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MAツール活用の成否を分ける5つの設計要素|80社の支援経験から導く移行手順

MAツール活用の設計手順と失敗パターン|スコアリング・シナリオ・SLA構築の実践ガイド

ツールの設定よりも、「何をどう設計するか」で成果が変わります

HubSpot・Account Engagement・Marketoに精通した担当者が、 ツールの設定支援だけでなく、リード育成シナリオやスコアリング設計まで一貫してサポートします。 まずは現状のツール活用状況をお聞かせください。

目次

MAツール(マーケティングオートメーションツール)の「活用」とは、リードナーチャリング・シナリオ設計・スコアリングをMA上で動かし続け、商談創出が自動的に回り続ける状態を指します。弊

社が支援してきた企業でも、MAツール導入から半年以上たっているのに「ハウスリストの上から順に電話している」「ウェビナーは開催しているが商談につながらない」といった状況が続いているケースは珍しくありません。

本記事では、活用が止まってしまう5つの設計ミスと、活用できる状態へ移行するための設計手順をお伝えします。

MAツール活用とは何か:「導入済み」と「活用済み」は別物です

MAツールが「活用できている」と言えるのは、見込み客の行動データに応じてリードが自動的にフェーズ移動し、ホットリードの検知が営業行動のきっかけになっている状態です。具体的には、

  1. リードの行動を起点にシナリオが自動で動く
  2. スコアが一定の閾値を超えると営業に自動通知される
  3. KPIがマーケティングと営業の間で共有されている

この3つが揃って、はじめてMAツールは投資に見合う成果を出し始めます。

MAツールを「入れているだけ」の状態と、「きちんと活用できている」状態の差を生んでいるのは、ほとんどの場合ツールの機能ではなく、設計そのものです。

活用できていない状態の3パターン

MAの活用が止まってしまっている状態は、大きく3つのパターンに分けられます。

1つ目は「スコアが営業に使われていない」状態です。スコアリング自体は設定していても、MQLの定義や引き渡しルールに合意がないため、営業担当者がスコアを見ずに、自分の感覚でアプローチするリードを選んでしまいます。この状態が数か月続くと、マーケティングも営業も、次第にMAのスコア画面を開かなくなっていきます。

2つ目は「結局ハウスリストの上から順に電話している」状態です。MAツールを導入したにもかかわらず、営業の動き方が変わらず、行動データがアプローチの優先順位づけに使われていません。

3つ目は「施策と商談化がつながっていない」状態です。ウェビナーなどの施策を継続していても、商談転換率をきちんと測定できておらず、「どの施策がどれくらい商談を生んでいるのか」が見えていないケースがこれに当たります。

次の項目に1つでも心当たりがあれば、設計を見直すタイミングだと考えてください。

  • 設計したスコアに対して、営業担当者から「正直、使いづらい」と言われている
  • メルマガやウェビナー案内は送っているが、その後の行動を追えていない
  • MAツールにはデータがたまっているのに、どのリードにいつアプローチするか判断できない
  • ホットリード通知は来るものの、「通知から何分以内に対応するか」といったルールがない

活用できている状態の定義:MAが「仕組み」として回っているか

MAが「仕組み」として機能している状態とは、担当者がその都度判断しなくても、リードの行動に応じてMAツールが自動で適切なアクションを返している状態です。

たとえば、料金ページに3日連続でアクセスしたリードに自動でインサイドセールスへの通知が飛ぶ、資料ダウンロード後にステップメールが自動的に送られる、スコアが閾値を超えたリードがSFAに自動登録される──といった一連の流れが、人手を介さずに動いているイメージです。この状態を作るには、ツールの操作テクニック以上に「設計の質」が問われます。

MAツールの活用領域:デマンドジェネレーションの3プロセスと機能の対応

デマンドジェネレーション(需要創造)とは、リードジェネレーション・リードナーチャリング・リードクオリフィケーションという3つのプロセスを通じて、商談を継続的に生み出す仕組みを指します。MAツールはこの3プロセスすべてを支援し、SFAやCRMと役割分担しながら動くのが前提です。

