MAツールの導入・活用の相談はSells upへ。

MAツールの導入や、導入後の成果最大化に課題をお持ちでしたら、ぜひSells upにご相談ください。50社以上の導入・活用を支援してきた担当者が貴社の状況・目標に向き合い、最適なツールの導入プラン / 統計知識を用いた活用プラン描き、戦略策定から実装 / 実行 / 効果測定までをご支援いたします。

目次

「メルマガの開封率が頭打ちになっている」
「リード数は増えているのに、商談化率が伸び悩んでいる」 
「営業部門から、送客されるリードの質について指摘を受けることが増えた」

BtoBマーケティングの現場で、このような課題に直面している担当者の方は少なくありません。現在利用しているメール配信システムに限界を感じ、解決策として「MA(マーケティングオートメーション)ツール」の導入を検討し始めているのではないでしょうか。

しかし、いざ情報収集を始めると、「MAツールは機能が多すぎて使いこなせるか不安」「メール配信システムと比べてコストが高いが、投資に見合う成果は出るのか」といった疑問や不安から、導入に踏み切れないケースも多くあります。

ツール選定は、単なる機能比較ではありません。自社のマーケティング戦略や、顧客とどのような関係を築いていきたいかという「貴社の思想」が反映される重要な意思決定です。

本記事では、MAツールとメール配信システムの違いを明確にし、貴社の事業フェーズや課題、リソース状況に合わせて最適なツールを選定するための具体的な判断基準を解説します。また、導入の失敗を避けるためのポイントや、移行方法についても詳しく紹介します。

MAツールとメール配信システム、その違いは「目的」と「思想」にある

MAツールとメール配信システムは、どちらもメールを配信する機能を備えているため混同されがちですが、その導入目的と設計思想は大きく異なります。この違いを理解することが、最適なツール選定の最初のステップです。

目的の違い:マーケティング全体の最適化 vs メール業務の効率化

両者の最も大きな違いは、その「目的」にあります。

MAツールの主目的は、リード(見込み客)の獲得から育成、商談化に至るまで、マーケティング活動全体を最適化し、質の高い商談を創出することです。リードの行動データや属性情報を一元管理し、「誰に」「いつ」「何を」届けるべきかをデータに基づき判断し、実行します。

一方、メール配信システムは、メールマーケティング業務の効率化に特化しています。大量のメールリストに対して、安定的に、かつ効率よく情報を届けることが主な役割です。ニュースレターやセミナー案内など、多数の顧客へ迅速に情報を伝達することに強みがあります。

思想の違い:「顧客中心」のアプローチか、「リスト中心」のアプローチか

この目的の違いは、ツール設計の「思想」にも表れています。

MAツールは「顧客中心」の思想に基づいています。一人の顧客が、Webサイトでどのページを見たか、どのメールを開封したか、どのセミナーに参加したかといった「行動」を軸にデータを蓄積します。これにより、顧客の興味関心や検討度合いに応じた、One to Oneのアプローチが可能になります。

対して、メール配信システムは「リスト中心」の思想に基づいています。「製品A資料請求者リスト」「展示会参加者リスト」といったリスト単位で管理し、一斉に情報を配信するアプローチが基本となります。

【比較表】機能・コスト・運用体制の違い

両者の違いをより具体的に理解するために、主な機能、コスト感、そして求められる運用体制について比較してみましょう。

比較項目

MAツール

メール配信システム

主な目的

マーケティング全体の最適化、商談創出

メール業務の効率化、情報伝達

思想

顧客中心(行動軸)
リスト中心(配信軸)

顧客管理

一元管理(Web行動履歴・属性情報を含む)
配信リスト管理が中心

Web行動トラッキング

標準搭載(個人単位で可視化)

基本的に非対応

スコアリング

あり(見込み度の可視化)

基本的になし

シナリオ配信

高度な分岐・自動化が可能
簡易的なステップメールが中心

SFA/CRM連携

標準またはオプションで提供
基本的に非対応(一部連携可能なツールも)

コスト相場

月額数万円~数十万円
月額数千円~1万円台が中心

操作・運用難易度

高め(戦略設計と継続的な改善が必要)
低め(直感的な操作が可能)

求められる体制

専任担当者またはチーム推奨

兼任担当者でも運用可能

なぜメール配信だけでは不十分なのか?MAツールが解決する3つの課題

メール配信システムを利用している企業が、事業の成長に伴って直面しやすい「限界」があります。もし貴社が以下のような課題を感じている場合、MAツールへの移行を検討するタイミングかもしれません。

