デシル分析とは?BtoBマーケティングのMA連携設計
「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために
施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。 こうした課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。 Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。
デシル分析とは、顧客を受注金額の高い順に並べて10等分し、どの顧客層が売上にどれだけ貢献しているかを見える化する顧客分析の手法です。
弊社がご支援している企業でも、デシル分析までは行うものの、その先の施策設計につながらず「分析して終わり」になってしまっているケースが少なくありません。優良顧客への投資配分やMA(マーケティングオートメーション)との連携まで落とし込めているかどうかが、商談化率を大きく左右します。
本記事では、デシル分析の基本的な考え方から、BtoB向けのExcelでの実施手順、RFM分析との使い分け、MA連携までの設計を順に解説します。
デシル分析とは|1分でわかる定義とBtoBマーケティングで重要視される理由
デシル分析は、顧客を購入金額(BtoBの場合は受注金額)の高い順に並べて10等分し、それぞれのグループごとの売上構成比を出す分析手法です。
ここでは、デシル分析が果たす役割を「顧客構造の可視化」「リソース配分の判断軸」「部門間で共有できる共通言語」という3つの視点で整理します。
BtoBマーケティングの現場でデシル分析が注目される背景には、限られた営業・マーケティングリソースを「どの顧客に優先的に投下するか」という判断が、個人の経験や勘に頼りがちだという課題があります。
弊社がこれまで支援してきた80社超のBtoBマーケティング案件でも、「売上への貢献度が高い顧客群」を定量的に説明できる企業は多くはなく、その結果として既存の上位顧客の維持よりも新規開拓に比重が寄ってしまう傾向が見られました。
売上の大半を上位20〜30%の顧客が生み出しているという傾向は、「80対20の法則」として知られるパレートの法則の一例としてよく紹介されます。
弊社の支援先でも、同様の売上分布になっているケースは少なくありません。この上位層をきちんと特定し、そこに重点的に投資するという判断軸を持てるかどうかで、全体のROI(投資対効果)は大きく変わってきます。
デシルの語源とグループの考え方
「デシル(decile)」という言葉は、ラテン語で「10分の1」を意味します。
受注金額の高い順に顧客を並べ、上位10%をデシル1、次の10%をデシル2……という形で、デシル10(最下位10%)まで10段階に分けていきます。
BtoBマーケティングでデシル分析が重視される3つの理由
デシル分析がBtoBの現場で重宝される理由は、大きく3つあります。
1つ目は、BtoBビジネスはそもそもの顧客数が限られるため、「誰に集中するか」の判断が成果を大きく左右することです。
2つ目は、受注金額のばらつきが大きくなりやすいBtoBでは、デシル分析によって売上の集中度を直感的に把握しやすいことです。
3つ目は、分析結果をマーケティング・営業・カスタマーサクセスの共通言語として使うことで、部門をまたいだ議論を感覚ではなく客観データに基づいて進めやすくなることです。
デシル分析は顧客セグメンテーションのどこに位置づくのか
デシル分析は、顧客セグメンテーション全体の中では「入口」にあたる手法です。
まずは顧客全体を10分割して大まかな構造をつかみ、そのうえでRFM分析や属性分析などを重ねて精度を上げていく二段構えにすると、実務では扱いやすくなります。
弊社の支援でも、まずデシルで全体像を押さえ、その後に変数設計やMA連携を詰めていく進め方を採用することが多くあります。
セグメンテーションの変数設計から施策への落とし込みまでの流れは、BtoBセグメンテーション分析の全体設計で詳しく整理しています。
BtoBマーケティングにおける「購入金額」の再定義
BtoBマーケティングの指標再定義とは、小売・ECで一般的に使われる「累計購入金額」という指標を、自社のBtoB事業の収益構造に合わせて言い換える作業を指します。