流れとしては、

  1. リードジェネレーションでデータを蓄積する
  2. ナーチャリングで購買意欲を高める
  3. クオリフィケーションでホットリードを営業に渡す

という一連のプロセスが、商談を生み出す仕組みの骨格になります。

MAツールが担う3プロセスをどう全体設計すべきかについては、MAの導入から成果を出すまでの全体設計で詳しく解説しています。

リードジェネレーションにおけるMAツール活用

リードジェネレーション(見込み客の獲得)は、MAツールのLP作成機能・フォーム機能・トラッキングタグによって支援されます。フォームが送信されるとリード情報が自動でMAのデータベースに登録され、流入元チャネルもあわせて記録されます。

サイト全体にトラッキングタグを設置しておけば、匿名の訪問であっても、IPアドレスの解析を通じて企業名まで特定できるタイプのツールもあります。ここで蓄積したデータが、このあと設計するナーチャリングとスコアリングの土台になります。

リードナーチャリングにおけるMAツール活用

リードナーチャリング(見込み客の育成)は、MAツールのシナリオ機能・ステップメール・セグメントメール配信によって自動化できます。閲覧ページや資料ダウンロード、メールの開封やクリック率(CTR)といった行動履歴に応じて、届けるコンテンツを出し分けながら、段階的に購買意欲を高めていきます。

ナーチャリングシナリオを設計する際は、「カスタマージャーニーのどの段階にいるリードに、どんな情報を届けるべきか」というコンテンツマッピングが欠かせません。

リードナーチャリングの設計手順と成功パターンについては、別記事で体系的に整理しています。

リードクオリフィケーションにおけるMAツール活用

リードクオリフィケーション(見込み客の選別)は、スコアリング機能で自動化します。リードの属性スコアと行動スコアの合計が一定の閾値を超えると、そのリードをホットリードとして自動抽出し、SFAへ連携するといった運用が代表的です。

弊社の支援では、属性と行動の両方の条件を満たしたリードだけをMQL(Marketing Qualified Lead)として営業に引き渡す設計を採用するケースが多くあります。ただし、どの値を閾値とするかは業種や案件規模、リード母数によって変わるため、ここでご紹介しているのはあくまで弊社内の傾向を踏まえた一例です。なお、商談に至らなかったリードは休眠リードとしてリサイクルシナリオに戻し、長期的に商談機会を取りこぼさない設計にしていきます。

MAツール活用を止める「5つの設計ミス」

MAツールの活用が形だけになってしまう最大の理由は、ツールの機能不足ではなく、設計の問題です。弊社がMAツール活用を支援する中で見てきた典型的な失敗パターンは、次の5つに整理できます。

  1. スコアに根拠がない
  2. コンテンツがTOFU止まりになっている
  3. シナリオが複雑になりすぎている
  4. SLAが決まっていない
  5. KPIがマーケティングと営業で分断されている

多くの場合、これらが組み合わさって起きています。どれか1つでも思い当たるところがあれば、ぜひ読み進めてみてください。

設計ミス①:スコアリングに根拠がなく、感覚で決めている

スコアリング設計でありがちなのが、受注データの分析を行わず、「料金ページは重要そうだから高得点にしておこう」といった感覚ベースで点数を決めてしまうパターンです。弊社が支援したある企業では、こうした感覚値でスコアを重み付けした結果、HOT通知が週に数十件単位で発生し、営業担当者が通知対応をやめてしまったという事例がありました。

スコアリングの精度を高めるには、過去に受注したリードが商談前にどのページをどれくらい見ていたのか、どのコンテンツをダウンロードしていたのかを分析し、実際の商談化と相関が高い行動に高い点数を割り当てていく必要があります。

弊社では、ロジスティクス回帰分析やRFEモデルを用いて行動の重み付けを行い、行動ごとの相関の強さにもとづいてスコアを設計しています。

分析の結果、料金・サービスページの閲覧、資料ダウンロード、事例ページの閲覧といった行動が商談化と強く結びつく傾向が見られることが多いものの、具体的な点数や比率は業種や商材、案件規模によって変わります。必ず自社データで検証したうえで、自社に合ったスコア設計に落とし込んでください。

