない」という状態がMA活用停滞の原因として出てきます。スコアリングの精度よりも先に、SLAの有無が商談数を左右するケースが少なくありません。

「マーケティングが送ったリードに、営業がなかなか動いてくれない」という悩みは多くの企業で出てくる話です。営業側に「このリードは本当に温度感があるのか」という疑念がある限り、SLAなしではその溝は埋まりません。

原因③:自社の状況に合わない施策から始めている

リスト規模・人員・ツール習熟度を無視して、スコアリングやシナリオ設計から手をつけてしまうケースも多く見られます。弊社がご支援した株式会社ブリューアス様では、BtoCのマーケティング手法をそのままBtoBに持ち込んでいたことが大きな課題でした。BtoCで効いた手法がBtoBマーケティングに通用しない理由は、購買プロセスの長さ・意思決定に関わる人数・コンテンツへの期待値がまったく異なるからです。

まず自社の現在地を把握し、状況に合った施策の優先順位を決める。その判断軸については、後述の「MA戦略の実行フェーズ」で解説します。


BtoCマーケの“コピー&ペースト”から脱却。戦略設計と広告・LP・MAなどの全方位施策で得た成果とは

株式会社ブリューアスはBtoB事業に注力する一環として、チームを立ち上げてBtoBマーケティングに取り組んでいたものの、社内に経験者が不在だったことから全体戦略の立案や施策の実行に課題を抱えていました。そこでマーケティング戦略の立案から広告運用やMAツールの運用などの施策の実行まで、幅広い支援サービスをご提供させていただきました。

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MA戦略を設計する前に確認すべき3つの前提条件

設計に入る前に確認すべき前提条件は3つあります。

①ターゲット(ICP・ペルソナ)の解像度
②現在の見込み顧客リストの規模と質
③マーケティングと営業が同じ場で議論できる体制

この3つが整っていない状態でシナリオやスコアリングの設計を始めると、運用を開始した途端に壁にぶつかります。

前提①:ターゲット(ICP・ペルソナ)の解像度を上げる

ICP(理想顧客プロファイル)とは、自社のサービスで成果を出せる顧客の属性定義です。業種・企業規模・役職・導入課題・意思決定フローを具体的に言語化することで、どのリードを優先的に育成すべきかが決まります。

「従業員100〜300名・IT系SaaS・情報システム部長が主担当者・既存ツールの活用停滞が課題」といった粒度まで定義できると、スコアリングの属性軸とシナリオのコンテンツ選定が連動して設計できます。ペルソナの解像度が低いまま進めると、誰に届けても反応しないシナリオができあがります。

BtoBマーケティングにおけるデマンドジェネレーション(需要創出)の全体設計との関係については、デマンドジェネレーションの全体設計も合わせて確認するとよいでしょう。

前提②:現在の見込み顧客リストの規模と質を把握する

リスト件数が少ない段階でスコアリングを作っても、精度は担保できません。弊社の支援では、まずメール配信の基盤を整えることを優先するケースが多いです。スコアリングはリードの行動パターンをデータで積み重ねながら精度を上げていく仕組みなので、サンプルが少ないと安定した判定につながりにくいのです。

なお、具体的なリスト規模の目安は弊社の支援実績にもとづくものであり、業種・業態によって変わります。詳しくは後述の「MA戦略の実行フェーズ」で説明します。設計の順序を決める前に、自社のリスト規模を確認しておくことで、過剰な投資を防げます。

前提③:マーケティングと営業が同じ場で議論できる体制を作る

MQL(マーケティング・クオリファイド・リード)の定義とSLA設計は、マーケティング単独では決められません。営業が「このスコアのリードならアプローチしたい」と納得できる基準にするには、営業側の実感値を設計に組み込む必要があります。

月1回30分程度でいいので、マーケティング・営業合同の振り返り会を設けることから始めると続きます。「先月渡したリードのうち、商談化したのはどんな行動履歴を持っていたか」をフィードバックしてもらうだけで、スコアリングルールの改善とSLA合意を同時に前に進めることができます。この場がないままMA戦略を設計しても、運用が始まった後に部門間のズレが必ず出てきます。

MA戦略の設計手順

MA戦略は5ステップで設計することが大切です。

①KGI・KPIの設計でMAの役割を定義する
②リードジャーニーとファネルを設計する
③スコアリングとMQL閾値を設計する
④ナーチャリングシナリオを設計する
⑤SLAで営業連携を仕組み化する

