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Account Engagementのランディングページ作成ガイド|設定手順からコンバージョン最適化までを解説

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目次

Account Engagementのランディングページ作成ガイド|設定手順からコンバージョン最適化までを解説

Account Engagement(旧Pardot)は、BtoBマーケティングにおいてリード獲得からナーチャリング、商談化までを一気通貫で支援するMA(マーケティングオートメーション)ツールです。その中でも「ランディングページ(LP)」機能は、ウェビナー集客やホワイトペーパーのダウンロードなど、リードジェネレーション施策の成果を直接左右する、重要な接点となります。

しかし、いざランディングページを作成しようとすると、「設定項目が多くて何から手をつければ良いかわからない」「フォームの設定方法は?」「ただ作るだけでなく、どうすればコンバージョン率が上がるのか?」といった疑問や不安を感じるマーケティング担当者の方も多いのではないでしょうか。

本記事では、Account Engagementで成果につながるランディングページを効率的かつ正確に作成するための具体的な手順を解説します。さらに、コンバージョン率を最大化するための最適化ポイントや、作成後の運用戦略についても、BtoBマーケティング支援の専門的な視点から徹底的に掘り下げていきます。

Account Engagementのランディングページ機能とは?BtoBマーケティングにおける役割

Account Engagementのランディングページ機能は、単なるWebページ作成ツールではありません。BtoBマーケティング施策全体の効果を高めるための戦略的な役割を担っています。

ランディングページ機能の概要と主な特徴

Account Engagementのランディングページ機能は、HTMLやCSSといったコーディングの専門知識がなくても、ノーコードでフォーム付きのWebページを作成し、公開できる仕組みです。主な特徴は以下の通りです。

  • フォームの埋め込みや、画像・テキストの編集が直感的にできる

  • Salesforceとの標準連携により、獲得したリード情報が自動でCRMに反映される

  • テンプレートを活用することで、ブランドイメージを保ちながらデザインの統一が図れる

  • ページごとの成果指標(PV、コンバージョン数、獲得したプロスペクト情報など)がリアルタイムで可視化される

この機能により、外部の制作会社に依頼することなく、マーケティング担当者が自ら迅速にランディングページを作成し、施策ごとの効果検証をスピーディに行うことが可能です。

なぜAccount Engagementで作成するのか?3つのメリット

CMSや他のツールではなく、Account Engagementでランディングページを作成することには、MAならではの明確なメリットがあります。

メリット1:プロスペクト活動の正確な追跡とナーチャリングへの活用

Account Engagementで作成したランディングページでは、フォーム送信はもちろん、ページ閲覧といったプロスペクトのオンライン行動がすべて記録(アクティビティ履歴として蓄積)されます。これにより、リードごとの接触履歴や関心度を正確に可視化し、スコアリングやその後のナーチャリング施策(例:関心度の高いリードへのアプローチ)に活用できます。

メリット2:Salesforceとのシームレスなデータ連携と営業連携の効率化

ランディングページ経由で取得したリード情報は、自動的にSalesforceのリードまたは取引先責任者として同期されます。これにより、営業部門への迅速な情報連携や、リードの重複登録防止、獲得から案件化へのスムーズなパスが実現します。どのランディングページ経由で獲得したかという情報も引き継がれるため、営業担当者はコンタクトの背景を理解した上でアプローチできます。

メリット3:マーケティング施策の一元管理と効果測定の精度向上

メール配信、Web広告、セミナーなど、複数のチャネルを横断した施策に紐づけてランディングページを作成し、その成果をAccount Engagement上で一元的に管理できます。どの施策がどれだけのリード獲得に貢献したのかを正確に比較・分析し、マーケティング予算配分の最適化や次のアクションの判断材料とすることができます。

「クラシック」と「拡張(Lightning)ビルダー」2つの作成方法の違いと選択基準

Account Engagementのランディングページには、現在「クラシックビルダー」と「拡張ビルダー(Lightning ランディングページビルダー、またはEnhanced Landing Page Builderとも呼ばれます)」の2種類の作成方法が存在します。