スコアリング設計の全体像については、リードスコアリングの設計根拠と閾値設計でより詳しく解説しています。

設計ミス②:ナーチャリングコンテンツがTOFU止まりになっている

コンテンツマッピングとは、カスタマージャーニーの各フェーズ(TOFU・MOFU・BOFU)に対応するコンテンツを棚卸しし、リードが一歩ずつ前進できるように並べていく作業です。

多くの企業では、TOFU(認知・課題認識フェーズ)向けのセミナーやブログ記事は豊富にあるものの、MOFU(比較検討フェーズ)向けの導入事例・比較資料や、BOFU(導入検討フェーズ)向けの料金詳細・無料相談といったコンテンツが十分にそろっていません。この状態でシナリオをいくら工夫しても、リードをMOFUからBOFUへと前に進めることができません。

「コンテンツはそこそこある」という企業でも、蓋を開けてみるとTOFUに偏っていて、MOFU・BOFUが薄いというパターンは非常によくあります。まずはフェーズごとに、今あるコンテンツを棚卸しすることから始めるのが近道です。

設計ミス③:シナリオが複雑になりすぎて、運用が止まる

シナリオ設計では、分岐条件を増やせば増やすほど、効果検証が難しくなり、管理の負荷も一気に上がっていきます。弊社では、初期設計の段階ではシナリオの分岐は2〜3つ以内に収めることをおすすめしています。

たとえば「資料をダウンロードしたら→3日後にお礼メール→さらに7日後に事例紹介メール→スコアが一定値を超えたらISに通知」といった、まずはシンプルな直線的シナリオから始めます。そのうえで、実際の反応を見ながら少しずつ分岐を足していくほうが、運用が続きやすく、結果的に成果にもつながりやすいです。初期から分岐だらけの複雑なシナリオを組むことは、弊社としては基本的におすすめしていません。

設計ミス④:スコアリングが営業に使われていない

SLA(Service Level Agreement)は、マーケティングと営業の間で「どの状態のリードを、いつ、どのように引き渡すか」を取り決めたルールです。

このSLAが文書として定義・合意されていないと、マーケティングから見れば「ホットリードを送ったつもり」でも、営業からは「まだ温度感が低そうだから」と判断されて手つかずになる、といったギャップが生まれます。MQLの定義や、引き渡し後にどのタイミングで架電・メール・商談設定に動くのか(例:通知から一定時間以内に架電する)、といったタイムラインを文書で共有することで、スコアリングが実際の営業活動と結びついていきます。具体的な閾値は、自社の案件単価や商談サイクル、リードボリュームにあわせて設計することが重要です。

設計ミス⑤:KPIがマーケティングと営業でバラバラになっている

MAツールのKPIとして、メールの開封率やCTRだけを追いかけていると、それらの改善が商談数や受注数にどの程度効いているのかが見えません。

マーケティングファネル全体を通してKPIを設計し、リード獲得数・MQL数・商談化率・受注数といった指標をマーケティングと営業の双方で共有することが、改善サイクルを回していく前提になります。開封率やCTR、サイトのエンゲージメント率などはあくまで中間指標として扱い、最終的な指標は商談数や受注金額にきちんとひもづくようにしておくことが重要です。

MAツール活用を成功させる手順

MAツールの活用を軌道に乗せるためには、「ツールを触り始める前に終わらせておくべき」5つの設計ステップがあります。

  1. ペルソナとカスタマージャーニーを先に設計する
  2. コンテンツをフェーズ別にそろえる
  3. スコアリングを受注データから逆算して設計する
  4. シナリオと行動トリガーを実装する
  5. SLAとKPI体系を整える

という順番がポイントで、この考え方自体はどのMAツールにも共通して当てはめることができます。ただし、具体的な実装のしやすさや表現方法は、ツールごとに違いがあります。

