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Account Engagementのメール配信設定|Salesforce認定資格者が手順・完了アクション・効果測定を解説

ツールの設定よりも、「何をどう設計するか」で成果が変わります

HubSpot・Account Engagement・Marketoに精通した担当者が、 ツールの設定支援だけでなく、リード育成シナリオやスコアリング設計まで一貫してサポートします。 まずは現状のツール活用状況をお聞かせください。

目次

Sells upはSalesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialist資格を保有し、80社以上のBtoBマーケティング支援の中でAccount Engagementのメール配信設定・シナリオ設計・SFA連携を実際に構築してきました。

株式会社SmartHRさまの支援では、メール文面を1〜2パターンから最終的に20〜30パターンまで拡充するなど、Account Engagementのトリガーメール設計・フォーム移行・Engagement Studio設定を一気通貫で対応し、1年間で問い合わせ数が約10倍になりました。

この記事では、Account Engagement(旧Pardot)のメール配信手順を、現場で実際に遭遇する落とし穴も含めて解説します。リストメールの基本設定から完了アクションによる自動化、効果測定とPDCAまで、一連の流れを網羅します。

Account Engagementのメール配信:全体像とリストメール・Engagement Studioの使い分け

Account Engagementにおけるメール配信の目的は「リードナーチャリングを通じた商談化」です。見込み顧客の属性や行動に合わせて内容を最適化し、長期的な関係構築と営業への質の高いリード引き渡しを実現します。

2つの配信方法の使い分け

配信方法特徴主な用途難易度
リストメール(List Email)特定のリストに指定日時に一斉送信定期メルマガ、新製品告知、セミナー案内★☆☆(初級)
Engagement Studio行動・属性に応じてシナリオ分岐・自動配信資料請求後のステップメール、休眠顧客の掘り起こし★★☆(中級)

まずリストメールで基本操作を習得し、Account Engagementに慣れた段階でEngagement Studioに移行するのがスムーズな流れです。ナーチャリングシナリオの設計についてはナーチャリングのよくある間違いと正しい設計の考え方も参照してください。

Sells upが推奨する段階的活用モデル

Account Engagementは全機能を一度に使いこなす必要はありません。Sells upの支援現場では以下の3段階での習熟を推奨しています。

  • Level.1:基本配信(リストメール):配信リストとテンプレートを作成し、定期的なメルマガを確実に配信できる状態
  • Level.2:限定的な自動化(完了アクション):開封・クリックに応じてスコア加算や営業通知を自動化。マーケティングと営業の連携が始まる
  • Level.3:シナリオナーチャリング(Engagement Studio):行動ベースの複雑なシナリオを設計・運用し、個別ニーズに合わせたアプローチを自動化

株式会社SmartHRさまの支援ではLevel.1の整備から始め、Level.2・3への段階的移行を実現しました。この順番を守ることが「途中で挫折しない」ための鍵です。Account Engagement導入・活用支援の詳細はAccount Engagement導入・活用支援サービス(Sells up)を参照してください。

メール配信前に確認すべき3つの設定

リストメールを送信する前に、以下の設定を必ず確認してください。これらはメールの到達率と効果測定に直接影響します。

Step.1:送信ドメイン認証(DKIM・SPF)

送信元メールアドレスのドメインが正当なものであることを証明し、迷惑メール判定を回避するための設定です。管理画面の「ドメイン管理」から設定状況を確認できます。DNSレコードの編集が必要なため、IT部門・システム管理者と連携して進めてください。

現場でよくある落とし穴:DKIM・SPFの設定が不完全なまま大量配信を行うと、一括してスパムフォルダに振り分けられます。Sells upの支援現場でも設定漏れによる到達率低下のケースを複数経験しています。配信開始前に必ず確認してください。

Step.2:トラッカードメインの設定

初期設定ではメール内リンクのURLがAccount Engagementのデフォルトドメイン(go.pardot.comなど)になります。自社独自ドメイン(例:go.yourcompany.co.jp)に変更することで、受信者に一貫したブランド体験を提供し、リンクのクリック率向上が期待できます。「ドメイン管理」からDNS設定変更が必要です。