  • クラシックビルダー:従来型のエディタです。あらかじめ用意されたレイアウトテンプレートを選択し、決められた領域のテキストや画像を編集する方式です。細かいHTML/CSSのカスタマイズが可能ですが、直感的な操作性やレスポンシブ対応(スマートフォン対応)の面で課題があります。

  • 拡張ビルダー:ドラッグ&ドロップ式の最新エディタです。SalesforceのLightning Experienceの操作感に基づき、複数のコンポーネント(テキストブロック、画像、ボタン、フォームなど)を自由かつ直感的に配置できます。レスポンシブ対応も容易で、コーディング知識がなくてもデザイン性の高いページを作成できます。

どちらを選ぶかは、作成するページの目的や貴社の運用体制によって異なります。

【Sells upの視点】どちらのビルダーを選択すべきか?目的別の使い分けと推奨

現在、Salesforceは「拡張ビルダー」の開発に注力しており、今後の主流はこちらになると考えられます。HTML/CSSの知識がない担当者でも容易に操作でき、レスポンシブ対応も容易なため、特別な理由がない限り、基本的には「拡張ビルダー」の利用を推奨します。

  • 拡張ビルダーが適しているケース

    • 短期間で複数のランディングページを量産したい場合

    • ノンデザイナーやマーケティング担当者自身が運用する場合

    • スマートフォンでの閲覧を重視する場合

  • クラシックビルダーが適しているケース

    • 過去に作成したクラシックビルダーのテンプレート資産をそのまま流用したい場合

    • ピクセル単位での細かいレイアウト調整や、独自のHTML要素・スクリプトを複雑に組み込みたい場合

貴社の運用リソースやページの目的を踏まえ、最適なビルダーを選択してください。なお、本記事では、今後の主流であり、ノンデザイナーにも扱いやすい「拡張ビルダー」を前提に作成手順を解説します。

成果を左右するランディングページ作成「前」の準備【重要】

ランディングページの成果は、Account Engagementの管理画面を開く前の「準備段階」で大半が決まると言っても過言ではありません。準備不足のまま作成に着手すると、訴求軸がぶれたり、運用が煩雑になったりする原因となります。以下の3つのステップで情報を整理することが、成果につながるページ作成の解決策となります。

Step.1:目的(コンバージョン)とターゲットペルソナの明確化

まず、そのランディングページで達成したいゴール(目的)を明確に設定します。BtoBマーケティングにおいては、以下のような目的が考えられます。

  • ウェビナー、セミナーへの申込獲得

  • ホワイトペーパー、事例集のダウンロード

  • 製品デモ、無料トライアルの依頼

その上で、「誰に」向けたページなのか、ターゲットとなるペルソナ(部門、役職、抱えている課題、情報収集の段階)を具体的にイメージしましょう。目的とターゲットが明確になることで、ページ全体のメッセージやデザインの方向性が定まります。

Step.2:ターゲットに響く魅力的なオファー(コンテンツ)の設計

ターゲットが自身の情報(会社名やメールアドレス)を提供してでも「申し込む価値がある」と感じる、魅力的なオファーを用意します。単なる製品紹介ではなく、ターゲットの課題解決に直結するコンテンツが有効です。

例:独自調査レポート、業界特化型のノウハウ集、導入事例集、参加者限定の特典付きウェビナーなど

BtoBにおいては、特に「信頼性」と「専門性」を感じさせるオファー設計がコンバージョン率に大きく影響します。

Step.3:運用を見据えた命名規則とキャンペーン設計

施策を実施するたびにランディングページやフォームは増えていきます。後から管理画面上で目的のアセットを探しやすくし、レポート分析を容易にするために、「命名規則(名前の付け方のルール)」を統一しておくことが非常に重要です。また、どのSalesforceキャンペーンと紐付けるかも事前に決定しておきましょう。