Step.1:カスタマージャーニーとペルソナの設計

カスタマージャーニーとは、見込み客が課題に気づいてから、情報収集・比較検討を経て、最終的に受注に至るまでの行動や感情、接点(タッチポイント)を時系列で整理したものです。まずペルソナ(理想的な顧客像)を定義し、そのペルソナが「どのような経路で情報を集め」「どのタイミングで比較検討に入り」「何をきっかけに問い合わせをするのか」という流れを描いていきます。

この設計を飛ばしていきなりシナリオを組んでしまうと、「誰に」「何を」届けるための施策なのかがあいまいなまま運用が続き、途中で改善のPDCAが止まりがちです。

Step.2:コンテンツマッピング|TOFU/MOFU/BOFUの3層設計

コンテンツマッピングは、カスタマージャーニーの各フェーズに対応するコンテンツを整理し、リードが次の段階に進みやすい状態をつくる作業です。

たとえば、TOFUフェーズにはセミナー・ブログ記事・業界レポート、MOFUフェーズには導入事例・比較資料・機能詳細、BOFUフェーズには料金ページ・無料相談・トライアル申込みへの導線といった具合に、フェーズごとに必要なコンテンツを配置していきます。こうして各フェーズに必要なコンテンツがそろっていることが、ナーチャリングシナリオを動かしていくうえでの前提条件になります。

Step.3:スコアリング設計|受注データから逆算する

スコアリングの出発点は、過去に受注したリードの行動履歴を振り返ることです。受注に至った顧客が商談前にどのページを見ていたのか、どんなコンテンツをダウンロードしていたのかを洗い出し、商談化との相関が高い行動に高い点数を割り当てていきます。

弊社では、Account Engagement Specialistとしての知見も活かしながら、属性スコアと行動スコアという2つの軸でスコアリングを設計しています。ページ閲覧・資料ダウンロード・事例閲覧といった行動の種類ごとにスコアの重み付けを行い、行動の直近性や頻度も加味して、「一定期間行動がないリードのスコアを徐々に下げていく」といったスコア減衰のルールも組み込みます。具体的な点数や比率は業種や商材、案件規模によって変わるため、自社の受注データをもとに検証しながら調整していくことが欠かせません。

Step.4:シナリオ設計と行動トリガーの実装

シナリオ設計とは、リードの特定の行動を「トリガー」として捉え、その行動をきっかけにMAツールが自動でアクションを返すように一連の流れを設計することです。

たとえば、弊社が支援している株式会社CLUE様では、サービスページへの連続訪問を自動で検知し、インサイドセールスへの通知が飛ぶ仕組みを、Account Engagement(MA)とSalesforce(SFA)の連携で構築しました。加えて、セミナー後のアンケートから参加者ごとの関心テーマを分析し、その内容に応じたフォローアップメールを自動で出し分ける設計も組み込んでいます。

支援を開始した当初、同社には専任のマーケティング担当者がいませんでした。それでも、行動トリガーの設計を整えたことで、インサイドセールスに「今日アプローチすべきリード」の通知が毎週届くようになり、営業担当者が自分でリストをかき集める必要がなくなっていきました。数年にわたる支援の中で、現在ではインサイドセールスチームの立ち上げまで実現しています。

シナリオ設計のより具体的な手順や、うまくいかなかったときの立て直し方については、シナリオ設計の実装手順と失敗対処もあわせてご覧ください。


戦略立案、施策の実行、そして人材育成。非連続な成長を続けるスタートアップのマーケ立ち上げとその裏側

取り組みがスタートした2019年当時、株式会社CLUEでは営業活動は進められていたものの、社内にマーケターが不在だったことからマーケティング施策に取り組めないという課題を抱えていました。そこでマーケティング戦略の立案から施策の実行、インサイドセールスチームの立ち上げまで幅広い支援サービスをご提供させていただきました。

sellsup.co.jp

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Step.5:SLA設計とKPI体系の構築

SLA設計は、マーケティングと営業の間で「どんな条件のリードを、どのタイミングで、どのように引き渡すのか」を文書に落とし込み、合意するプロセスです。

弊社の支援先では、属性と行動の両方の条件を満たしたリードをMQLとして扱う設計を採用することが多いものの、どこを閾値とするかは、業種や案件単価、商談サイクルによって調整が必要です。