Step.3:キャンペーンの設定

Account Engagementではあらゆるマーケティング活動を「キャンペーン」に紐づけて管理します。メール配信前に、施策の目的に合わせた名称(例:「2025年10月度メールマガジン」「新製品A発表告知」)でキャンペーンを作成してください。「Account Engagementキャンペーン」タブから作成できます。

リストメール配信の4ステップ

Step.1:配信リストの作成(誰に送るか)

「見込み客」→「セグメンテーションリスト」から新規作成します。リストには2種類あります。

スタティックリスト(静的リスト)

手動でプロスペクトを追加・削除する固定的なリストです。特定セミナー参加者・名刺交換リストなど、厳密に配信対象を管理したい場合に使います。更新に手作業が必要な点がデメリットです。

ダイナミックリスト(動的リスト)

設定した条件(ルール)に合致するプロスペクトが自動的に追加・除外されるリストです。継続的な運用における効率化の鍵です。

  • 活用例:「業種が製造業」「直近1ヶ月以内に資料請求した」「スコアが50点以上」など
  • Sells upの視点:ダイナミックリストは「セグメンテーション戦略をシステムに落とし込む基盤」です。見込み顧客の状態は日々変化します。資料請求直後の高関心状態と3ヶ月後の状態では送るべきメッセージが異なります。この状態変化を自動で捉えることがナーチャリングの精度向上につながります

セグメンテーションの設計についてはスコアリングを「感覚」から「データ」に変える:統計的スコアリング設計の考え方も参照してください。

Step.2:メールテンプレートの作成

「Account Engagementメール」→「テンプレート」から作成します。テンプレート活用でメール作成工数を削減し、ブランドイメージを統一できます。

変数タグ(HMLタグ)によるパーソナライズ

プロスペクトの氏名・会社名をメール本文や件名に自動挿入できます。一斉配信でもパーソナライズされた印象を与え、開封率・反応率の向上が期待できます。

  • {{Recipient.Company}} 御中
  • {{Recipient.FirstName}}様、こんにちは。

テンプレート作成時の3つの必須チェック

  1. HTMLメールとテキストメールの両方を用意する:受信者の環境によってはHTMLが表示できない場合があります。必ずマルチパート配信(HTML+テキスト)を設定してください
  2. レスポンシブデザインに対応する:スマートフォンでの表示崩れが起きにくい設計を採用してください
  3. 配信停止(オプトアウト)リンクの設置:{{Unsubscribe}}タグをフッターに必ず含めてください。法令遵守の観点からも必須です

Step.3:リストメールの作成とテスト送信

「Account Engagementメール」→「新規リストメール」を選択し、準備したキャンペーンとテンプレートを選択します。

送信者・件名設定のポイント

  • 送信者:「担当者名+会社名」が最も開封率が高い傾向があります。例:「株式会社○○ 山田太郎」。Sells upの支援現場では、送信者を「会社名のみ」から「担当者名あり」に変更するだけで開封率が5〜8%改善したケースがあります
  • 件名:開封率を左右する最重要要素です。「具体的な数字・メリット」「短い(40文字以内)」「変数タグで個人名を入れる」の3点を意識してください

テストリストを使った事前確認(誤配信防止)

配信前に社内確認メンバーだけの「テスト用リスト」を作成し、「テスト」タブからテストメールを送信します。以下を複数環境(PC・スマートフォン・各メールソフト)で確認してください。

  • デザインの表示崩れはないか
  • 変数タグが正しく反映されているか
  • リンク切れ・リンク先の誤りはないか
  • 誤字脱字はないか

Step.4:配信設定と送信(誤配信防止の最終チェック)

テスト送信で問題がなければ「送信」タブで配信対象リストと除外リストを指定します。

予約送信と即時送信の使い分け

  • 今すぐ送信:速報性の高い情報に。設定完了後すぐに配信開始
  • スケジュール設定(予約送信):ターゲットが確認しやすいタイミング(例:平日火〜木曜日の午前10時)に配信。通常はこちらを推奨