ここでは、代表的な考え方として「SaaS型はARR(年間経常収益)を基準にする」「プロジェクト型は複数年の累計受注額で見る」「継続課金型は契約残存期間も加味する」という3つの切り口を取り上げます。
こうした再定義が必要になるのは、BtoBでは「1回だけの大口案件」と「長く続く小〜中規模案件」を、同じものとして扱えないからです。
小売・EC向けの解説をそのまま当てはめると、指標の意味合いが自社の事業実態とずれてしまい、意思決定を誤るリスクが高まります。
たとえばSaaS事業で、LTV(顧客生涯価値)を考慮せずに単発の契約金額だけで10等分してしまうと、解約率の高い大口顧客が上位に入り、本来守るべきロイヤルカスタマーが見えにくくなってしまいます。
事業モデル別の指標読み替えの例
| 事業モデル | 推奨する「購入金額」の定義 | あわせて見るべき指標 |
|---|---|---|
| SaaS・サブスクリプション | ARR(年間経常収益)または MRR×12 | 解約率・利用アクティブ率 |
| プロジェクト型(受託・制作) | 過去3年分の累計受注金額 | リピート率・案件発生頻度 |
| 継続課金+個別案件 | 継続収益+スポット受注金額の合算 | 契約残存期間 |
| 大型機器・設備販売 | 購入金額+保守契約額 | 保守更新率 |
ここで挙げた読み替え方は、あくまで弊社が支援する中で整理してきた目安です。
実際には、自社の事業モデルや収益構造によって最適な定義は変わってきますので、社内の会計データや営業データと突き合わせながら調整していくことをおすすめします。
支援事例:指標の再設計で優良顧客が入れ替わったケース
プロジェクト型のビジネスを展開するある企業では、それまでデシル分析の基準を「単発案件の受注金額」に置いていましたが、「過去3年分の累計受注金額」に切り替えたところ、上位デシルに入る顧客の顔ぶれが大きく変わった事例があります。
単発金額を基準にした場合、1回だけ大きな案件を発注した顧客が上位に並んでいましたが、3年累計に視点を変えると、継続的に小〜中規模の案件を発注している顧客が上位層に浮かび上がりました。
その結果、営業が優先的にアプローチすべき顧客も大きく変わることになりました。
Excelを使ったデシル分析の進め方
Excelを使ったデシル分析は、顧客リストと受注金額のデータさえあれば始められる、比較的シンプルな手順です。
ここでは「最低限必要な列は顧客名と累計受注金額」「受注金額の降順に並べて10等分する」「売上構成比・累計構成比を算出して可視化する」という3つの流れで説明します。
この方法で分析ができるのは、デシル分析が「受注金額」という1つの指標だけを扱うシンプルな手法だからです。
専用のBIツールや統計ソフトがなくても、Excelのピボットテーブルとグラフ機能があれば十分に対応できます。具体的には、次の5ステップで進めます。
Step.1:顧客別の受注金額データを用意する
まずは「顧客名(または企業ID)」と「累計受注金額」の2列を用意します。
取引が複数回ある場合は、ピボットテーブルを使って顧客ごとに合計金額を集計します。
データ範囲を選択し、「挿入」→「ピボットテーブル」をクリックし、行に顧客名、値に受注金額(合計)を設定します。
Step.2:受注金額の降順に並べ替える
次に、集計した受注金額を大きい順(降順)に並べ替えます。
これで、受注金額の高い顧客から順に並んだリストができます。
Step.3:顧客を10等分のグループに分ける
全顧客数を10で割り、1グループあたりの顧客数を算出します。
上位から順に「デシル1」「デシル2」……とラベルを付けていきます。
顧客数が10で割り切れない場合は、下位のグループの方に余りを含めるなどして調整します。
Step.4:各グループの売上構成比を出す
各デシルごとに受注金額の合計を出し、売上構成比(%)と累計構成比(%)を計算します。
下記は、顧客が100社いる場合の一例です。
| デシルグループ | 顧客数 | 受注金額合計 | 売上構成比 | 累計構成比 |
|---|---|---|---|---|
| デシル1 | 10社 | 5,000万円 | 50% | 50% |
| デシル2 | 10社 | 2,000万円 | 20% | 70% |
| デシル3 | 10社 | 1,000万円 | 10% | 80% |