HOT判定についても、行動の直近性・頻度・相関の高さを組み合わせて絞り込む考え方は共通ですが、具体的な条件設定は自社データを使って検証しながら決めていくのが前提になります。KPI体系としては、リード獲得数・MQL数・商談化率・受注金額といった指標を両部門で共有し、月次で振り返る運用にすると定着しやすい印象です。

KPI設計やROIの算出方法については、MAのKPI設計とROI算出の実践手順で詳しく紹介しています。

MAツールの主な機能と活用ステップへのつなげ方

MAツールの主な機能は、「リードの獲得・育成・選別」という3つのプロセスを自動化するために用意された機能群です。重要なのは、これらすべてを一気に使い始めるのではなく、先ほどのStep.1〜Step.5で設計を終えてから、必要な機能を順にオンにしていくことです。どれだけ多機能でも、自社の設計と機能がうまくかみ合っていなければ、成果にはつながりません。

リード管理機能・フォーム・トラッキング機能の役割

リード管理機能は、フォームから取得した氏名・会社名・メールアドレスなどの属性情報を一元管理する役割を担います。トラッキング機能は、Cookieなどを用いて個々のWeb行動履歴を記録し、「どのリードが、いつ、どのページを見たのか」を可視化します。

これらの機能をStep.1〜Step.2で設計したカスタマージャーニーと結びつけることで、「いまこのリードはどのフェーズにいるのか」「次にどんなコミュニケーションを取るべきか」といった判断がしやすくなります。

スコアリング機能:属性スコアと行動スコアの2軸で考える

スコアリング機能は、リードの属性情報(業種・従業員規模・役職など)と、行動情報(ページ閲覧、メール開封やクリック、フォーム送信など)に点数をつけ、購買確度を数値として見えるようにする機能です。属性スコアと行動スコアを分けて管理し、両方の条件を満たしたリードだけをMQLとみなす設計にすることで、精度の高いホットリードを抽出しやすくなります。

ご相談いただく企業からは、「スコア自体は設定したが、どこからをホットと呼ぶべきか判断できない」という声をよく聞きます。スコアリングは一度設定して終わりではなく、受注データと付き合わせながら、定期的に見直していくことで徐々に精度が上がっていくものです。

シナリオ機能・ステップメール・トリガーメールの使い分け

シナリオ機能は、リードの行動をきっかけにMAツールが自動でアクションを返すための仕組みです。ステップメールは時間の経過にあわせて順番にメールを送り、トリガーメールは特定の行動が発生したタイミングで即時に送信します。セグメントメールは、属性や行動でリードを絞り込んだうえで、内容をパーソナライズして配信するための機能です。

エンゲージメント率やメールの開封率、CTRといった指標は、これらの機能を運用するうえでの中間指標として活用しつつ、最終的には商談化率や受注数といった指標ときちんと結びつけて見ることが大切です。

まとめ

ここまで、MAツール活用が止まってしまう5つの設計ミスと、活用できる状態に切り替えるための5つの設計ステップを紹介してきました。成果を分けるのはツールそのものの機能差ではなく、スコアリング、コンテンツマッピング、シナリオ、SLAといったマーケティング設計の精度です。

たとえば、弊社が支援している株式会社CLUE様のように、スタート時点でマーケティング担当者がいなくても、設計をきちんと整えていくことで、行動トリガー型のインサイドセールス連携や、継続的なリード獲得体制を築いていくことは十分に可能です。重要なのは、ツールを触り始める前にカスタマージャーニーとコンテンツマッピングを整理し、受注データからスコアリングを逆算して設計することです。

MAツール活用の改善は、「いまどこが止まっているのか」を整理するところから始まります。弊社は、すでにMAを導入しているものの活用が止まっている企業を中心に、数十社規模で設計の見直しを支援してきました。まずは、現状の課題を書き出すところから、一緒に始めていきましょう。

よくある質問

MAツールを導入してもスコアリングが機能しない場合、最初に見直すべき点はどこですか?