誤配信を防ぐ最終チェックリスト

  • ☐ 配信対象リストは正しいか(人数も確認)
  • ☐ 除外リストは正しく設定されているか(商談中・契約済みの顧客が含まれていないか)
  • ☐ 送信者名・返信先アドレスは適切か
  • ☐ 件名は最適化されているか
  • ☐ テスト送信で表示・動作確認は完了したか
  • ☐ 配信日時は正しいか(AM/PM・曜日・年を間違えていないか)

Sells upの現場より:初回配信時や重要な案内を送る際は、必ず複数名でのダブルチェック体制を構築してください。Sells upの支援でも誤配信防止のための確認フローの設計を導入時に必ず実施しています。

完了アクションによる自動化(Level.2への移行)

完了アクション(Completion Action)は、リストメールに対する受信者の行動をトリガーにして、指定した処理を自動実行する機能です。これがLevel.2「限定的な自動化」の核心です。リストメールの作成画面で設定できます。

トリガーとして設定できる行動

  • メールを開封
  • メール内のリンクをクリック(特定リンクの指定も可能)
  • 登録解除(配信停止)

代表的な完了アクション設定例

リード育成を加速させる設定

トリガーアクション目的
メールを開封スコアを1点加算関心度の可視化・MQL基準への蓄積
リンクをクリックスコアを5点加算開封より強い関心シグナルの記録
特定リンク(製品詳細ページ)をクリック「製品A関心層リスト」に追加次の施策の対象者として自動分類

スコアリングの設計方法についてはリードスコアリングとは?BtoB担当者が最初に理解すべき仕組み・設計・営業連携の全体像を参照してください。また統計的スコアリングの詳細については統計的スコアリング設計の考え方も参照してください。

営業連携を強化する設定

トリガーアクション目的
重要リンク(料金ページ・問い合わせページ)をクリック担当営業ユーザーに自動通知メールホットなリードへの迅速なアプローチ
リンクをクリック(Salesforce連携時)Salesforce上に「フォローコール依頼」ToDoを自動作成フォロー漏れの防止・営業の具体的アクション促進

SFA連携の設計についてはSalesforceとAccount Engagementのリードスコアリング設計を参照してください。

Sells upの視点:完了アクションは「マーケとセールスをつなぐ最初の仕組み」

完了アクションの設定は単なる作業の自動化ではありません。「マーケティングが捉えた見込み客の関心の高まり」をリアルタイムで「セールスのアクション」につなげる仕組みです。Sells upの支援現場でも、完了アクションによるスコア加算・リスト追加・営業通知を整備することで、マーケティングと営業の連携が具体的に動き始めるケースを多数経験しています。運用設計時には「どの反応があったら営業に動いてほしいか」を営業部門と事前にすり合わせることが成功の鍵です。


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配信結果の効果測定とPDCA

確認すべき主要指標

「Account Engagementレポート」→「リストメール」から確認できます。

指標意味BtoBの一般的な目安
到達率送信数のうち受信ボックスに届いた割合95%以上が目安
開封率届いたメールが開封された割合20〜30%が目安
クリック率(CTR)配信数のうちリンクをクリックした割合2〜5%が目安
CTOR(クリックスルー率)開封者のうちリンクをクリックした割合。コンテンツの質を測る10〜20%が目安
登録解除率配信停止を希望した割合0.5%以下が目安

重要:他社の平均値より、自社の過去実績と比較して「改善傾向にあるか」を重視してください。

指標別・具体的な改善アクション

開封率が低い場合

  • 件名の見直し:具体的な数字・メリットが伝わる表現か。Sells upの支援現場では「件名に数字を入れる」だけで開封率が3〜5%改善したケースがあります
  • 送信者名の見直し:担当者名を入れることで開封率が向上する傾向があります
  • 配信タイミングの見直し:BtoBでは火〜木曜日の午前10時前後が開封率が高い傾向があります

クリック率(CTR・CTOR)が低い場合

  • ファーストビューの見直し:メール冒頭で続きを読むメリットを提示できているか
  • コンテンツの見直し:ターゲットの関心・課題に合致した内容か。情報量は適切か
  • CTAの見直し:クリックを促すボタンやテキストリンクは明確か。位置・デザインは適切か