【Sells upの視点】多数の施策を管理するための命名規則ベストプラクティス

命名規則は、一度決めたら組織全体で徹底することが重要です。Sells upでは、以下のような要素を組み合わせた命名規則を推奨しています。

[日付]_[施策種別]_[コンテンツ内容/テーマ]

例(ランディングページ名):20251010_WP_MA選定ガイド

例(フォーム名):20251010_Form_MA選定ガイドDL用

このようにルール化することで、特定期間の施策一覧を確認したり、施策種別ごとの成果を比較したりすることが容易になります。また、フォルダ分けのルールも併せて決めておくと、さらに管理効率が高まります。作成前に命名規則を定めることで、長期的な運用負荷を大きく軽減できます。

【図解】Account Engagementランディングページの具体的な作成手順(拡張ビルダー編)

ここからは、Account Engagementでランディングページを作成する具体的な手順をステップごとに解説します。前述の通り、ここでは「拡張ビルダー」を使用する前提で進めます。

※拡張ビルダーを利用するには、事前にSalesforceおよびAccount Engagement側での設定(接続アプリケーションの設定、権限セットの割り当てなど)が必要です。設定がまだの場合は、システム管理者にご確認ください。

Step.1:土台となる「フォーム」の作成と最適化

ランディングページの核となるのは「フォーム」です。まずはコンバージョンを獲得するためのフォームを作成します。(※Account Engagementには「フォーム」と「フォームハンドラー」がありますが、ここでは標準の「フォーム」の手順を解説します。)

基本情報の設定(名前、フォルダ、キャンペーン)

  1. Account Engagementの「コンテンツ」メニューから「フォーム」を選択します。

  2. 「+フォームを追加」をクリックし、新規作成を開始します。

  3. 「名前」には、事前に決めた命名規則に従って入力します。(例:20251010_Form_MA選定ガイドDL用)

  4. 「フォルダ」と「キャンペーン」を選択し、紐付けを行います。キャンペーンは、このフォーム経由で獲得したプロスペクトの「ソース(流入元)」として記録されます。

項目(フィールド)の設計とプログレッシブプロファイリングの設定方法

次に、フォームで取得する項目を設定します。「項目」タブで「+項目を追加」をクリックし、追加したいプロスペクト項目(氏名、会社名、役職、メールアドレスなど)を選択します。

【Sells upの視点】フォームの項目数はコンバージョン率に直結する。BtoBにおける最適解とは?

「BtoBだから多くの情報が必要」と考えがちですが、フォーム項目が多すぎるとコンバージョン率が大きく低下する傾向があります。これはBtoBでも例外ではありません。

Sells upでは、最初のステップ(リード獲得段階)では「会社名」「氏名」「メールアドレス」など、最低限必要な3〜5項目程度に絞ることを推奨しています。役職や課題感といった追加情報は、商談化のプロセスや、次に解説する「プログレッシブプロファイリング」を活用して後から取得する設計が有効です。

プログレッシブプロファイリングの設定
この機能を使うと、2回目以降に訪問したプロスペクトに対し、過去に取得していない情報のみを段階的に表示・取得することができます。これにより、初回訪問時の入力負荷を下げつつ、徐々にリード情報をリッチ化できます。

設定は、各項目の詳細設定画面にある「プログレッシブ」タブで行います。「この項目が以前表示されている場合にのみ表示」にチェックを入れることで設定できます。

デザインとレイアウトの選択

「デザイン」タブで、フォーム全体のデザイン(フォント、色、ボタンのスタイルなど)を設定します。標準のレイアウトテンプレートを使用するか、独自に作成したテンプレートを選択できます。送信ボタンの文言も、「送信」ではなく「資料を無料でダウンロードする」のように具体的にしましょう。

完了アクションの戦略的設定(※重要)

「完了」タブでは、フォーム送信後の挙動を設定します。ここはリードナーチャリングや営業連携の起点となるため、非常に重要です。

  1. お礼メッセージ/お礼ページ:フォーム送信直後に表示されるサンクスメッセージの内容を編集します。または、別途作成したサンクスページ(お礼ページ)へリダイレクトさせることも可能です。