この順序を飛ばして途中から始めると、後工程で設計の矛盾が生じます。

Step.1:KGI・KPIを設計し、MAの役割を定義する

KGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)とは、事業全体の最終目標数値のことです。「MA経由で年間受注額〇〇円」「月間新規商談数〇〇件」といったKGIを置き、そこから逆算してMAが担う範囲のKPIを導きます。

KPIの逆算は以下の順序で進めます。

  1. KGI:MA経由の年間受注額・受注件数を設定する
  2. 受注率から商談数を逆算する
  3. 商談化率からSQL(セールス・クオリファイド・リード)数を逆算する
  4. SQL転換率からMQL数を逆算する
  5. MQL獲得率から月間リード数を逆算する

このKPIツリーが揃うことで、MAが担う範囲は「リード獲得からMQL化まで」と役割が明確になります。MAに何を期待するかを数値で定義すること、それが戦略設計の起点です。

Step.2:リードジャーニーとファネルを設計する

リードジャーニーとは、見込み顧客が初めて自社を認知してから受注に至るまでの行動・思考の流れを段階的に定義したものです。BtoBマーケティングでは一般的に、New(新規)→TOFU(認知・課題認識)→MOFU(比較検討)→BOFU・MQL(購買意思あり)→SQL(営業対応中)→受注という6段階で設計します。

ポイントは、各ステージの遷移条件を明文化すること。「TOFUからMOFUへの遷移条件は、資料DLまたはウェビナー参加」「MOFUからMQL(BOFU)への遷移条件は、属性スコア20点以上かつ行動スコア40点以上」といった形で定義します。遷移条件が決まることで、Step.3のスコアリング設計が具体的な数値設計として進められます。

Step.3:スコアリングルールとMQLの閾値を設計する

スコアリングとは、見込み顧客の属性と行動に点数を付け、商談化の確率が高いリードを可視化する仕組みです。属性スコアと行動スコアの2軸で構成します。

属性スコアの一例としては、

役職が経営層・部長クラスであれば+20点
企業規模が50〜300名であれば+15点
ターゲット業種であれば+10点

といった設定が考えられます。

行動スコアでは、

価格ページ閲覧で+15点
資料DLで+20点
ウェビナー参加で+10点
メールCTRで+5点
問い合わせで+50点(即時トス)

といった設計になります。閾値は業種・商材・営業体制によって変わるので、弊社の支援実績にもとづく一例として参考にしてください。

MQL判定は、属性スコアと行動スコアの両方が一定値を超えた場合という二重判定が有効です。行動スコアだけで判断すると、属性が合わない企業からのアクションでも営業トスが発生し、「このリードは使えない」と営業からの信頼を損ないかねません。スコアリング設計の詳細な手順については、スコアリング設計の具体的な手順で解説しています。

Step.4:ナーチャリングシナリオを設計する

ナーチャリングシナリオとは、リードのステージと属性に応じて最適なコンテンツを自動配信する、一連のメール・コンテンツの流れのことです。シナリオの優先順位は、問い合わせ後フォロー→ウェビナー後フォロー→資料DL後フォロー→長期育成(休眠顧客掘り起こし)の順で組むのが、現場では定着しやすいです。

弊社がご支援した株式会社CLUE様では、セミナー後のアンケートからお客さまごとの関心トピックを分析し、それに応じたフォローアップメールを配信する仕組みを構築しました。「全員に同じメールを送る」から「関心トピックに合わせて送り分ける」に変えたことで、メール経由での商談化率が改善されています。

ナーチャリングシナリオの設計手順については、ナーチャリングシナリオの設計手順で詳しく解説しています。

Step.5:SLAを設計し、営業との連携を仕組み化する

SLA(Service Level Agreement:マーケティングと営業の引き渡しルール)とは、MQL判定後に「誰が・いつ・何をするか」を双方向で合意した約束事です。SLAが機能して初めて、MAの成果が数字として見えてきます。

SLAの設計例としては、以下のような内容を明文化します。

  • マーケティング:スコア〇〇点以上かつ属性条件を満たすMQLを月〇件、CRMに登録して営業へ通知する
  • 営業:通知されたMQLに〇営業日以内に初回アプローチを実施し、結果をCRMに入力する
  • 双方:月次の振り返り会でMQLの質・商談化率・フィードバックを共有し、スコアリングルールを改善する

SLAがないと、マーケティングが渡したMQLが営業に動いてもらえなくても、どこに問題があるかが特定できません。SLAを「責任の押し付け合い」ではなく「成果を出すための共同設計」として位置づけることで、部門間の関係性が変わります。