課題1:リードの「質」が評価できず、営業連携がうまくいかない

メール配信システムによる一斉配信だけでは、リードの購買意欲の高さ(質)を正確に判断することは困難です。結果として、情報収集段階のリードも、製品比較検討段階のリードも区別なく営業部門へ送客してしまい、「アプローチしても商談化しない」「どのリードを優先すべきかわからない」といった不満が営業部門から挙がりがちです。

【MAツールによる解決策】
MAツールでは、Webサイトの閲覧履歴(料金ページを見たか、事例ページを見たかなど)や資料ダウンロードといった複数の行動データを組み合わせ、スコアリングによってリードの温度感を客観的に評価できます。確度の高いリードだけを営業部門に引き渡すことが可能となり、商談化率の向上が期待できます。

課題2:顧客データが分散し、一貫したアプローチができない

Webサイトからの問い合わせ、セミナー参加履歴、メール配信システムのリストなど、顧客データが別々のシステムやExcelで管理されている状態では、一元的な顧客管理ができません。「過去にどのような接点があったか」が把握できず、フォローが属人化したり、機会損失が発生したりするリスクが高まります。

【MAツールによる解決策】
MAツールは、あらゆるチャネルから得られた顧客情報を一つのデータベースに統合し、時系列で行動履歴を蓄積します。これにより、顧客の検討プロセス全体を可視化し、一貫性のあるアプローチができるようになります。

課題3:一斉配信では、顧客の興味関心に応えられない

すべてのリードに対して同じ内容のメルマガを配信していては、顧客一人ひとりの興味関心や検討フェーズに合わせた情報提供はできません。自分に関係のない情報ばかりが届くと、開封率やクリック率は低下し、ナーチャリング(顧客育成)の効果が限定的になります。

【MAツールによる解決策】
MAツールでは、顧客の属性や行動履歴に基づき、高度なセグメンテーションとシナリオ設計が可能です。例えば、「資料Aをダウンロードした人には3日後に活用セミナーを案内し、参加したら営業がフォローする」といった自動化されたOne to Oneコミュニケーションを実現し、エンゲージメントを高めます。

MAツールの主な機能と導入メリット

MAツールは、データに基づきマーケティング活動を推進するための多様な機能を備えています。

MAツールで実現できる主な機能

  • リード管理(データベース機能):様々なチャネルで獲得したリード情報を一元管理します。

  • Web行動トラッキング:リードが自社サイト上でどのページを閲覧したかといった行動履歴を追跡・蓄積します。

  • スコアリング:リードの行動や属性に応じてスコア(点数)を付与し、購買意欲の高さを数値化します。

  • メールマーケティング機能:セグメント配信、ステップメール、HTMLメール作成など、高度なメール配信機能を提供します。

  • シナリオ設計・自動化:「もし顧客がこう動いたら、次はこうする」というコミュニケーションの流れを設計し、自動化します。

  • SFA/CRM連携:営業支援システム(SFA)や顧客管理システム(CRM)とデータ連携し、マーケティングと営業の情報分断を解消します。

MAツール導入がもたらす本質的なメリット:マーケティング部門の価値向上

MAツールの導入は、単なる業務効率化以上の価値をもたらします。商談化率の向上や営業活動の効率化はもちろんですが、より本質的なメリットは、マーケティング部門の社内における価値向上にあります。

従来、マーケティング部門は広告費などを使う「コストセンター」と見なされがちでした。しかし、MAツールを活用し、データに基づいて質の高いリードを営業部門に提供することで、どの施策がどれだけの売上に貢献したか(ROI)を可視化できるようになります。

これにより、マーケティング部門は収益創出に貢献する「収益創出の起点」になることができます。これは、経営層に対してツール導入の必要性や費用対効果を論理的に説明する上でも非常に重要です。

メール配信システムの強みと活用シーン

MAツールが多機能である一方、メール配信システムは「シンプルさ」と「コストパフォーマンス」において大きな強みを持っています。

メール配信システムの強み

  • 高いコストパフォーマンス:月額数千円から利用でき、初期投資を抑えてメールマーケティングを開始できます。

  • シンプルな操作性:機能が絞られているため、専門知識がなくても直感的に操作でき、運用負荷が低いのが特徴です。

  • 高い到達率と安定した配信性能:大量のメールを高速かつ確実に届けるための配信インフラが整備されています。

メール配信システムが適しているケース

以下のような状況では、まずはメール配信システムの活用をおすすめします。

  • マーケティング活動の主軸がメルマガ配信であり、複雑なナーチャリングはまだ必要としていない。

  • 保有するリード数が少なく、シンプルなリスト管理で十分である。

  • 専任のマーケティング担当者が不在、または運用リソースが限られている。

【重要】MAツール導入でよくある3つの失敗パターンと回避策

MAツールは高いポテンシャルを持ちますが、「高価なツールを導入したのに使いこなせない」という事態は避けなければなりません。ここでは、MAツール導入でよくある失敗パターンと、それを未然に防ぐための具体的な解決策を解説します。