  2. 完了アクション:フォームを送信したプロスペクトに対して自動的に実行するアクションを設定します。

    • 自動応答メールを送信(サンクスメール)

    • リストに追加(例:資料DL者リスト)

    • ユーザーに割り当て(営業担当へのリードパス)

    • ユーザーに通知(営業担当への通知メール)

    • Engagement Studioプログラムに追加

施策の目的に応じて、これらのアクションを組み合わせ、コンバージョン後の最適なフォロー体制を設計します。

設定が完了したら、「確認して保存」でフォームを保存します。

Step.2:ランディングページの新規作成と基本設定

次に、ランディングページ本体を作成します。

  1. Account Engagementの「コンテンツ」メニューから「ランディングページ」を選択します。

  2. 「新規」ボタンをクリックします。(※ここで表示されるのが拡張ビルダーの画面です。)

  3. ランディングページの名前(命名規則に従う)を入力し、「保存」します。

プロパティ設定の詳細(タイトル、バニティURL、トラッカードメイン)

ランディングページの詳細画面が開いたら、右側のサイドバーにある歯車アイコン(設定)から、以下の重要なプロパティを設定します。

  • タイトル:ブラウザのタブに表示されるページタイトルです。SEOの観点からも、訴求内容がわかるタイトルを設定しましょう。

  • キャンペーン:このランディングページを紐付けるキャンペーンを選択します。

  • トラッカードメイン:ランディングページのURLに使用するドメインを選択します。(事前に設定が必要です)

  • バニティURL:URLの末尾を任意の文字列に変更できます。(例:www.example.com/ma-guide)短く、分かりやすいURLが推奨されます。

  • 非表示設定:検索エンジンにインデックスさせたくない場合は「検索エンジンインデックスからランディングページを非表示」にチェックを入れます。

Step.3:拡張ビルダーによるコンテンツ編集とデザイン

いよいよページの内容を編集します。「アクション」メニューから「ビルダーで編集」を選択すると、拡張ビルダーのエディタ画面が起動します。

コンポーネント(行、テキスト、画像、フォーム)の配置と設定

拡張ビルダーでは、左側の「コンポーネント」パネルから必要な要素をドラッグ&ドロップで配置していきます。

  1. 行(Row):まず「行」を配置し、レイアウトの骨格(1カラム、2カラムなど)を決めます。

  2. テキスト/画像:行の中に「テキスト」や「画像」コンポーネントを配置し、コピーやビジュアルを入力・設定します。

  3. フォーム:「フォーム」コンポーネントを配置し、Step.1で作成したフォームを選択します。フォームのデザイン(背景色や余白)もここで微調整できます。

  4. ボタン:CTAボタンを設置する場合に使用します。

各コンポーネントを選択すると、右側のパネルで詳細なスタイル(文字サイズ、色、配置、余白など)を設定できます。

レスポンシブデザインの設定とプレビュー

拡張ビルダーは標準でレスポンシブ対応していますが、意図した表示になっているか確認が必要です。エディタ上部のデバイスアイコン(デスクトップ、タブレット、モバイル)をクリックすることで、各デバイスでの表示プレビューを確認できます。必要に応じて、デバイスごとに表示・非表示や余白の設定を調整します。

編集が完了したら、右上の「保存」をクリックします。

Step.4:最終確認と公開設定

すべての設定が完了したら、公開前の最終確認を行います。

  1. ランディングページの詳細画面に戻ります。

  2. 「アクション」メニューの「プレビュー」で、実際の表示を確認します。リンク切れや表示崩れがないか、必ずチェックしましょう。

  3. 問題がなければ、詳細画面右上の「公開」ボタンをクリックします。これでランディングページがインターネット上に公開され、アクセス可能になります。

【Sells upの視点】公開前に確認すべきチェックリストとよくある設定ミス

ランディングページの公開は緊張する瞬間ですが、設定ミスがあると機会損失に直結します。以下の点は特に注意深く確認してください。

  • フォームの完了アクションは正しく設定されているか?
    サンクスメールは飛ぶか?営業担当への通知は設定されているか?