ナーチャリングの成果測定についてはナーチャリングの成果はどうやって測ればいいのか|指標の選び方と改善サイクルの回し方も参照してください。

A/Bテストの活用

件名やCTAで迷った場合はA/Bテスト機能を活用しましょう。2つのパターンを一部の受信者に送り、成果の良かったパターンを残りに自動配信する機能です。テスト例として「件名の表現を変えて開封率を比較」「CTAボタンの色・文言を変えてクリック率を比較」などが有効です。

よくある質問(FAQ)

Q. ファイルを添付してメールを送れますか?

直接添付する機能はありません。「コンテンツ」機能でファイルをアップロードし、生成されたダウンロードリンクをメール本文に記載する方法が一般的です。この方法では誰がファイルをダウンロードしたかを追跡でき、見込み顧客の関心度測定にも活用できます。

Q. 商談中・契約済み顧客への誤配信を防ぐには?

「除外リスト(Suppression List)」を活用してください。Salesforceと連携している場合は、商談ステージや取引先区分を条件にしたダイナミックリストを作成し、除外リストとして設定するのが効果的です。営業部門と除外対象の定義と運用ルールを明確にしておきましょう。

Q. HTMLメールが崩れてしまう場合の対策は?

複雑なレイアウトを避け、テスト送信時にOutlook・Gmail・スマートフォンなど複数の環境で表示を確認してください。必ずテキストメールも用意したマルチパート配信を設定することも重要です。

Q. Account Engagementのスコアリングはどう設計すべきですか?

メール開封・クリック・ページ閲覧などの行動ごとに点数を設定しますが、「主観的な点数付け」では精度が低くなります。過去の受注データを使って「受注につながった行動パターン」を統計的に特定してスコアリングに反映させる方法が最も精度が高くなります。詳細はAccount Engagementのスコアリングカテゴリ設定ガイドを参照してください。

まとめ:Account Engagementのメール配信を成果につなげる5つのポイント

  1. 準備の3設定(DKIM/SPF・トラッカードメイン・キャンペーン)を配信前に必ず確認する:設定不備は到達率に直結するため、運用開始前の確認が必須
  2. ダイナミックリストをセグメンテーション戦略の基盤として設計する:単なる効率化ではなく、顧客の状態変化を自動で捉える仕組みとして活用する
  3. テスト送信と最終チェックリストを徹底する:誤配信は信頼低下に直結。複数名でのダブルチェック体制を構築する
  4. 完了アクションで営業連携を仕組み化する:スコア加算・リスト追加・営業通知・Salesforceタスク作成を設定し、ホットなリードを逃さない体制を作る
  5. 指標を「診断」ではなく「次の打ち手を導く材料」として使う:開封率・CTR・CTORを分析し、件名・コンテンツ・CTAの改善アクションに落とし込む

まずはリストメール(Level.1)を確実に運用し、完了アクション(Level.2)→Engagement Studio(Level.3)へと段階的に活用を深めてください。Account Engagement活用の成功事例については以下も参照してください。


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ツールの設定よりも、「何をどう設計するか」で成果が変わります

HubSpot・Account Engagement・Marketoに精通した担当者が、 ツールの設定支援だけでなく、リード育成シナリオやスコアリング設計まで一貫してサポートします。 まずは現状のツール活用状況をお聞かせください。

株式会社Sells up
武田 大
株式会社AOKIにて接客業を、株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)にて法人営業を経験した後、株式会社ライトアップでBtoBマーケティングを担当。その後、デジタルマーケティングエージェンシーにてBtoBマーケティングの戦略設計/施策実行支援、インサイドセールスをはじめとしたセールスやカスタマーサクセスとの連携を通じたマーケティング施策への転換といった支援を行い、2023年に株式会社Sells upを設立。BtoBマーケティングの戦略設計/KPI設計はもちろん、リードジェネレーション施策やナーチャリング、MA/SFA活用を支援し、業界/企業規模を問わずこれまでに約80社以上の支援実績を持つ。Salesforce Certified Marketing Cloud Account Engagement Specialist/Tableau Desktop SpecialistのSalesforce認定資格を保有。