| デシル4〜7 | 40社 | 1,500万円 | 15% | 95% |
| デシル8〜10 | 30社 | 500万円 | 5% | 100% |
この例では、上位30%(デシル1〜3、計30社)が売上全体の80%を占めていることがわかります。
この30社を維持・育成することが、最優先のテーマであると数値で示せます。
Step.5:結果を可視化し、社内で共有する
最後に、積み上げ棒グラフや円グラフなどで売上の集中度を可視化し、マーケティング・営業・カスタマーサクセスのメンバーと共有します。
数字だけでなくグラフとして見せることで、部門を越えて共通認識を持ちやすくなります。
どのくらいの期間のデータを使うべきか
弊社の支援では、直近12か月分もしくは過去3年分の累計データを目安に設計するケースが多くあります。
いずれも統計的に決まった基準ではなく、弊社の推奨値です。
BtoBは取引サイクルが長く、あまり短い期間だけを切り出すと顧客構造を正確に捉えきれないことが多いためです。
SaaSであればARR、プロジェクト型であれば3年累計といった設定を、ひとつの基準として検討してみてください。
デシル分析のメリット・デメリットと機能しにくいケース
デシル分析のメリットとデメリットは、シンプルで始めやすい反面、金額だけに基づくために見落としも生まれやすい、という点にあります。
ここでは「実行コストと共有のしやすさ」というメリット、「現在の動きが反映されないこと」「顧客数が少ないと機能しにくいこと」というデメリットの3つの観点で整理します。
デシル分析がこうした性質を持つのは、「受注金額」という1つの静的な指標だけで顧客を評価する設計になっているからです。
以下でメリットとデメリット、「向かないケース」を一度整理したうえで、どのように活用するかを検討していきます。
デシル分析の3つのメリット
1つ目は、Excelさえあればすぐに始められるという実行コストの低さです。
2つ目は、売上に大きく貢献している上位グループにリソースを集中しやすくなり、施策の費用対効果を高めやすい点です。
3つ目は、「どの顧客が重要なのか」という議論を感覚ではなくデータに基づいて行えるようになり、マーケティング・営業・カスタマーサクセスの共通認識づくりに役立つ点です。
デシル分析の3つのデメリット
一方で、注意すべき点もあります。
1つ目は、過去の累計金額に基づく分析であるため、顧客の「今」の動きは反映されないことです。過去には大きな取引があっても、現在は取引が止まっている顧客が上位に残っている可能性があります。
2つ目は、顧客の属性や業界ごとの特性を考慮していないため、業界・企業規模・新規/既存といった違いが分析の中では区別されないことです。
3つ目は、上位グループの維持に意識が偏りすぎると、将来の優良顧客候補である中位・下位グループの育成の機会を逃しやすくなることです。
BtoBでデシル分析が機能しにくいケース
弊社の経験では、取引顧客数が30社に満たない場合、デシル分析から得られる示唆が限定的になるケースが多く見られます。
ここで挙げている30社という目安も、統計的に定められた基準ではなく、あくまで弊社の推奨値です。
顧客数が少ない状態で10等分すると、1グループあたりの顧客数が3社未満となり、グループごとの傾向を読み取りづらくなるためです。
実際、弊社が支援した企業のうち、顧客数が30社に満たないスタートアップや、BtoB事業の立ち上げ期にある企業では、デシル分析よりも業種・規模・エリアなどの属性別セグメンテーションや、個別のLTV分析を優先して行うよう提案してきました。
目的に応じて手法を使い分ける視点が大切です。
デシル分析の代わりに検討したい優良顧客分析の全体像は、BtoB優良顧客分析の全体設計で詳しく紹介しています。
デシル分析と他の顧客分析手法との違い
顧客分析の手法をどう使い分けるかは、「何のために分析するのか」を明確にしたうえで手法を選び直す作業です。
ここでは、デシル分析・RFM分析・ABC分析・CTB分析の4つを取り上げ、「デシル=全体像の把握」「RFM=現在の動きの把握」「ABC=大局的な優先度判断」「CTB=クロスセルの設計」という役割で整理します。
それぞれの手法には、得意なことと不得意なことの両方があります。
どの手法を選ぶかだけでなく、どの順番で組み合わせるかも含めて考えると、施策に落とし込みやすくなります。