  • バニティURLは意図した文字列になっているか?
    公開後に変更するとリンク切れの原因になります

  • キャンペーンは正しく紐付いているか?
    誤ったキャンペーンに紐付けると、効果測定が不正確になります

  • スマートフォンでの表示は最適化されているか?
    特にファーストビューとフォーム周辺の視認性

必ず自分以外のメンバーにもダブルチェックを依頼し、実際にフォームからテスト送信を行って、データが正しく記録されることを確認してから公開することをおすすめします。

成果を最大化する!コンバージョン率(CVR)を高める5つの最適化ポイント

ランディングページは「作って終わり」ではありません。BtoBマーケティングにおける成果を最大化するには、公開後もコンバージョン率(CVR)を高めるための最適化が不可欠です。ここでは、Account Engagement運用現場で有効な5つの最適化ポイントを紹介します。

ポイント1:ファーストビューで決まる!ターゲットの課題を解決するコピー設計

ランディングページの成果は、訪問者が最初に目にする「ファーストビュー(スクロールせずに見える範囲)」で大きく左右されます。ターゲットが抱える課題や悩みを明確に言語化し、このページで得られるメリット(課題の解決策)を端的に提示するコピーを設計します。

BtoBの現場では、「なぜこの資料が今必要なのか」「このウェビナーに参加することで具体的に何が得られるのか」を明確に伝えることが、意思決定のスピードを左右します。抽象的な表現は避け、具体的な数字や実績を盛り込むことも効果的です。

ポイント2:入力負荷を劇的に下げるフォームの最適化(EFO)

フォームはコンバージョンへの最後のハードルです。入力項目が必要以上に多いと、途中離脱が大幅に増加します。EFO(Entry Form Optimization:入力フォーム最適化)の観点から、ストレスなく入力できる設計を目指しましょう。

  • 入力項目を最小限に絞る(推奨3〜5項目程度)

  • プログレッシブプロファイリングを活用し、段階的に情報を取得する

  • 入力補助機能(例:郵便番号からの住所自動入力)を活用する(※標準機能では制限がある場合があります)

  • CTAボタンの文言を具体的にし、クリックするメリットを明確にする

ポイント3:【MAならでは】動的コンテンツによる1to1のパーソナライズ活用

Account Engagementの「動的コンテンツ」機能を活用することで、閲覧者の属性や過去の行動履歴に応じて、ランディングページの一部(テキストや画像)の表示内容を出し分けることができます。これはMAツールならではの高度な最適化手法です。

例えば、以下のようなパーソナライズが可能です。

  • 「業種」が製造業のプロスペクトには、製造業向けの事例を表示する

  • 「状況」が既存顧客のプロスペクトには、アップセル・クロスセルを目的とした案内を表示する

  • 初回訪問者には、会社概要や主要な実績を表示する

1to1のパーソナライズは、プロスペクトの関心を引き付け、コンバージョン率向上に直結します。

ポイント4:信頼性を高めるデザインと情報配置(事例、実績データ)

BtoB商材の選定においては、「信頼性」が非常に重要な判断基準となります。ランディングページのデザインや情報配置においても、信頼感を醸成する工夫が必要です。

  • 導入企業のロゴや、具体的な顧客の声(導入事例)を掲載する

  • 第三者機関による評価や、実績データ(満足度、導入社数など)を客観的な事実として提示する

  • 過度に派手な装飾は避け、誠実でプロフェッショナルな印象を与えるデザインを心がける

視線の流れ(Z型、F型)を意識し、重要な情報やCTAが自然と目に入るように配置しましょう。

ポイント5:A/Bテストによるデータに基づいた継続的な改善

一度作成したランディングページが最初から完璧であることは稀です。メインコピー、CTAボタンの文言、デザイン、フォーム項目などをA/Bテストし、データに基づいて継続的に改善していくことが重要です。