失敗パターン1:戦略・目的が不在のままツールを導入してしまう

「競合も入れているから」「なんとなく便利そうだから」といった曖昧な理由で導入を進めてしまうケースです。MAツールを使って「誰に」「何を」「どのように」伝えたいのかという戦略が不明確なままでは、ツールの機能を活用しきれず、高価なメール配信システムになってしまいます。

解決策:導入前に「自社の課題」と「達成目標(KGI/KPI)」を明確にする
「商談化率を現状のX%からY%に引き上げる」「そのために、月間Z件のホットリードを営業に供給する」といった具体的な目標を設定します。ツールはあくまで手段であり、目的達成のための戦略設計が不可欠です。

失敗パターン2:運用リソースとコンテンツが慢性的に不足する

MAツールの運用には、戦略設計やデータ分析に加え、リードを育成するための「コンテンツ(記事、ホワイトペーパー、セミナーなど)」の制作が不可欠です。コンテンツが不足していると、配信する情報がなくなり、運用が停滞してしまいます。また、運用担当者のリソース見積もりが甘いと、現場が疲弊してしまいます。

解決策:現実的な運用体制を構築し、コンテンツ制作計画を立てる
自社のリソース(人員、スキル、予算)を客観的に評価し、継続的に運用可能な体制を構築します。ツール導入検討段階から必要なコンテンツの種類と量を洗い出し、制作スケジュールを立てることが重要です。既存の営業資料を再利用するなど、効率的な準備も検討しましょう。

失敗パターン3:マーケティングと営業の連携ができていない

MAツールの効果を最大化するには、マーケティング部門と営業部門の緊密な連携が不可欠です。しかし、「ホットリードの定義が共有されていない」「マーケティングが送客したリードを営業がフォローしてくれない」といった分断があると、仕組みが機能しません。

解決策:部門間で共通認識を持ち、定期的な情報共有の場を設ける
導入初期の段階から営業部門を巻き込み、「どのような状態のリードを引き渡すか(スコアリング基準)」を合意形成します。SFA/CRM連携を活用し、リード情報やフォロー状況をリアルタイムに共有できる仕組みを構築します。

自社に最適なツールを選ぶための5つの選定ポイントとチェックリスト

MAツールか、メール配信システムか。ツール選定の際に迷った場合、以下の5つの観点を軸に検討することで、貴社にとって最適な解決策が見えてきます。重要なのは、「機能の多さ」ではなく「自社の課題解決にどれだけ貢献できるか」という視点です。

Point.1:マーケティングの「目的」と「最重要課題」は何か?

何を達成したいのか(例:リードの質向上、商談化率の改善、情報発信の効率化など)、現状の最重要課題を明確にします。目的が曖昧なままツールを選ぶと、導入後の活用イメージが持てず成果につながりにくくなります。

Point.2:管理・活用したい「顧客情報」の範囲はどこまでか?

メールアドレスや会社名といった属性情報のみを管理したいのか、それともWebサイトの閲覧履歴や過去の商談履歴も含めて一元管理し、アプローチに活用したいのかを検討します。顧客データの一元管理と活用が必要な場合は、MAツールの導入が有効です。

Point.3:確保できる「予算」と「運用リソース」は現実的か?

ツールの月額コストだけでなく、初期設定や運用にかかる人的リソース(時間とスキル)も考慮する必要があります。小規模チームや専任担当者がいない場合は、メール配信システムのシンプルさが強みになることもあります。MAツールを導入する場合は、現実的な運用体制の構築が不可欠です。

Point.4:連携させたい「外部ツール(SFA/CRMなど)」はあるか?

営業部門が利用しているSFAやCRMなど、連携させたい外部ツールとの連携ニーズを整理します。部門間連携やデータ統合を重視する場合は、MAツールの連携機能が非常に重要になります。

Point.5:自社のマーケティング成熟度を客観的に評価できているか?

既存のマーケティング施策の状況や、組織体制の成熟度を客観的に評価します。MAツールは「使いこなせる組織体制」と「活用すべきデータ」があってこそ効果を発揮するため、自社の現在地を客観的に見極める必要があります。

【チェックリスト】貴社はMAツールを導入すべきか?