4つの手法の比較
| 手法 | 評価指標 | グループ数 | 主な目的 | 向いているシーン |
|---|---|---|---|---|
| デシル分析 | 受注金額のみ | 10 | 売上貢献度の可視化 | 顧客全体像の把握・リソース配分 |
| RFM分析 | R(最新取引日)F(頻度)M(金額) | 多段階 | 現在の動向の把握 | 離反予兆の検知・時間軸を踏まえた施策 |
| ABC分析 | 売上構成比 | 3(A/B/C) | 大局的な優先度判断 | 在庫管理・商品ラインナップの見直し |
| CTB分析 | カテゴリ・嗜好・ブランド | 任意 | 嗜好の可視化 | クロスセル・新サービス提案 |
RFM分析との違い:時間軸があるかどうか
デシル分析は、金額だけを見て顧客を10等分する「静的な分析」です。
一方でRFM分析は、最新の取引日・取引頻度・取引金額という3つの指標を組み合わせることで、「今どの程度アクティブか」という時間軸も含めて顧客を評価します。
弊社の支援では、まずデシル分析で顧客構造全体を把握し、その後RFM分析で「今アプローチすべき顧客」を絞り込む、という二段階で設計するケースが多くあります。
BtoBにおけるRFM指標の定義や、SaaS・製造業での具体的な適用事例は、BtoBのRFM分析事例と指標再定義で詳しく紹介しています。
RFM分析のExcelでの進め方やMAツールとの連携方法については、RFM分析のExcel手順とMA活用で手順をまとめています。
ABC分析との違い:顧客を見るか、商品を見るか
デシル分析が「顧客」ごとの売上貢献度を可視化する手法なのに対し、ABC分析は「商品」ごとの売上構成比に基づいてA/B/Cの3ランクに分けるのが一般的です。
BtoBマーケティングの文脈では、ABC分析はサービスラインや商品カテゴリごとの優先度を決める目的で使うことが多くなります。
CTB分析との違い:金額軸か、嗜好軸か
CTB分析は、カテゴリ(Category)・嗜好(Taste)・ブランド(Brand)という嗜好面の軸で顧客を分類する手法です。
BtoBでは、既存顧客に対して「どの追加サービスを提案するか」を考えるクロスセル施策の設計において、デシル分析の補完として使うイメージです。
分析結果をMAツールやCRMに連携して施策につなげる
デシル分析のMA連携とは、分析で得られた顧客ランクを、MA(マーケティングオートメーション)・CRM(顧客関係管理)・SFA(営業支援システム)のデータに取り込んで、ナーチャリングや営業連携を自動化していく設計のことです。
ここでは「グループ別のナーチャリング設計」「スコアリングへのデシルランクの組み込み」「SFA連携とSLA設計」という3つの観点で整理します。
デシル分析の真価は、この「施策への落とし込み」ができて初めて発揮されます。
分析だけしても、営業側に優先順位の基準が伝わらなければ、結局はハウスリストの上から順に電話する、といった運用に戻ってしまいます。
ここを防ぐには、以下のような接続設計が欠かせません。
顧客ランク分けからMA/SFAとの連携までの考え方は、BtoB顧客ランク分けのMA連携設計で全体像をまとめています。
上位デシル向けの「LTV最大化ナーチャリング」
デシル1〜3といった上位層には、新機能の先行案内や限定セミナーへの招待、担当営業へのフォロー依頼を自動で通知するなど、ロイヤリティ向上を狙った施策を重点的に設計します。
中位のデシル4〜7はアップセル・クロスセルに向けた提案、デシル8〜10といった下位層には、業界トレンドやホワイトペーパーといった情報提供を中心とした関係維持施策を設計するといったイメージです。
上位層のLTV(顧客生涯価値)を高める施策を考える際には、LTV/CAC比(顧客獲得コストとのバランス)も欠かせません。
詳しくは、BtoBのLTV/CAC比率の考え方で計算方法とあわせて解説しています。
スコアリングにデシルランクを組み込む
弊社では、Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialistの資格保有者を中心に、MAのスコアリング設計にデシルランクを組み込む支援も行ってきました。
たとえば、上位デシルに該当する企業の業種や従業員規模、導入している製品と似た属性を持つ新規リードに対して、初期スコアを加点する設計にすることで、「将来の上位顧客候補」を早い段階で見つけやすくなります。