MA戦略の実行フェーズ:リスト規模に応じた施策の優先順位

どの施策から着手すべきかは、リスト規模によって変わります。リストが少ない段階でスコアリングやシナリオから始めても効果は出にくく、まずメール配信の基盤を整えることが先です。以下の3フェーズは弊社の支援実績にもとづく目安であり、業種・商材によって適切な規模は異なります。

フェーズ①|リストが少ない段階:まずメール配信の基盤を整える

この段階では、セグメント配信・開封率・クリック率(CTR)の計測体制を整えることが優先です。「誰にどのメールを送ったか」「どのコンテンツが反応されているか」を把握できる状態にすることで、次のフェーズでのスコアリング設計の精度が上がります。

リストが少ない段階でスコアリングを急がない理由は、サンプルが十分でないとスコアと商談化の関係が安定して見えないからです。リストを育てながら配信の精度を上げることに集中するのが、遠回りに見えて実は近道です。リード獲得施策との連動設計については、MAツールの導入実務ステップも参照ください。

フェーズ②|リストがある程度蓄積された段階:スコアリングとシナリオを本格設計する

リスト規模がある程度確保されると、スコアリングの傾向がデータとして見えやすくなります。シナリオ設計の優先順位は、問い合わせ後フォロー→ウェビナー後フォロー→資料DL後フォロー→長期育成の順で進めます。

このフェーズでのシナリオ設計については、MAシナリオの具体的な設計手順で詳しく解説しています。フェーズ①で貯めた開封率・CTRのデータをシナリオの分岐条件設計に使うことで、精度の高い設計につながります。

フェーズ③|リストが大きく積み上がった段階:インサイドセールスとの自動連携を設計する

リスト規模が大きくなると、MQLが大量発生してもインサイドセールスが対応しきれないという問題が出てきます。このフェーズでは、ホットアラート設計(高スコアリードの自動検知・IS通知)と優先度付けの自動化が重要になります。

弊社がご支援したCLUE様では、3日連続でサービスページを訪問しているユーザーを検知し、インサイドセールスへ自動連携される仕組みを構築しました。温度感の高いリードへの対応スピードが上がり、商談化率の改善につながった事例です。複数年にわたる支援を経て、「営業が自分の足で獲得する状態」から「マーケティング施策でリードを獲得できる状態」への変革を実現し、インサイドセールスチームの立ち上げにもつながっていることからも、その変化の大きさがお分かりいただけるかと思います。


戦略立案、施策の実行、そして人材育成。非連続な成長を続けるスタートアップのマーケ立ち上げとその裏側

取り組みがスタートした2019年当時、株式会社CLUEでは営業活動は進められていたものの、社内にマーケターが不在だったことからマーケティング施策に取り組めないという課題を抱えていました。そこでマーケティング戦略の立案から施策の実行、インサイドセールスチームの立ち上げまで幅広い支援サービスをご提供させていただきました。

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MA戦略を機能させるためのKPI管理とPDCAの回し方

MA戦略を持続的に動かすには、KPI管理とPDCAの仕組みを同時に整えることが必要です。

①週次・月次のモニタリング指標を固定し
②スコアリングの精度を営業フィードバックで定期的に見直す

この2つの習慣が根づくと、MA活用が自走し始めます。

週次・月次でモニタリングすべき指標と見方

ファネル別KPIとして、以下の指標を週次・月次でモニタリングします。

  • 週次:新規リード数・MQL数・SQL転換数・ホットアラート発生件数
  • 月次:商談化率・受注率・MA経由の受注件数・チャネル別リード単価

ダッシュボードはファネルの上流から下流に向けて数値が連動して見られる構成にすると、異常値の発見が早くなります。リード数が目標通りでも商談化率が低いなら、スコアリングのMQL閾値かSLAの営業対応速度のどちらかに問題がある可能性が高いです。KPIの設定と効果測定の詳細については、MAのKPI設定と効果測定の方法をご参照ください。

スコアリングの精度を上げるPDCAの手順

スコアリングの精度を上げるには、営業からのフィードバックを定期的にスコア設計へ反映することが大切です。「先月MQLとして渡したリードのうち、商談化したのはどんな行動をしていたか」を月次振り返り会で確認し、相関が高い行動のスコアウェイトを調整します。

見直しのサイクルは半年〜1年を目安にします。頻繁に変えすぎると担当者の負荷が高くなり、設計がブレていきます。半年間は設計したルールで回しながらデータを貯め、十分なサンプルが集まった段階で改善を入れていくサイクルが、長く続く運用につながります。