スコアリングがうまく機能していないケースの多くは、そもそもスコアの前提となる「マーケティングと営業の引き渡しルール」が書面化されていないことが原因です。スコアの細かな精度を上げる前に、まずはSLAを整備し、MQLの定義や通知後の対応フローをすり合わせることをおすすめします。

MAツールで何ができますか?

MAツールは、見込み客の獲得・育成・選別といった一連のマーケティング活動を自動化し、効率化し、見える化するためのツールです。フォームからのリード情報の自動登録、行動履歴をもとにしたシナリオメールの自動配信、スコアリングによるホットリードの自動抽出とSFA連携などが、代表的な活用イメージです。実務ではまず、トラッキング機能とステップメールから使い始め、スコアリングやシナリオの高度な設計は、全体設計が固まってから段階的に追加していくケースが多く見られます。

MAツールの主な機能は何ですか?

代表的なMAツールの機能としては、

  1. リード管理|属性情報の一元管理
  2. フォーム作成LPと連携してリードを自動登録
  3. トラッキングWeb行動履歴の記録
  4. スコアリング購買確度を数値化
  5. シナリオ・メール配信行動を起点とした自動配信
  6. SFA連携|ホットリードを営業に自動通知

といった6つが挙げられます。すべてを一度に使いこなそうとするよりも、設計ステップにあわせて少しずつ有効化していくほうが定着しやすく、逆に最初から複雑なスコアや分岐だらけのシナリオを作ってしまうと、使われない機能が増えやすい印象です。

代表的なMAツールには何がありますか?

国内のBtoBマーケティングでよく使われているMAツールとしては、HubSpot、Account Engagement(旧Pardot)、Marketo(Adobe Marketo Engage)、SATORI、BowNowなどが挙げられます。すでにSalesforceを導入している企業にはAccount Engagementが、大手で複雑なシナリオ設計が求められる企業にはMarketoが選ばれるケースが多い印象です。料金はプランやリード数、契約条件によって変わるため、具体的な金額を知りたい場合は、各社の公式サイトで最新情報を確認してください。

MAツールを導入したのに商談が増えないのは、どこに原因がありますか?

MAツール導入後も商談数が増えない場合、多くの現場で共通するのは「スコアリング設計」「SLA未整備」「コンテンツ不足」の3点です。スコアが感覚で設定されていてMQLの定義に合意がなかったり、MOFU・BOFU向けのコンテンツが手薄なために、リードがホットリードに育つ前にシナリオが止まってしまっていたりします。まずはStep.3のスコアリング設計とStep.5のSLA設計を見直し、あわせてMOFU・BOFUコンテンツの不足がないかを確認するところから着手するとよいでしょう。

ウェビナーを実施しているのに商談に結びつかないのは、何が問題でしょうか?

ウェビナーをいくら実施しても商談につながらない場合、原因として多いのは「フォローアップの設計がない、あるいは弱い」という点です。弊社が支援した企業の中には、セミナー後アンケートで参加者ごとの関心テーマを拾い、その内容に応じてフォローアップメールの内容を出し分けることで、商談化につながる接点を増やせた例もあります。お礼メールを1通送って終わりではなく、ウェビナー後のナーチャリングシナリオを設計することが、商談転換率を高めるうえで重要になります。

ツールの設定よりも、「何をどう設計するか」で成果が変わります

HubSpot・Account Engagement・Marketoに精通した担当者が、 ツールの設定支援だけでなく、リード育成シナリオやスコアリング設計まで一貫してサポートします。 まずは現状のツール活用状況をお聞かせください。

株式会社Sells up 代表取締役
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。KGI逆算によるKPI設計・リードスコアリングの統計的設計・営業連携SLAの構築を含むMA活用支援を、業界・規模を問わず80社以上に提供してきた実績を持つ。Account Engagement SpecialistおよびTableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。