SFA連携とマーケ/営業間のSLA設計
デシルランクをSFAの顧客情報に連携し、営業担当者が「この顧客は現時点でデシル何位なのか」をすぐに確認できる状態にしておくことも重要です。
あわせて、「中位デシルの顧客が上位プランの料金ページを3回以上閲覧したら営業にトスアップする」といったルールをSLA(マーケと営業の引き継ぎルール)として合意し、明文化します。
弊社の支援先では、このようなSLAを事前に決めておくことで、営業が優先的にアプローチすべき顧客が変わり、商談創出の精度が上がったケースもあります。
デシル分析を継続的に機能させるためのPDCA
デシル分析のPDCA設計とは、一度分析して終わりではなく、定期的に見直しながらトレンドを追っていくための運用の枠組みです。
ここでは「四半期または半期ごとの定期実施」「デシル間の顧客の移動の追跡」「移動パターンに基づく施策効果の検証」という3つの観点で整理します。
顧客の受注金額は時間とともに変動します。
ある時点のスナップショットだけを見ていては、意思決定の精度を保つことが難しくなります。
そこで、定期的に分析し直して変化を追うための運用設計が必要になります。
見直しの頻度と更新のタイミング
弊社の支援では、四半期に1回、あるいは半期に1回のペースでデシル分析を行うケースが多くあります。
これも統計的に決められた基準ではなく、あくまで弊社の推奨です。
BtoBでは取引サイクルが長いため、月次で分析しても変化が小さく、示唆が得にくいことが多いためです。
加えて、大型案件の受注や契約更新のタイミング前後で臨時に見直しを行うと、より精度の高い判断がしやすくなります。
支援事例:分析を形骸化させない運用の仕組み
ある支援先企業では、四半期ごとにデシル分析を実施し、「前の四半期からデシル5からデシル3に上昇した顧客」をリストアップして共通点を分析する運用を取り入れました。
この運用によって、「どの施策が顧客のデシルランクの上昇に効いているのか」を検証しやすくなり、マーケティング予算の配分も感覚ではなく数値に基づいて議論できるようになりました。
Tableauなどの可視化ツールでダッシュボードを用意しておくと、こうした運用を現場に根付かせやすくなります。
デシル分析とRFM・スコアリングの連携
役割分担としては、「デシル分析で顧客全体の構造を把握する」「RFM分析で現在の動きを捉える」「スコアリングで行動データを定量化する」というイメージです。
弊社が推奨しているのは、デシル分析で特定した上位顧客の属性をスコアリングの属性スコアに反映し、そのうえでRFM分析を使って「今アプローチすべき上位層」を抽出するという三層構造の設計です。
まとめ|デシル分析は「実行」より「施策化」が肝
ここまで、デシル分析の基本的な定義から、BtoB向けのExcelでの進め方、RFMなど他手法との違い、MA連携やPDCAまでの流れを紹介してきました。
改めて押さえておきたいのは、デシル分析は単に「顧客を10等分する分析」ではなく、「売上にどの顧客がどれだけ貢献しているか」を可視化し、リソース配分の判断を助けるための手段だという点です。
BtoBで活用する際には、「購入金額」をSaaSであればARR、プロジェクト型であれば累計受注金額といった具合に、自社の事業モデルに合わせて定義し直すことがポイントになります。
実際に、指標の定義を変えただけで上位デシルの顔ぶれが大きく入れ替わり、営業が優先すべき顧客が変わったケースもあります。
さらに、分析結果をMAのナーチャリングシナリオやスコアリング、SFAの顧客データ、部門横断のSLAにまでつなげることで、デシル分析の価値は最大化されます。
デシル分析そのものだけで意思決定を行うのではなく、RFM分析やLTV分析と組み合わせて活用することで、商談化率の向上につながりやすくなります。
弊社では、KGIから逆算したKPI設計や、統計的な手法に基づくスコアリング設計、MAシナリオ・SLA構築までを、これまで80社以上のBtoBマーケティング案件でご支援してきました。
「分析はしているのに、なかなか成果につながらない」とお感じの場合は、設計段階からご一緒することで、施策につながる形に再設計していくことができます。
FAQ:デシル分析についてよくある質問
デシル分析とRFM分析の違いは何ですか?