MA戦略を推進するためのツール選定の考え方

戦略設計を終えてからツールを選ぶのが、ツール選定の基本です。

①戦略を先に固め
②必要な機能要件を定義してから比較する

この順序を守ることで、「導入後にやりたいことができない」という事態を防げます。ツールを先に決めると、ツールの制約に合わせた戦略になり、本来やりたいことが後回しになりがちです。

ツールはMA戦略設計が終わってから選ぶ

Step.1〜Step.5の設計を終えた後に、「スコアリングはどう動かすか」「SFAとどう連携するか」「シナリオ分岐はどの程度必要か」という要件を固めてからツールを選定します。要件が明確になっていれば、ベンダーとの商談で「この機能は標準で使えるか」「連携APIは公開されているか」という具体的な確認もできます。

BtoBマーケティングに取り組む中小企業向けの主要MAツール選定軸

主要MAツールのポジショニングを簡潔に整理します。

HubSpotは導入コストが低く、CRMとMAが一体型のため、SFA連携の優先度が高い企業、特に50〜300名規模で採用されるケースが多いです。

Account Engagement(旧Pardot)はSalesforceとの連携が強固で、Salesforce CRMをすでに活用している企業に向いています。

Marketoは大規模リスト・複雑なシナリオ管理が可能で、エンタープライズ向けです。

SATORIは匿名リードの管理機能が充実しており、リストがまだ少ない段階のスタートアップや中小企業に向いています。

ツールの詳細な比較については、BtoB向けMAツールの選定比較をご参照ください。

弊社の支援事例から見るMA戦略の設計プロセス

MA戦略がどのようなプロセスで成果につながるか、弊社の支援事例から2つ紹介します。

事例①|CLUE様:マーケ不在から複数年かけてインサイドセールスチームを立ち上げるまで

株式会社CLUE様は、支援開始時点でマーケティング経験者が社内に一人もいない状態でした。営業活動はできていたものの、デジタルでリードを創出する仕組みがない状態からのスタートです。

弊社がご支援した際はKPI設計から着手し、ターゲット属性に合致するリード数と商談獲得数の2つを指標に設定しました。建設業界は検索行動が活発でないという特性から、SEO中心ではなくMeta広告・ディスプレイ広告などプッシュ型施策の方が獲得効率が高いという知見を現場で得て、チャネル配分を最適化しました。LPをサービス機能中心の構成からお客さまの課題解決に焦点を当てた構成に作り直したことで、安定したリード獲得につながっています。

MA(Account Engagement)とSFA(Salesforce)の選定・導入初期設定・活用まで一貫してご支援し、3日連続でサービスページを訪問しているユーザーを検知してインサイドセールスへ自動連携する仕組みも構築しました。複数年にわたる支援を通じて、「営業が自分の足で獲得する状態」から「マーケティング施策でリードを獲得できる状態」へと変わり、インサイドセールスチームの立ち上げにもつながっています。


戦略立案、施策の実行、そして人材育成。非連続な成長を続けるスタートアップのマーケ立ち上げとその裏側

取り組みがスタートした2019年当時、株式会社CLUEでは営業活動は進められていたものの、社内にマーケターが不在だったことからマーケティング施策に取り組めないという課題を抱えていました。そこでマーケティング戦略の立案から施策の実行、インサイドセールスチームの立ち上げまで幅広い支援サービスをご提供させていただきました。

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事例②|ブリューアス様:広告効率の改善と休眠顧客からの大型受注を実現

株式会社ブリューアス様では、BtoCのマーケティング手法をそのままBtoBに持ち込んでいたことが課題でした。BtoBマーケティング経験者が社内にいない状態でゼロから立ち上げる必要があり、何から手をつければいいかの判断軸もない状態でした。

弊社がご支援した際は、Google広告のみの運用からMeta広告・Microsoft広告を追加し、多媒体戦略でリーチを広げました。BtoCの発想では出てこなかったMicrosoft広告での法人向けPCユーザーへの訴求という新しいチャネルを開拓し、広告運用の改善によりCPAを大幅に削減することができました。

Account Engagement(旧Pardot)のアカウント移行時には重要なアクティビティデータの消去リスクを回避し、ステップメールが継続配信できる最低限のラインを死守しました。MA運用の改善によりステップメールから継続的な受注を獲得し、一度失注した休眠顧客への掘り起こしメール配信で大型案件の受注も実現しています。