Account Engagementでは、複数バージョンのページやフォームを作成し、どちらがより高い成果を上げるかを比較検証することができます。(※厳密な自動A/Bテスト機能はプランによりますが、手動でページを複製し、期間を区切って成果を比較することも可能です)

【Sells upの視点】BtoBマーケティングにおけるA/Bテストの勘所:少ないデータで傾向を掴む方法

BtoB領域では、BtoCのように短期間で大量のトラフィックやコンバージョンデータが集まらないケースが多くあります。そのため、A/Bテストは「一度に大きな要素を変える」ことがポイントです。

細かいデザインの違い(例:ボタンの色の濃淡)よりも、以下のようなインパクトの大きい要素から検証を始めることで、少ないサンプル数でも傾向を把握しやすくなります。

  • ファーストビューのメインコピー(訴求軸を大きく変える)

  • フォームの項目数(例:8項目 vs 4項目)

  • メインビジュアルの画像

また、数値データだけでなく、営業担当や実際の顧客からの定性的なフィードバックも重要な改善のヒントとなります。データと現場の声の両方を活用しながら、継続的な改善サイクルを回してください。

作成「後」の運用と効果測定:ランディングページを「育てる」方法

ランディングページは公開してからが本番です。効果測定とナーチャリング設計の観点から、公開後の運用で押さえておくべきポイントを解説します。

ランディングページレポートで確認すべき主要指標と分析の視点

Account Engagementでは、「レポート」>「マーケティングアセット」>「ランディングページ」から、ページごとのパフォーマンスを確認できます。確認すべき主要指標は以下の通りです。

  • 合計ビュー/ユニークビュー:ページが閲覧された回数

  • コンバージョン数:フォーム送信が完了した数

  • コンバージョン率(CVR):ビューに対するコンバージョンの割合

  • 獲得したプロスペクトの属性:新規か既存か、業種、役職など

これらの指標を週次・月次でモニタリングし、以下のような視点で分析を行います。

  • 流入元(広告、メール、自然検索など)ごとの成果はどうか?

  • 目標としていたCVRと比較してどうか?

  • CVRが低い場合、要因は何か?(コピーに問題はないか?フォーム項目が多すぎないか?)

特にCVRが低い場合は、前述の最適化ポイントを参考に、改善施策を立案・実行します。

完了アクションを活用したコンバージョン後の体験設計と自動化

Step.1で設定した「完了アクション」は、コンバージョン後の顧客体験を設計し、マーケティング活動を自動化する上で非常に重要です。

  • サンクスメールの自動送信:資料請求や申込のお礼を即座に伝えることで、顧客満足度を高めます。

  • 営業担当へのリード割り当てと通知:スピーディな初期対応を実現し、案件化率向上につなげます。

  • Salesforceへの即時データ連携:リード情報を正確かつ迅速に営業部門へ引き渡します。

これらの自動化により、リード対応のスピードと質を高めることが可能です。

Engagement Studioとの連携によるリードナーチャリングの高度化

獲得したリードは、そのまま放置せず、Engagement Studio(シナリオ作成機能)と連携して、中長期的なナーチャリング施策に組み込みましょう。

例えば、資料ダウンロード後に、自動で以下のようなフォローアップを段階的に配信するシナリオを設計します。

  1. ダウンロード直後:サンクスメール送信

  2. 3日後:関連する事例紹介メールを送信

  3. 7日後:関連テーマのウェビナー案内メールを送信

  4. メール開封やリンククリックに応じて、スコアを加算し、インサイドセールスへ通知

このように、リードの温度感や行動に応じて最適なコンテンツを提供することで、商談化率を高めていくことができます。

【Sells upの視点】ランディングページはナーチャリングシナリオの「入口」。獲得後の体験設計が重要

検討期間が長いBtoB商材において、ランディングページは単なる「リード獲得」の手段ではありません。むしろ、「ナーチャリングシナリオのスタート地点」として非常に重要な役割を担います。