デシル分析は、受注金額という1つの指標だけで顧客を10等分する静的な分析手法です。
一方でRFM分析は、最新取引日・取引頻度・取引金額の3つを組み合わせて、現在の動きも含めて顧客を評価します。
デシル分析だけだと、過去に大口取引があった顧客と、今も継続的に取引している顧客が同じグループに混ざってしまうため、実際のアプローチ判断にはRFM分析とセットで使う運用が安心です。
ABC分析とデシル分析の違いは何ですか?
ABC分析は、売上構成比に基づいて商品をA・B・Cの3ランクに分ける、大づかみな優先度判断のための手法です。
デシル分析は、顧客を10等分することで、より細かい粒度で売上貢献度を見ていきます。
弊社の支援経験では、BtoBの顧客分析においては、10分割の方が営業現場とのコミュニケーションに使いやすいと感じる場面が多く、まずデシル分析から始めるケースがよくあります。
マーケティングにおけるデシル分析とは何ですか?
マーケティングにおけるデシル分析は、顧客を受注金額の高い順に10グループに分けて売上貢献度を可視化し、上位顧客への集中投下やリソース配分の判断材料とするための手法です。
BtoBでは、分析結果をMAのナーチャリングシナリオやスコアリングに反映させることで、具体的な施策として機能するようになります。
データ分析の4タイプの中で、デシル分析はどこに位置づきますか?
データ分析は一般的に、「記述的分析」「診断的分析」「予測的分析」「処方的分析」の4つに分類されます。
デシル分析は、このうち現状を整理するための記述的分析に当たります。
記述的分析だけでは「なぜその構造になっているのか」までは見えてこないため、診断的・予測的な分析と組み合わせていくことで、初めて施策設計に活かせるようになります。
顧客数が少ないBtoBでもデシル分析は使えますか?
弊社の経験では、取引顧客数が30社に満たない場合、デシル分析から得られる示唆は限定的になることが多いと感じています。
1グループあたりの顧客数が少なすぎると、グループごとの傾向が読み取りづらくなるためです。
目安として30社以上いる場合にデシル分析をおすすめしており、それ未満の場合は、業種や規模などの属性別セグメンテーションや、個別のLTV分析を先に行うことが多くあります。
デシル分析を行っているのに、営業の動きが変わりません。なぜでしょうか?
多くの場合、分析結果がMAやSFAのデータに反映されていないことや、マーケティングと営業の間でSLA(引き継ぎルール)が決まっていないことが原因になっています。
弊社の支援では、デシルランクをSFAの顧客情報に連携し、中位デシルの顧客が特定の行動(例:上位プランの料金ページを複数回閲覧)をとったタイミングで、営業に自動通知が飛ぶようなSLAを設計したことで、営業の優先アプローチ先が変わった事例があります。
「やっているのに成果が出ない」状態から抜け出すために
施策を続けているのに商談が増えない、リードの質が上がらない。 こうした課題の多くは、戦略と施策のつながりが設計されていないことが原因です。 Sells upは現状の分析と改善の優先順位整理から支援します。
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