まとめ

マーケティングオートメーション戦略とは、MAツールの機能を使いこなすことではなく、「誰に・何を・いつ届け・どのタイミングで営業に渡すか」を一貫した設計で仕組み化することです。本記事では、MA戦略が動かない3つの原因(KPI未設定・SLAの欠如・状況に合わない施策からの着手)を診断軸として整理し、Step.1からStep.5の設計手順を体系的に解説しました。

設計の順序が特に大切です。KGI・KPIの設定→リードジャーニー設計→スコアリング・MQL定義→シナリオ設計→SLA構築という5段階を飛ばさずに進めることで、MA活用が「メール配信ツール」から「商談創出の仕組み」へと変わります。リスト規模に応じた施策の優先順位(リストが少ない段階ではスコアリングを急がない)という判断軸も、過剰投資を防ぐうえで押さえておきたいポイントです。

MA戦略は一度で完成するものではなく、営業からのフィードバックを取り込みながら半年〜1年サイクルで改善を続けることで精度が上がっていきます。まず自社の現在地(リスト規模・SLAの有無・KPIの設定状況)を確認し、次に動かすべき1つのアクションを決めることが、MA戦略の立て直しの一歩目です。

よくある質問

マーケティングオートメーションとは何ですか?

マーケティングオートメーション(MA)とは、見込み顧客の行動データ・属性データをもとに、メール配信・スコアリング・シナリオ実行を自動化し、商談化の確率が高いリードを営業部門へ供給するためのプラットフォームです。BtoBマーケティングでは、初回接触から受注まで数ヶ月単位に及ぶ購買プロセスを効率化するために活用されます。

マーケティング戦略の3つのプロセスとは何ですか?

マーケティング戦略の3つのプロセスは、セグメンテーション(市場を分類する)・ターゲティング(狙うセグメントを決める)・ポジショニング(自社の立ち位置を定める)の頭文字を取ったSTP分析です。MA戦略においては、このSTPで定義したターゲット像がStep.1のICP・ペルソナ設計に直接連動し、スコアリングの属性軸やシナリオのコンテンツ選定の基準になります。

マーケティングの4大要素とは何ですか?

マーケティングの4大要素は、Product(製品)・Price(価格)・Place(流通)・Promotion(プロモーション)の頭文字を取った4Pです。MAはこの中でPromotion(プロモーション)の自動化に寄与しており、見込み顧客へのアプローチを属性・行動に応じてパーソナライズして届けます。Step.4のナーチャリングシナリオ設計は、この「誰に・何を・いつ届けるか」を具体的な施策に落とし込む作業です。

MA戦略を立てるとき、最初にやるべきことは何ですか?

KGI・KPIの設計と、マーケティング・営業間のMQL定義の合意から始めてください。この2つが固まっていない状態でシナリオやスコアリングの設計を進めると、運用開始後に設計の見直しが必要になります。弊社の経験でも、MQL定義の合意が取れていないことがMA活用停滞の原因として頻繁に出てきます。

MAを導入しても成果が出ない場合、どこを見直すべきですか?

SLAの有無を確認することから始めてください。スコアリングの設定よりも、SLA設計が整っていないことが商談数に影響しているケースが多いです。次にMQL定義の合意状況(営業が「このリードなら動きたい」と感じる基準になっているか)、そしてリスト規模がスコアリングの精度を担保できる件数に達しているかを順番に確認してください。

リスト規模が少ない段階でもMA戦略は機能しますか?

リスト規模が少ない段階でも、MA戦略の設計自体は有効です。ただし、着手する施策の優先順位を変える必要があります。弊社の支援実績にもとづく目安として、リストが少ない段階ではスコアリングよりもメール配信の基盤整備とリスト増加施策(リードジェネレーション)を優先するケースが多くあります。スコアリングの本格設計は、リストがある程度積み上がってからの方が精度の高い設計につながります。

戦略は立てた。次は実行できる体制があるか、確認しませんか

戦略設計の手順はわかっても、実際に動かすリソースやノウハウが不足しているケースは少なくありません。Sells upはBtoBマーケティングの戦略設計から施策実行まで、80社以上の支援実績があります。現状の課題と何から始めるべきかをご提案します。

株式会社Sells up 代表取締役
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。KGI逆算によるKPI設計・リードスコアリングの統計的設計・営業連携SLAの構築を含むMA活用支援を、業界・規模を問わず80社以上に提供してきた実績を持つ。Account Engagement SpecialistおよびTableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。