フォーム送信はゴールではなく、始まりです。その後の顧客体験(どのようなメールが届き、どのような情報提供を受け、いつ営業から連絡が来るのか)までを見据えた運用設計が、最終的な成果(商談化・受注)を左右します。Engagement Studioとの連携を前提としたランディングページ運用を強く推奨します。

トラブルシューティング:よくある質問と解決策(FAQ)

Account Engagementでランディングページを作成・運用する際によくある質問とその解決策をまとめました。

Q. 拡張ビルダーでプレビュー画面にフォームが表示されません。

解決策:いくつかの原因が考えられます。

  1. フォームコンポーネントが正しく配置されていない可能性があります。エディタ画面でフォームが意図した場所に配置され、正しいフォームが選択されているか確認してください。

  2. 選択したフォーム自体が保存されていない、またはエラーが発生している可能性があります。フォームの設定画面を確認してください。

  3. ビルダーのキャッシュが影響している場合があります。一度ビルダーを閉じて再度開くか、ブラウザのキャッシュをクリアして試してください。

Q. 設定したバニティURLにアクセスできません(404エラーになります)。

解決策

  1. ランディングページが「公開」ステータスになっているか確認してください。「下書き」の状態ではアクセスできません。

  2. バニティURLに使用している独自ドメイン(トラッカードメイン)が正しく設定・検証(Validate)されている必要があります。システム管理者に設定状況を確認してください。

  3. 設定変更後、反映まで数分かかる場合があります。少し時間をおいてから再度アクセスを試してください。

Q. スマートフォンで表示が崩れてしまいます。

解決策

  • 拡張ビルダーの場合:基本的にはレスポンシブ対応ですが、コンポーネントの設定(特に余白や文字サイズ)によっては表示が崩れることがあります。エディタのモバイルプレビュー機能を使用し、デバイスごとに最適な設定に調整してください。

  • クラシックビルダーの場合:使用している標準テンプレートがレスポンシブ非対応の可能性があります。レスポンシブ対応テンプレートを利用するか、CSSでのモバイル最適化を追加する必要があります。

Q. フォーム送信後、Salesforceにリードが作成されません。

解決策:完了アクションで「ユーザーに割り当て」(担当者の割り当て)が設定されているかを確認してください。Account Engagementでは、担当者が割り当てられていないプロスペクトは、基本的にSalesforceと同期されません(コネクター設定によります)。また、Salesforce側での入力規則や重複ルールに抵触していないかも確認が必要です。同期エラーは、コネクター設定画面のエラーキューで確認できます。

まとめ:成果につながるランディングページ運用を目指して

Account Engagementのランディングページ機能は、BtoBマーケティングのリード獲得・ナーチャリング基盤を強化する重要な仕組みです。本記事で解説したように、成果を出すためには、単に作成手順を覚えるだけでは不十分です。

  1. 作成前の目的整理と戦略設計(ターゲット、オファー、命名規則)

  2. コンバージョン率を意識したフォーム設計とコピーライティング

  3. 公開後のデータに基づいた最適化(A/Bテスト)と効果測定

  4. 獲得したリードをナーチャリングへ繋げる運用設計(完了アクション、Engagement Studio連携)

これら一連のプロセスを戦略的に実行することが、成果につながります。

Sells upでは、貴社の課題や運用体制に合わせた最適なAccount Engagement活用をご支援しています。ぜひ本ガイドを参考に、より高い成果を目指してください。

MAツールの導入・活用の相談はSells upへ。

MAツールの導入や、導入後の成果最大化に課題をお持ちでしたら、ぜひSells upにご相談ください。50社以上の導入・活用を支援してきた担当者が貴社の状況・目標に向き合い、最適なツールの導入プラン / 統計知識を用いた活用プラン描き、戦略策定から実装 / 実行 / 効果測定までをご支援いたします。

株式会社Sells up
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。BtoBマーケティングの戦略設計/KPI設計はもちろん、リードジェネレーション施策やナーチャリング、MA/SFA活用を支援し、業界/企業規模を問わずこれまでに約80社以上の支援実績を持つ。Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialist/Tableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。