以下のチェックリストを活用し、貴社のマーケティング組織の成熟度と現状の課題を客観的に評価してみましょう。

  • リード数が月間数百件以上あり、手作業での管理に限界を感じている

  • メール配信以外にも、Web、セミナー、広告など複数チャネルでリード獲得している

  • 営業部門から「リードの質」や「優先順位」について改善要望がある

  • 顧客の属性や行動に合わせて、アプローチ内容を最適化したいと考えている

  • マーケティング活動の投資対効果(ROI)を可視化し、データに基づいた意思決定を行いたい

  • 専任のマーケティング担当者またはチームが存在し、運用リソースを確保できる

結果の目安:

  • 4つ以上該当する場合:MAツールの導入を本格的に検討することをおすすめします。データ活用による商談化率向上が期待できます。

  • 1〜3つ該当する場合:まずはメール配信システムを活用しつつ、MAツール導入に向けた準備(データ整備、体制強化)を進めるか、機能が限定的な簡易版MAツールでのスモールスタートが現実的です。

メール配信システムからMAツールへの「段階的移行」プラン

現在メール配信システムを利用している企業が、いきなり高機能なMAツールへ移行するのは、運用負荷やコストの面でリスクが伴います。現実的なアプローチとして、企業の成長フェーズに合わせた「段階的移行(スモールスタート)」をおすすめします。

Step.1:現状把握とデータ整備(準備期間)

まずは、現在のメールマーケティングの課題を明確にし、MAツール導入によって何を達成したいのか、具体的な目標(KGI・KPI)を設定します。同時に、保有しているリードデータを棚卸しし、MAツールへ移行するためのデータクレンジング(重複削除、表記ゆれの統一など)を行います。

Step.2:スモールスタートとデータ蓄積(移行・運用開始)

MAツールへ移行し、まずはメール配信機能とWebトラッキング機能から使い始めます。既存のメールマーケティングをMAツール上で運用しながら、顧客行動データの蓄積を開始します。「顧客データの一元管理」と「Web行動の可視化」に焦点を当て、データ活用の基礎を固めます。

Step.3:スコアリングとシナリオ配信の実装(活用・定着)

データ蓄積と運用体制が整ってきた段階で、スコアリング機能や簡易的なシナリオ配信(例:資料請求後の自動フォロー)を実装します。営業部門と連携し、ホットリードの定義を明確にして、連携フローを構築します。

Step.4:高度な機能の活用と組織連携の強化(高度化)

運用が軌道に乗ったら、より複雑なシナリオ設計や、SFA/CRM連携の強化、複数チャネルを横断した分析など、マーケティング全体の最適化を目指します。

この段階的なアプローチにより、無理なく自社のマーケティング成熟度に合わせて最適なツール活用が可能となり、投資対効果を最大化できます。

まとめ:自社の「現在地」と「目指す姿」を見極めることが、最適なツール選定につながる

本記事で解説してきたように、MAツールとメール配信システムは、それぞれが持つ役割や強み、そして設計思想が異なります。ツール選定は、単なるシステム導入ではなく、貴社のマーケティング戦略そのものを左右する重要な意思決定です。

MAツールは、データドリブンなマーケティングを推進し、商談化率の向上を目指す企業にとって非常に有効な選択肢です。一方、メール配信システムは、シンプルな運用やコストパフォーマンス、スモールスタートの柔軟性という観点で優れています。

重要なのは、流行や機能の多さに惑わされず、自社の「現在地」(現状課題、運用体制、成熟度)と「目指す姿」(事業成長の方向性、マーケティングの目的)を客観的に見極めることです。

自社にとって本当に必要な機能は何か」
「今の組織体制で失敗なく運用できるか」
「成長フェーズに合わせて段階的に拡張できるか」

こうした問いを繰り返しながらツール選定を進めていくことが、将来的な成果につながります。

Sells upでは、データに裏打ちされたマーケティング戦略の立案から、貴社の状況に合わせた最適なツール選定・導入・運用支援まで、事業成長を伴走支援しています。ツール選定やMAツール活用についてお悩みの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

MAツールの導入・活用の相談はSells upへ。

MAツールの導入や、導入後の成果最大化に課題をお持ちでしたら、ぜひSells upにご相談ください。50社以上の導入・活用を支援してきた担当者が貴社の状況・目標に向き合い、最適なツールの導入プラン / 統計知識を用いた活用プラン描き、戦略策定から実装 / 実行 / 効果測定までをご支援いたします。

株式会社Sells up
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。BtoBマーケティングの戦略設計/KPI設計はもちろん、リードジェネレーション施策やナーチャリング、MA/SFA活用を支援し、業界/企業規模を問わずこれまでに約80社以上の支援実績を持つ。Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialist/Tableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。